もう、古き過去の筈なのに昨日の事の様に思い出せる。
"彼女"は自分では無く他者を慈しみ弱者にも手を差し伸べた。
自分が上位者であろうと変わらず誰にも優しく等しかった。
その優しさに
そしてそれは
アルケの用意した螺旋階を降りて段地下へと進む無名達の前に現れたのは両開きの門だった。
「ここがアルケの言っていた関所という事ですか。」
無名がそう言うと門は独りでに開き無名達を招き入れる。
中へ進むとそこは一面砂漠で質の悪い布で出来たテントが並んでいるだけの空間だった。
「ここは?」
「見た所、日本って訳では無さそうだね。」
フィリップの言葉に答える様に何処からかアルケの声が聞こえる。
『正解だ。
ココは私の始まりの地……
"800年前のココ"は砂漠しか無い不毛の土地だった。』
「800年前……って事は」
「ココでOOOの力が生まれたのか?」
『まぁ、そこまで行くにはまだ時を必要とするがな。
私を最初に見つけたのは口減らしの為に捨てられた少年だった。
私を見つけた少年は願った。
"生きたい"……"生きる欲望を叶えられる力が欲しい"と
故に私は"欲望の力を取り出し別の力に変換する術"を教えた。
それが錬金術の始まりだ。
少年は自らを"ガラ"と名乗り天才錬金術師と呼ばれる様になった。
そして少年が青年へと移り変わる時期に私達は出会ったのだ。
誰よりも"強欲で器の大きな王"を……』
そうして映し出されたのはガラと言う青年が王と会っている瞬間だった。
その姿を見たアンクは苦々しい顔をする。
「チッ!この時代になってお前の顔をまた見ることになるとはな。」
『そうだった。
お前はコイツに裏切られたのだったな。
これは嫌な記憶を見せた……話は此処で終わりとしよう。』
そう言うと先程までの映像が消えてそこからウヴァが現れる。
『ではゲームのルールを説明する。
ルールは簡単だ。
このウヴァを倒せば次に進める。
戦える相手は一人だけだ慎重に選ぶと良い。』
そうアルケに告げられると翔太郎が前に出る。
「俺が行く……良いよな?」
フィリップはその言葉を聞き少し考えてから答えた。
「あぁ、頼むよ翔太郎。」
「おぅ、行ってくるぜ。」
翔太郎がそう言ってウヴァに近付くと二人の周りに雷が走り檻の形に変化する。
それを見ても翔太郎は動揺せず余裕の声を上げる。
「へぇ、随分と趣向を凝らしてくれるじゃねぇか。」
『ほぉ……随分と余裕だな。
エクストリームでも勝てなかった相手の筈だが……』
アルケの言う通りウヴァとガメルを相手にバースとWはエクストリームの力を持ってしても苦戦を強いられた。
それをアルケも見ていたからこそウヴァにメモリの使用を許可する。
「Khepri」
ケプリメモリを挿したウヴァの身体は変化し金色の炎と緑色の雷をその両腕に宿すと翔太郎を挑発した。
「来い、痛めつけて殺してやる。」
それを聞いた翔太郎は笑う。
「ハッ!グリートだろうとメモリを使う奴はみんな同じ事を言うんだな。
痛めつけるだの殺すだの言う事が一遍通りでボキャブラリーが無いんだよ。」
「何だと!?人間の分際で……」
ウヴァは人間に侮られた怒りに任せて雷を翔太郎に落とした。
その瞬間、爆発し周囲に土煙が舞う。
「どうだ!!これが俺の力だぁ!」
高々に勝利宣言を行うウヴァだが煙の中から聞こえた音に驚愕する。
「
「DEMON」「JOKER」
煙が晴れて現れたのはロストドライバーを装着し変身した。
"仮面ライダーデモンジョーカー"だった。
「なっ!?」
「さぁ、行くぜ!」
デモンジョーカーは動揺するウヴァの隙を付き接近すると腹部に殴りつけた。
ジョーカーのエネルギーがウヴァの腹部から背中まで突き抜ける。
「ガッ!?」
「まだまだっ!」
デモンジョーカーはウヴァに追撃を加えていく。
「舐めるなぁ下等な人間如きが!」
ウヴァは殴られた箇所に金色の炎が展開し緑色の雷がデモンジョーカーを襲う。
しかし、デモンジョーカーはその雷をエネルギーを纏った足のキックで相殺すると追撃の速度を速めていく。
「なっ!?何故、俺の攻撃が効かない?」
ウヴァの問いにデモンジョーカーは戦いながら答える。
