もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第二十三話 Eへの介入/悪魔の謀

無名は輸送機を降り、東の研究所に向かうその途中で電磁パルスの装置を空中に見つけた。

(これを放置しておくと後々、面倒だな。)

そう考え破壊しようとすると、

巨大な流星が電磁パルスに当たり爆発し破壊されていった。

 

(この能力は、成る程、相変わらず容赦の無い人ですね獅子神は)

攻撃した相手の事を考えるとその轟音にアイズドーパントが屋敷の外へと出てきた。

(思ったよりも早く会えましたね。

ドクタープロスペクト。)

僕はメモリを起動しドライバーに装填する。

そして、黒い翼をはためかせアイズドーパントへと向かっていくのだった。

 

 

 

「全く、一体何が起こっているんだ!」

プロスペクトが外に出て能力で状況を確認しようとすると空中から何か黒いものが此方に襲いかかってきた。

あまりの速度に避けられず、首を捕まれる。

「なっ!貴様は!」

「確か、メモリは首に刺したんですよね?」

そう言うとプロスペクトの首に激痛が走る。

「がぁぁっ!はっ、離せ!」

そう言って拳で相手を殴り付けるが効いてはいない。

 

すると、屋敷から爆発が起きてユートピアドーパントが転がりながら現れる。

その後に続いて白い仮面ライダーも登場する。

私達も見るなりユートピアドーパントである加頭が言う。

「これは一体、どう言うことですか無名さん。

ミュージアムは財団Xを裏切るつもりだと解釈しても?」

「それはこっちのセリフですよ。

エターナルの事をどうしてミュージアムに話してくれなかったのですか?

琉兵衛様もその事についてさぞお怒りですよ。」

 

エターナルメモリの存在を琉兵衛にも知られている事実に加頭は驚く。

財団の研究でもトップシークレットだった情報だったこともあり知る人物は極僅かだったからだ。

それと共に今の事態を正確に理解した。

確かにミュージアムは財団Xの投資対象の1つではあるが組織に与える利益は計り知れない。

人類を簡単に怪物へと進化させる事の出来る力であるガイアメモリ。

それを開発できるミュージアムと袂を別つ。そんな重要な判断を加頭が決める権限は無かった。

 

加えてエターナルメモリの試運転を提案したのは自分だ。

これが、財団にバレれば自分の立場も危うくなる。

それは避けなければならなかった。

そんな二人のやり取りを見た白いライダーとなった克己が割り込む。

「コイツはお前の知り合いか無名?」

「えぇ、ですので彼の相手は"私が"しますよ。

それと、電磁パルスの装置はこちらで破壊しました。

敵となっているクオークスも私達の仲間が全滅させている筈です。」

 

「バカなっ!」

無名の言葉をプロスペクトが遮る。

「私の最高傑作であるクオークスが敗れたと言うのか!

.....ふっふっふっ、あっはっはっは!」

まるで、狂ったように笑うプロスペクトに皆、が顔を向ける。

「何が可笑しい?」

その行動に克己が尋ねる。

「お前達は、アイツらを救ったつもりだろうが違う!

殺す事になるのだよ!

全てはお前達の浅慮がもたらす愚かな行為さ。」

「...まさか!」

嫌な予感がした克己が西の研究所へと向かった。

プロスペクトも後を追いかける。

克己に自分の犯した結果を認識させて心を折るためだろう。

 

この場にいるのは僕と加頭だけになった。

加頭はメモリを抜く。

「おや?戦わないのですか?」

「分かって言っているのでしょう?

わが財団は利益追求の組織です。

貴方達と敵対することはそれに大いに反する。

それに、私の立場も危うくなっていますから....

これ以上、クライアントの機嫌を損ねる訳にはいきません。」

「....では、私と取引をしませんか加頭様。」

無名の提案に疑問を覚える。

「取引ですか....貴方の要望は?」

「あのドライバーの回収です。

恐らく、エターナルメモリは僕の使うメモリとも違う次世代型メモリなのではありませんか?」

「えぇ、私達は"T1ガイアメモリ"と呼んでいます。

まぁ、試作品ではありますが」

「あの、ドライバーのデータがあれば僕達の使うドライバーを完璧にすることが出来る。」

 

「....成る程、欲しいのはドライバーでしたか。」

「いいえ、"メモリ"も貰いますよ。」

「それは取引とは言えないのではないですか?」

「問題ありませんよ。

どちらにしてもあのエターナルメモリはもう長くありません。」

「....どう言うことですか?」

加頭の問いに無名は答える。

「あれは、メモリが大道克己と過剰に適合した故に起きている現象です。

常にメモリとドライバーに相当量のエネルギーが供給されている。

ドライバーは未だしも試作品であるメモリは耐えられない。

恐らく、変身解除と同時に壊れてしまうでしょう。」

 

「何故、そんな事が分かるのです?」

「ミュージアムはガイアメモリを主軸にした組織です。

いくら、次世代型のメモリでもガイアメモリには変わり無い。

性質も問題も我々が一番理解している...それだけです。

研究データも貴方達は別の媒体で取っているのでしょう?

琉兵衛様からしてもエターナルメモリは危険な存在です。

例え壊れていても回収したいと思う筈ですから...」

(逆に言えば壊れていても回収できれば、

琉兵衛率いるミュージアムとの仲もこれ以上壊れない...そう言う事ですか。)

 

「分かりました。

ドライバーは差し上げます。

メモリに関しても破壊された場合、好きにお持ちください。......その代わり」

「えぇ、私の方からも琉兵衛様に掛け合い財団とミュージアムの関係悪化を防ぐため行動させて貰いますよ。」

契約が成されたことで場の空気が柔らかくなる。

「やれやれ、まるで悪魔と取引しているような気分ですよ。」

加頭の言葉に無名は笑う。

「僕は"人間"ですよ。

これを使わなければね。」

そうして、抜いたメモリを見せた。

「デーモンメモリですか.....やはり、使用者とメモリは引き合う。

そう言う運命なのかもしれませんね。」

 

「では、私はこの場を去ることにします。

後始末はお任せしても?」

「えぇ、勿論です。」

 

こうして、財団Xは正式にクオークス....ドクタープロスペクトから手を引くのだった。

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