「ぐはっ!」
スカルに殴られたWは地面を転がる。
「どうした?.....お前達の力はこんなものか?」
その言葉に触発され立ち上がったWは翔太郎の宿る左の拳でスカルを殴り付けた。
この世界線のWはゴエティアの介入によりフィリップと翔太郎も原作よりも圧倒的に強くなっていた。
特に翔太郎はジョーカーメモリの力を限界以上まで引き出せる様になったお陰で絶好調ならばマキシマムクラスの力を常時発動できるレベルにまでなっていた。
現に翔太郎から放たれるパンチにはジョーカーメモリの特有の紫色のエネルギーが纏われており通常のドーパントなら致命傷になりかねない威力となっていた。
しかし、そんなパンチでも鳴海 荘吉の身体には響かない。
殴られた荘吉は平然とした様子で反撃を行う。
そのカウンターを受けてWが少しずつ後退していった。
「クソッ!どうして俺の攻撃が効かねぇんだ?」
『落ち着け翔太郎!
....恐らくだが鳴海 荘吉の使っているスカルメモリと彼のメモリへの適合率が関係しているんだ。』
「どういう意味だ?」
『スカルメモリの持つ記憶は骸骨....つまりは"死の力"だ。
しかし、死んでいながらも仮面ライダーとして生きて動いている。
その生と死の合間にいる力故に単純な物理攻撃や命を奪う攻撃に強い。
そして、鳴海 荘吉はそのスカルメモリとの適合率が高くその力を十全に使いこなせるんだ。』
「本当にそれだけか?」
フィリップの説明に荘吉が疑問の声を上げる。
「翔太郎、お前の拳にはちゃんと魂が入っているのか?
さっきから迷いを感じるぞ。」
「!?」
自分の心の内を見抜かれた翔太郎は動きを止める。
翔太郎の持つジョーカーメモリは使用者の感情に呼応して強くなる。
しかし、今の翔太郎は戦えてはいたが師である鳴海 荘吉と"殺し合う覚悟"までは出来ていなかった。
「いくら"見てくれ"を強くしても迷ってる奴の拳を何万発受けようと俺は負けない。
そんな情けない奴を俺は育てたのか翔太郎?」
「.....おやっさん...俺はっ!?...グハッ!」
「気を抜いたら死ぬと前にも言っただろう?」
荘吉はスカルマグナムを構え放つとその弾丸はWに命中した。
的確に放たれた弾丸はWに大きなダメージを与える。
『翔太郎!....ならば』
翔太郎の異変を感じたフィリップは荘吉とWの間に風の障壁を展開する。
それにより荘吉の放った弾丸は軌道を変え別方向に逸れた。
「相棒の危機を感じて動く.....か。
流石は翔太郎の相棒だ。
判断も的確で素早い....だが、それで完璧に防げると思うのは甘いな。」
『何っ....ぐっ!?』
突如、Wの背中に衝撃が走り火花を上げて地面に倒れる。
『バカなっ!?....一体何処から』
「弾丸が逸らされるなら軌道を戻してやれば良い。
こんな風にな。」
荘吉はフィリップの風の盾により逸らされたエネルギー弾に向けてスカルマグナムを放つ。
放たれたエネルギー弾同士が衝突すると弾丸の軌道が変わりWの背中へと向かっていった。
タネが分かったWはメモリチェンジを行う。
「LUNA,TRIGGER」
ルナトリガーに変身したWはトリガーマグナムを放つと通常ではあり得ない軌道を描きスカルマグナムの弾丸を撃ち落とした。
「....良い腕だ。
鍛練は怠ってないらしい。」
『教えてくれ貴方は鳴海 荘吉なのか?
