EXEは中高生や半グレがメンバーの大半を占めているからそこら辺の噂話に詳しい。
クイーンとエリザベスに話を聞きに言った。
「あー、EXEね。
噂なら聞いてるよめっちゃヤバい組織だって...」
「そうそう!!
家の学校でも話題になってるよ。」
クイーンとエリザベスがそう言う中で翔太郎が尋ねる。
「そのEXEが集まりそうな場所について何でも良いから知らねぇか?」
「集まる場所かぁ.....アイツらってそこら辺のセキュリティが堅いって有名なんだよね。
聞いた話じゃ、アジトに入れるのは幹部クラスだけで他の奴等はSNSで指示されるだけらしいし」
「そうそう、だから警察も中々捕まえられないって言ってたよね。」
そう言って二人はケータイを弄っていると二人とも同じタイミングで手を止めた。
「何これ?冗談にしても笑えないんだけど?」
「どうした?」
「これ!EXEについて調べてたら新しいサイトが出来たみたいでこんなのが!?」
エリザベスが出した画面に写っていたのは"両手足が縛られた唯の姿"と"早い者勝ち....風見ボーリング場に来たら彼女を上げます"と書かれていた。
「姉ちゃん!?」
「EXEの奴等....ふざけやがって!
亜樹子、照井に連絡して応援を呼んでくれ。」
そう言ってバイクに乗り込もうとする翔太郎を晶は止める。
「僕も行く。」
「餓鬼は足手まといだ。」
「この依頼をしたのは僕だ.....僕は僕の責任を果たしたいんだ。」
晶の目を見た翔太郎は折れた。
「.....後ろに乗れ。
無茶はすんなよ。」
そう言うと晶を乗せたハードボイルダーは風見ボーリング場へ向かうのだった。
経営不振で閉店した筈の風見ボーリング場に明かりが灯っていた。
中心には両手足を縛られた唯が倒れており周りにいる者達の表情は明らかに普通じゃなかった。
爪を噛みながら周囲を歩き続ける者、急に笑い出したかと思えば無表情になる事を繰り返す者、ボーリングの玉でガラスを割る等の奇行に走っていた。
そうしていると翔太郎が入ってくる。
それを見た者が言い始めた。
「来た?」「あぁ、来たな。」「待たせ過ぎだろ?」
「一人か?」「多分な?」
「いくら悪ガキでもこれはやり過ぎだぜ?
今、解放するならお仕置きが少しは軽くなるがどうする?」
「何言ってんのコイツww」「良い年してヒーロー気取りかよ。」「うっざ!死ねよ。」「あぁ、イライラしてきたなぁ......」
其々がそう反応するとメモリを取り出す。
「「「「「「Cockroach」」」」」」
メモリを挿し込みと全員がコックローチドーパントに変わる。
「聞く耳持たず.....か。
しゃーねぇ、お仕置きだ悪ガキども」
「JOKER」
「....変身。」
翔太郎は仮面ライダージョーカーへと変身する。
「さぁ、お前の罪を数えろ。」
「うるせぇ!殺っちまうぞ!?」
無意味に吠えるコックローチドーパントの一体に翔太郎は拳を握ると殴り付けた。
「ぐはっ!」
「先ずは大人への正しい話し方から教えてやるよ。
全員まとめてかかってこい!」
翔太郎がボーリング場で戦っている頃、照井は伊豆屋の消息を追っていた。
だが、捜査は進展していなかった。
「ここもハズレか。」
照井は伊豆屋が過去に所有していた建物を中心的に捜査した。
手掛かりが伊豆屋しか無い以上、それ以上の手段が思い付かなかった。
照井が現れたのは伊豆屋が所有していた別荘だった。
だが、手入れがされていないせいで外も中も荒れ放題になっていた。
無駄骨だったかと諦めようとした時、ふと一つの物に目が向いた。
(あれは....井坂が被っていた帽子か?)
荒れ放題の場所の中でその帽子だけは綺麗に掃除されていたのに違和感を覚えた照井は帽子を持ち上げる。
すると、中からボイスレコーダーが落ちてきた。
拾い上げて中を確認すると一つだけ"録音されたファイル"があった。
照井が再生ボタンを押すとそこから伊豆屋の声が聞こえてくる。
『この音声を聞いているのは君だろう照井 竜?
先ずは久しぶりだねぇ。
直接あったのは船の一件以来かな?
