もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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ロノスが財団を設立してから様々な時間が経った。
時空間を司るロノスはその力で財団を成長させ巨万の富を築き上げるとあらゆる勢力に資金を提供するスポンサーの立ち位置を確立させていった。

SHOCKERから始まり様々な組織と交流した事でロノスはある確信に至っていた。
「やっぱりこの地球に僕達、超越者の力は根付いている。
仮面ライダーやそれに敵対する組織は超越者の力を使い人を超越していると言うことはやはり、ゴエティア達の目論見通りに地球の本棚は機能しているみたいだね。

あ~ぁ、僕も入りたいのになぁ地球の本棚に……でも無理なんだよなぁ。
やっぱり"コレ"を作ったのは失敗だったかな?」

ロノスがそう言いながら手に持つカードは仮面ライダーゼロノスが持っていた変身アイテムである"ゼロノスカード"に酷似した時計の模様が入った黒色のカードだった。

ロノスが計画のためにこれまでやってきたのは主に3つ。

一つは"多数の世界に干渉できる組織を作る"こと、これに関しては"財団X"を作り達成した。

二つ目が保険として"自らの力を分離し他者に管理させる"。
財団Xを作った段階で仮面ライダーと敵対する事は分かっていた。
だから、敵対する仮面ライダーにその力を託し管理させれば万が一にも対応出来る。
そう考えたロノスは"空間の力"を"ディケイドライバー"。
"時間の力"を"ジクウドライバー"に分けて封じ込めた。

三つ目がいつ消滅するか分からないロノスの身体の保持。
そこでロノスが目をつけたのが仮面ライダー電王に登場するサブライダーゼロノスが変身の際に使う"ゼロノスカード"だった。

仮面ライダーゼロノスは他者が持つ自分の記憶を消費することで変身する。
変身し続けると変身者は誰の記憶からも存在しなくなるというデメリットがあるがカードその物に自分の記憶を保存する力がある。

これにより歴史改変が起きて変身者が消滅しても復活出来たのだ。
ロノスはこの特性に目をつけ残りの力と記憶を依り代にロノス専用のゼロノスカードを生成した。

このお陰でロノスは寿命による消失が起ころうとも彼のゼロノスカードは消滅を肩代わりしてくれる。
「まぁでもそのお陰で残っている僕の力はスッカラカンになっちゃったし、記憶を弄ったせいで地球の本棚との繋がりが消えて入れなくなっちゃったんだよねぇ。」

時の流れから外れた特異点と近い存在となったロノスは財団の力や時には自分で平行世界を渡り超越者の残した力を探し始めた。

そうして漸く見つけたのだゴエティアの意識と彼が自分を復活させる為に残した存在である無名に………


W×OOO 27.交錯と怨敵

 

先へと進んでいた映司、アンク達その先にある扉を開いた。

中にはフードを外した平行世界のアンクだけが佇んでいた。

 

映司の姿を見たフードを外した平行世界のアンクは怒りや苛立ちを宿した顔をして言った。

「やっぱり、ドライバー奪った位じゃお前は止まらねぇよな映司。」

「うん……ごめんねアンク。

俺はやっぱり俺だから……目の前に救える命があるなら手を伸ばしたいんだ。 」

 

「あぁ、嫌ってほど分かってるよ。

お前のその性格はな。

相棒が面倒だと苦労するなこっちの"世界の俺"も……」

「勘違いしてんじゃねぇ。

映司は俺にとってオーズの力を利用する駒でしかねぇ。

それに、こっちの映司は悪運が強くてなぁ。

お前の所と違って中々死なねぇんだよ。」

 

互いに言葉で牽制し合う中、映司が平行世界のアンクに尋ねる。

「ねぇ、君の所の……えっと俺ってさ。」

「"死んだ"。

俺が来た時にはもう遅かった……アイツはガキの命を救って死んだよ。」

 

「そっか……」

「あぁ、誰かを助けたくて必死に手を伸ばしてるから自分の命を手放しちまう。

届かない命を諦められないから本来守んなきゃいけない自分を捨てて手を伸ばした。

それでアイツは死んじまった。

お前も分かるだろ映司?

