風の街"風都"……この街に吹き込んだ風は新しい出会いや未来も運んでくれる。
アルケとの決戦を終え照井 竜と鳴海 亜樹子の結婚式も無事に終えた俺達だがやる事は変わらない。
依頼人の願いを叶え事件を解決してきた俺達は久し振りに昔の仲間と出会った。
これはそんな未来の物語………
鳴海探偵事務所でくつろぐ翔太郎とフィリップ。
そして、その横でコーヒーを読む亜樹子と照井。
その四人の中心に居たのは探偵事務所に新たに加入した探偵助手だった。
藤色のロングヘアーが映える美貌に加え、薄い青のシースルーのキャミソールにローライズジーンズとロングブーツという、妖艶な容姿を持つ女性。
とある事件から彼女と出会った翔太郎にとっても特別な女性である"ときめ"はこれまで翔太郎達が歩んできたビギンズナイトからの歴史を教えて貰っていた。
「へぇ、その無名って人が鳴海探偵事務所にそんなに関係してたんだね。
全然、知らなかった。」
「まぁ、照井と亜樹子の結婚式が終わった後、警察に捕まってから特殊な監房に移されたって照井から聞いてたからな。」
翔太郎の言葉を聞き照井が答える。
「あぁ、ドーパント犯罪以外でも凶悪な犯罪を犯した者達を入れる監房だ。
無名はそこで罪を償っていた。」
そこまで聞くと、ときめが尋ねる。
「それでどうしてそれを私に話してくれたの?」
その問いにはフィリップが答える。
「君はもう翔太郎の助手であり僕たちの大切な仲間だ。
だからこそ、僕達の歴史と協力者。
それに、僕達の力に関しても詳しく説明しておくべきだと思ったんだ。」
「そう言う事だ。
亜樹子から渡された探偵手帳に書いてあることが全てじゃねぇからな。」
そう言うとフィリップがときめに尋ねる。
「先ずはお浚いだ。
この風都にいる仮面ライダーについて君の知った事実を教えてくれ。」
「えーっと、先ずは翔太郎とフィリップの変身する"仮面ライダーW"ね。
Wドライバーを使って翔太郎の身体にフィリップの精神が入って変身する。
フィリップは"サイクロン" "ヒート" "ルナ"
翔太郎は"ジョーカー" "メタル" "トリガー"のメモリを使う。
そして、フィリップの身体を使って変身する"ファング"。
それと2人が融合して変身するWの究極形態であるエクストリームだよね。
後は亜樹子の旦那でもある照井竜が変身する"仮面ライダーアクセル"。
基本形態の"アクセル"に高速形態の"トライアル"。
そして、切り札の"ブースト"……でもこれに関しては見たことが無い。」
そう言うと照井が補足する。
「ブーストメモリは強力な分、デメリットが強い。
左達がいる場合は極力使わない様にしている。」
「そうなんだ。
取り敢えず、私が知っているのは探偵手帳に書いてあったその情報くらい……」
そう言うと翔太郎が説明を続ける。
「なら、そっから先だな。
実は俺達は二人でじゃなく照井みたいに一人で変身する形態も存在するんだ。」
そう言うと二人は新たなドライバーを机に置いた。
それを見たときめが首を傾げる
「似てるけど……少し形が違う?」
その言葉を聞きフィリップは感心する。
「素晴らしい観察眼だ。
これはロストドライバーと言う。
翔太郎が持っているのは僕と無名が開発した改良型のロストドライバーだ。
これを使って翔太郎は"仮面ライダージョーカー"。
僕は"仮面ライダーサイクロン"に変身する。
基本は使うことは無いが僕達のどちらかが変身出来ない場合の緊急手段として使う。
まぁ、殆どそんな事は無いけどね。」
「まぁな。
アルケとの決戦の一件で死んだ"ガイアメモリユーザー"が一斉に復活した。
でも、警察もG3システムを使ってドーパントをメモリブレイク出来る様になったから捕まえることも容易になったしな。」
「そうだね。
エンゼルビゼラを使ってない初期ユーザーならG3システムでも対応出来る様になった。
それに、復活したメモリユーザーの中には過去の恐怖から更生している者達もいる。
風都に新たに作られた"ガイアメモリ更生施設"の力でメモリの誘惑を抑制出来る者達も増えてきた。」
翔太郎達が知る者達もガイアメモリ更生施設に入り元の生活に戻った者も大勢いた。
"津村 真里奈"や"山村 幸" "片平 清" そして"九条 綾"も更生し日常生活を送っていた。
しかし、ガイアメモリの誘惑に飲まれ続ける者もいる。
そういう者達も翔太郎達は倒しメモリブレイクしていっていた。
「でもまさか、こんなタイミングで"裏風都"と呼ばれる場所やそこを運営する組織が現れるなんてね。」
裏風都……最近の風都を悩ませる新たな都市。
別次元に作られた異空間の街、そこを支配する"万灯 雪侍"と言う男がガイアメモリや改良したエンゼルビゼラ……通称"サプリ"を使い新たな事件を風都で起こしていた。
その一件で出会ったのが目の前で助手をしてくれているときめでもあった。
記憶喪失になっている彼女の記憶を取り戻す事も翔太郎の依頼でもあった。
そう話していると、ときめが尋ねてくる。
「それで私の知らない話ってこれで全部?」
「いや、悪い悪い話が脱線しちまったな。
確かに俺達の話はこれで全部だがまだ他にも仮面ライダーやこの街の協力者はいる。
ときめ、風都の騎士の噂は知ってるよな?
