本編世界のアンクと映司の会話では「」使い、
平行世界のアンクと映司の会話では『』使います。
『相変わらずの……バカ面だな。』
アンクは眼の前に立つ自分の世界の火野 映司にそう声を掛けた。
『バカは酷いだろ流石に……』
そう言って映司は笑う。
『事情は分かってるんだろ映司。』
『うん。
この装置のお陰で身体は蘇ったけどそれよりも前に意識だけの状態で……ずっと見てたからさ。
お前がアルケに協力した事も知ってる。』
そう言うと映司はこの世界の自分自身である火野 映司に話し掛けた。
『改めて、こっちのアンクが迷惑を掛けてごめん。
それに紫のメダルも使わせちゃったみたいだし……』
紫のコアメダルの力も恐ろしさも知る映司だからこそ今の彼の身体に起こる疲労感と不快感を正しく理解していた。
しかし、この世界の映司は汗を拭いながら立ち上がる。
「大丈夫です……それよりも生き返ってくれて良かった。」
『はは……俺自身にそう言われるのは何か複雑な気分。』
「俺も……同じ立場だったらそう思います。」
もう一人のアンクを見ていたから慣れた気になっていたがいざ自分と同じ姿と性格をした存在が目の前に現れるとどう会話したらいいか分からず戸惑ってしまう。
どうすれば良いか分からずアンクに目を向けようとする俺の姿を見て映司は笑った。
『うん……今の君ならちゃんと手が届きそうだね。
本当ならゆっくり話していたいけどそんな時間も無いみたいだ。』
目を向けた先に鎧武者怪人が立ち上がりこちらに向かってこようとしていた。
「そうみたいですね。
ノブくんも早く助けてあげないと……」
『彼が……分かった。
今度はちゃんと助けよう。』
蘇った映司はオーズドライバーを付けるとアンクに向かって声を掛けた。
『アンク、メダル!!』
その言葉を聞いた二人のアンクは同時にメダルを投げそうになる。
『おい!お前の映司はそっちだろ!』
「仕方ねぇだろ!
見た目も声もおんなじなんだからよ!
それよりも再会が終わったんならさっさと身体分のセルメダル返しやがれ!」
『んだとコラ!』
早速、口喧嘩を始める2人のアンクを見て映司達は溜息をつく。
「おいアンク、喧嘩してる場合じゃないだろ?
こっちも変身だ。」
「チッ!……おい映司、やるなら確実に勝てるこのコンボにしろ。」
アンクが投げ渡したメダルを見た平行世界も映司も答える。
『成る程、そのコンボで行くなら………アンク!!こっちも!!』
差し出された腕を見て何をしたいのか理解したアンクは溜息をつきながら左腕の状態に戻ると映司と手を掴む。
その瞬間、2人は融合し映司の左腕がアンクのものとなり髪の毛にアンクの特徴がある姿へと変わった。
『やっぱり出来たか。
なら、きっとコアメダルも……』
映司の手に握られた3枚のメダルが虹色に輝き始めたのを見て2人はもう一度、出来ると確信した。
『良し、行こう。』
「はい……今度こそノブ君を絶対に助け出す。」
2人の映司は慣れた手つきでドライバーにコアメダルを装填する。
そして、同じ体勢と動きでドライバーのコアメダルをスキャンした。
キン!キン!キン!
タカ
クジャク
コンドル
タ~ジャ~ドルゥ~!
1人目のオーズはアンクのコアメダルを使ったコンボである深紅の戦士、タジャドルへと変身を完了させた。
そして、2人目のオーズの姿は更に変化する。
エ〜タ〜ニティ〜
全身に虹色の彩色と怪人態となったアンクの頭部を思わせる意匠を備えた"仮面ライダーオーズタジャドルエタニティ"。
それはかつて死の間際に願った映司の想いを叶えるために変身した最終形態。
変身を終えた2人のオーズは鎧武者怪人に向かっていった。
刀を振るう怪人の攻撃を躱すと二人は接近戦を仕掛ける。
間合いを潰され思う様に刀を振るえない怪人は刀を盾替わりにしてながら残った手足で徒手空拳を行うオーズを相手する。
「やっぱり、一度見た攻撃は対処される。」
『なら、戦い方を変えれば良い……アンク!』
左手に宿るアンクに声をかける。
『良いぜ。
やってみろ映司!』
二人で戦っていたが今度はタジャドルエタニティが前に出る。
何時もと同じ様に拳を振るう。
鎧武者怪人はその攻撃を難なく止めるがその直後、身体が吹き飛ばされる。
その姿を見たタジャドルは驚く。
「一体何が起こったんだ?」
その疑問に答えることもなくタジャドルエタニティは攻撃を続ける。
鎧武者怪人は最初の一撃は回避や防御化出来てもどころからか来る二撃目には対応出来ずダメージを食らった。
『やっぱり見えねぇ攻撃には何も出来ねぇみたいだな。』
アンクの声に答える様に横に現れた"映司"が答える。
『詳しい原理は俺にも分からないけどね。』
それは二人の心が合わさりタジャドルエタニティに変身した直後に起きた現象。
精神体となった映司がアンクの変身するタジャドルエタニティの横に立ち共に戦っていた。
『俺の姿も声をアンクにしか見えないし聞こえない。
なら、攻撃を届くかもとは思ったけど上手くいって良かった。』
『ぼさっとするな映司。
どうやら、見えないなりに戦うこと術を見つけたみたいだぞ。』
鎧武者怪人はタジャドルエタニティから距離を取ると刀にエネルギーを纏わせる。
斬撃で周囲ごと叩き斬ろうとしてると理解した。