テメェもきっとそうする筈だ。」

 

「だから彼のドライバーを奪ったのかい?」

 

映司達と進んでいたフィリップが尋ねる。

すると平行世界のアンクはフィリップと翔太郎を見ながら言った。

「左 翔太郎にフィリップ…俺の知ってる世界のお前等とは違って此処の世界じゃ随分とコイツらに肩入れするんだな。」

「お前の世界にも俺達はいるのか?」

 

翔太郎の問いに平行世界のアンクは答える。

「あぁ、お前達が仮面ライダーであり探偵な所も一緒だ。」

「君の話が本当ならば疑問が残る。

君の相棒であった火野映司が死ぬ程の事件ならば何故、我々が関与出来ていないんだ?

地球の本棚で君の事は調べた。

だが、検索した本の中身は虫食い状態でまともに読めなかった。

平行世界の存在だからこそ地球の本棚に記憶が存在しないという理由も考えたがその場合、虫食いの理由が分からない。」

「んなもん俺が知るか。

あの時は何もかもが異常だった。

ロノスも言っていた"これは変えられない世界の流れだ"とな。

……お喋りはコレぐらいで良いだろ。

さっさとドライバーを着けろよ左 翔太郎。」

そう言いながら平行世界のアンクはオーズドライバーを着ける。

 

それを見たアンクは苛立たしげに言った。

「俺等は眼中にも無ぇってか?」

「ドライバーも無くコアメダルも足りてなくて完全復活すら出来ないお前等じゃ勝ち目は無いだろう。

となれば仮面ライダーWが俺からオーズドライバーを取り返すしかねぇ。

普通に考えれば読める策だ。」

 

それを聞いた映司は服の中に隠していた"メダジャリバー"を取り出すと両手で握った。

「確かに普通なら翔太郎さんにドライバーを取り返して貰おうとするだろうね。」

「だが、それじゃあ道理が通らねぇ。

テメェの相手は"俺達"じゃなきゃいけねぇからな。」

 

 「正気か?

生身の人間と半端なグリードで俺に勝てると思ってるのか?」

「さぁ、どうだろうね。

でもやれる事は全部やる。

あの日からずっと俺はそうやってきたんだ。」

「それに、ウジウジと死んだ相棒追い掛けてる俺を一発ぶん殴ってやりたくなったからな。」

 

そう言って臨戦態勢を取る映司達を見た翔太郎は決断した。

「……先に進もうぜフィリップ。」

「良いのかい翔太郎?」

 

「この喧嘩はあの三人の問題だ。

アイツらなりの決着をつけさせるべきだ。

それを俺達が邪魔する権利はねぇ。」

「……分かった。

アンク、君にこれを……」

 

フィリップはアンクに何かを手渡すと映司達を置いて先の扉に向かおうとする。

「行かせると思うか?」

二人が進もうとするのを平行世界のアンクは止めようとするがその動きを映司は腰から取り出した"メダジャリバー"を近くに振り降ろすことで止め動きに止まった所を狙う様にアンクが拳を振るった。

 

平行世界のアンクはその拳を掴み反撃しようとするがその身体を映司はメダジャリバーを使って止める。

 

「二人とも行ってください!

ここは俺達が何とかします!」

「……信じてるぜ映司、アンク!」

 

翔太郎達が奥の扉を開けて先に進んでいくと平行世界のアンクは背中から赤色の羽を展開し二人を吹き飛ばした。

「何故分からねぇ?

ここで俺の相手をしたところでアイツらにアルケは止められない。

地球の時間は逆行し全てが無へと還る。

どれだけ足掻こうが全部無駄なんだよ。」

 

平行世界のアンクはそう言いながらをオーズドライバーを腰に装着し3枚のメダルを装填していく。

しかし、映司達の目には諦めの色は映らず寧ろ闘志が湧き上がっていた。

「無駄かどうかはやって見ないと分からない。

それに……俺達が足掻いた先が絶望かはまだ決まってないじゃないか。

ちょっとした偶然から思わない力を手に入れる事だってある位だからさ。」

 

そう言う映司が思い出していたのは始めてOOOに変身した日の事………

信吾さんを助けるようとする俺にアンクがオーズドライバーとコアメダルを渡して仮面ライダーに変身した。

 

あの時の姿と今、変身する平行世界のアンクの姿が重なった。

 

「変身」

 

「タカ」

「トラ」

「バッタ」

 