そいつは実在する。
名前は須藤 霧彦。
ナスカメモリを使ってドーパントになって街を守ってるんだ。」
「後はNEVERのメンバーだね。」
NEVERの名を聞いたときめが尋ねる。
「NEVERって風都を襲ったテロリストでしょ?」
「実はアレはNEVERのクローンで本当は全員、正義の仮面ライダーなんだ。
大道 克己、エターナルメモリを使う彼を筆頭にヒート、ルナ、メタル、トリガーを使いNEVERドライバーを用いて変身する。」
「ちょっとフィリップ待って待って!?
一遍に言われたら混乱するから……」
それを聞いた翔太郎が答える。
「まぁ、それもそうだな。
少し休憩にしよう。
そう言えば照井……お前今日は何でここに来たんだ?」
その問いに照井が答える。
「シザースドーパントの一件を覚えているか?
お前と交流のあった"本条 隼人"が関わっていた事件だ。」
「あぁ、忘れもしねぇよ。」
財団Xが関わっていたこの事件の犯人は彼と同じ特殊生物化学科の研究員である
彼女がシザースメモリを使いドーパントとなり仮面ライダーWと戦いメモリブレイクされ事件は解決した。
「あぁ、本条から財団に協力を持ちかけられて作戦を立案した。
だが、加頭が倒された事でメモリも送られてこなかったって……」
「だが、実際はシザースメモリが羽柴 ひろみの手に渡り彼女がその作戦を代わりに遂行した。
フィリップを言っていただろうあの時のシザースメモリは"破損していた"と……」
それはシザースドーパントを倒した後、メモリブレイクされたメモリをフィリップは見ていた。
「あぁ、基盤の一部が破損して修理された跡があった。
完璧なメモリだったら僕達も勝つのに苦戦していただろうね。」
この世界でのシザースメモリは破損していた影響で出力が落ちており適合率の高かった羽柴 ひろみでもWには勝てず基本形態のサイクロンジョーカーのマキシマムでメモリブレイクされたのだった。
「あぁ、調査の結果あのシザースメモリは警察に押収された保管庫から奪われた事が分かったんだ。」
それを聞くとフィリップは納得した様に言う。
「そうか、だからシザースメモリは破損していた訳か。」
「どういう事だフィリップ?」
「風都署の技術研究部が開発した新技術だ。
メモリに追加パーツを用いて無効化処理を施すんだ。
無理矢理、外そうとするとメモリ内部が破損する様に作られている。
だから破損したシザースメモリを修復するしか無かったんだ。」
「ちょっと待てフィリップ。
だとしたら……」
「あぁ、警察機構の中にメモリを横流しした人物がいる可能性がある……そう言いたいんだろ照井 竜?」
「残念な事にな。
それでお前達に依頼を頼みたい。
メモリを横流しした者を見つけて貰いたい。」
「その依頼、受けたぜ照井。」
そう言うと照井が立ち上がる。
「じゃあ、付いてきてくれ。
これからお前達を研究所に案内する。」
「研究所?」
「あぁ、俺が本庁に申請して新設した組織だ。
ガイアメモリの研究と解析、そして対抗策の開発を目的としている。
"G·R·I"……
通称、G研と我々は呼んでいる。」
「おい、そんな組織があるなんて初耳だぞ。」
「情報漏洩を防ぐ為、知る者はごく僅かにして情報を徹底的に秘匿していた。
まぁ、今回の一件でそれが無駄だと分かりお前達にも話すことが出来た。
黙っていて済まない。」
「まぁ、そういう事なら仕方ねぇか。
んじゃ、早速行ってみるかG研に」
翔太郎達は照井と共にG研へと向かうのだった。
風都署の地下18mに向かうエレベーターの中で、翔太郎はG研の所長である
「凄いなまさか、風都署の地下にこんな施設があるなんて……」
「本来ならば部外者は立ち入り禁止だがG研の管理責任者でもある照井刑事の進言で特別に許可されている。
何せ、ここには大量のガイアメモリが保存されているからな。
故にここからガイアメモリが奪われたのは屈辱の極みであるがな。」
そこまで聞くとフィリップが尋ねる。