まさか、君が井坂先生を倒すなんて思っても見なかったよ.....だけど、そんな事をしたって無駄さ。
井坂先生の教えや意思は私が受け継いだ。
私の役目は井坂先生をガイアメモリを崇拝する神とすること....その為には本人の死は必要不可欠だった。
後は彼が審判の日に復活するだけだ。
もう、債は投げられた。
後の役目は神を殺した
照井 竜....私は風都に君に
男らしく一対一での勝負だ。
君が井坂先生を倒した"風都第二タワー跡地"で待っているよ。』
それだけ言い終わると録音が切れた。
「井坂を神にする....それがお前の目的なのか伊豆屋?
だが、止めて見せる。
俺は刑事であり仮面ライダーなのだからな。」
照井は覚悟を決めると伊豆屋の指示した風都第二タワー跡地へ向かうのだった。
翔太郎がボーリング場に突撃する前.....
「僕が姉さんを助ける。」
晶は覚悟を決めた目で翔太郎に告げた。
「何言ってんだ?
相手は単なる悪ガキじゃねぇガイアメモリを扱っている連中なんだ。
お前はここで大人しく待ってろ。」
「ここで逃げたら....駄目なんだ。
兄ちゃん言ってたよね?
姉さんは罪を数えるべきだって....僕今まで姉ちゃんがずっと助けてくれるって思ってた。
それに"甘えてた"んだ....姉ちゃんが罪を犯したって言うのならそれを見てこなかった僕にも責任がある。
僕は姉ちゃんを救って一緒に罪を償う..."兄ちゃんと相棒"みたいにそう決めたんだ。」
「お前......」
「所長さんから話を聞いたんだ。
だから....お願いします。」
頭を下げる晶の姿を見て帽子で顔を隠しながらも翔太郎は笑った。
(依頼人に怪我させるのなんて言語道断って言われそうだが.....晶の覚悟を無駄にしたくねぇ。
親っさん....悪い。)
「分かった俺が囮になって中にいる奴等を引き付けるからその間に姉ちゃんを助け出せ。
晶.....お前と姉ちゃんには指一本触れさせねぇし傷付けさせねぇ。
だから、思いっきりやってみろ。」
翔太郎が戦闘を始めると遠くから倒れている唯の元へ晶は向かっていった。
子供ながらの小ささを利用して隠れながら彼女の元へ近付いていく。
もう少しで手が届く位置に来ると一体のコックローチドーパントが倒れている唯を持ち上げた。
「動くな!この女がどうなっても良いのか?」
(姉ちゃん!?)
(やべぇ!?彼処には晶がいる。)
翔太郎は唯を助けに行こうとするが周りのドーパントに動きを止められてしまった。
その影響で晶がコックローチドーパントに向けてタックルをしたのだ。
体格では勝てないのを分かっていた晶はコックローチドーパントの片足にしがみつく様に突進する。
それによりバランスを崩したコックローチドーパントの手から唯が離れた。
「姉ちゃんから離れろ!」
「なっ!?離せこのガキ!」
コックローチドーパントはしがみつく晶を突飛ばし追撃を加えようとするがそれを翔太郎の右ストレートがコックローチドーパントの顔面に当たったことで防がれる。
「JOKER MAXIMUMDRIVE」
「ライダーパンチ...うらぁ!!」
振り抜かれた翔太郎の拳がコックローチドーパントを吹き飛ばすと晶を守る様に前に出る。
「兄ちゃん!」
「晶、良く頑張ったな偉いぞ。
こっからは俺に任せとけ。」
翔太郎はデモンシステムを起動しようとベルト上部を押すが反応しない。
(ちっ!まだ"クールダウン中"かよ。)
翔太郎の新たな切り札であるデモンシステムは強力な反面、使用すると変身時間に応じてクールダウンが必要なデメリットを抱えていた。
(この前の戦闘は一分程度だったからもう回復してると思ったが....しゃーねぇ、ならジョーカーで奴等と戦うだけ.....)
