もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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W×OOO 8.強者と強奪

仮面ライダーリバースtype1へと変身したノブナガが生成した刀を握るとゆっくりとカザリヘ近付いていった。

 

カザリは強化された自慢のスピードを使い翻弄しながら近付くと爪でノブナガに切りかかる。

ノブナガはギリギリで刀を差し込むが間に合わず爪で切られ装甲から火花が上がった。

 

少し仰け反るノブナガだが直ぐに持ち直すと刀でカザリに反撃を加えようとするがその攻撃はアッサリと回避されてしまう。

 

「....成る程、かなり速いようだな。」

「随分と余裕タップリだね。

じゃあ、今度はその余裕を崩して上げるよ。」

 

カザリはそう言いながらノブナガを囲う様に周囲を飛び回りながら両腕の爪で切り裂きに掛かった。

嵐の様な攻撃をノブナガは刀で防御しているが間に合わなかった攻撃がノブナガの身体に火花を上げさせる。

「はは!どうしたの?

このまま切られ続けて終わり?」

「ノブ君!...僕..が」

 

立ち上がろうとする映司をノブナガは言葉で制する。

「じっとしていろ!

この場はワシに任せろ。

それにもう"動きは分かった"」

「は?」

 

そう言うと先程まで目で追えてすらいなかったカザリの入る場所に顔を向けると刀をカザリの移動方向に向かって振り下ろした。

回避行動が間に合わぬいカザリは背中に一太刀いれられ地面に転がる。

「ぐあっ!?」

 

カザリは立ち上がるともう一度、ノブナガの周囲を走り出そうとするが足に力を入れようとしたタイミングで回り込まれてしまい振り下ろされた刀を両爪で抑える。

 

しかし、その爪もノブナガの刀で巻き上げられ無防備になった胴体にノブナガは嵐のごとき太刀を振るった。

カザリはもろに受けたダメージで切られた腹部を抑えながら片膝をつく。

「何....で!?」

「お主の動きはもう"覚えた"。

もうその攻撃がワシに届くことはない。」

 

「そんなバカな.....」

「では次は"此方"を試してみようか。」

ノブナガは持っていた刀を捨てるとセルメダルを"二枚"、ドライバーにセットするとスロットルを二回廻した。

 

Spear Arm(スピアーアーム)

Jet Leg(ジェットレッグ)

 

 

すると左腕と両足からパーツが展開し武骨な槍とジェット機構が付いた両足の追加装甲が展開された。

ノブナガは槍を握り込むとカザリに襲い掛かる事はせず二~三度、素振りを行う。

 

「振りやすく扱いやすい....良い槍だ。」

「バカにしてるのかい?

僕を前にして武器の練習をする暇があるとでも?」

 

「お主からは殺気を感じない。

恐らくだがワシを殺さぬように命令を受けているのではないか?」

「!?」

 

「おおよそ、ワシの力を確かめる必要があるからだろう?

なればこそワシもそれを利用させて貰う。

この力(リバースドライバー)にはまだ分からないことが多いからな。」

「へぇ....そこまで分かるとは流石だね。

でも、それだけ分かられちゃうと少し不愉快かなっ!」

 

カザリは不快感を露にすると両手足に竜巻を発生させる。

「僕のメモリは身体能力を高めるだけじゃない。

僕本来の持つ力との相性も高いんだ。

"こんな風"にね。」

 

カザリはジャンプするとバク転して両手足から四つの竜巻を空中に発生させた。

四つの竜巻はノブナガの周りを囲うように展開される。

 

カザリは展開した竜巻に突っ込むとその流れに身を任せながらノブナガに突進した。

竜巻の威力を纏ったカザリの突進をノブナガは槍で防御するがその凄まじい威力は防いだノブナガの身体ごと吹き飛ばした。

 

ノブナガは足についたジェットを起動し吹き飛ぶのを何とか防ぐがその間にカザリは別の竜巻に入りまた突進を行った。

防御が愚策だと悟ったノブナガは足のジェットを使い回避に撤する。

 

「どう僕の力は?

