もう一人の悪魔   作:多趣味の男

27 / 330
第二十四話 Eへの介入/愚かな謀

「これは...どう言うことだ?」

西の研究所付近に到着した克己はその光景に愕然としていた。

自分が助けた筈のヴィレッジの者が倒れているからだ。

それにミーナも苦しんでいる。

 

その光景を追い付いたプロスペクトが笑いながら見つめる。

「私がコイツらに仕込んでいた仕掛けが作動したんだよ。

私の許可無く立ち去る者は、死ぬ事になる。君達の英雄的行動の結果がコレだ。やはり死人は知能が弱まる様だね。」

そう言うプロスペクトの前でミーナは克己に助けを求める。

「.....克己」

「ミーナ!」

そして、克己が手を触れた瞬間、ミーナの命は尽きる。

 

 

 

.......筈だった。

 

 

 

突如、プロスペクトの体内にあるメモリが不調を起こし始める。

その痛みにプロスペクトの顔が歪む。

「ぐおっ!...何だこれは!」

その瞬間、先程まで倒れていたヴィレッジの面々が起き上がりミーナも苦しみから解放される額の瞳も消えていた。

 

その光景を見て微笑を浮かべながら無名が現れる。

「やはり、予想通りでしたね。」

「貴様っ!何をしたぁ!」

プロスペクトの問いに無名はイタズラが成功した子供のように答える。

「僕のメモリには物体や事象を消滅させる力があります。

貴方のアイズメモリに他者の命を遠隔で奪う能力は無い。

色から見てもプロダクトメモリのようですし...」

 

"プロダクトメモリ"....ミュージアムが正式販売用として認めた一般販売のメモリ。

だが、その力はゴールドやシルバークラスのメモリには劣っていた。

 

「恐らく、貴方とメモリとの適合率の高さが、

その副次的能力を獲得する結果に至ったのでしょう。

ですので、貴方に触れた際、メモリが"発する波長"を消させて貰いました。

分かりやすく言うなら貴方がアイズメモリを使ってヴィレッジの者にかけていた呪いを根幹ごと消した訳です。」

メモリの波長とは使用者との適合以外にも相手にメモリの能力を与える際にも使われる。

そして、これはパスワードのような物だ。

相手に与えた能力を起動させるために絶対的に必要な存在。

それを消されると言うことは、パスワードがリセットされると言うこと。

アイズドーパント本人に害は無いがメモリの能力で縛っていた者達との繋がりは無くなる。

 

「貴方のことです。

目の前で彼等の命を奪い、その罪を背負わせるつもりだったのでしょうが....」

 

 

 

「そんな"三流仕掛け"に僕が気付かないとでも?」

 

 

自分の事を"三流"と言われプロスペクトは激怒する。

しかし、その攻撃は無名に当たることはない。

何故なら、プロスペクトの敵は僕ではないのだから

 

「余所見をするとは良い度胸だな!」

克己が攻撃を仕掛け、それにプロスペクトは吹き飛ばされる。

そして、それに呼応するようにNEVERのメンバーも克己のサポートへ向かった。

 

ここからは僕らの出番ではない。

僕は獅子神とサラのいる場所へと合流した。

 

 

 

アイズドーパントはNEVERメンバーの連撃を受けて満身創痍となっていた。

芦原の蹴りから流れる様に続く銃撃、堂本の棒術による破壊、京水による鞭の連打、そしてレイカによる蹴りの応酬、NEVERとしての身体能力をフルに生かした攻撃がプロスペクトを襲う。

 

「バッ...バカなっ!」

克己はエターナルメモリをスロットから抜くと専用武器であるナイフ"エターナルエッジ"のマキシマムホルダーへと装填する。

 

ETERNAL MAXIMUM DRIVE(エターナル マキシマムドライブ)

 

右足に青いエネルギーが集約する。

 

「お前の“ヴィレッジ”より面白いところなんざ、もう本当の地獄しかあるまい。先に逝って、遊んでこい。」

そう言うと克己はスロットを押し込み、必殺の一撃をアイズドーパントへ叩き込んだ。

余剰エネルギーが電気となり迸り、アイズドーパントは大爆発を起こした。

 

