もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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大道 克己の精神世界に入り込んだミーナは敵のメモリが作り出したエネルギー体(白髪のミーナ)にトドメを刺されようとしていた。

しかし、攻撃を加えようとするその手は止まる。
何故ならば、この空間に存在しない者が現れたからだ。
それは本来、脆弱でミーナや克己が最も守りたいと願った"未来"の姿だった。

だが、エネルギー体が驚いたのはその子供の姿だ。
乳母車に乗ってはいるがその姿は生前の大道 克己が見ていた姿よりも成長していたからだ。

彼の精神世界を構成する物は彼の記憶に依存する。
つまり、未来が成長する前に死んだ克己が本来知り得ない姿がそこには映し出されていた。

「あり得ない……何故、大道 克己の精神世界に……消えろ。」

エネルギー体は未来をこの空間から消し去ろうと力を行使しようとした。
だが、その攻撃は当たらず逆にエネルギー体が蹴りを喰らい吹き飛ばされた。

「うぐっ!?」

「俺達の子に触るな。」
エネルギー体を吹き飛ばしたのは洗脳されていた筈の大道 克己だった。
「克己……」
「ミーナ、遅れて済まない。
"未来"に意識を戻して貰った。」

倒れているミーナを助け起こしながら克己が告げた。
その言葉をエネルギー体は動揺しながら否定する。

「そんな事は不可能よ。
ただの赤ん坊にそんな力は……」 
「ミーナはクオークスで俺はNEVERだ。
そんな2人の子供だ何かしらの力を持ってても可笑しくは無いだろう?
まぁ、でも力を覚醒させたのは"アルケと無名"のようだったがな。」

「何っ!?」
「アルケの力が込められたセルメダルを無名の力で消滅させる時に発生したエネルギーが未来の中に隠れていた超能力を覚醒させたんだ。」

「バカな……そんな事が……」
動揺するエネルギー体に向けて克己は言い放つ。
「口調がブレてるぞ?
漸く、本性を現したと言う事か。
長々と戦う気はない。
一瞬でケリをつける。」

そう言うと克己はエネルギーに向けて飛び上がるとその勢いのまま足を前に突き出した。
その瞬間、克己は仮面ライダーエターナルへと姿を変え青い炎を上げる足がエネルギー体に突き刺さった。

吹き飛んだエネルギー体は蹴られた周囲からヒビ割れを起こしながら崩壊を起こしていく。
「さぁ、地獄を楽しみな。」 

エネルギー体が消失すると変身解除した克己が倒れていたミーナを抱えた。
「すまない。
戻るのに随分と掛かってしまった。」
その姿を見たミーナは目に涙を浮かべながら尋ねる。
「本当に……克己なのね?」

「あぁ、お前やお袋……仲間にも迷惑を掛けた。
ミーナ、よく聞いてくれ。
アルケの計画には"続き"がある。
俺はそれを利用したい。
お前の力が必要だ。」
「分かったわ。
でも、狙われている未来は……」

「安心しろ。
そこには俺が行く。
お前にはこのタワーにある装置を操作して貰いたい。
やり方はアルケから聞いている。
教えるから覚えてくれ。」
「分かったわ。
でも、本当に驚いちゃった。
まさか、娘に超能力が備わっているなんて……」

ミーナは眠っているミーナの顔に触れる。
「始めて能力を使ったからな。
かなり、消耗しただろう。
目が覚める頃にはこのバカげた事件を終わらせないとな。」

それだけ言うと克己はミーナに今後の事を話し始めるのだった。


W×OOO 31.逆転と理解

 

「ETERNAL MAXIMUMDRIVE」

 

克己がエターナルのマキシマムドライブを発動すると近くにいたドクタープロスペクトと天ヶ崎の身体にノイズが走り苦しみ出した。

 

「ぐぁっ!?…貴様っ……何の真似だ!?」

「お前達の計画はつまらないからな。

だから、こうする事にしたのさっ!!」

 

克己はエターナルエッジに蓄えられたエネルギーを地面に向けて放った。

「今だ!!ミーナ!」

 

その声が聞こえたのか誰にも気付かれない様に装置の制御室に忍び込んだミーナは超能力を使い、装置内のパーツや配線を組み替える。

 