僕達を攻撃するのはアルケに操られているからなのか?』
「さぁな。
俺が操られているかなんてどうでも良い。
今重要なのは俺を倒さなければお前達が死ぬ....それだけだ。」
荘吉はドライバーからスカルメモリを抜くとスカルマグナムに装填する。
「SKULL MAXIMUMDRIVE」
『.....くっ!?』
それを見たWもトリガーマグナムにトリガーメモリを装填した。
「TRIGGER MAXIMUMDRIVE」
両者の銃口にエネルギーが溜まっていくとその引き金が弾かれた。
髑髏の形をした弾丸と複数の金色の弾丸がぶつかり合う。
髑髏の弾丸は威力が高く数発の金色の弾丸のエネルギーを呑み込みながらWへ向かっていく。
そして、Wの目の前で弾丸は大きく爆発した。
『「ぐあぁぁ!?」』
その爆発に巻き込まれたWは壁に激突し持っていたトリガーマグナムを落としてしまう。
『翔....太郎っ!?』
倒れているWに荘吉はゆっくりと近付いていく。
そして、スカルマグナムからメモリを抜き取るとドライバーのマキシマムスロットへ装填した。
「SKULL MAXIMUMDRIVE」
荘吉はWの目の前にまで来ると首を掴み身体を持ち上げた。
「おやっ....さん...」
「翔太郎....これで終わりだ。」
荘吉はWを空へ投げると狙いをすます。
胸部が展開し髑髏状のエネルギーが現れると右足に吸収された。
紫色のエネルギーを纏った必殺の一撃がWへと襲いかかる。
先程のダメージから回復できていないWに避ける手立てはない。
そして、放たれた一撃は.....突如現れた"黒炎の矢"により防がれた。
「!?」
荘吉の蹴りは黒炎の矢に当たると爆発を起こし荘吉の身体を後退させた。
その攻撃を放った方向をWと荘吉は見つめる。
そこには黒炎の翼をはためかせ此方に向かってくる仮面ライダーデーモンの姿があった。
「あれ....は....」
『無名!?....どう...して』
驚くWを他所に荘吉は納得した様に告げる。
「ふむ....どうやらこの世界はまだお前達を見捨ててはいない様だ。」
そう言っていると仮面ライダーデーモンがWを守るように地面に降り立つとアームズライザー"アローモード"を荘吉へと向けた。
「戻って早々、ピンチとは....やはり我々は後手に回っている様ですね。」
「そこまで分かっているのならばどうする?
ここで殺り合うか?」
荘吉の問いにデーモンは答えた。
「そうですね....メモリの相性が悪いのは理解しています。
ですからここは逃げさせて貰います。」
無名は空に向けて黒炎の矢を放つと背後に黒炎のゲートを展開しWと倒れているフィリップを抱えた。
「逃がさん。」
荘吉は背を向けているデーモンにスカルマグナムを向けるが上空からの危険を感じバックステップで緊急回避した。
すると、空中から黒炎の矢が荘吉の立っていた場所に落ちてきた。
荘吉が空に目を向けるとそこには無数の黒炎の矢が落ちてくるのが見える。
荘吉は素早くスカルメモリをスカルマグナムへ装填するとチャージする間も無く展開し空に向けて引き金を引いた。
半端なチャージで放たれた弾丸はフルチャージ状態のマキシマムと比べると威力は落ちるが降り注ぐ矢を防ぐには十分だった。
荘吉の放った髑髏の弾丸は傘の様に展開すると黒炎の矢の雨を防いでいく。
そして、空から矢が降り注ぐのが止み辺りを見回すとそこにはもう誰もいなくなっていた。
「逃げられた....か。
悪知恵の働く男だ。」
荘吉は変身解除しながら辺りを燃やしている黒炎を見つめる。
思い出すのは一度だけ戦った無名との記憶.....
(無名....お前ならば....きっと.....)