「この前、俺達がお前らにやられたのは
それに俺はこれまで自己再生やダメージの通りづらい敵との戦いは慣れててな。
こういう時は圧倒的なパワーでのゴリ押しが効果的なのさ。
そして、デモンジョーカーはWの形態の中で最もその戦法に向いている。
再生する先からぶっ壊し続けりゃメモリも耐えられねぇ。」
「くっ!?ならば回復するまで距離を……」
「させねぇぞ。」
「DEMON」「TRIGGER」
メモリチェンジしデモントリガーになると離れようとするウヴァにトリガーマグナムを放つ。
放たれたエネルギー弾はウヴァの身体を穿つ。
「ガッ!?……なっ…ならばっ!」
ウヴァは雷の檻に手を触れる。
すると、檻を通して雷のエネルギーがウヴァの身体へ流れ込む。
「檻の雷を自分のエネルギーに変換したのか。」
「この一撃で終わりしてやる!!」
ウヴァは蓄積した雷のエネルギーを掌に集約させエネルギー弾へと形を変える。
「確かにその攻撃を受けるならこのメモリじゃキツイな。」
そう言いながらデモントリガーは素早くメモリチェンジを行う。
「DEMON」「METAL」
デモンメタルへ変身が終わるとメタルメモリをメタルシャフトのメモリスロットに装填する。
「METAL MAXIMUMDRIVE」
マキシマムを発動したメタルシャフトを肩に担ぎながらデモンメタルはウヴァへ向かって走っていった。
対するウヴァは蓄積させたエネルギー弾をデモンメタルに向けて放った。
デモンメタルの身体を優に包み込む程の強大なエネルギーが迫る中、放たれたエネルギー弾に狙いを定めメタルシャフトを振り抜いた。
「うらぁ!!」
デモンシステムにより強化されたメタルメモリのマキシマムドライブはエネルギー弾に直撃すると弾の形を変形させていく。
「バッ……バカなっ!?
こんな事が……」
バリン!!
マキシマムの攻撃により形を保てなくなったエネルギー弾はガラスが割れる様な音と共に霧散すると煙を上げているメタルシャフトを投げ捨てジョーカーメモリを装填する。
「DEMON」「JOKER」
「これで決まりだ。」
「JOKER MAXIMUMDRIVE」
デモンジョーカーにメモリチェンジするとマキシマムを発動する。
右腕にメモリのエネルギーが集約する。
「ライダーパンチ。」
デモンジョーカーは構えた拳をウヴァに向けて振り抜いた。
ケプリメモリにより金色の炎を纏った今のウヴァには強力な再生能力が付与されていた。
冷静な状態ならばマキシマムを受けて反撃するのが最も効率が良い。
だが、今のウヴァは動揺していた。
ケプリメモリにより強化されコアメダルが全て揃ったのと近い力があった筈なのにその全ての攻撃を尽く翔太郎は対処したのだ。
そして、フィールドに展開していた雷の檻の力すら吸収して放った一撃は砕かれてしまった。
そんなウヴァがデモンジョーカーの右腕に溜め込まれたエネルギーを見たらどうなるか?
(受けられない!?
これを受けたら俺は殺られる!)
それは防衛本能だったのだろう。
ウヴァは翔太郎の拳を避ける事に全ての力を割いた。
その結果、地面に倒れ込み頭を抑えるながら兎に角、回避すると言う選択をした。
その動きを想定してなかった翔太郎の拳は雷で形成された檻に直撃する。
すると、檻もジョーカーメモリのマキシマムに耐えることが出来ず音を立てて展開していた錬金術ごと消滅させてしまった。
翔太郎達はこれまで見ていた砂漠の景色から洞窟の様に暗い場所へと変化した状況に驚く。
「これって!?」
「恐らく翔太郎の一撃が展開していたアルケの防御壁でも耐えきれない威力だったのだろう。」
この攻撃を放った当の本人である翔太郎は再度、構え直す。
「チッ!外しちまったか。」
ファイティングポーズを取る翔太郎を見てウヴァも構える。
「なっ……舐めるなよ。
まだ、戦いは……」
『いや、これで終わりだ。』
動揺するウヴァを止めたのはアルケだった。
『まさか、私の作った檻を壊すとは……どうやら、そのドライバーは私の知る
ゴエティアの作品か?』
その問いに翔太郎が答える。
「そんなに知りてぇならコッチに来れば良いだろアルケ?
