もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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ミュージアム……地球の記憶を研究しその力を使う組織。
奇しくもその力は超越者の力と最も結び付きが強い地球の本棚を利用していた。

そこで私は無名を見つけた。
ゴエティアの記憶を最も有しているデーモンメモリを使う人間。
最初はちょっとした疑念だった。
それが確信に変わったのはエクストリームの力が覚醒した瞬間、彼の身体にゴエティアは乗り移ったのだ。

「流石はゴエティア。
見事な手際だねぇ……彼が動き出したのならこれからもっと面白い事が起きそうだ。」
超越者の頃から思慮深く計略に優れたゴエティアを知るロノスだからこそゴエティアの計画にはまだまだ先があると思っていた。

「さて、彼の計画に乗っかるのなら下手な力や軍は却って逆効果かな?
財団の力を使うのはダメだとしても必要な時に動ける協力者が必要だな。
どれどれ誰かいないかなぁ?」
ロノスは多数の平行世界の映像を見ていると一つの世界に目を留めた。

「……うん、彼なら良さそうだ。」
ロボスはそう言うと懐から自らの記憶を宿したゼロノスカードを取り出した。
すると、彼の手からゼロノスカードが消えロノスは粒子となってその場から消失してしまうのだった。


W×OOO 28.無敵と一撃

 

映司とアンクに任せ先へと進んでいた翔太郎とフィリップ、そして伊達の三人は黄金で出来た扉の前に立っていた。

その先から感じる異様な雰囲気を感じフィリップは汗を掻く。

 

「翔太郎……この先に…」

「あぁ、ゴエティアを見た時と同じ感覚がする。

アルケはこの先にいる。」

 

「なら、行くしかねぇな二人とも」

飲まれかけた空気を解す様に伊達が二人に声を掛ける。

戦場で命賭けで医者をしていた伊達だからこそこの空気に二人が飲まれたままでは危ないと感覚的に理解していた。

 

声を掛けられ落ち着いた二人は扉に手を掛ける。

すると、扉は独りでに開いた。

「どうやら、招かれているみたいだな。」

「十分に警戒しながら進もう。」

 

そう言って三人は部屋の中へと入っていくのだった。

そして、三人が最初に見たのは玉座に座る一体の怪人だった。

 

 『ようこそ仮面ライダー諸君。

"始まりと終わりの地"へ……』

「あ?どういう意味だ?」

 

アルケからの歓迎の言葉を聞いた翔太郎が尋ねる。

『文字通りの意味だ。

ここから"超越者の新たな命が始まり地球……いや人類は終りを迎える"。

故に始まりと終わりの地……ここは聖域と呼んでも差し支えない場所なのだよ。』

「ふざけんな。

そう簡単に人類を滅ぼされてたまるかってんだ。

俺達、仮面ライダーがいる限りお前の野望は達成させねぇぞアルケ。

……行くぞフィリップ。」

 

翔太郎はそう言いながらダブルドライバーを装着する。

「あぁ、超越者相手に様子見なんて愚策だ。

最初からエクストリームで行くよ。」

 

フィリップがそう言うと彼等の前にエクストリームメモリが現れフィリップをデータ化し吸収するとそのままダブルドライバーに装填される。

 

「XTREAM」

 

「『変身』」

 

翔太郎がアルケに向かい走りながらドライバーを展開すると彼の身体をエネルギーが覆い仮面ライダーW CJXへと変身が完了する。

 

「『プリズムビッカー!』」

 

Wはボディ中央のクリスタルサーバーからプリズムビッカーを生成すると右手でプリズムソードを引き抜き勢い良く斬り掛かった。

だが、その切っ先はアルケに届かず地面から現れた石の腕により刀身を掴まれ阻まれてしまう。

 

「何っ!?」

『何を驚く?

私は強欲の超越者だがそれ以前に錬金術の産みの親だ。

これぐらい出来ない訳が無いだろう。』

 

アルケはプリズムソードに触れながら唱えた。

『万物はこれなる一者(ひとつもの)の改造として生まれうく』

その瞬間、プリズムソードの色が変わり刀身は緑色に輝く宝石に変わりそれ以外のパーツは黄金へと姿を変えた。

 

あまりの変化にWはプリズムソードを手放し距離を空ける。

アルケは変化させたプリズムソードを手に取り言った。

『やはり、黄金と宝石の相性は良いな。

見ていた時からずっと思っていたんだ。

その姿の君が持つにはこの武器は余りにも地味すぎるとね。』

 

