俺は自分の目を疑った......
私はこの現実を受け入れられなかった......
おやっさんは死んだのに......
克己ちゃんは未来ちゃんを守って命を散らした.....
でも.....
なのに......
どうして目の前に現れたんだ?
翔太郎は目の前の現実が理解できなかった。
自分の目の前に死んだ筈のおやっさん....鳴海 荘吉がいたからだ。
(偽物だ....本物な訳ねぇ!?)
翔太郎の心臓が早鐘を打つ様に激しくなる。
だが、分かってしまう。
あの雰囲気や佇まい....それに....敵に向ける冷たい目...翔太郎は全て知っていた。
見ただけで理解させられた。
(おやっさんは....俺を"敵"だと思ってる。)
動揺する翔太郎を尻目に荘吉本人は辺りを見渡すとフィリップに目を向けた。
「お前は.....そうか...無事に生きてこれた訳か。」
声をかけられたフィリップは動揺しながらも尋ねる。
「貴方は....本当に...鳴海 荘吉なのか?」
フィリップの問いに荘吉は答えた。
「この状況で"そんな言葉"を言うとは.....人として生きて甘さが出たか?
だが、この場では命取りだぞ。」
その瞬間、荘吉はスカルマグナムを素早く引き抜くとフィリップに向けて放った。
フィリップはそれを地面を転がりギリギリで回避する。
「そん...な...」
呆然とするフィリップよりも先に翔太郎が動いた。
翔太郎はフィリップに向けられているスカルマグナムを蹴ると荘吉に殴りかかる。
だが、荘吉はその攻撃を片手で捌くとそのまま腕を固めて翔太郎を投げ飛ばした。
その際、翔太郎の帽子が空を舞う。
荘吉はその帽子を空中で掴むと自分の頭に乗せた。
「そんな手緩い戦い方を俺は教えたつもりはないが....やはりまだ半人前か翔太郎。」
「おやっさん....どうして!
どうして俺達が戦わねぇと行けないんだ!」
翔太郎の慟哭に荘吉は溜め息をつく。
「はぁ....お前達は探偵だろう?
ならばその手でその答えを掴め。
最もこの場を生きて抜けられたらの話だがな.....」
荘吉はそう言うとロストドライバーを装着する。
そして、懐から一本のメモリを取り出した。
「SKULL」
荘吉はスカルメモリをドライバーに装填すると帽子を取る。
「.....変身。」
その声と共にドライバーを展開すると荘吉は仮面ライダースカルへと変身した。
変身を終えた荘吉は帽子を被り直す。
それを見た翔太郎はジョーカーメモリを取り出した。
「JOKER」
その姿を見たフィリップは翔太郎に叫ぶ。
「翔太郎!?」
「行くぞフィリップ!
変身するんだ!」
「だけど!」
「今は戦わねぇと俺達が殺されちまう!
早くしろフィリップ!」
「....くっ!」
「CYCLONE」
翔太郎達は仮面ライダーWサイクロンジョーカーに変身するとスカルと対峙した。
両者は沈黙のまま近付くと互いの拳を放つ。
互いの拳が顔に当たると両者はのけぞった。
だが、互いに思うことは全く違った。
「...中々良いパンチを打てるようになったな翔太郎。」
荘吉は翔太郎の拳から成長を感じ
「...クソッ!この痛み...やっぱり...」
『翔太郎....』
翔太郎は荘吉の拳から真実を感じた。
そして、荘吉は小さく笑うと翔太郎に向かっていく。
対する二人は苦しい顔で迎え撃つのだった。
鴻上コーポレーションに現れた侵入者見た京水とレイカは絶句していた。
特に京水に至っては顔の表情が抜け落ちる程に驚き悲しんでいた。
「どう....して....」
京水に問われた侵入者は纏っていた外套を脱ぎ去るとその姿を現した。
「顔が見えなかった筈なのに気付くとは流石だな。」
"大道 克己"はそう言いながら二人を見つめた。
二人が彼の正体を見破れたのは共に長く過ごして来たが故だった。
警備員と戦っていた際の細かい動きは使っていたナイフ捌きを見るだけで二人は侵入者が大道 克己だと気付いてしまったのだ。
「克...己....ちゃん。」
「どうした京水?何時ものお前らしくないぞ?」
驚愕する京水を見て克己は笑う。
「克己...アンタ死んだんじゃなかったの?」
「随分な挨拶だなレイカ。
俺が生きてたら不味いのか?」
レイカの問いにふざけながら返す姿を見れば見る程、自分達の知る消えてしまった克己本人だと分かってしまった。
故に京水は反応が遅れてしまった。
それは克己のナイフが"京水の腹部"に深々と刺さった事でやっと理解できた。
「.....え?」
「敵の前でそんなに呆けてられるとは腕が鈍ったんじゃないか京水?」
「京水!」
レイカは京水を助ける様に前に出ると克己に蹴りかかった。
克己は京水に刺さったナイフを手放すとレイカの蹴りを片手で受け止める。
「どうした?