嫌って程、教えてやるぜ。」
『あっはっは、怖いな仮面ライダー。
だが、その力も無限に使える訳では無いだろう?
デメリット……少なくとも再使用に時間を要するんじゃないか?』
そう話しているアルケの態度を見たウヴァは更に動揺する。
「まっ……待ってくれ!?
俺はまだ戦える!……貴方から頂いた力を使い奴らを皆殺しに……グアッ!?」
反論するウヴァの身体が急に硬直する。
『黙れ、お前がこの男に臆して逃げようとしたのは分かる。
力を与えられておきながら弱者を甚振るしか能が無いグリードなど要らない。
お前は"処分"する。』
「嫌だ……助けてくれぇ!!」
だが、命乞いをするウヴァの声は響かず彼の体内にあったメモリは排出され砕かれるとそのメモリを中心に無数の手が現れるとウヴァの身体を掴みながら包みこんでいく。
そして、ウヴァは中央から緑色の輝かせるな細長い石柱へと姿を変えた。
戦っていた翔太郎は尋ねる。
「ありゃ、何だ?」
その問いにアルケが答えた。
『アレは"グリードを作る前の段階の装置"だ。
欲望をエネルギーに変換しそこに昆虫の器を与え君達が"ヤミー"と呼ぶ錬金生物を生み出す。
この装置を使い集めた"セルメダル"に私の力とガラの錬金術を加えて生み出したのが"コアメダル"でありグリードなのだ。』
「欲望をエネルギーに変換……まさか!?」
その言葉を聞いた無名が少し考えるとアルケの行おうとしている事を理解した。
『その通り、コレは"発電機でありバッテリー"だ。
コイツも装置に組み込ませて貰う。』
そうアルケが言うと細長い石柱は姿を消した。
『さぁ、急いだ方が良い。
次のステージが待ってるぞ?』
その声を聞いた無名とフィリップ、それにアンクは焦り出す。
「皆さん、急ぎましょう!」
「あぁ、時間を掛ければ掛けるほど不利になる。」
「グリード1体分のエネルギーだ……ヤバい事は目に見えてる
行くぞ映司!!ボサッとすんな!」
そうして変身解除した翔太郎と無名達一行は奥へと進んでいくのだった。
時同じくして風都タワーでは
「ハァハァ……流石はかつて風都を守っていた仮面ライダー。
手強いな。」
霧彦は身体に刻まれた傷を手で抑えながら呟いた。
対して荘吉もナスカドーパントを見て言った。
「これ程、強いドーパントがまだ残っているとは………
お前はミュージアム関係者か?」
「嘗てはな……今はこの風都を愛し守る一人の男さ。」
「そうか、ではそんなお前がどうしてこのタワーに?
俺の方に真っ直ぐ向かってきた所を見ると誰かからの入れ知恵があったのだろう?」
霧彦が風都タワーに来た理由は他でもない妹から連絡があったからだ。
無名は戦力を集める為、NEVERの芦原にも一計託していた。
芦原達の家族を守る霧彦の妹である雪絵に事情を説明しリアルタイムで情報を共有していたのだ。
そして、須藤兄妹は風都タワー。
NEVERは風都第二タワーに其々向かっていた。
そしてナスカドーパントの空中飛行で偵察している中、荘吉に囚われ意識を失っている鳴海 亜樹子を見つけた彼は彼女を助ける為に一人タワーに特攻したのだ。
(それを止める為に放った仮面ライダースカルのマキシマムドライブの光を照井 竜は見た。)
そして、そのままスカルと戦闘を始め膠着状態になったのだ。
当初は強襲しその勢いで鳴海亜樹子を救出しようと思っていた霧彦だったがスカルの強さに内心動揺を隠せないでいた。
「……"超高速"。」
霧彦はナスカメモリの力で高速移動を行いスカルを翻弄しようとする。
だが、それも目の前に迫る"スカルマグナムの弾丸"により動きを止めた。
(回避が間に合わない。)
「くっ!"超防御"。」
霧彦は防御形態に変化しスカルマグナムの弾丸を受け止める。
だが、その隙をスカルは見逃さず更に弾丸を高速で発射した。
(これも防御を………いやマズイ!)