荘吉は帽子を深く被るとその場を後にするのだった。
その一方、鴻上コーポレーションでは三人の仮面ライダーが戦いを繰り広げていた。
それと同時に
長年組んできたレイカと京水の攻撃は並の敵ならば手も足も出ないレベルにまで洗練されていたが克己は
レイカは戦いながら舌打ちする。
「チッ!...ちょっとは当たれよ!」
「なら、当てる努力をしろよレイカっ!」
そう言うと克己の拳のカウンターがレイカの腹部に深々と突き刺さる。
「ぐっ!?」
「レイカ!....克己ちゃんアンタァァァ!」
京水がメタルシャフトで追撃を加えようとする克己の腕を巻き付かせて止めるとそとに向けて克己を投げ飛ばした。
ビルの窓が割れ落下する克己と共に落ちる京水とそれを追うレイカ。
「ごめんね克己ちゃん。
ここでアンタを止めるわ!」
「LUNA MAXIMUMDRIVE」
京水はメタルシャフトのマキシマムスロットにルナメモリを装填した。
充填されたエネルギーを纏ったメタルシャフトの鞭を思いっきり振り上げて落下速と掛け合わせた攻撃を行おうとする京水だったがその考えは克己の一手で砕かれた。
「ETERNAL MAXIMUMDRIVE」
突如、発動したエターナルのマキシマムを京水は喰らい強制的に変身解除させられてしまう。
「なっ!?」
「良い作戦だったが詰めが甘いな京水?」
克己はそう言いながら生身となった京水の顔を殴り落下しながら片腕を固めて姿勢を固定した。
「どっ....どうやってメモリを」
「お前が俺の腕に鞭を巻いたタイミングさ。
何かあると思ったから保険をかけさせて貰った。」
そう言って克己は空中を指差すとそこには克己の元に落ちてくるエターナルメモリが装填されたエターナルエッジがあった。
地面が近くなるタイミングでエターナルエッジは克己の手に収まる。
「これで終わりだ京水....」
克己はエターナルメモリのマキシマムを発動したナイフを京水に突き立てようと高く掲げた。
その瞬間、青い閃光が克己達の元へ走りエターナルエッジに激突した。
「狙撃?」
克己は京水の手を離し身体を蹴り上げて地面に着地した。
そのタイミングを見計らった様に両足から爆炎による加速で京水の元へ接近したレイカが地面に落ちるスレスレで京水を捕まえて助け出した。
克己は手に受けた感触を確かめながら言った。
「これでNEVER揃い組だな....姿を現したらどうだ"賢"。」
克己がそう言うと鴻上コーポレーションの近くにあった建物の屋上から
「久し振りだな克己。
再開早々、仲間を殺そうとするとはどういう了見なんだ?」
芦原の低いトーンの声で尋ねられた問いに克己はあっけらかんに答える。
「そんなの聞かなくても知ってるだろ。
俺達の会話をちゃんと聞いていた筈だろう?」
克己は自分の耳に指を向けながら言う。
克己の言う通りであり襲撃してきた相手が克己だと分かったタイミングで京水は芦原と無線を繋いでいた。
その会話を聞いた芦原は仮面ライダートリガーに変身すると援護する為に隣の建物で待機していたのだ。
「本当に殺る気なのか?
相手はお前の娘だぞ.....ミーナとお前の....」
「関係ない。
どんな相手でも殺す....俺は死神だ。
生者でも死者でもなくな。」
克己の回答を聞いた芦原は覚悟を決める。
「そうか....それがお前の答えだと言うのならここでお前を殺す。」
そう言って戦闘に入ろうとするが克己はその動きを止めた。
「.....そうか。
なら仕方ねぇな。」
「どうした?」
「悪いが急用が入ったらしくてな。
俺はお暇させて貰う。」
「三対一で無事に逃げられると?」
その言葉を聞いた克己は冷笑する。
「はっ!殺る気のねぇ奴等が何人かかってこようと俺は殺せねぇよ。
それに続けて困るのはお前達だろう?
....じゃあな。
次はもう少しまともな
克己はそう言うと変身解除しその場から立ち去るのだった。
克己が見えなくなると構えていた銃を下ろし芦原は変身解除する。
そのまま倒れている京水に話し掛ける。
「京水。」
「芦原...ちゃん....ごめんなさい....アタシ...」
「気にするな。
二人が無事で良かった。」
そう言う芦原にレイカが尋ねる。
「ねぇ、本当に克己を追わなくて良かったの?」
その問いに芦原は顔を苦々しく歪めて言う。
「良くはないが.....今、追いかけた所で俺達に克己を止める手段は無い。
奴のエターナルメモリをどうにか無力化出来なければ京水の二の舞だ。
取り敢えず今は情報が欲しい。
この街で何が起きているのか....どうして消えた克己が敵として甦ったのかをな。」
その言葉に京水は賛同する。
「そうね。
何もかも分からず終い...でもこれで終わりじゃない。」
「あぁ、克己の狙いが未来である以上また攻めてくる。
どうにかして止めるぞ。」
そう言った芦原は京水の肩に手を回し担ぐとレイカと共にその場を離れるのだった。
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