すると、その瞬間、タワーから溢れ出しそうになっていたエネルギーが急に収束していった。

 

「俺のエターナルメモリの力を装置と繋がっている全てに送り込んだ。

これでアルケの計画はご破算だ。」

「なっ……なんて事を!?」

「このゾンビ兵如きがぁ!!」

 

計画を邪魔されたプロスペクトと天十郎は立ち上がろうとするがエターナルメモリのマキシマムにより動けないでいた。

そして、蘇ったNEVERのメンバーは各々自分の身体に触れていた。

 

「身体が……温かい。」

「私達、生き返ったって事?」

「どうやら、そうらしいな。

これも勝己の考えか?」

 

堂本の問いに克己は肯定する。

「俺達を散々利用してくれたんだ。

それぐらいの報酬があって然るべきだろう?

まぁ、半分は賭けだったが上手く行ってよかった。」

そう説明すると克己はマリアの元へ向かう。

「克己。」

「お袋、騙して悪かった。

ミーナも無事だ。

未来が俺たちを救ってくれた。」

 

「未来が貴方達を?」

「あぁ……お袋ミーナを頼む。

それからリーゼ、お前とまた会えて嬉しいが頼みがある。

恐らくだが無名達が上手くやったお陰で俺達の洗脳が解けている。

つまり、他にも"洗脳が解けた奴等"がいるだろう。

そいつ等を集めて欲しい。

無名の応援に行って貰いたい。」

 

「克己、貴方はどうするの?」

マリアの問いに克己は答える。

「俺はここでタワーにいる敵を掃討する。

仲間もいるから何とかなるだろう。

今は周囲の敵を排除することが先決………!?」

 

そう話しているとタワーの周囲から揺れが起き始めた。

「これは……何だ?」

「まさか、装置がまだ動いていたのか?」

 

「いいや、エターナルメモリは正常に機能している。

つまり、"別の何か"が作動したんだ。」

 

「正解だNEVER……いや、今は人間だったか。」

そう言いながらタワーに入ってきた人物を見た克己は言った。

「"キース·アンダーソン"……お前もアルケに蘇らせて貰ったとはな。」

 

「まぁな。

お前達と違い俺は"アルケ様にとっての切り札"だからな。」

そう言うとキースは天十郎とプロスペクトに手を向けた。

 

黒色に……染まれ

 

すると、キースの手から黒い光が発せられ天十郎とプロスペクトの身体を覆うと2人はドーパントの姿へと戻った。

「!!」

「驚いたか?

アルケ様より賜った錬金術の一端だ。

財団でも完璧な再生が出来なかった錬金術……その力がこの手にあるのだ。」

 

「何度蘇ろうと変わらん。

地獄に送り返すだけだ。」

克己やNEVERの面々はそう言いながらのキースを睨みつけるが当の本人は余裕の表情を崩さなかった。

「前の戦いで私が敗北したのはお前達の力を見誤っていたからだ。

エクストリームの力を手に入れた"Wの進化"(CJGX)

そして、エターナルがジョーカーの力を手に入れた事で起こった"Eの覚醒"(EJ)

 

そのせいでエデンメモリの持つ"本来の力"が発揮されること無く私は死んでしまった。

だが、蘇生した貴様のドライバーにジョーカーメモリの力は無くあの進化したWもいない。

 

そして、2つのタワーが破壊された事で準備は全て整った。」

 

そう言いながらのキースは片手を高く掲げるとタワー上部を塞いでいたパーツが突如消滅し空が見える様になった。

 

すると、そこに写ったのは"5つの巨大な石柱"。

その石柱を中心に空中に大きな魔法陣が展開していた。

 

「これは依代だ。

"5体のグリード"をベースに蓄積された蓄積されたエネルギーで円を作り循環させることで一つの錬金術となる。

不安定で放出するしか無かったエネルギーが純然に機能するとどうなるか?」

 

そして、5つの石柱が完全に分離し消滅すると空を覆い尽くさんとする巨大な島が空中に現れた。

本来ならば物理法則により落下する筈の島は空を漂い浮かんでいる。

新緑に覆われながらも何処か機械的な島の姿を見たキースは叫んだ。

 

見ろ!!