そう思いコックローチドーパントに向かおうとするが、
ドカーン!....凄まじい爆発音と共にボーリング場に空けられた風穴に皆が目を向ける。
そこに入ってきたのは頭部に6つの角(アギトの角の展開状態)を持った"G3-X"だった。
G3-Xが翔太郎を確認すると叫んだ。
「伏せてください!」
その声に翔太郎は直感的に晶を抱えながら地面に伏せる。
次の瞬間、G3-Xの背後から金属製の輪が飛び出すと立っていたコックローチドーパントを全員拘束した。
その瞬間、金属の輪から凄まじい電流が流れる。
そして、数秒の帯電の後ドーパントはメモリブレイクされメモリが体外から排出されると気を失った。
「本庁の科学班特製の"対ドーパント用捕獲錠"です。
ドーパントを捕獲するとメモリの位置をスキャンしそこ目掛けてピンポイントに電流を放出しメモリを破壊します。
まだ、試験段階でしたが持ってきて良かった。
流石は"小沢さんの発明"だ。」
そう言ってG3-Xのヘッドギアを取るとそこには氷川がいた。
氷川を見て翔太郎は立ち上がる。
「助かったぜ。
やっぱり警察は市民の味方だな?」
「そう言って貰えて嬉しいです。
貴方が照井さんの言っていた風都を守るもう一人の仮面ライダーですね。
お会いできて光栄です。」
「おいおい、俺達は法に認められてないヒーローなんだぜ?
警察官であるアンタがそんな反応して良いのか?」
「本当は駄目なんでしょうが警察に認められてないからと言う理由で貴方を捕まえようとすれば僕は
ですが、貴方が市民の敵になると言うのなら僕は警察として為すべき事を為します。」
「そうか....それにしても亜樹子の奴。
照井に連絡しろとは言ったがこんな凄い応援を連れてくるなんて聞いてねぇぞ。」
「?....僕は照井さんの大切な人と名乗る方から"むっちゃ強力な応援お願いします"と言われたので来ただけですが?」
「え?....って事は照井がアンタを呼び出したの知らないのか?
ちょっと聞きたいんだがアンタ、警察での階級は?」
「警視正ですね....あっでも最近、昇進したんで今は"警視長"です。」
(本当に何て奴、呼んでんだよ亜樹子っ!!)
照井よりも二階級も上の上司を応援として呼びつけた亜樹子に恐怖を覚えつつも切り替えて話を進める。
翔太郎は倒れている唯に指を指す。
「彼女をEXEって言うガイアメモリのブローカーが狙ってる守ってやってくれ....それと」
「兄ちゃん!」
そこまで言った所で晶が翔太郎を制止する。
「僕の名前は...青山 晶です。
僕の姉ちゃんはEXEで運び屋をしてました。
でも、姉ちゃんは辞めようとしてたんです。
そうしたら、僕の家族をEXEの奴等が襲ってこんなことに....勿論、姉ちゃんにも罪はある。
だからお願いします!
僕も一緒に罪を償いますから姉ちゃんを刑務所に連れていかないで下さい!」
「晶.....俺からも頼む。
顔を出してねぇ俺なんて信用できねぇとは思うが...この子を信じてやってくれねぇか?
コイツ、姉ちゃん助ける為に命を張ったんだ....頼む。」
二人からの懇願を受け氷川は答える。
「お二人の話は分かりました。
ですが、まだお姉さんの話は聞いていません。
先ずは病院で検査をしてから決めましょう。
今は彼女の安否が第一優先ですので....」
そう言うと氷川は部下に指示を出し唯は病院へ連れていかれるのだった。
警察から離れた翔太郎は変身解除すると晶の元へと戻る。
「やったな晶....カッコ良かったぜ。」
「...ありがとう。
姉ちゃんにはいつ会えるかな?」
「どうだろうな。
だが目が覚めたら連絡が来るだろう?
それまで事務所で待ってようぜ。」
翔太郎は晶を連れて探偵事務所に戻ると携帯に連絡が入った。
「....照井からか?
一体何の用だ?」
翔太郎は電話に出るが照井からの応答は無い。
しかし、その代わり近くで話している2人の会話を聞くことが出来た。
『伊豆屋....お前の目的は何なんだ?』
『レコーダーにも入っていただろう?
井坂 深紅郎を神として永遠の者にすると....』
(井坂 深紅郎を神にだって!?
一体どう言うことだ?)
翔太郎は詳しい内容を聞くため事務所の近くにあるカフェに入ってしまった。
入れ違いで"唯が探偵事務所に入った事"に気付かぬまま.....