「コイツ……プリズムソードに何をしたんだ?」

翔太郎の問いにプリズムソードを見つめるフィリップが答えた。

『翔太郎、アルケはプリズムソードを構成する物質"その物を変化させた"んだ。

内部のパーツから構成されている物質に至る全てが宝石と黄金に変換されている。

プリズムビッカーは僕らWのエネルギーを武器の形に生成した所謂、生体兵器だ。

それを一瞬の内に変化させるなんて……』

 

「つまり、アルケは"俺達Wのエネルギーを金属物質に変換しちまった"のか?」

『あぁ、既存の科学では説明のつかない現象だ。

アルケの言っていた錬金術と表すのが適切な事だろうね。

でも、あの錬金術は僕の知るものとはまるで形質が違う。』

 

フィリップの疑問にアルケが答えた。

『当然だ。

錬金術の大元は異なる物質を掛け合わせる事で生まれる反応だが掛け合わせる物質により錬金術の体系も全く変わる。

次はこちらから行くぞ?』

 

アルケはそう言いながらWに近付くと握った拳を振るった。

Wはビッカーシールドでその拳を防ごうとするが凄まじいパワーにより盾が弾かれてしまう。

「グオッ!?マジかよ完璧にガードしたってのに」

『驚くのはまだ早いぞ。』

 

アルケが手を翳すとWの身体が浮かび背後に謎のゲートが現れる。

そのゲートにWを押し込むとWの姿が消え天井から突然、落下してきた。

 

Wはダメージを防ごうと落下する地面にビッカーシールドを向けるがその瞬間、地面にゲートが現れ彼を飲み込んでしまう。

ゲートによる数回の転移によりWの平衡感覚は完全に狂ってしまった。

そして、次に現れた時は勢いがついた状態でアルケの横にある石柱にぶつかるWの姿だった。

 

凄まじい勢いで吹き飛んだWは石柱を何本も砕いた所で勢いを失い地面に膝をつく。

「ガハッ!?……何だ今の攻撃は?」

『恐らく、この空間内を無軌道に転移させ続けられたんだ。

落下ベクトルすら操作する瞬間転移は同じ能力を持つゾーンメモリでも不可能だ。

恐ろしい力だ。』

 

そう分析するフィリップの声を聞きアルケは驚嘆する。

『ほぅ…あの転移の中でそこまで冷静に分析出来るとはこの後の戦いが楽しめそうだな。』 

 

アルケは高ぶる感情のまま両腕を広げる。

『さぁ、まだ立てるだろう仮面ライダー?

これで終わりなど面白味もない。

世界が終わる時間まで私を楽しませて貰おうか。』

 

その言葉を聞いたWは立ち上がる。

「ふざけ……やがって!?

お前の思い通りになんかさせてたまるか。」

『そうだ。

お前を倒し計画を止める。』

 

Wはビッカーシールドを捨てるとファイティングポーズを取った。

『武器での攻撃は錬金術で防がれる。

ならば徒手空拳で勝負だ。』

「あぁ!そのいけ好かない面に一発ぶち込んでやる。」

 

Wはアルケに急接近する。

対するアルケは迎撃せず彼が自分の近くに来るのを待った。

そして、Wの得意なパンチとキックのコンボが放たれる。

 

アルケはその攻撃を防御せずその身に受け続けた。

普通のドーパントならば相当量のダメージを受ける筈なのにアルケは悠然と立ち放たれる攻撃を受けていく。

 

「コイツっ!?俺等の攻撃が効いてねぇのか?」

『なら、マキシマムを使おう翔太郎!』

 

Wはヒートメモリを取り出すとドライバー横のマキシマムスロットに装填した。

 

「HEAT MAXIMUMDRIVE」

 

「ウオラァ!!」

 

ヒートメモリのマキシマムにより炎に包まれたWの拳がアルケに深々と刺さる。

その威力に初めてアルケの身体が宙へと浮く。

 

「まだまだぁ!!」

 

Wはそのままドライバー再展開しエクストリームメモリのマキシマムを発動する。

 

「XTREME MAXIMUMDRIVE」

 

「『W HEAT XTREME!!』」

 

エクストリームメモリの中心にあるファンが回転すると両手のヒートメモリにより発生した炎を吸い込んだ。

そして、強化された炎をWは全身で放出させながら宙に浮いているアルケに近付くと両腕による連続パンチを放った。

 

ドゴン!!ドゴン!!