これこそがアルケ様が産み出した最高の錬金体。

その名は"マゴニア"。

天空に君臨する"空中武装島"だ。」

 

克己達は空へ浮かぶ巨大な島をただ見ることしか出来なかった。

 

 

 

風都でマゴニアが誕生する前、映司はメダジャリバーを使いアンクは怪人化した腕で目の前の漆黒のオーズとの戦闘を繰り広げていた。

 

2人に相対している漆黒のオーズの変身者である平行世界のアンクの心には苛立ちが募るばかりだった。

「何でだ……何で諦めねぇ!!

オーズの力を失ってんだぞ!?

ちっぽけな人間が敵う訳無いだろう!」

 

映司が振り下ろしたメダジャリバーをオーズはトラクローで受け止めそのまま弾き返した。

その強さに映司はメダジャリバーを落としてしまう。

 

「しまっ!?」

「終わりだぁ!!」

 

オーズはトラクローを戻すと握った拳で映司の腹を殴り付けようとする。

しかし、その拳は横から体を滑り込ませていたアンクの腕により防がれた。

 

「くっ!?」

「アンクっ!」

 

「ボーっとすんな映司!!

早く武器拾って構えろ。」

「わ…分かった!」

 

映司は飛ばされたメダジャリバーに向けて走り出しアンクはオーズの腕を掴みながら言った。

「どうした?

随分とイラついて見えるが……」

「黙ってろ。

どうせ足掻いた所でお前達じゃ俺には勝てない。」

 

「はっ、んなもんやってみねぇと分からねぇだろ?

お前は映司の肉体を使えてるからオーズになれている。

つまり、その肉体から引き剥がせれば勝機はある。」

「そんな事を俺がさせると思うか?

同じ存在だからってあんまり舐めた事を言うとお前のコアを砕くぞ。」

 

殺気をぶつけられたアンクは平然としながらもう片方の手で相手の自由な手を掴み動きを封じた。

「んな事、お前はしねぇよ。

お前がまだ映司に"固執"してる限りな。」

「何が言いたい?」

 

「お前は死んだ映司に固執している。

そして、俺達にその想いを重ねてる。

だから、計画の邪魔になると分かっても俺達を始末せずドライバーを奪うなんて言うまどろっこしい事をした。

それはお前自身、映司を傷付けるのを戸惑っている証拠だ。

だから、"こういう手"を使える。」

 

そう言うとアンクの背後から現れた映司は変身しているオーズドライバーを掴んだ。

「何っ!?武器を取りに行った筈じゃ……」

「普通のやり方じゃドライバーは奪えない。

なら、普通じゃない方法を取れば良い!」

 

「まさか、このドライバーで変身するつもりか!? 

よせ映司!

平行世界の存在とは言え同じドライバーじゃねぇ!

何が起こるか分かんねぇんだぞ!!」

 

「そんなのやってみなきゃ分からない!!」

そう言いながら映司はオーズを変身解除させる為、ドライバーを動かした。

 

映司の手により簡単に動いたドライバーはカシャ!!と言う音と共に映司に憑依したアンクの身体を変身解除させる。

「させるかぁぁ!!」

 

変身解除させられたアンクは体内のコアメダルに力を与えてグリードの姿へ変身する。

その反動で映司とアンクは吹き飛ばされた。

 

「くっ!?……その姿がアンクのグリード体。」

「このドライバーは"この身体の映司の物"だ!!

誰にも触らせねぇ!」

 

そう言いながら片手に炎を顕現させる。

同様により警戒心が薄れたその瞬間をアンクは見逃していなかった。

 

『やっぱり、グリードの姿に戻れるみたいだなお前は』

「何っ……ぐあっ!?

 

突如、グリードとなったアンクは片膝をつき苦しみ始めた。

アンクの背中には分離したこの世界の"アンクの左腕"が刺さっている。

 

(あのガキ(フィリップ)の想定通りだな。

平行世界の俺は今の俺達よりも多数のコアダルを持ってる。

もしかしたら、俺のメダルも増えてグリードの姿になれるかも……か。)

 

グリード体になれる程、コアメダルを体内に収めていると言う事はそれだけの物を体内に保持出来る事を示していた。

 

(用心深い俺がドライバーを持つとしたらそりゃあ"自分の体内の中"だ。

オーズに変身している状況じゃ、簡単に体内を弄くり回せねぇがグリードの姿になってるなら話は別だ。

ふっ飛ばされた拍子に左手を分離すりゃ狙えると思ってたぜ。)