それは突然だった。
唯が鳴海探偵事務所に入ってきた。
弟である晶はそれを見て喜ぶが事務所にいた亜樹子と若菜は警戒する。
「姉ちゃん!無事だったんだね!」
「えぇ、もう身体も大丈夫だからって病院から出して貰ったのよ。」
亜樹子が唯に尋ねる。
「貴女が晶くんのお姉さんである唯さんですか?」
「はい、弟がお世話になりました。
....晶、何時も持っているバックは何処にあるの?」
「?....そこの机にだけど」
そう言うと唯は晶をそっちのけでバックに手を掛けると生地を破き中に手を突っ込んだ。
「お姉...ちゃん...」
姉の豹変した行動に怯える晶を庇う様に亜樹子は前に出る。
そして、唯は破いたバックの中から何かを掴むと笑いながら取り出した。
「あった....ふふ!...あはは!」
「それって....ガイアメモリじゃん!?
どうしてそんなところに」
「私が持ってたらきっと何処にあるかバレると思ったから弟の鞄に縫い付けたのよ。
何かあった時の為にね。」
「唯さん落ち着いて....そのメモリを」
「近付かないで!」
周囲を威嚇しながら唯は若菜に目を向ける。
「園咲 若菜....本当に良かった貴女がここにいてくれて....お陰で手間が省けるわ。」
「姉ちゃん!どうしてこんなことを!?」
「ごめんね晶。
でも、言うことを聞かないとエンゼルビゼラをくれないって言うのよ?
目が覚めてからずっと、気分が悪くて...だから
エンゼルビゼラが欲しいのよ!
だから、ごめんなさい。」
「
唯は起動したメモリを手首に挿した。
オーシャンメモリが体内に吸収されると唯の身体を渦潮が覆いドーパントの姿へと変えた。
唯は生成されたハルバードを構えると亜樹子に向けた。
直感的に危険を感じた晶がハルバードを掴み向きを変えた事でハルバードから放たれた水圧カッターが亜樹子の頬を掠める。
その攻撃で亜樹子は気絶してしまった。
「離しなさい晶!!」
「嫌だ!姉ちゃんにこれ以上、罪を背負わせるわけにはいかない!」
そう言って晶は姉を止めようとするがドーパントになったことで腕力が強化された唯は晶を吹き飛ばしてしまう。
「私の邪魔をするのなら....晶....貴方も私が....」
唯がハルバードを晶に向けようとするのを若菜が車椅子を押して立ちはだかる。
「待って!貴女の目的は私でしょう?
言う通り着いていくからこれ以上、暴れるのは止めて....姉弟で殺し合うなんて絶対にダメ。」
若菜の言葉を聞き唯はハルバードを下げると若菜の身体に手を触れた。
「EXEのトップであるヘッドが貴女に会いたがってる。
大人しく着いてきて....」
「分かったわ。」
唯の周りに渦潮が起こるとその水が二人を包み込む。
「ダメだ....姉ちゃん!」
晶は渦潮の中に突っ込んでいくと晶を巻き込んで渦潮が事務所から消えると三人の姿も無くなっていた。
そのタイミングで翔太郎が慌てて事務所に入ってきた。
「クソッ!遅かったか!」
残っていたのは気絶した亜樹子だけだった。
Another side
翔太郎は事務所から離れたカフェで照井と伊豆屋の会話を形態越しに聞いていた。
『井坂を神にするだと!?そんなバカげた話を....』
『人は古来から自分の想像を越えた存在に畏怖し崇めてきた。
それは歴史により呼び名が変わってきた。
そう考えれば神と言う呼称も人を越えた存在にならば使っても問題はない。
井坂先生はガイアメモリに出会ったことで人を越えたのだ。
そして、君により与えられた一度目の死から復活した瞬間、人類は理解するだろう井坂先生と言う神の存在を.....』
『無駄だ井坂は死んだ。
死体も粒子となり消え去った今、どんな方法を取ったところで死人が生き返ることはない。』
『あぁ、普通の手段では不可能だ。
だが、そんな事を私が理解してないとでも?
私がこの一年の間、何もしなかったと思うのか?
ミュージアムや財団についてありとあらゆる手段を使い調べ上げた。
そして見つけたんだ
だが、どうしても入れない場所がある園咲家が管理していた別荘に"隠された研究室"だ。
そこには無名が研究していた資料や発明品が保管されている。
だが、その扉を開くには園咲家の生体認証が必要だ。
だからそれを手に入れる。
もう、駒は送った。
今頃、"彼女"は役目を果たす筈だ。』
(彼女?....まさか!?)
翔太郎の頭に最悪の考えが浮かぶとカフェを飛び出して事務所に向かうのだった。
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