 

爆弾が連続で爆発する様な音が部屋に響き渡る。

凄まじい爆炎と煙がアルケを包むがそれでもWの攻撃は止まらない。

最初に気づいたのは殴っていたWでは無く戦いを見ていた伊達だった。

 

Wの凄まじい連撃を受けているのにも関わらずアルケが空中で"静止"していたのだ。

「あんなに爆発する攻撃を受けているのに身体が吹っ飛んでねぇ。

………まさか!?」

 

嫌な予感がした伊達だがそれよりも早く現実に気づいたのはWに変身している二人だった。

「そんな……あり得ねぇ。」

『アレだけのマキシマムを受けて……そんな事が』

 

驚愕しながらもその事実を否定する様に殴り続けていた両拳の動きが止まる。

煙の中から現れた"無傷のアルケ"がWの両腕を握ったのだ。

『失礼、君の拳から巻き起こる炎は美しかったんだが煙が邪魔でね。

闇雲に殴られるのもそれはそれで滑稽に見えるだろうから止めさせて貰った。

ほら、攻撃するなら"ココ"だ。』

 

アルケはWを掴んでいた腕を離すと自分の胸を指差す。

文字通り、打ってこいと挑発されたWは渾身の力で殴る。

ヒートメモリとエクストリームメモリのマキシマムドライブの全エネルギーを込めて必殺の一撃はアルケの胸に当たる。

 

だが、その一撃はアルケの身体に傷一つ付けらなかった。

驚愕するWを見たアルケは笑う。

『ふふっ…不思議そうな顔だな。

己の必殺技がどうして通用しないのかと……一応、言わせて貰えば私は耐えてなどいないぞ?

お前の攻撃をありのままこの身に受け続けた。

信じられないならもっと攻撃するか?

私は一向に構わないぞ。』

 

『何故……効かない?』 

驚きながら尋ねるフィリップにアルケが答える。

『私の身体を構成するのは"今の私の意識を宿したガイアメモリ"と"肉体を構成する3つのコアメダル"だ。

ガイアメモリについてはお前達の方が詳しいだろうからコアメダルについて教えてやろう。

 

コアメダルにはそれぞれに込められた力が違う。

我が友だったガラの作ったメダルには"再生"の力が込められていた。

そして、私の使うメダルに込められた力は"不壊"。

何人たりともどんな力を使おうと滅びず壊れない。

どんな手段を使おうがこの身体を壊すことは出来ない。』

 

「んなもん反則じゃねぇか。」

絶望的な真実を告げられ伊達が呟く。

そして、Wになっているフィリップは苦々しくも言った。

『アルケの言う事は……真実だ。

今検索を終えた。

現状、我々の持つ手段ではアルケを破壊……倒す事は出来ない。』

「本当に手段は無ぇのかフィリップ?」

 

『残念ながら僕達や他に協力してくれている仮面ライダーの力を使ったとしても破壊は不可能だ。

単純に威力が足りない訳じゃなくアルケの身体を構成するコアメダルの力がこの世界の事象にすら干渉してしまっている。』

『その通り、そしてこの事象を否定するには同じ力を持った存在……それこそ、私と同種である超越者の力が必要となる。

 

さて、これで分かっただろう?

お前達がどれだけ足掻こうが私の計画は止められない。

私を倒す事も出来ないし装置も破壊は出来ない。

無名やお前達がいくら知恵を絞ろうとどうする事も出来ない。

それが現実で私が示したこの世界の真理であり運命だ。

この地球は過去に戻り消滅し我々、超越者はもう一度この世界に降り立つ。』

 

「だから諦めて何もするなってか?」

アルケの言葉を止めて翔太郎が言った。

『そうだ。

これは変えようの無い運命だ。

大人しくその流れに従え。』

 

「生憎、俺達人間はそんな簡単に諦められる程、賢くねぇんだわ。」

『そこまで滅びが恐ろしいか左 翔太郎?』

 

アルケの問いに翔太郎は立ち上がりながら答える。

「当たり前だろ……死にたい奴なんて誰もいねぇよ。

お前達、超越者だってそうだったんだろ?

だから、こうやって足掻いてお前は仲間を蘇らそうとしている。

諦められねぇから足掻くし戦う。」

『ならば、どうする?