「"超潜航"」
ナスカドーパントの色が変わると地面に潜り弾丸を回避した。
そして、スカルの背後から飛び上がるとナスカブレードで斬りつける。
しかし、その一撃はスカルマグナムにより防がれ彼のキックを喰らい距離を離されてしまった。
「超潜行の奇襲すら対応するとは……」
「コロコロと特性を変える戦法は仮面ライダーWと似ている。
故に想定しやすい。
その素早くなる形態もあくまで直線距離の速度が素早いだけで曲がる際には速度が落ちる。
そこを狙えれば問題はない。」
「それでも並大抵のドーパントならば追うことすら出来ないんだがな。」
そう軽口を叩きながらも霧彦は逆転の策を考える。
(戦闘センスが違い過ぎる。
超防御の装甲を"同じ所に弾丸を放ち"突破しようと直ぐに考え付き実行に移せるのはこれまでの経験や直感が高いからだろう。
どうする?
下手な奇襲は却って此方の戦局を悪くする。
だが、このまま戦ってもこっちがスタミナ切れを起こすぞ。)
ナスカメモリの特性変化は強力だがその分、使用者の体力と精神力を大きく削る。
風都でこれまで戦ってきたお陰で連続でタイプチェンジしてもバテなくはなったがそれでも限界がある。
たった数手の先頭でさえ3回もタイプを変えさせられた。
故に霧彦は焦る。
(彼女を救っても風都で暴れる怪人に対処出来なければ意味が無い。
だが、余裕を持たせて戦える敵ではない。
死力を尽くして戦い五分に持ち込めるか?
妹の話では増援が来るらしい。
それまで持たせるには此方も"切り札"を切るしか無いか。)
それは霧彦がナスカメモリを使い続け適合率が上がった事で使える様になった切り札の一つ。
霧彦はイメージしていく……
それに伴いナスカドーパントの肉体も変化していく。
ナスカメモリは使用者のイメージを力に具現化させる。
より正確でしっかりしたイメージであればある程、その力や特性を自らに付与出来る。
だが、もし"不完全なイメージ"……それこそ抽象的な力を具現化出来たら?
ナスカの身体に"鎧にも見える鱗と爪、そして牙"が現れる。
その姿は伝説の生物と呼ばれる竜を彷彿とさせた。
その変化は武器であるナスカブレードの形も変える。
両刃の大剣に姿を変えると肩に担ぐ。
霧彦のイメージは"完璧" "無敵" "進化"。
その力を体現に肉体に宿す言葉は……
「
霧彦の持つ最強の切り札。
その身体から溢れる力とオーラを見た荘吉の額から汗が流れる。
(この力は……受ければ死ぬ。)
スカルメモリの擬似的な不死の力すら突破するであろう霧彦の切り札に警戒を強める。
そんな二人の前の上空に"謎の石柱"が現れた。
「アレは何だ?」
そうしていると石柱から緑色の光が溢れ出し風都タワーが光り出す。
光と振動が起きて気絶していた亜樹子が目を覚ました。
「……ここは風都タワー………えっ?」
亜樹子はその後に見た姿に絶句した。
それは父親の姿でもましてや霧彦の姿を見たからではない。
もうこの世に存在しない二人の怪物を見たからだ。
そしてそれは霧彦にとっても同じだった。
「ふむ……実に面白い体験だ。」
「確かに……私びっくりしています。」
二人の怪物が自らの身体を確かめる。
驚愕しながらも霧彦は呟く。
「何故……お前達が……」
「私………聞いてない。」
亜樹子が驚愕しながらも見つめる先にいたのは風都を地獄に落とそうとした怪物である"
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外伝 続編の投稿に関して
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