タ、ト、バ、タトバ

 

タトバ

 

黒いオーズとなったアンクは映司達を見つめる。

それを受けて映司達も覚悟を決めた。

「行くぞ映司、奴からドライバーを取り返す。」

「あぁ、俺達にはまだやらないといけない事があるからな。」

 

二人はそう言いながら覚悟を決めると黒いオーズに向かって行くのだった。

 

 

 

 

ミーナが目を覚ました瞬間に見た景色は小さな部屋の一室だった。

そこには若い頃の大道克己と大道マリアが仲良く座っており机にはケーキが置かれていた。

 

克己は母からの誕生日プレゼントであるオルゴールを受け取り笑っている。

「ココは克己の記憶の中なのね。」

 

ミーナは洗脳された克己を助ける為、クオークスの力を使い克己の精神世界に意識を転送していた。

彼を救おうとミーナはオルゴールを持ち喜んでいる克己に触れようとするが近付いた手が空間ごと拒絶され電気が走る。

 

「!?…私が干渉するには克己の記憶が幼すぎる。

なら、克己の記憶を進めれば私と話せるかもしれない。」

ミーナは目を瞑り克己の精神に向けて集中した。

次に目を開けた時に写った光景は克己が車に轢かれる瞬間だった。

 

「克己っ!?」

 

動揺してミーナは克己に触れようとするが世界にまた拒絶される。

「これは克己の記憶の空間……だから起こった事は変えられない。

落ち着つくの……私が克己を助けるんだから……」

 

頭から血を流し倒れている克己を悲しみながらもミーナは克己の記憶の中を進んでいった。

 

克己がNEVERになり…無名との出会いと戦い…そして他の仲間集めと進んでいき遂に記憶はミーナとの出会いである孤島へと辿り着いた。

 

「私を認識出来るとしたら此処から先の記憶にしかない。

ここで克己に干渉して彼の本当の記憶を呼び戻す。」

 

ミーナが孤島にいる克己に触れようとした瞬間、空間の時が止まった。

孤島にいた人や外で流れる波も停止し克己に触れようと伸ばした手は"白髪のミーナ"の手で止められる。

 

「ここに来れるなんて一体どんな手品を使ったのかしら?」

「お前は!?」

 

「克己にとってこの孤島は彼が望む理想の空間。

現実世界に戻る事を彼は望んでいないのよ。」

「それは違う。

ここは克己のいる所じゃない。

NEVERの皆や未来やマリアさんがいる世界こそ彼はいるべきなの」

 

それを聞いた白髪のミーナは笑う。

「ふふっ…彼を現実に引き戻してどうするの?

もう、計画は最終段階に入ったのよ。

この世界は消える。

歴史は逆転し地球が生まれる前へと戻る。

でも克己は消える世界に絶望する必要はない。

ここにいれば幸せな記憶のまま最期を迎えられる。」

「そんなの何一つ幸せじゃない!

そんな世界じゃ克己は笑えない。

克己も救ってこの世界も救ってみせる!」

 

ミーナは手を翳し超能力を発動する。

白髪のミーナも同じ様に手を翳し超能力を使った。

2人の超能力がぶつかり克己の記憶の空間が歪み始める。

 

「くっ!?」

「この空間じゃ勝ち目は無いわ。

いくら貴方が超能力兵士クオークスの最高傑作だとしても他人の精神に入り込んだ状態ではどうしても超能力の出力は落ちる。

対して私は克己に直接送り込まれた"ガイアメモリのエネルギー"……何時でもこの力を100%引き出せる。」

 

白髪のミーナは徐々に超能力の力を強めていった。

対するミーナは頑張って耐えてはいるが押し返す力は無い。

 

「ここに来られたのは本当に予想外だったわ。

計画の邪魔をさせない為に貴女の精神はここで破壊させて貰う。」

白髪のミーナは力を一気に解放してミーナの超能力を吹き飛ばすと彼女を超能力で首を捕まえて浮かした。  

「死になさい。

愛する者の記憶の中で………」

 

そう言って白髪のミーナは侵入者にトドメを刺すのだった。

 

 

 

ミーナが克己の精神世界に入り込んでいる頃、現実世界で彼を拘束していたレイカと京水は動かなくなった二人を見て拘束を外した。

 

