もう一人の悪魔   作:多趣味の男

275 / 330
W×OOO 5.追っ手と風都

 

「おい起きろ!後藤!」

翔太郎の声を聞き後藤は目を覚ます。

「ここ....は?」

「気付いたか。

いきなり、照井を殺そうとした時は慌てたぜ。」

 

翔太郎はクスクシエではなく偶然見つけた廃墟に後藤を寝かせていた。

事態を察した後藤は起き上がろうとすると腹部の痛みで顔を歪める。

 

「無理すんな。

時間無かったからあんま上手く加減出来なかったんだ。」

「俺は....」

 

思い出そうとする後藤に翔太郎が説明する。

「お前は敵に操られて照井を殺そうとしたんだ。

すんでの所で俺が止めてお前とここに身を隠してる。

それに奴等、こんなもんまで出しやがったからな。」

 

そうして翔太郎が携帯の画面を見せるとそこにはニュース速報が流れていた。

『警察からの発表によりますと風都署の刑事であった"照井 竜に全国指名手配"。

尚、仲間と思われる元刑事の"後藤 慎太郎"と協力者である"左 翔太郎"及び"鳴海 亜樹子"の両名に逮捕状が出ているとの事です.....』

 

「照井警視を指名手配だと!?」

「どうやら、相手の方が一枚上手だったみたいだ。」

 

「直ぐに助けに行かないと...くっ!」

急いで立ち上がろうとする後藤だったが腹部の痛みで動きが止まる。

「無茶すんな後藤。

ニュース見ただろ。

今、俺達はお尋ね者なんだ。

下手に動けばもっとヤバイことになりかねねぇ...」

 

「ですが!」

「それより、気になんのはあの時どうして照井を襲ったか?だ。

後藤、何か覚えてねぇか?」

 

翔太郎に言われ冷静になると後藤はその時の事を思い出した。

「分からない。

でも急にアケチの言っていることが正しいと思ってしまったんだ。

俺は照井警視を殺すことが正しいと本気で....いや違う。

何で俺が照井警視を殺さないと行けない?

どういうことだが意味が分からない。」

 

混乱した後藤は頭を抱えそれを見た翔太郎が優しく告げた。

「悪かったな後藤。

嫌なこと思い出させて....でも助かったぜ。」

 

そうやって話していると翔太郎の携帯にフィリップから着信が入った。

 

 

「フィリップどうした?」

『翔太郎の事が心配になってね。

そっちは大丈夫かい?』

 

「まぁな。

何とか後藤も無事に連れ出せた。

だが、その間に状況は悪くなったみたいだな。」

『あぁ....やはり翔太郎の読み通り敵の正体は超越者の可能性が高い。』

 

「やっぱりか。」

『あぁ、敵の名は"アルケ"。

か つて仮面ライダーOOOを作り出した錬金術師と交流していた超越者だ。』

 

「OOOってことは.....」

『あぁ、"コアメダルやグリード"にも関係している。

鴻上会長の話ではアケチにグリードが従っているのもアルケの力が働いているからだと言っていた。』

 

「フィリップ、分かってるとは思うが」

『勿論だよ翔太郎。

敵が超越者ならば無闇に地球の本棚の力を使うのは自殺行為だ。

最悪、僕の精神が閉じ込められる可能性があるからね。』

 

「分かってるなら良いんだ。

それでこれからどうする?」

『君はどうにかして火野 映司と合流してくれ。

この事件を解決するにはOOOの力がいる。

それからアケチにも注意をはらう必要がある。』

 

「まぁな。

どういう原理かは分からねぇが奴には"人間の認識を改変させる力"があるらしい。」

『それはどういうことだい翔太郎?』

 

「さっき、後藤と話したがアイツ照井との記憶を残した上で敵対しようとしていた。

その事を聞くと認識のズレで混乱してるみたいだった。

恐らくだがアケチの能力は"人の認識している知識や記憶の一部分を変える"事が出来るんだろう。

 

"照井は敵であり殺さないといけない"。

きっと、後藤の頭の中ではそう書き換えられたんだろう。

だから、冷静になると認識のズレから混乱する。

マッキーや刃さんも同じ症状だった。」

『翔太郎の言う通りならば驚異的な能力だ。

アケチは話しただけで人の認識を変えられる。

友だろうと敵に出来る不和を引き起こす力か。』

 

「あぁ、アケチは多分俺にもその力を使おうとしたんだろう。

だが、俺にはその力は効かなかった。」

『やはり、興味深いな。

本当ならばじっくりと検索したいところだが....』

 

「あぁ、そんな暇は無さそう......!?」

そう話していると廃墟を塞いでいた荷物が爆発し中に"ウヴァとガメル"が入ってくる。

 

「アイツらは!」

「ウヴァ...ガメル!」

 

「見つけたぞ仮面ライダー。」

「俺達が...お前ら...潰す!」

 

翔太郎と後藤はグリードから殺意を向けられると臨戦態勢を整えた。

二人ともドライバーを腰につける。

「フィリップ!どうやらお客さんが来たみたいだ行けるか?」

『!?あぁ、問題ないよ。』

 