これで力を確かめるなんて戯れ言まだ言える?」

「確かに素晴らしい戦術だ。

不規則な回転をする竜巻から現れる突進。

受けてしまえば身体が吹き飛ぶ。

それに対処する間にお主は別の竜巻に潜り込み背後から突進を繰り出す。

まるで狩場に追い詰められた兎だな」

 

「じゃあ、その兎さんはこの状況をどう切り抜けるのかな?」

「簡単だ。

真っ向から捻り潰す。」

 

そう言うとノブナガは突進してきたカザリの動きに合わせて槍を振るった。

槍はカザリの肩に当たると槍の柔軟性を使いカザリの突進を反らした。

 

反らされたカザリは再度、竜巻に飛び込みノブナガに向かい突進を繰り返すがノブナガは槍で何度もその突進を反らしていく。

「!?」

「お主のその技は強力だが弱点がある。

その凄まじい速度にお主の感覚がまだついていけてない。

最高速を出すには直線的な動きしか出来ない。

だからこそ、竜巻を発生させそこに入ることで目眩ましの代わりもしておるのじゃろう?」

 

自分の弱点をバラされたカザリの動きは怒りで更に直線的となる。

それをノブナガは見逃さない。

「そして、もう一つお主の敗因は......」

 

 

「"ワシの槍"を侮ったことじゃ」

ノブナガは突進するカザリの肩に槍を振り抜く。

すると、今度はカザリの肩を貫通しそのダメージからカザリは地面に倒れ発生していた竜巻も姿を消した。

 

肩を抑えながらカザリが立ち上がる。

「どうして....僕が....」

「さて....これで終わりにするか?」

ノブナガはセルメダルを"連続で二枚装填"しスロットルを回す。

 

危機感を感じたカザリは頭部の鬣からトゲを広範囲に飛ばす。

ノブナガは放たれたトゲに向かって槍を振るった。

 

「CELL BURST」

 

セルメダルから供給されたエネルギーが槍と足のジェットに充填されると回転を加えながら放たれたトゲを払い飛ばす様に槍からエネルギーを放った。

 

しかし、ここでノブナガは失敗を犯す。

カザリの鬣から放たれたトゲには相手に触れると"爆発"する力があった。

 

結果、トゲを払おうとした槍は連鎖的な爆発を受けてノブナガは吹き飛ばされてしまう。

「ぐっ!...しまった!?」

 

爆発の後に向かっていったトゲがノブナガの背後にいるキチョウと比奈の元へ向かう。

(間に合わん。)

 

手を伸ばすノブナガだが進んでいくトゲを止められない。

「チッ!間に合うか?」

アンクは腕だけになり飛行すると比奈を掴みトゲから勢い良く引き剥がした。

しかし、咄嗟の事で比奈はキチョウの手を掴み損ねてしまいキチョウだけその場に残される。

「!?」

「危ない!キチョウさん!」

 

キチョウは襲い掛かるトゲを見つめることしか出来ない。

そんなキチョウの盾になる様に映司は"生身"のまま立ち上がった。

「何してんだ映司!戻れ!!」

 

アンクは映司に叫ぶがキチョウの前に立ち塞がり動こうとしない。

そして、トゲは映司の前で爆発を起こした。

 

「映....司....」

呆然とするアンク...生身であれだけの爆発を受ければ命など無いことは誰が見ても明らかだった。

 

煙が晴れると爆発した地点はコンクリートの破片で埋めつくされていた。

だが、映司は身体に多少の傷を残しながらも生きたまま立っていたのだ。

 

映司が無事だった理由は目の前にいる黒いフードを着けた男が爆発のダメージを肩代わりしたからだ。

しかし、爆発の威力が高く彼のフードが吹き飛び素顔が露になる。

 

その顔を見た映司と比奈は驚愕しアンクは悲痛な顔を浮かべた。

「そんな....アレって」

「えっ?」

 

"映司の顔をしたフードの男"は驚いている映司を見つめる。

「映司....お前は....やはり....くっ!」

 

フードの男はそれだけ言うと背中から翼を生やし映司を捕まえて空へ飛び上がった。

「映司!クソッ!」

映司を逃がすまいとアンクは腕だけで飛び上がり映司達に追い付こうとするが加速していくフードの男に追い付けない。

 