「さぁ、地獄を楽しみなぁ!」

克己のそのセリフにより戦いは終わりを告げるのだった。

 

 

 

メモリを砕かれたプロスペクトは目に隈を浮かべた這う這うの状態で立ち上がった。

「バカ...なっ...この..私..が..ゾンビ..どもに..」

そうして、身体に限界を向かえたのかプロスペクトは、命を失うのだった。

 

克己のメモリにも異常が起こる。

火花を散らしメモリにヒビが入り変身解除される。

メモリを抜いて手に乗せると砕けてしまった。

「....また会おうエターナル。」

親友との再開を願うように克己は砕けたメモリに言った。

 

完全勝利...その姿にNEVERやヴィレッジの面々は其々、歓びの言葉と実感を噛み締める。

 

そして無名も悲劇を回避し、求めた結果を手に入れた実感を味わうのだった。




Another side

克己がプロスペクトを倒したのを見た京水は喜びの余りレイカに抱きついた。
「やったわぁ!克己ちゃんが勝ったのよぉ!」
「ちょっと、止めてよ恥ずかしい!」
「良いじゃない、"女同士"何だから喜びを分かち合ったって!」

そこで京水は疑問に思った事をレイカに尋ねる。
「そう言えば芦原から聞いたわよ。
あんた助けられた時、相当ヤバかったって....
携帯酵素はどうしたのよ?」
「アレ?克己に上げちゃった。」
「はぁ!このおバカ!あんた何してんのよ!死ぬかも知れなかったのよ!」
そうやって自分の身を案じて怒る事にレイカは驚きを感じた。

窃盗犯として生きていた彼女にとって他人に心配されることなど無かったからだ。
しかし、その後に京水は続ける。

「でも"嫌いじゃないわ"。
ガッツあるじゃない貴女」
この場所に来てから頑なにレイカを認めていなかった京水が自分の命すら克己に捧げるようなレイカの行動を受けて彼女をNEVERの仲間として認めたのだった。

レイカは気恥ずかしさからか少し笑いながら言う。
「おっさんに言われても嬉しくない。」
「また、言ったわね!」
しかし、その言葉に怒りは無い。
現にお互いに笑いあっている。
そんな穏やかな光景も終わりを告げる。

二人が、克己を見ると駆け寄ってくるミーナを抱き締めていた。

「はぁぁぁ!あの女、克己ちゃんに何してるのよぉ!」
京水、嫉妬大爆発である。
鞭をまるでハンカチのように食い縛りながらその光景を見ていた。
「あーぁ、これは克己に惚れちゃったねあの女。」
そんなレイカの言葉に京水は答える。

「はぁぁぁぁ?、何なのよ!次から次へと
克己ちゃんは私の者よ誰にも渡さないわぁ!」

そう言いながら克己の元へダッシュで向かう。

レイカはそんな光景を見ながら自分の手に触れる。
身体の冷たさが自分が死体だと認識させる。
けど、今はそんなに不快感がない。
答えはきっとこのNEVERがいるからだろう。

(コイツらとの人生も悪くないかもね。)

そう思うとそのままメンバーと合流し喜びを分かち合った。
余談だが、これ以降暴走する京水のストッパー兼ツッコミ役としての地位を確立していく。

本人曰く、「少ない"女の同僚"だから」だそうだ。

そして、克己とミーナは無事、恋仲となる。

その報告を受けて京水は嫉妬超爆発させるのだが、
恋の相手を獅子神に変更したらしくその事でこれから獅子神は苦労していくことになる。



エターナル編 完



青い炎を纏う死神の物語が終わりを告げる。
そして、遂に風都に現れる二人で一人の仮面ライダー
そんな彼等と物語の筋書きを知る悪魔が出会う時、
どんな結末を迎えるのかその答えは誰も知らない。

外伝 続編の投稿に関して

  • このまま続きで見たい
  • 新規投稿で見やすくしたい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。