「良し....後藤!病み上がりで悪いが手伝ってくれ。」

「分かりました。

足手まといにならないよう頑張ります。」

 

後藤はセルメダルをドライバーに装填し翔太郎はジョーカーメモリを起動する。

 

「CYCLONE,JOKER」

 

『「変身」』「変身」

 

そう言うと後藤は仮面ライダーバース。

翔太郎とフィリップは仮面ライダーWサイクロンジョーカーへと変身が完了した。

 

『アレがグリードか。

実に興味深いね。』

「翔太郎さん気を付けてください。

アイツらはヤミーとは強さが桁違いです。」

 

「おう。

後藤、援護頼んだぜっ!」

翔太郎がそう言うとダブルは現れたウヴァとガメルに向かって走っていく。

バースはバースバスターを使いダブルを援護する。

 

ダブルの風を纏った徒手空拳がグリードの体を掠める。

そこか、セルメダルが落ちた事でウヴァとガメルはダブルへの警戒を強めた。

「いいもん持ってんじゃねぇか。

嘗めて倒せる相手じゃねぇか。

おい、ガメル!本気でやれ!」

「分かった!ウォアアア!」

 

ガメルが両腕で地面を叩くとそこから発生した重力波でダブルとバースの身体が宙に浮いた。

「うおっ!?」

『これは....重力波か?

なんて出力だ。』

 

「これでも喰らえ!」

ウヴァは頭部から緑色の雷を生成するとダブルに向けて放つ。

「危ない!」

 

Cutter Wing(カッターウイング)

 

後藤はセルメダルを使い背中にカッターウイングを生成すると飛行能力で重力波を脱出しダブルを抱えながら攻撃を回避した。

 

「助かったぜ。

...そうだ後藤!

そのままアイツらの周囲をグルグル回ってくれ。」

「何をする気ですか?」

 

「こうするんだよフィリップ!」

『良いだろう。

ここから反撃開始だ。』

 

「LUNA,TRIGGER」

 

ダブルはルナトリガー変わるとトリガーマグナムを構え発砲した。

放たれた黄金の弾丸は独特な軌道を描くとウヴァとガメルに命中する。

 

「飛んでないで降りてこーーい!」

ガメルは重力波を飛んでいるバースに向けて発生させる。

 

「早々、何度もやらせるか!」

翔太郎はそう言うとガメルの前で落下する。

 

「HEAT,METAL」

 

フィリップが落下しながらメモリチェンジすると握り込んだメタルシャフトでガメルの頭を打ち下ろした。

「ガメル!」

「お前の相手は俺だウヴァ!」

 

Drill Arm(ドリルアーム)

Shovel Arm(ショベルアーム)

 

バースは右手にドリルアーム左手にショベルアームを展開するとウヴァの身体を構成するセルメダルを削る様に振るった。

 

バースの連撃によりウヴァの身体を構成するセルメダルが宙を舞う。

「ぐあっ!...調子に乗るなよ人間がぁ!?」

 

「LUNA,METAL」

 

ウヴァがバースに鉤爪で攻撃を仕掛けようとするがルナメタルにより伸びたメタルシャフトにその腕を巻き取られてしまう。

 

「やらせるかよっ!」

ダブルはメタルシャフトを思いっきり引く。

それで飛び上がったウヴァはガメルへと激突した。

「ウヴァ!?重いーー!」

「クソッ!」

二体が立ち上がるのにもたついている間にバースはセルメダルを一枚ドライバーに装填しレバーを回した。

 

Blest Canon(ブレストキャノン)

 

バースの胸部にパーツが展開すると巨大な砲台が現れた。

『武器の生成プロセスが実に興味深い。

出来ることなら分解して調べたいが.....』

「んなことしてる場合か。

こっちもトドメ行くぞフィリップ。」

 

『あぁ、後藤君の技に合わせよう。』

 

「HEAT,TRIGGER」

 

ダブルはヒートトリガーにメモリチェンジすると生成されたトリガーマグナムにメモリを装填する。

 

「TRIGGER MAXIMUMDRIVE」

 

ダブルが必殺待機状態にしている頃、バースもセルメダルを二枚装填し必殺待機状態へと移行する。

 

CELL BURST(セルバースト)

 

「ブレストキャノン.....シュート!!」

『「TRIGGER EXPLOSION(トリガーエクスプロージョン)」』

 

二人から放たれた攻撃はグリードに向かう途中で混ざり合い一本の真っ赤に燃えた炎へと変わるとウヴァとガメルを包み込み爆発した。

 

「「グアァァァ!?」」

 

吹き飛ばされたウヴァとガメルが地面に倒れる。

「やったか?」

「後藤、油断すんな。」

 

そうして話しているとウヴァとガメルが立ち上がる。

「やはり強いな仮面ライダーは.....