世界が消えるまでこの不毛な争いを続けるか?』

 

そう問われWの片割れである翔太郎が答えた。

「ったく……嫌になる位当たりやがるな"無名の考え"はよ。」

そう言うとWは一度、変身解除し元の二人の姿へと戻る。

すると、翔太郎はロストドライバーを腰に装着した。

 

「フィリップ、やっぱり無名のプランになりそうだ。」

「その様だね。

あまり望ましい展開では無いが仕方ない。

そっちは頼むよ。」

 

「任せろ。」

そのやりとりを見たアルケは疑問を口にする。

『今、何と言った?

無名だと?』

 

「あぁ、無名はこうなる事をある程度想定していた。

だからこそ、あらゆる"サブプラン"を用意していたんだ。

その中にアルケ、君への対策も含まれていた。

エクストリームメモリは僕達二人が一つになるWの究極形態だ。

だが、それは"最強"という訳ではない。

あくまで地球の本棚にある知識で解決出来る事案ならばエクストリームは最も力を発する。

だからこそ、地球の本棚でも解決出来ない問題にはエクストリームメモリは無力だ。」

 

フィリップがその時に思い出していたのはアルケに向かう途中で無名から誰にも聞こえない様に話された言葉……

「アルケは能力だけでは無く策謀も強い。

最悪、地球の本棚を使っても解決出来ない状態を彼ならば作り出せるでしょう。

だから、私達もその時に備えたサブプランが必要なんです。」

「サブプラン?」

 

「はい。

アルケの想定を超え動揺や隙を生み出す作戦です。

その為にもここで"切り札"を使いたい。」

その言葉を聞いたフィリップは無名が何をしたいのか理解した。

 

そして、それは目の前にアルケも理解することとなった。

 

「"DEMON system on-line"」

 

『バカなっ!?その力はウヴァとの戦いで使われ再使用には時間を要した筈………』

「変身!!」

「DEMON」「JOKER」

 

ロストドライバーにジョーカーメモリを装填し変身した翔太郎はアルケに接近するとその拳を叩き込んだ。

当たった瞬間はアルケのメダルに込められた不壊の能力によりダメージが与えられる事は無いが翔太郎の拳を覆う様に"紫色の炎"が発生するとアルケは苦悶の表情を浮かべた。

 

『ぐっ!?……この力は……コスモスの力か!』

「おらぁ!!」

 

押し出される様に突き飛ばされたアルケは攻撃された胸を抑えながら呻く。

その胸には拳の形をした炎がくっきりと残っていた。

 

その姿を見てフィリップは確信する。

「やはり、超越者の力であればコアメダルの力も無効化出来るみたいだね。

デモンジョーカーとなった翔太郎ならばアルケに対抗できる。」

『舐めるなよ……人間!!

 

アルケが指に光を宿すと炎に蝕まれた肉体に翳す。

すると、炎が上がった部分が切り離され地面に落下した。

「成る程、錬金術を使いダメージを切り離したか。

だが、それも想定内だ。

君を"足止めできる確証"を得られたからね。」

 

フィリップはそう言うと両手を開き目を瞑った。

その仕草の意味を理解しているアルケが尋ねる。

『今更、地球の本棚に入って何の意味がある?

貴様では錬金術を理解出来ても実践するのは不可能。』

「その通りだ。

僕はデータ人間だが錬金術とは技術形態が違う。

このままでは干渉は出来ない。

だから、この身体にある力を使う。」

 

そう言うとフィリップの周囲に黒炎が上がる。

その炎は四方に広がると黒い線状になり部屋を覆った。

 「君ならゴエティアの炎の力は理解出来るだろう?」

 

その問いを受けたアルケは一つの可能性に気づくと急いで彼を止めようとする。

しかし、その動きはデモンジョーカーに阻まれ徒手空拳による応酬が始まった。

「こっから先には進ませねぇ!!」

『貴様……』

 

デモンジョーカーとアルケが争う中、フィリップは着々と行動を進めていく。

黒炎の能力である事象を消失させる力を使い錬金術と自らを強制的にリンクさせる。

勿論、そんな無茶はフィリップの身体に多大な負荷をかけるが彼はそれを無視しアルケの作り出した錬金術に干渉を続けた。

 

(アルケは用心深い。

計画の要や大切な物程、自分の手元に置きたい筈だ。

つまり、この空間の何処かにそれがある。

掛けられた錬金術の割合が多い所を見つけ出し内部の術式を無効化出来れば………)

 

緻密に構成された錬金術を黒炎を使い分解していく。

額に汗と苦悶の表情を浮かべていたフィリップだったがデータの波の中で触れた感触に確信を覚えた。

「"見つけた"……かくれんぼは終わりだ。」

 