「カハッ!…全く強すぎるわよ克己ちゃん。

本当に死ぬかと思ったわ。」

レイカと京水は地面に座り込むと身体のダメージを回復させる為、動きを止めた。

 

僅か数分の戦いだったが大道 克己、仮面ライダーエターナルとの戦闘は文字通りの命を賭けた死闘だった。

肩で息をしながらレイカは京水に尋ねる。

「本当にミーナ一人で大丈夫かな?」

「克己ちゃんの心に入り込めるのはクオークスの力を持つ彼女だけ、アンタもそう納得してたでしょ?」

 

「……でも」

「信じなさい克己ちゃんとミーナの絆を……大丈夫よ。

なんたって克己ちゃんがこのアタシをふってまで手に入れた女なんだから……」

 

京水の言葉を聞きレイカは笑う。

「ハハッ……克己はアンタをふる以前にミーナとゾッコンだったでしょ?」

「レイカ、そう言う野暮な事は言わないのが良い女の条件よ。

……さてと、充分に休憩も取ったしさっさと始めるわよ。」

 

二人心に闘志を焚べ直した理由は突如、二人の前に現れた男達のせいだった。

その二人の顔を見たレイカは言った。

「まさか、また生き返ったなんてね。

私達の事をゾンビとか言ってたけどアンタも変わんないじゃん"ドクタープロスペクト"。」

 

そう言われた男は両目に目薬を点眼して答える。

「久し振りだな。

まさか、またお前達と戦う事になるとは……だが、私は運が良い。

お前達を好きに痛振れるそのチャンスを得られたのだからな。」

ドクタープロスペクトの言葉に賛同する様に隣の男も告げる。

「お前達、NEVERには私の計画を邪魔された恨みがある。

ここで晴らさせて貰うぞ。」

 

「"雨ヶ崎 天十郎"。

貴方も復活してるだなんて……無名から貴方はゴエティア復活の生贄になったと聞いていたけど?」

「さぁな。

気が付いたら私は目の前の男と共に復活していた。

このメモリを手に持ちながらな。」

 

そう言って京水達にメモリを見せる。

「だが、そんな事は些細な事だどうでもいい。

肝心なのはお前達への復讐の機会を手に入れられたという事実。

それだけで良い……」

 

「Tower」

「Eyes」

 

二人はガイアメモリを身体に刺すとドーパント体へ変身する。

その姿を見て京水達は理解する。

(今のダメージを受けた私達じゃ……勝てないわね。)

 

「逃げるのが上策なんでしょうけど……」

京水は立ち上がりながら克己を見る。

ミーナが彼に触れながら今も精神世界で戦っている。

そんな二人を置いて逃げることなんて京水には出来ない。

そして、それは仲間であるレイカも同じだった。

 

傷付いた身体を無理矢理起こしファイティングポーズを取る。

その姿を見た天十郎は鼻で嗤う。

「そんなボロボロの身体で我々に敵うとでも思っているのか?

愚かにも程がある。」

「確かに端から見れば私たちの行動は無謀に見えるでしょうね。

でも、今の私達はこれまでのどの時より強いわよ。」

 

「下らない戯言を……」

そこから言葉を続けようとしたドクタープロスペクトだがその言葉はレイカの蹴りによって止められる。

 

両手でレイカの蹴りを抑えたドクタープロスペクトはそのまま反撃に転じようとする。

しかし、ドクタープロスペクトは抑えた筈の蹴りが重くのしかかり片膝を付いた。

「バカなっ!?」

「そう言えばアンタにはこの姿での蹴りは当てたことなかったね。

私も克己と同じ"仮面ライダー"になったんだ。

高々、"神様気取り"(超越者)に蘇らせて貰った程度で勝った気になってんじゃねぇよ!

吹っ飛べこのカス野郎!!

 

レイカの想いを込めた一撃にメモリが答え、彼女の足から発生した炎がレイカの右足を包み込むと彼女の蹴りに合わせ炎の竜巻を生み出した。

 

その一撃を食らったドクタープロスペクトは全身から煙を上げながら地面を転がる。

グァッ!?

