もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第二百二十四話α「新たなライダー何をしていたのか?」

 

「あらよっと!」

 

全身が白く赤いラインが特徴的な仮面ライダーが夜に煌めくビル群を駆け抜けていく。

目の前にはボロボロになったロイミュードがビルを飛びながら逃げ続けていた。

 

「逃がすかよ!」

白い仮面ライダーが銃を取り出すと二輪のミニバイクを装填する。

 

『ヒッサツ!!』

 

銃から音声がなるとエネルギーが収束していく。

その銃口を逃げ続けるロイミュードに向けると引き金を引いた。

 

 

『FULL THROTTLE』

 

「うわっ!ちょっ!?」

 

白い光弾が放たれるがその威力が高いのかバランスを崩した仮面ライダーの銃口がブレてしまい弾がロイミュードの左肩を吹き飛ばす。

その隙にロイミュードは夜の闇へと姿を消してしまった。

 

「あっ!?....チクショウ!逃げられたかぁ。」

白い仮面ライダーは悪態をつくとベルトからミニバイクを抜き取る。

 

『オツカーレ!』

 

独特なベルト音と共に変身が解除されるとそこから汗だくになりながら荒い呼吸をする青年が現れた。

 

「うっ、はぁはぁ....やっぱりまだキツいかぁ...」

そう言っていると彼の持っているスマホに着信があった。

画面を見ると"ハーレー博士"と表示されている。

青年は"うげっ!?"とした顔をしながらも電話に出る。

 

「もしもし...」

『ヘイ、バッドボーイ!!

また勝手に"マッハドライバー"を持ち出したな?』

 

「うっ!?」

『大方、ロイミュードが出たと言う情報を聞いたからだろ?

全く、"ライドマッハー"も勝手に持っていくなんて...』

 

「どうして分かったんだハーレー博士?」

『君は戦い方が派手すぎるんだ。

君が戦っている姿をゴシップ記者に撮られていたぞ?』

 

「えぇ....マジかぁ。

なるべく隠れてたんだけどなぁ。」

『ハァ...まぁ良い。

状況を説明してくれるか(ごう)ちゃん?』

 

剛と呼ばれた青年が詳しく説明を始める。

「やっぱり、ビルを爆破したのは蛮野の仕業だったよ。

あのビルは"スマートブレイン"が管理していた。

大方、自分を裏切った事への復讐だろうね。

被害はビルだけで中の人は全員救ったから安心して良いよ。」

『なら、まぁマシと言ったところか。

マッハドライバーについてはどうだ?』

 

「変身時間は段々と伸びてきてる。

今では10分ぐらいなら変身を続けてられるよ。

だけど、この"ゼンリンシューター"がなぁ....

"シグナルマッハ"を装填したフルスロットルを使おうとしたらエネルギーが強すぎてろくに狙えなかったよ。」

『そこは次の改良で何とかなるだろう。

....あぁ、そう言えばクリムから連絡があった。

日本で蛮野が起こしたテロは阻止できた様だぞ?』

 

「あぁ、良かった安心したよ。

まだ、俺はマッハを完璧に操れていないからな。」

『短期間の訓練で変身まで持ってこれたんだ十分優秀だよ剛ちゃん。』

 

「いいや、まだまだだ。

こんなレベルじゃ蛮野を倒すことなんて出来ない。」

『剛ちゃん.....気持ちは分かるが少し肩の力を抜いても良いんじゃないのか?』

 

詩島 剛(しじま ごう)、詩島 霧子の弟でありクリムの師匠であるハーレー博士が作り上げたドライブシステムを越えたネクストシステムを利用した"マッハドライバー炎"の変身適合者...."仮面ライダーマッハ"でもある。

 

 

彼は父親である蛮野の野望を止め彼を倒す為、ハーレーの元で仮面ライダーマッハになる訓練を行っていた。

しかし、ロイミュードがフロリダに現れたと言う話しを聞いて彼は師匠のいるオクラホマを離れてフロリダに無断で来ていたのだ。

 

全ては早く仮面ライダーとして戦う為に.....

 

『まぁ良いわい。

早くオクラホマに戻ってこい!

改良したくても物が無いと出来ん!』

「はは....OK博士。

マッハで戻るよ。」

 

『お説教も忘れてないからな剛ちゃん。

勝手にドライバーを持ち出したんだ...覚悟しろ?』

「うへぇ...やっぱりぃ?」

 

『当たり前だ!

君に何かあったら私はクリムやお姉さんに申し訳が立たないんだからな!

罰として暫くトイレ掃除だ。』

「うわっ!....最悪.....ん?あれは?」

 

『どうした剛ちゃん?』

「テロを起こされたビルの上に誰かいる....ちょっと待って』

 

剛はそう言うと彼はスマホを通話をスピーカーに繋ぐと首に掛けてあったカメラを手に持ちファインダーで覗いた。

「あれは....スマートブレインのお偉いさんと....何だ?全身白い服を着た奴等が何か取引してるぞ。」

『白い服......もしかして財団Xか!?