 

 

そう考えながらアンクは体内のセルメダルとコアメダルを掻き分けながらドライバーを探していく。

 

「……あったぜ。

受け取れ映司!!」

 

思いっきり引き抜いたアンクの左手にはオーズドライバーが握られておりそれを映司に向けて投げ渡した。

映司はそれを受け取ると腰に装着する。

 

その姿を見たグリード体のアンクはオーズに再変身すると浮遊する左腕を捕まえる。

「貴様ぁ!!」

『ぐっ!?』

 

攻撃を加えようとするその腕を掴むことで映司は止めた。

頭に血が上っているアンクは身体を映司に向ける。

「映司っ!!」

その腕を振りほどくと展開したトラクローで切りつけようとする。

 

『止めろ!!』

 

アンクの言葉は虚しく響く。

振り抜かれたトラクローは映司の身体を切り裂いた。

映司は呆然としながら斬られた体に触れる。

 

一方で映司を切り裂いてしまったアンクも動揺していた。

救おうとしている映司を自分の手で殺してしまったその記憶が過去と現実を"繋いでしまう"。

 

「お……れは……何……を」

 

呆然としながら後退りし掴んでいた左腕も離してしまう。

その隙に左腕は倒れている肉体に戻ると急いで切られた映司に駆け寄る。

 

「映司!!」

 

切られた箇所をアンクが確認するとそこにはタトバコンボに必要な"タカメダル" "トラメダル" "バッタメダル"がトラクローにより振るわれた斬撃を受け止めていた。

 

「メダルが盾になったってのか?

だが、どうして?」

 

そうアンクが疑問に思っていると3枚のコアメダルから一つの光が抜け出すと映司の前で光り輝いた。

 

眩しい光に目を覆う。

そんな映司に声が聞こえてきた。

 

「久し振り……映司。」

「その……声は……」

 

 

映司はその声に聞き覚えがあった。

忘れる訳の無い声。

驚愕しながら目を覆っていた手をずらし目を開けるとそこには昔と同じ姿をした少女、"ルウ"が映司に向かって笑顔で笑い掛けていた。

 

「……ルウ。」

「うん、そうだよ映司。

直ぐに会えなくてごめんね。」

 

そう言いながらルウは呆然と立っている映司を優しく抱きしめた。

その温もりが彼女が生きていると言うことを映司にどうしようもないほど理解させた。

 

「でも……どうして?」

「私達がココに来れたのはアルケの装置で生き返ったから………でも映司を守ったのは"彼女"が力を貸してくれたからなの。」

 

そう言いながらルウは一つの方向を指差す。

すると、そこから紫色の炎と共に一人の女性が現れた。

 

その女性は映司に言う。

『はじめまして、私は"コスモス"。

アルケと同じ超越者です。』

「超越者……」

 

そう言いながら警戒する映司を見てルウは言った。

「安心して映司、コスモスは映司の味方だよ。

映司を守れる様にそのメダルに私達を送ってくれたの。」

「それってどう言う意味……」

 

困惑する映司にコスモスは答える。

『貴方の手に持っているコアメダルに"彼女の意識やエネルギー"を転送しています。

そのお陰で貴方は先程の攻撃を防ぐ事が出来たのです。』

「でも……何で?」

 

復活するはずだったエネルギーをコアメダルに転送した。

そう聞いた映司は理由が分からないでいた。

そんな顔をする彼にルウが答える。

 

「"私が映司を助けたいって思ったから"だよ。

それにずっと映司に言いたかったことがあったから」

 

そう言うとルウは映司に向くと頭を下げた。

「ごめんね映司。

貴方を残して死んじゃって」

「君は悪くないだろルウ……悪いのは……俺だよ。」

 

「ううん、映司は何も悪くないよ。

あの時だって最後まで私を救おうとしてくれた。」

それでも救えなかった!!

爆発に巻き込まれてルウがいなくなって……俺が……正しいと思ってやってた事が悪で………それで君は……君たち村の人達は!?」

 

涙を浮かべながら懺悔するようにルウに向かって話す映司にルウは優しくハグをした。

「でも、貴方が私達としてくれた事は"正しかったよ"。

壊れた建物を直してくれたり私たち子供に勉強を教えてくれたり……お金だって映司は私達を救いたくて一生懸命考えてやってくれたんでしょ?」

「ルウ………」

 

「映司、もう自分を罰する為に傷つけようとしないで?