その言葉と共に周囲に立つ石柱から黒炎が上がると中に隠れていたメズールが姿を現すのだった。

「!?」

「やはり、隠されていたね。

と言うことは君が大道克己らを洗脳していたメモリユーザーだね。

アルケは用心深いから計画の要の能力を与えられたグリードは手元に置いておくとは予想していたよ。」

 

そう言われたメズールはフィリップに向けて攻撃の意思を見せるがそれを向けられた張本人は回避すること無く言葉を紡ぐ。

「だが、まだ問題が残っていた。

それはアルケの介入を防いだまま君を倒す方法だ。

生憎、僕のロストドライバーは翔太郎のデモンドライバーを再起動する為のパーツとして転用してしまった。

今の僕にあるのは無名から貰った黒炎だけだ。 

……だから、協力してもらう事にしたのさ……今だ"伊達 明"。」

 

「おぅ!待ってたぜぇお呼びがかかるのをな!」

フィリップの背後に隠れて変身していた伊達…仮面ライダーバースが胸部に展開された砲塔であるブレストキャノンをメズールへ向ける。

「ブレストキャノン……シュート!!

 

バースから放たれた一撃はメズールの胸部に直撃した。

大きな爆発が起こるとメズールの胸部からセルメダルの塊が飛び出し"ガイアメモリとコアメダル"が剥き出しになる。

「チッ!!威力が足りなかったか。」

『どうやら、私の運はお前達よりも高いらしいな。』

 

計画が失敗したと考えたアルケはフィリップとバースに手を向け錬金術を行使した。

「やらせるかよ!」

翔太郎は二人を守る為、紫色の炎を纏った拳でアルケを殴り付ける。

しかし、アルケは回避せずその攻撃を受けた。

 

アルケはダメージから苦悶の声を上げる。

『うぐっ!?…この程度のダメージならば甘んじて受けよう。

ここで詰みだ。』

錬金術により地面の石が変化し弾丸の様に変わると二人に襲い掛かる。

 

バースは近くの石柱に身を隠した。

(あのライダーは無視して良い。

今はフィリップを排除する。)

 

アルケはフィリップに目を向け弾丸を彼に向けて進ませた。

(今のフィリップは生身だ恐らく奴の相棒である翔太郎が彼を守るだろう。

その隙にメズールのダメージを回復させて錬金術を再構成させれば戦局は確定する。

さぁ、相棒を守りに行け……)

 

そう考えながら翔太郎に目を向けると彼はジョーカーメモリをマキシマムスロットに装填していた。

 

「JOKER MAXIMUMDRIVE」

 

『何っ!?』

驚愕するアルケに翔太郎は握り込んだ拳を構えながら告げた。

「アルケ……一つ言ってやるぞ。

フィリップを……俺の相棒をナメてんじゃねぇ!!

 

翔太郎は拳をアルケにぶつけるとそのままの勢いで振り抜いた。

「ライダーパンチっ!!」

『ウグォッ!?』

 

メズールの方に吹き飛ぶアルケの耳にフィリップの声が響く。

『翔太郎の言う通りだ。

これでも僕達は仮面ライダーだからね。』    

 

声の響く方を見るとそこにはメズールのガイアメモリを咥えたエクストリームメモリが空を飛んでいた。

『まさか、メモリに身体をデータ化して入る事で攻撃を回避したのか?』

『あぁ、だがそれだけじゃない。

この姿ならばグリードからガイアメモリを奪うのも難しくない。

……それに完璧にメモリの排除も行える。』

 

そう言うと彼の背後でガイアメモリを離した。

『!?』

『翔太郎の放ったマキシマムには超越者の力が内包されている。

いくら君でもそれをまともに食らって体内にマキシマムのエネルギーを内包すればタダでは済まないだろう?

ならばエネルギーを放出するしかない。

そして、そのエネルギーにグリードやそのガイアメモリは耐えられない。

君が取れる選択肢は……一つだ。』

 

『……ガァァァァァ!!

 

アルケは怒りの慟哭を上げながらも自らの危機を脱する為、エネルギーを完全に放出した。

その結果、背後にいたメズールもエネルギーの余波を受けて大爆発を起こす。

 

残ったのは煙の中片膝をつきながら仮面ライダーを睨むアルケと砕けたガイアメモリとメダルの塊となったメズールだけだった。

外伝 続編の投稿に関して

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