しかし、その刀は空を飛び接近したタジャドルの左腕に着けられた武器である"タジャスピナー"に止められる。
タジャドルは刀と鍔迫り合いをしながらタジャスピナーから火球を発射し続ける。
タジャドルの炎を受け刀身が赤熱するとそこにタジャドルエタニティの拳が突き刺さった。
赤熱した刀はタジャドルエタニティの拳で折れるとそのまま胸部に突き刺さる。
痛みで苦悶する鎧武者怪人だが即座に立ち上がろうとすると急に動きが止まり頭を抑え始める。
『何だ急に苦しみ出したぞ?』
二人のライダーは知る由も無かったがこの時、無名と翔太郎の2人がアルケのコアメダルを2枚破壊した。
その為、これまでノブナガを洗脳する為に使われたエネルギーに乱れが生じたのだ。
「何だか分からないけど今がチャンスだ。」
二人のオーズはオースキャナーでドライバーをスキャンした。
「「scanning change」」
2人は同時に飛び上がる。
背中の羽を展開しタジャドルは炎の力を宿した"プロミネンスドロップ"、タジャドルエタニティは映司の幻影共に赤いリングを通り抜けながら放つ"エタニティエンスドロップ"を鎧武者怪人に打ち込んだ。
放たれた2人のライダーの攻撃を受けて鎧武者怪人は吹き飛ぶとそのまま天井を突き破った。
そして、空中で大爆発を起こすと傷だらけのノブナガが落下する。
その身体をタジャドルが掴むと地面に優しく下ろした。
「……お前は映司か?」
「良かった。
元に戻ったんだねノブくん。」
ノブナガが自分の身体と周囲の惨状を見て事態を悟った。
「そうか……俺は負けたんだな。
この身体もアルケの良いように操られた訳だ。」
そう話しているとアンクが空けた穴から地上に現れた。
「おい、アレを見ろ。」
アンクが指を差した方向に目を向けるとそこにあったのは黒く光る謎の球体だった。
「何だアレは?」
「まるで黒い太陽みたいだ。」
するとその黒い太陽は周囲の空間を蝕み始めた。
「アレ……どう見てもヤバそうだよね。」
「だな……おいお前は何か知らないのかノブナガ。」
アンクの問いにノブナガが答える。
「分からん。
またアルケの差し金かもしれん。」
そう話していると地面が揺れ始める。
そして、周囲のビルをなぎ倒しながらアルケが地上に現れその穴からデーモンエクストリームとCJオーバーエクストリームが現れる。
「クソッ!?地上に出ちまったか。」
「その様ですね……ですがあちらの戦いは上手くいったみたいですよ。」
目線で指し示した方向には二人のオーズと救出したのであろうノブナガが立っていた。
「良し……なら後はアルケを倒せば一件落着だな。」
そう言う二人のライダーだったが空に浮かぶ黒い太陽を見て動きを止めた。
「ありゃ……一体なんだ?」
『分からない……地球の本棚で検索しても分からないなんて』
動揺するフィリップに答えたのはゴエティアだった。
『アレは、"具現化された滅び"だ。』
『ブラックホールの様なものか?』
『いいや、それよりも質が悪い。』
ゴエティアの説明にアルケが補足する。
『アレは本来の歴史において訪れていた滅びという概念そのモノだ。
お前達が私の装置を破壊したことで逆転させていた時空の中で本来起こりえていた滅びが凝縮し黒い太陽となって現れた。
こうなってしまってはもう遅い。
止める手段はない。』
「んなもんやってみねぇと分かんねぇだろ!」
翔太郎がエクスビッカーにメモリを装填する。
「『BICKER FINALUSION』」
Wの必殺技である光線が黒い太陽に向けられるが光が到達する前に黒い塵となって消えた。
「なっ!?」
『プリズムビッカーのマキシマムがいとも簡単に……』
「なら、これはどうだ。」
「DEMON MAXIMUMDRIVE」
「更に……ゴエティア。」
『あぁ、任せろ。
超越者の力の中で破壊に適した能力を選別……デーモンのマキシマムと同調させる。』
そうして全身から発生した黒炎が黒い矢に変換されゴエティアにより選ばれた超越者の力が練り込まれていく。
それを終えた矢を黒い太陽に向けて放つ。
Wのマキシマムと違い超越者の力が直接、入っている為か黒炎の矢は黒い太陽にまでは到達するがその矢も黒い太陽のエネルギーを直に受けると炎ごと塵となり消え去った。
「ゴエティアの力を用いてもダメなのか。」
『そうみたいだ。
付与させた全ての力を無効化された。
あの黒い太陽は私の力では破壊出来ない。』
それを聞いたアルケが答える。
『そうだ。
お前達は自らの手でこの世界を滅ぼす選択をしたんだ。
私が管理していればこうはならなかった。
だが、こうなってはもう無意味だ。
あの滅びはこの地球の歴史を全て正すまで止まらない。
このまま終わり滅び消えゆく世界を見届けるしかない。』
諦めを口にしたアルケを見て翔太郎が叫ぶ。
「何か……何か手はねぇのか?」
「この地球の滅びの塊があの黒い太陽ならばこの世界には無い異物を認識させれば止まるかもしれない。」
「どういう事だ?」
「アルケの言う滅びはこの世界での時間軸で起こり得た現象の事を言っています。
つまり、関係無い何かを接触させればあの滅びを止められるかもしれません。」
『だが、実際どうする?