お前の蹴りはもっと鋭かっただろレイカ。」
「くっ!?うっさい!」
レイカは止められた足を引くとその勢いのまま回転蹴りを行う。
だが、克己も同じ様に回転し蹴りを放った事でカウンター気味に克己の蹴りがレイカの胴体を捕らえた。
「かはっ!?」
レイカの身体は回転しながら地面を数度バウンドした。
その姿を見た克己は嘆く。
「弱い.....これが俺が作り上げたNEVERの末路か。
少しは骨のある戦いが出来ると思ってたんだがな。」
「克己....アンタどうして私達と戦うのよ?」
蹴られた部位を抑え苦しみながらもレイカは尋ねる。
「さぁな。
だが、それが今の俺の役割らしい。
お前達、NEVERと戦う事がな。」
「....意味分かんない。」
「お前に理解など求めてないさレイカ。
それより京水?
さっきから黙ってどうした。
何時の様な茶目っ気が無いぞ?」
問われた京水は腹部に刺さったナイフを抜けぬまま答える。
「克...己..ちゃん。
私達は...貴方の...仲間なのよ。
それなのに....どうして...」
「言い残すことはそれだけか?
だとするならこの後の"命令"も早く済みそうだな。」
「命令....アンタ誰かに命令を受けてるの?」
「あぁ、俺の子供いるだろう?
その子を"殺さないといけない"んだ。」
「「は?」」
自分の子を殺す命令を受けたことを平然とした顔で言われ二人は驚愕する。
「あの子は今、この街にいるんだろ?
ここで暴れればお前達が現れる。
後はお前達から居場所を聞けば良いと思ったんだ。
京水、レイカ.....俺の子の居場所はどこだ?」
克己の問いにレイカは無言で立ち上がるとNEVERドライバーを装着した。
「レイカ.....」
「京水、克己の生き返った理由は分からないけど今のアイツを未来やミーナの元へ向かわせるわけには行かない。」
「......」
「しっかりしろ京水!!
あの克己を未来ちゃんに会わせられるの?」
レイカの言葉を受けて京水は我に返ると勢いに任せて刺されたナイフを抜き取った。
「痛ったぁ!?.......
ちょっと前までは克己ちゃんに刺されて死にたかったとか思ったけどやっぱり違うわね。
痛いだけじゃなくて心も辛くなったわ。」
「京水....」
「ごめんなさいレイカ。
ちょっと私、呆けすぎてたわ。
こんな克己ちゃんをミーナと未来に会わせる訳には行かないものね。」
そう言うと京水もNEVERドライバーを装着する。
その姿を見た克己は楽しそうに笑う。
「どうやら殺る気になったみたいだな。
そうでなければ意味がない。」
克己はそう言うとロストドライバーを装着した。
そして、両者はメモリを取り出す。
「HEAT,LUNA」
「ETERNAL」
「「「変身」」」
変身の掛け声と共にメモリを装填するとドライバーを展開した。
すると三人は仮面ライダーヒート、ルナ、エターナルへと変身が完了する。
二人は覚悟を決めると克己に向かっていく。
克己はそれを悠然と受け止めるのだった。
「はっ!」
「ぐぁっ!」
「うらぁ!」
「くっ!」
映司とアンクが変身したオーズの攻撃が互いの身体を傷付けていく。
それでも二人の戦いは止まらない。
「かはっ!?.....映司ぃぃい!!」
アンクの展開したトラクローが映司に迫る。
映司はメダジャリバーでトラクローの攻撃を防いだ。
「アンクっ!お前の計画は俺が止める!」
「ふざけんなっ!漸く俺の望みに手が届くんだ。
誰にも邪魔はさせねぇ。
それが例え、映司....お前だとしてもなっ!」
突如、アンクのトラクローから炎が吹き上がりメダジャリバーを弾き飛ばすとその勢いのまま映司の胴体にトラクローから炎の斬撃が放たれた。
その攻撃を受けた映司は大きく吹き飛ぶと地面を転がった。
「ぐあっ!?そんな
「これはオーズだけの力じゃねぇ。
"俺の力とオーズの力を融合させた"。
....まぁ、コアメダルのコンボと比べればショボい威力だがな。」
そう言いながらも確かなダメージを受けた映司は考える。
(どうする?
アンクの変身するオーズは強い。
多分、コンボでも使わないと勝ち目はない。)
そう考えると映司は連れ去られる間際、此方のアンクに投げ渡されたコアメダルを思い出す。
(この力に賭けるしかない!)