このゾンビ共がぁ……」

 

憎悪を瞳に込めたドクタープロスペクトは両手に持った瞳を空中に浮かせるとレイカの周囲を回転させながらエネルギー弾を放った。

その攻撃を京水は鞭形態に変化させたメタルシャフトで防御する。

その隙を狙う様に接近した天十郎の持つ槍が振るわれる。

 

しかし、その槍の一撃はレイカの蹴りにより防がれ爆炎を纏った踵落としが天十郎の槍に激突し彼の身体を吹き飛ばした。

「……ほぅ、流石は仮面ライダーか。

ならば此方も本気で相手をしようか。」

 

天十郎は槍を地面に突き刺す。

すると、そこからエネルギーの衝撃波が流れそれに触れた京水とレイカの身体が動かなくなった。

 

「なっ!?身体が……」

「どうして動かないの!?」

 

「タワーメモリには塔に蓄積されたエネルギーを使い周囲の空間の時間を遅らせる力がある。

それでお前たち二人に流れる時間を遅くした。

あまり長々と戦う気はなくてね。

これで決着だ。」

 

天十郎は二人に近付くとNEVERドライバーからメモリを引き抜き変身解除させる。

そして、抜き取ったメモリを地面に投げ捨てるとドクタープロスペクトに告げた。

 

「さぁ、これで後は痛めつけて命を奪うだけだ。」

「その様だな。

この私をコケにした罪は重いぞゾンビ共がぁ!!」

 

ドクタープロスペクトの拳がレイカの腹部に当たるとそのまま貫通し地面に身体を縫い付けられた。

「カハッ!?」

レイカの口から大量の血を吐き出す。

 

レイカぁ!?……アンタらっ!」

「無駄口を叩かずにさっさとくたばれ。

苦しく無様な死に様を晒して後悔しながら死んでいけ。

お前程度では、誰も守れないんだ。

ほら見ろ……結局は無駄だったぞ。」

 

天十郎の指し示した方向を見るとそこには地面に倒れ伏すミーナを立ちながら見つめている克己の姿があった。

「その女を始末したと言う事は自分のやる事をちゃんと理解している訳だな大道克己?」

天十郎の問いに振り向いた克己は笑顔で告げる。

 

「あぁ……この手で未来の命を奪いNEVERを殺す。

ちゃんと覚えてるさ。」

「克己ちゃん……そんな……」

 

克己を助ける作戦が失敗した事を理解した京水は愕然としているとレイカの腹部から腕を引き抜いたドクタープロスペクトが京水に近寄る。

「良く見ておけゾンビ。

何を企んだかな知らないがお前達は負けたんだ。

お前達の末路はそこの小娘の様に無様で滑稽な姿となる。」

 

指し示された方向には致命傷を受けて粒子となり消滅を始めているレイカの姿があった。

「レイカ……嘘よ……こんな……こんな事って!?」

 

涙が溢れ顔を濡らしながらも手を伸ばす京水だったがその手がレイカに触れることは無かった。

無情にも振るわれた天十郎の槍が京水の身体を刺し貫き彼の仮初の命の火を吹き消してしまう。

 

伸ばした手が地面に落ちると京水の身体は粒子となり二人は同時に消滅した。

「随分と呆気なかったな。

これでは復讐の為に甦れた甲斐がない。」

「まぁ、そう言うな。

奴等が死んでもまだ私達には復讐するべき相手がいるだろう?

"この男"(克己)を使いその復讐を果たせばより気分も晴れるだろう。」

 

ドクタープロスペクトは倒れているミーナに目を向ける。

「お前にも随分と苦労を掛けられた……ここで始末しておこうか。」

ドクタープロスペクトは鋭い爪をミーナの首筋に向けようとするがその動きを克己が止めた。

 

「何を下らない事をやっている?

俺達の使命はこのタワーを守り未来の命を奪う事……瑣末なことに構ってる場合じゃない。

分かったらさっさと行くぞ。」

 

克己の言葉にドクタープロスペクトは一瞬、怒りの表情を向けるがアドマイアメモリの洗脳化にあるドクタープロスペクトと天十郎の思考は直ぐに達成すべき目的に向けて行動を始める。

 

踵を返し移動する二人を確認した克己は地面に落ちているエターナルメモリを手に取る。 

数秒メモリを見つめると克己も二人の後を追ってその場を後にするのだった。

外伝 続編の投稿に関して

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