剛ちゃん!今すぐそこから離れろ。』

 

「財団ってクリムか言ってた奴等か!?」

『あぁ、そうだ。

今の君では勝ち目がない!

バレる前に逃げるんだ。』

 

「確かにね....でも手ぶらでは帰りたくないかな?」

剛はそう言うと取引している二人が入る画各にカメラを収めると一枚だけ写真を撮った。

 

「良し!上手く撮れててくれよ。

それじゃ、退散っと」

そう言うと剛はバレない様にそそくさとその場を後にするのだった。

 

 

 

 

Another side

 

財団Xの一員である"ジョセフ 乱堂(らんどう)"はスマートブレインが管理する取引場所であるビルの屋上に来ていた。

 

到着するとスマートブレインの役員らしき人物達を携えたスマートガールが見える。

「時間通りですね...流石はスマートブレインだ。」

そう言うジョセフにスマートクイーンが答える。

「では、取引を始めましょう。

貴殿方か求めている物は此方にあります。」

 

スマートクイーンが役員に目配せすると持っていたアタッシュケースを開き中を見せた。

中には一本の試験管が入っている。

 

「これが、注文していた物ですか?」

「えぇ、死んだ"乾 巧"(いぬい たくみ)から採取した細胞核....これがあれば彼のクローンを作れるわ。」

 

「素晴らしい....待ったかいがありました。」

「こちらは約束を果たした今度は貴方の番....」

 

「えぇ、存じてますよ。

こちらをどうぞ。」

ジョセフが代わりに差し出したのは紫色をした注射器が入ったインジェクターガンだった。

 

「我が財団が開発した細胞を再生、強化を行う薬です。

これがあれば劣化し消える細胞すら復活出来ます。

まぁ....復活させるには大量の人間が必要ですが効果は保証しますよ。」

インジェクターガンを受け取るスマートクイーンはそれに目を向けながら尋ねる。

「大量の人間とはどういうことだ?」

 

「この薬液の元になっているのはあらゆる世界で開発された遺伝子科学です。

 

"並行世界のショッカー"(The first)によって生み出された遺伝子技術。

"とある製薬会社"(AMAZONZ)が作り出した食人細胞。

そして、"創世王から抽出された物質"(BLACK SUN)を掛け合わせて作り出しました。

 

しかし、これ等には欠陥がありましてね。

全ての技術に共通するのが"人間を消費して力を発揮する"のです。

 

あぁ、効果は保証しますよ。

成功実績のある物をちゃんと持ってきていますから....」

「具体的に何れだけの人間が必要なんだ?」

 

「そうですねぇ。

再生させる細胞のレベルにもよりますが貴女が求めている相手ならば.......ざっと計算して"数万人"ですかね?」

「数万だと!?そんなに人が消えれば問題になるのではないか?」

 

「えぇ、そうかもしれませんがそれは私の知ったことではない。

貴方の願いは"どんな細胞も復活させる技術"と"完全なクローン技術"....両方ともその目的は果たしている。

違いますか?」

「やはり貴様ら財団は信用できない。

ここで始末するのが正しいか。」

 

そう言うと屋上に一人の男が入ってくる。

その男の腰には"金色のドライバー"が付いていた。

その顔を見たジョセフが笑う。

 

「ほぉ、クローン技術で誰を復活させるのか興味がありましたがまさか、彼を生き返らせるとは...."木場 勇治"(きば ゆうじ)。」

「彼は王を守る兵としての資質を完璧に備えている。

そして、そんな彼にこそ王を守る"地のベルト"が相応しい。」

 

木場はジョセフを見つながら懐から折り畳み携帯を取り出すと開き変身コードを入力する。

 

0.0.0.ENTER.....

 

「STANDING BY」

 

「....変身。」

 

木場が静かに唱えるとベルトに携帯を装填した。

 

「COMPLETE」

 

その音声がベルトから鳴るとベルトから金色のライン"フォトンブラット"が流れると全身を黒い装甲が覆い"仮面ライダーΩ"(オーガ)への変身が完了する。

 

「ほぉ、これが仮面ライダーΩ....地のベルトも完成させていたとは流石、スマートブレイン。

ただでは起き上がりませんね。」

「これから財団Xとの付き合い方は変わる。

我々、スマートブレインが上の立場となる。」

 

「ふふっ、良いですねぇ。

ここまで"予想通り"だと逆に楽しくなってしまいますよ。」

ジョセフはこの状況見て笑う。

そして、その言葉にスマートクイーン疑問に持つ。

「予想通り?....お前はこうなる事を分かっていたのか?」

「えぇ、我が財団のトップに君臨されている"あるお方"から助言があったのです。

この取引には一波乱あるとね。

そして、この波乱を収めればスマートブレインはより良い協力者になれると.....ですから私も持ってきましたよ。

財団が保有する"切り札の一端"をね。」

 

 

そう言うジョセフに疑問を持ちつつとスマートクイーンは木場に命令する。

「それが狂言かどうかは直ぐに分かる。

奴等を殺せ。」

そう言われた木場は腰の"オーガストランザー"にミッションメモリを差し込みフォトンブラットの剣を生成するとジョセフに斬りかかるが横にいた部下が生身でその攻撃を止める。

 

「何っ!?生身でフォントブラッドを止められるなんて.....」

「スマートクイーン、私達と新たな取引をしませんか?