映司は立ち上がるとオーズドライバーに装填されたメダルを全て抜き新たに三枚のコアメダルを装填する。
ベルトを展開しオースキャナーを構えた映司は覚悟を決めるとオースキャナーをドライバーに通した。
「すぅ......変身!」
「サイ」
「ゴリラ」
「ゾウ」
「...サゴーゾ......サゴーゾッ!!」
雄々しいドラムのリズムと共に重量系メダルのコンボであるサゴーゾのメロディーが流れるとオーズはサゴーゾコンボへの変身が完了した。
映司は体内に溢れるエネルギーを放出する様に両腕で交互に胸を打ちドラミングを始めた。
「うぉぉおおおおお!!」
サゴーゾコンボによるドラミングは周囲の空気を揺らし強力な重力波を発生させる。
それを受けたアンクの身体はまるで無重力状態の様に浮き上がった。
映司はドラミングを止めるとアンクに向かって突進していった。
サゴーゾはパワーと重力に秀でた強力なコンボの反面、その重さ故に速度は無かった。
タトバコンボの機動力ならば簡単に避けられたがアンクは先程、喰らったドラミングによる重力波で平衡感覚が一瞬、狂ってしまいそれが隙となった。
アンクが立ち直る頃には懐近くまで近付かれていた。
「はっ!」
映司の拳がアンクに振るわれた。
「くっ!」
アンクはその攻撃をトラクローで防御するが映司のゴリバゴーンはトラクローを吹き飛ばしアンクを高くまで吹き飛ばした。
「まだだ!」
映司はそう言うと両手を空中にいるアンクに向けて後ろに引きながら構えると勢い良く両手を突き出した。
その瞬間、映司の両腕に着いているゴリバゴーンはロケットパンチの様に放たれアンクの元へ向かう。
「舐めんな映司!」
アンクはオーズの背中に赤い翼を生やすと空中で旋回し攻撃を回避した。
「!?....ならっ!
フン!」
攻撃を回避された映司は次に地面を思いっきり踏みつけた。
ゾウレッグの踏みつけにより周囲に引力が発生し空中を飛ぶアンクの身体を捕らえる。
「しまっ!?」
映司の次の攻撃を理解したアンクだったが発生した引力に巻き込まれ地面に向けて大きく落下する。
そのタイミングを狙い映司は頭部のサイホーンをアンクに突き立てた。
引力による恩恵により通常よりも強力な威力を発揮した頭突きはアンクの身体に激突し火花を上げると衝撃のまま転がった。
「か....はっ....」
「はぁ...はぁ...どうだアンク!」
アンクにダメージを与えた映司だったが彼もコンボにより体力を著しく消耗していた。
(何とか当たったけどやっぱりコンボはキツいな。
気を抜いたら倒れそうだ.....)
そんな事を考えているとアンクは攻撃を受けた部分を抑えながらも何とか立ち上がった。
「はぁ...はぁ....」
「はぁはぁ.....随分とタフだな。
"そっち"のアンクは....」
「はっ!....俺を舐めんな映司。
それよりもそっちはどうなんだ?
コンボはヤバい....本当は立ってるのがやっと何じゃねぇのか?」
「だとしても....アンクを止めるまでは戦うよ。」
その言葉を聞きアンクの顔色は苦々しくなる。
「チッ!テメェもやっぱり映司だって事か。
.....仕方ねぇお前を止めるにはやっぱり俺の"全ての力"を使わねぇとダメらしい。」
アンクはそう言うと自分の胸に手を突っ込み目当てのメダルを探した。
そのメダルを見つけると自分の身体から勢い良く引き抜いた。
中から現れたのは中心にまだうっすらと赤色が残りながらも黒く変色してしまった三枚のコアメダル。
それを見た映司は驚く。
「そのメダルって....まさか!?」
アンクはドライバーに三枚のメダルを装填するとオースキャナーを通した。
「タカ」
「クジャク」
「コンドル」
「タ~ジャ~ドル~」
赤き炎に覆われたアンクの姿は変わりオーズ"タジャドルコンボ"へと昇華していく。
変身を追えたアンクのタジャドルはまるで燃えて炭になった様な漆黒を纏い映司を見つめていた。
「映司.....これで"終わり"だ。」
アンクはオースキャナーをドライバーにもう一度通し必殺の構えを取る。
嫌な予感を感じた映司も同じ様にオースキャナーをドライバーに走らせた。
「「SCANNING CHAGE」」
映司は両足に重力の力が纏われると斥力を使い上空へ飛び立った。
対するアンクは両足に炎を纏うとタジャドルの翼を出現させ空へ舞い上がる。
アンクの背中からクジャクの羽根を模したエネルギー弾が打ち出されるとアンクの背後に待機した。
上空にいる両者は同じタイミングで必殺のキックを相手に放った。
「セイヤァァァア!!」
「ハァァァァアア!!」
両方のキックが衝突すると巨大なエネルギー同士のぶつかりで周囲の空間が歪み火花が散る。
そして、アンクの背後を飛んでいたクジャクの羽根が一斉に映司に向かうと大爆発を起こした。
その影響で映司のキックの支点がズレてしまい無防備となった胸部にアンクのキックが叩き込まれた。
凄まじい爆発と共に変身解除し気絶してしまったボロボロの映司が落下していく。
そうして落下しながらも"伸ばしていた手"をアンクが掴むと映司をゆっくりと地面に下ろした。
変身解除したアンクはダメージから片膝をついた。
「!?はぁはぁ.....やっぱりお前は侮れねぇな映司。
この世界のお前とも本当なら仲良く出来たのかも知れねぇな。
....だが、俺は"俺の世界の映司"が大事なんだ。」
アンクはそう言うと映司に着いているオーズドライバーを引き剥がした。
「これでもうお前はオーズにはなれねぇ。」
それだけ言うとアンクはボロボロの身体を引きずりながらその場を後にするのだった。
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