「...仕方ねぇ映司!受けとれ!」

 

アンクは数枚のコアメダルを映司に投げ渡す。

映司はそれを何とか掴むとそのままフードの男は加速していき二人の姿は消えてしまった。

 

 

 

 

 

カザリとノブナガの戦いを隣のビルから黒いフードの男......別世界で死んだ映司の身体を使う別次元のアンクは傍観していた。

 

「やはり、俺の知る"歴史"とは違うんだな。」

アンクはそう言うと自分の知る歴史と記憶を重ね合わせる。

(俺の知る歴史ではノブナガはいたがアケチやキチョウなんて奴はいなかった。

ノブナガはバースではなくリバースに変身した。

超越者が介入しただけでこれだけ変わるものなのか。)

 

「もし、映司の前にアイツらがいたら......」

 

アンクが答えの出ないIFを考えているとリバースとカザリの戦いに決着がついた。

しかし、カザリは最後の悪足掻きとして鬣のトゲを飛ばす。

あんな攻撃ではノブナガにダメージは与えられない。

 

(これでカザリも終わりか.....)

 

そう考えているアンクだったが突如トラブルが発生する。

ノブナガがカザリのトゲの迎撃に失敗し爆発に巻き込まれたことで数本のトゲがキチョウの元へ飛んでいったのだ。

 

(不味いな。

"あの女"(キチョウ)もまだこれから先の計画に必要だ。)

 

アンクは右手に炎を宿しトゲを迎撃しようとする。

しかし、それよりも先にこの世界の映司がキチョウの盾になるように立ち塞がったのだ。

変身すらしていない生身の身体で.....

 

「!?」

 

 

驚いた。

この世界の映司も俺の世界の映司と同じく自分の命を省みない行動をした。

想像出来ていたり理解しているつもりだった。

 

だが、その行動はアンクの心にある傷を刺激した。

それはゴーダから映司を救う為に彼の中に入った時に見た光景。

 

800年前のオーズの攻撃から少女を守る為、映司は自ら盾となった。

身体を貫く痛みに絶叫しながら映司は守った少女に笑顔で告げる。

 

「大丈夫」....映司はそう言って...最後に....

 

 

気が付けば身体が動いていた。

 

盾になろうとしてる映司の前に立つと放たれたトゲを火球で焼き払う。

 

その際に起きた爆発でフードが外れてしまう。

 

自分の顔を見て驚く映司を見てアンクは悲痛な面持ちとなる。

まるで、今、自分のしている行いを非難している様に思えたからだ。

(俺を見ないでくれ....映司。)

 

俺は映司の手を掴むとその場から逃げ出した。

途中、この世界の(アンク)が追ってこようとしたがコアメダルが少なく本調子でない俺に負ける筋合いはない。

 

それに、俺はこの世界の映司と話がしたくなったんだ。

その邪魔をさせる訳には行かない。

 

ある程度、飛び回り手頃な場所を見つけた俺と映司は地面に降り立った。

 

「うおっ!?」

「ここなら良いだろう。

実際に顔を見せて会うのは始めてだな映司。」

 

自分(映司)の顔なのに(アンク)の声がする事に違和感を覚えながらも映司は答えた。

「えっと...取り敢えずさっきは助けてくれてありがとう.....かな?」

「ふん、最初に出る言葉がそれか。

全くお前らしいよ映司。」

 

並行世界でも変わらない映司の姿に俺は懐かしさを覚え少し笑うが無駄なお喋りをしてる暇は無いので本題に入った。

「俺は並行世界から来た。

所謂、別次元の存在だ。」

「別次元?」

 

「あぁ、詳細は省くが俺のいた世界はクソでな。

"800年前の王"いきなり復活して....世界を破壊し始めた。

俺と映司はそれを止める為に戦った。

 

とは言っても俺は途中で目覚めたから最初から戦えてた訳じゃねぇがな。

まぁでも800年前の王は倒せた。」

「じゃあ、どうしてこの世界に?」

 

映司の問いにアンクの顔は暗くなる。

「失ったんだよ俺にとって大切な者を.....