こちらから提示するのはアークオルフェノク復活に必要な人間の確保。

代わりに貴女はベルトの製作データ、フォトンブラットの扱いについて財団に渡していただきたい。」

 

「何だと!?」

「財団は今、新たな実験を行おうとしています。

並行世界を利用した壮大な実験....そこに貴女方の技術が有用に活用できます。」

 

「並行世界....」

「とは言えいきなり言われても納得は出来ないでしょう?

だから、こう言うのは如何ですか?

貴女方が造り出したそこの仮面ライダーと我々が生み出した作品を戦わせて此方にとっても利益があると思えば取引に応じていただきたい。」

 

ジョセフの提案にスマートクイーンは少し考えると答えを出した。

「良いわ。

貴方の挑発を受けましょう。

でも、本当に勝てると思っているの?

貴方は地のベルトについて知らないでしょう?」

「えぇ、ですが....取引を成功すると確信したのはトップでありその意見は絶対です。

決して間違わず進んでいく。

まるで、神が示した予言のように...変わらない運命の言葉。

ですのでご覧下さい。

この楽しいショーを.....」

 

そう言うとジョセフは攻撃を防いでいる部下に振り向くことなく告げる。

「"Version N.D"....貴方の力を見せてください。」

そう言われると部下は握っていた剣を弾くと握り込んだ拳を木場に叩きつけた。

 

人間の姿では想像も出来ない威力を受けて吹き飛んだ木場はコンクリートの壁を突き破る。

「なっ!?」

それを見たスマートクイーンは驚愕する。

「あぁ、言い忘れていました。

私の持ってきた商品について説明を......

これは財団Xの生物兵器部門が開発した生体兵器。

 

人を越えた知能、完璧な操作、怪人の枠を越えた強さ、その全てを兼ね備えた兵器です。

中でも傑作と呼べる兵器を持ってきました。

 

正式名称、"Version Neo.DRAS"。

"改良型生体兵器ドラス"......それがこの兵器の名前です。

一つアドバイスをしましょう。

本気で殺すつもりで戦った方が良い。

でないと見せ場なく破壊されてしまいますよ?

貴方の"お気に入り"は....」

 

ジョセフがそう言い終わると木場を吹き飛ばした部下の身体が変形し人の姿から変わっていく。

全身が銀色に変わるとスライムの様に形を変えて怪物の姿へと変形していく。

 

二本の触覚と全身に鋭利な刺を有しヘソと瞳には赤い水晶の様な何かが現れる。

そして、臀部からは尾が生え先端にはチェーンソーの様な刃が取り付けられている。

 

生物的な見た目でありながら所々、メカの様な意匠を備えたその姿は正しく生体兵器と言えるものだった。

 

更に全身の色は深緑に金色のラインが入っておりその色合いは過去にドラスと戦った"仮面ライダーZO"と酷似していた。

 

ドラスへの変身が終わると砕けたコンクリートを退かしながらオーガが現れるとオーガストランザーをドラスへ向けた。

 

両者とも感情の無い殺意を相手に向けている。

兵器として造られた両者が互いを壊す為に動き始める。

 

 

2体の戦いは夜が明けるまで続き、

結果、スマートクイーンは財団Xへ協力することを決めた。

 

両者の戦いの凄まじさを示す様にスマートブレインが管理していたビルは見る影が無い程、粉々に破壊されていた。

 

そして、これを機にスマートブレインは一度、表舞台から姿を消すのだった。




【解説】

ジョセフの誘いによりスマートブレインはショッカーの計画に参加。
結果、"スーパーヒーロー大戦GP"や"仮面ライダー4号"が原作通りに進む。

仮面ライダー4号内で乾 巧の細胞を使い造り出したクローンが時間改編装置を使う。
このストーリーの中で木場も参加する。

操られていた木場だが乾と海道の説得により細胞に残っていた記憶が戻り協力して時間改編装置を止めるが、この装置を何回も起動させることがスマートブレインの目的だった。

何度も繰り返される時間の中でアークオルフェノクが復活する人間をかき集める。
結果として、時間改編装置が破壊され乾と木場は消滅するがアークオルフェノクは復活してしまう。

そして、物語は"アウトサイダーズ"へ繋がる。

外伝 続編の投稿に関して

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