そんな存在をこの世界に呼び寄せるのか。』
「それは……」
『なら、僕達が行くよ。』
そう言って無名の前に現れたのはタジャドルエタニティだった。
『アンクも俺もここの世界の人間じゃない。
僕達があの中に入ればこの崩壊も止まるかもしれない。』
それを聞いた無名が言った。
「その意味を本当に分かって話していますか?
あの中には滅びと言う力が具現化されているんですよ。
そこに入るなんて自殺行為です。
せめて、メダルか何かで代用を……」
その言葉を否定したのは映司と融合していたアンクだった。
『んな事して失敗したらどうする。
どっち道、俺達はこの世界の存在じゃねぇ。
いたらどんな不都合が起こるかも分からねぇんだ。
なら、あっちに行った方がまだ良い。
それに今回は"一人"じゃねぇ。
2人いれば何とかなんだろう。』
「ですが……」
言い吶る無名に映司は笑顔で答える。
『大丈夫、もう無駄に死ぬつもりは無いですし、
それにライダーは助け合いですから……
だから、信じてください。』
その覚悟を見た無名は決断する。
「分かりました……お願いします。」
それを聞いたタジャドルエタニティは虹色の翼を広げると黒い太陽に向かっていく。
途中に立っていたアルケを警戒するが当の本人は映司達を追撃しようとしない。
『攻撃はしないから安心して進め。
私もこのまま滅びを迎えるのは不都合なのでな。』
その言葉を聞いたアンクが答える。
『おい、余り舐めるなよ。
お前の野望はこっちの世界のオレと映司が必ず阻止する。』
『そうか、随分とこの世界の自分達を信頼しているんだな。
……なら一つ賭けをしよう。』
『賭けだと?』
『あぁ、君等の言う通り私が仮面ライダーに敗れたのなら君の願いを叶えてやる。』
『もし、君が勝ったら?』
『私の野望が達成されるだけで何も変わらない。
どうだ?
デメリットの無い君達に有利な賭けだろう?』
それを聞いたアンクは答える。
『はっ……信用はしねぇが良いだろう。
その賭けに乗った。
でも勝つのは俺達、仮面ライダーだ。』
『結構……では、さようなら。
向こうの世界で会おう』
アルケの別れの言葉を聞いたタジャドルエタニティは黒い太陽に向けて突き進んでいく。
そして、黒い太陽の中に消えると先程まで崩壊していた空間が止まり黒い太陽はその場で姿を消すのだった。
それを見送ったアルケは改めて無名と翔太郎、そして映司を見つめる。
『まさか、お前達にこの計画を阻止されるとは思わなかった。』
「では、諦めてくれませんか?」
無名の提案をアルケは嗤う。
『ははっ!……そうも行かないさ。
もう賽は投げられた。
この計画を止めても私がいる限り何度でも超越者の復活を目指す。』
「他のやり方は無いのか?
人間も死なず地球も滅ぼさないで済む方法を……」
映司の言葉をアルケは否定する。
『無い。
あったとしても時間が足りない。
私が死ぬかお前達が敗れるか二つに一つだ。』
「なら、俺達がお前に問いかける言葉も一つだけだアルケ。」
「『さぁ、お前の罪を数えろ』」
翔太郎とフィリップの言葉を聞いたアルケは答える。
『罪かどうかは私が決める。
私はアルケ……欲望の超越者だ。』
「ここで仕留めます。」
『あぁ、最終決戦だ。』
「行こうアンク!
アルケを止める。」
「はっ!……なら気張れよ映司。
死んだら許さねぇからな。」
そうして三人のライダーは最後の戦いに身を投じるのだった。
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