人を救うのに自分の命は救わないのは止めて。

私や村の皆もそんな事は望んでないの。

貴方は私達にとって"ヒーロー"なんだから……」

 

そう言うとルウの身体が少しずつ粒子となって行く。

「もう、時間みたい。

映司も早く戻って世界を救わないとね。」

「待ってくれルウ!!……俺は……皆をまた失うのか?

前と同じく皆の命を使って俺は生き延びるのか!?」

 

そう言う映司にルウは笑いかけながら手に持っていたタカメダルを映司に渡した。

「映司、私達はいなくならないよ。

メダルの中から映司を見守ってる。

村にいた頃の様に……貴方が誰かを救う姿をずーっと見てるから……

 

「ルウ!!」

 

映司が消えていくルウを捕まえようと手を伸ばすと彼は元の世界へと戻っていた。

横にはアンクが驚きながら映司を見つめている。

 

映司は伸ばした手の中身を広げた。

そこにはまるで映司を見守る様にタカメダルが1枚存在していた。

「………ルウ。」

 

映司はタカメダルを両手で祈る様に握り込むとゆっくりと立ち上がった。

そして、顔を向けずにアンクに告げた。

 

「アンク……俺は自分が嫌いだ。

強欲で考えも足りてない。

この手から取りこぼした命も数えたらキリが無い。」

しかし、そう言いながらタカメダルを見つめる映司の目にはこれまでと違う光が映っていた。

 

「でも、それでも"誰かを救いたい"。

その為に命を賭けないといけないなら俺は迷わず賭けると思う。」

「映司……お前」

 

でも!!……もう"命を捨てようとする"つもりはないよ。

俺のせいで失ったと思ってた子に言われたんだ。

俺はヒーローだって……」

 

そう言ってオーズドライバーにメダルを1枚ずつ装填する姿を敵である黒いオーズ(アンク)はただ見つめていた。

そこに映る男に黒いオーズは過去の記憶を重ねていく。

 

「だから、俺も……あの子達に自信を持って言えるように……手に入れたこの力で出来ることをしていく。

………変身っ!!

 

「タカ」

(それがきっと……)

「トラ」

(ルウや村の皆が……)

「バッタ」

(俺を生かしてくれた理由なんだ!!)

 

 

 

仮面ライダーオーズに変身が完了した映司はアンクに手を差し伸べる。

「だからさ、アンク。

アンクの力も貸してよ。」

何時もの様に平然と告げる映司の姿を見てアンクは笑うと差し伸べられた手を払い除けた。

 

「勘違いすんなよ映司。

俺はグリード。

俺は俺の欲望の為にお前を利用するだけだ。」

「えーっ!?そこは感動して手を貸す場面じゃないのかよアンク。」

 

「うるせぇうるせぇ。

まぁでもこのくだらねぇ事件の解決には手を貸してやるよ。

"そのついでにお前の事も見ててやるよ"。

勝手にくたばったら困るのは俺だからな。」

「ハハッ…それでこそアンクだ。

じゃあ、行こうアンク!!」

「あぁ」

 

黒いオーズは二人をただ見つめていた。

そして、理解した。

(あぁ、そうか。

俺には"コレ"が出来なかったのか。

こんな風に映司の手を取れていたら……俺は)

 

ふと見つめる自分の手にかつての記憶がフラッシュバックする。

最後に漸く届いた筈の冷たくなった手の温度と感触を……

 

だがそれでも止まる気はない。

 

俺とお前(今と未来)……叶う欲望はどちらかだ。)

 

なら叶えて見せる。

その為に俺は今も変身してるんだ。

 

黒いオーズは構える。

 

「来いよ。

今度こそ二度と立ち上がれなくしてやる。」

 

その言葉にアンクと映司が答える。

「はっ!……やれるもんならやってみろ。」

「生憎、俺は諦めが悪いんだ。

どんな絶望で足が止まってももう止まらない。

アルケの計画を止めて世界を救う!!」

 

そう言って2人は黒いオーズに向けて駆け出していくのだった。

外伝 続編の投稿に関して

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