いや、違うな。

俺が生き返った事で大切なもんが失われたんだ。

 

奴は満足して逝きやがったが....俺は認められなかった。

命を救う為に手を伸ばすって言ってた奴が最後には自分の命を手放しやがったんだ。」

「それって」

 

「まぁ、お前に言った所で変わることはないが俺の目的は失ったソイツを救うことだ。

その為にこの世界に来た。」

「失った者を救うってどういう.....」

 

「"時空間を巻き戻す"。

これまで決められていった歴史を巻き戻すことで死んだ人間を蘇生させる。」

「そんな事が出来る訳が!?」

 

「出来る。

超越者であるアルケが用意した道具と儀式が完了すれば娘の時空間は巻き戻り始め死は生へと変わる。

.....そして、その力はこの世界にいる人間に作用する。

それが例え別次元から来た俺にでもな。」

「じゃあ君の....アンクの目的は」

 

俺は止まっているこの身体の心臓に手を当てながら答えた。

「死者の....蘇生だ。」

「.......」

 

驚く映司にアンクは続ける。

 

「お前にこの事を話したのは協力して欲しいからだ。

この目的さえ果たせれば俺は何も望まない。

もし、アルケが邪魔だと言うのなら共に戦っても良い。

奴らの情報もくれてやる。

 

だが、まだ儀式が完了してない。

この状態でお前達に邪魔されるのは困るんだよ。」

「つまり、俺にこの状況を見過ごせって言ってるのかアンク?」

 

その目を見て俺は確信した。

 

「.....やっぱりダメか?

この儀式が始まれば過去に失ったどんな人間でも蘇生できる。

お前にも甦らせたい人だっているだろ?」

 

アンクの言葉に映司は"紛争地帯で救えなかった少女"の顔が浮かぶ。

「そうだね。

この手が届かなかったせいで死んだ人が生き返る何て言われたら少しはぐらついちゃうかも知れないね。」

 

やっぱりコイツは変わらない。

 

「でも、だからと言って今苦しんでいる人を見捨てて良い理由にはならないし利用して良い道理も無い。」

「皆、救えるんだぞ?

これが最後のチャンスなんだ。

お前はあの時に手を伸ばしてオーズの力を手に入れた。

ならば何故、俺が手を伸ばそうとするのを否定するんだ映司?」

 

どこまで言ってもお人好しで強欲な奴だ。

 

「.....ごめんアンク。

でも俺はこの力を手に入れた時に決めたんだ。

この手の届く範囲の人は何がなんでも守って見せるって....」

「そうか。

なら、もう何も言わねぇよ映司。

協力しないならそれはそれで構わねぇ。」

 

でもよ映司.......

 

「だから、ここでお前を潰す。

お前が...オーズが一番邪魔なんだよ。」

「アンクならそう言うと思ってたよ。」

 

俺はそんな"お前だからこそ"諦めきれないんだよ。

 

映司とアンクは互いに"オーズドライバー"を取り出すと腰に装着した。

 

「やっぱり持ってるみたいだね。」

「当然だろ?

俺も映司とこれを使って"戦ってきた"んだ。」

 

映司はタカ、トラ、バッタのコアメダルをドライバーに装填した。

 

アンクも同じメダルを取り出すがそのメダルは"黒く変色"していた。

アンクは映司と同じ様にメダルを装填する。

 

二人はオースキャナーを手に取るとドライバーに装填したメダルをスキャンした。

 

『『キン!キン!キン!』』

 

「変身!」「......変身。」

 

「タカ」

「トラ」

「バッタ」

 

 

 

 

 

 

「タカ」

「トラ」

「バッタ」

 

タ、ト、バ、タトバ

 

タトバ

 

変身を終えた二人のオーズが対峙する。

しかし、アンクの変身したオーズの色は抜けていた黒と灰色で彩られたオーズはまるで映司を失ったアンクの心を表している様にも見えた。

 

二人のオーズがにらみ合いながらもゆっくりと構える。

 

「はっ!」

「.....ふっ!」

 

二人の拳がぶつかり合い火花が散る。

その姿は夕焼けの色に溶けていった。

 

外伝 続編の投稿に関して

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