これを使わねば勝てないか。」

「そうだねウヴァ。」

 

そう言った二体のグリードは隠していたガイアメモリを取り出す。

「アレはガイアメモリ?」

「何でグリードが持ってるんだよ!」

 

『翔太郎、気を付けるんだ。

グリードの持っているガイアメモリを僕は見たことがない。』

「ってことは....」

『あぁ、恐らく超越者が与えた物だ。』

 

そう話しているとウヴァとガメルはその手に持ったメモリを起動させるのだった。

 

 

 

 

翔太郎達が風都を離れている最中、命令を受けたプテラヤミー達は風都に戻っていた。

「きゃっ!」

「若菜さん!...彼女の手を離せよ!」

 

若菜の腕を掴むプテラヤミーに芦原 茜が持ち前の空手で攻撃を与えるがプテラヤミーの身体に茜の正拳が何発も当たっても効いた様子は無い。

 

「クソッ!無視してんじゃねぇ!」

殴り続ける茜だがプテラヤミーは若菜を見続けるままだ。

「感じる....お前の身体に残留する微かな力を.....お前で"二人目"だ.」

 

プテラヤミーはそう言うと若菜の身体にセルメダルを一枚落とした。

メダルが若菜の体内に入ると彼女の身体に変化が起きる。

「うっ!」

「若菜さん!?ちくしょう!」

 

茜が若菜を持つプテラヤミーの手に攻撃を仕掛けようとするとプテラヤミーは若菜を掴んでいた手を離し茜に向き直ると首を捕まえて持ち上げた。

 

「あ.....くっ....」

「供物の準備は終えた。

ここに用は無い....だが、我は"無"()を求める。

お前の無を戴く。」

 

プテラヤミーがそう言って掴む手の力を強くしようとするとプテラヤミーの腕から火花が上がり茜から手を離してしまう。

「誰だ!」

プテラヤミーの問いに答える様に青色の戦士、"仮面ライダートリガー"(芦原 賢)が現れる。

 

「娘に触れるな。」

トリガーは構えた"トリガーマグナム"を連射しながら近付くと茜の前に立ち彼女からヤミーを離す様に動き始めた。

 

茜と違い戦闘経験が豊富なトリガーはプテラヤミーを連れて外へ飛び出す。

すると、外にはもう一体のプテラヤミーと戦闘している"スコーピオンドーパント"(須藤 雪絵)の姿があった。

 

スコーピオンドーパントはトリガーを見て驚く。

「アンタは!?」

「今は戦いに集中しろ!」

 

「!?.....そうね。

コイツらドーパントじゃない!私の毒が効かなかった。」

雪絵は芦原と黒岩の家族を警護中、プテラヤミーに狙われていた若菜を偶然見つけた。

家族は若菜を助けようとしてプテラヤミーに襲われてしまい雪絵がドーパントになり止めようとするが一体逃してしまったのだ。

 

仮面ライダートリガーとなっている芦原も家族を監視している最中に起きたプテラヤミーの襲撃を見てドライバーを腰に着けて飛び出したのだ。

 

「毒が効かないのなら力押しで仕留めるだけだ。

数秒、怪物を足止めしてくれ。」

そう言ってトリガーはドライバーのメモリをトリガーマグナムに装填する。

「はぁ!?....全く無茶言ってくれるじゃない!」

 

スコーピオンドーパントは奥の手であるセンチピートメモリを使いムカデの力を解放させると二体のヤミーを拘束した。

 

ギリギリと音を鳴らして締め上げる中、トリガーマグナムを向ける。

 

「TRIGGER MAXIMUMDRIVE」

 

「食らえ。」

 

トリガーの放った一発の青色の弾丸はプテラヤミー二体を貫くと大きな爆発を起こした。

爆発の後には数枚のセルメダルが地面に落ちる。

 

変身解除した二人はそのメダルを拾い上げる。

「見たことの無いメダルだ。

あの怪物から出てきたのなら危険な物には変わりはないだろうが.....」

「無名と一緒にいたアンタが知らないなら少なくともガイアメモリ関連じゃなさそうね。

全く....こんな時に風都の仮面ライダーは何処に行ったのやら」

 

「俺達が知らない何かが起こっているのかもしれないな。

少し調べてみるか。

悪いがその間......」

「はいはい。

家族と若菜さんの警護よね分かってるわよ。

念の為、兄さんにも救援を頼んでおくわ。」

 

「すまない迷惑をかける。」

「もう慣れっこよ。

それに、ここで見捨てたら私の気分が悪いからね。

でも良いの?家族に会わなくてさ。」

 

「....悪いがそこも上手く言っておいてくれ。」

芦原はばつの悪い顔をしながらそう言うとその場を後にした。

後で降りてきた茜への説明を雪絵がする事になり(会ってから行けよ)と雪絵は内心で毒づくのだった。

 

 




本作でもオリジナルガイアメモリを募集しています。
どしどしご応募ください。


【メモリの条件】
"ウヴァ"、"カザリ"、"メズール"、"ガメル"に関連する記憶を持ったメモリ。


メモリのアイデアは活動報告に【メモリアイデア募集】で作りますのでそこでお願いします。

外伝 続編の投稿に関して

  • このまま続きで見たい
  • 新規投稿で見やすくしたい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。