「だから、僕達が来たんだ。
ここで働いている研究員は全部で何人だ?」
「私を入れて"六人"だ。
副所長の
ガイアメモリ研究のリーダーである
メモリが肉体に及ぼす影響を測定する"リィナ·グレースト"。
メモリの電子分析担当の
メモリを研究所まで運搬し事件現場の調査も行う
「因みに所長である貴方は誰が怪しいと思っていますか?」
その問いに玄道が答える。
「余り考えたくはないが副所長である黒火が怪しいと思ってしまうな。」
「その理由を聞いても?」
「奴のメモリの知識は異常だ。
正直、あの男がこのG研で最もメモリを解析している。
メモリ研究を担っている三人が追い付けない速度でな。
それに彼の経歴には謎が多い。
個人的に調べて見たが嘘の経歴が多く入っていた。
ここの研究所はメモリを取り出し研究するのに所長か副所長の指紋データと研究員の指紋データの両方が必要だ。
メモリを盗むにはどちらにしてもその二人が揃わないといけない。」
「それが真実なら研究員の三人もメモリの横流しの疑いがある訳だね。」
「誠に残念な事だがね。
だが、黒火ならガイアメモリを使って研究員を洗脳する事も出来るかもしれない。」
それを聞いた翔太郎が玄道に言う。
「随分と副所長を疑うんだな。
その論理で行くなら所長であるアンタも疑われても仕方が無いんじゃねぇか?」
「そう考えるのも不思議ではないな。
だが、今回盗まれたシザースメモリは黒火が研究していたメモリだ。
最も盗みやすいのは彼だと思うがな。
疑うのなら監視カメラでも確認してみると良い。」
「まぁ、そこもきっちり調べさせて貰うさ。」
そうして話しているとエレベーターから到着の音が鳴る。
「あぁ、勿論の事だが、
G研の者達は君達が呼ばれた理由を知らない。
くれぐれもバレない様に頼む。」
そうして、扉が開くと鋼鉄の扉で塞がれた部屋に到着する。
「中に入るには電子ロックと声紋チェックを解除しなければいけない。
通れるのは研究員だけだ。」
玄道は電子カードを壁の装置にスラッシュし名前を名乗ると解除音が響き扉が開く。
中は無機質なコンクリートで作られた広大な空間だった。
そこに区画によって分けられているのだろうガラスで区切られた部屋が幾つもあった。
その扉から一人の男性が現れる。
「おや、今日は来客の予定があったのですか玄道所長。」
「あぁ、急遽決まった事でな。
皆さん、彼がこのG研の副所長である………」
「
紹介を受けた無名はまるで始めて会った様な表情を翔太郎に向けている。
翔太郎は驚きの余り顎が外れそうな程、大きな口を空けて驚愕している。
指をさしながら翔太郎は言った。
「おま……おま!?……むむむむむむっ!?」
無名と言いかけたタイミングで彼が言葉を被せた。
「始めましてようこそG研へ……
僕は黒火、ここの副所長をしています。」
そう言って無名は悪魔の様な笑顔を皆に向けたのだった。
……END??
【あとがき】
ここまで長い物語を読んで頂き誠にありがとうございます。
コロナ禍で暇だった事から始めたこの物語が終わるまでまさか、ここまで長い時間を要するとは全く思っていませんでした。
中々、更新せず読者をヤキモキさせたかと思いますので軽く事情を説明しますと実はこの数年で私は結婚しましてリアル生活がマジで忙しくなっていました。
それでも何とか書き終えようとチビチビと書き進めて漸く今日、劇場版を書き終えることが出来ました。
本来ならばこれで物語は全て終わりとしてピリオドを打つべきなのでしょうがまだ書き終えてない所が沢山あります。
先ずは外伝。
これに関してはぶっちゃけまだ書き終えていません。
ストーリーはある程度、固まっているのですがそこまでの道筋を書ききれていない感じなのです。
この外伝は獅子神とサラをメインにフィリップが消滅した
ロスタイムよりも前の時間軸がストーリーとなります。
ですのでここまで読んでいただけた読者の方には大変心苦しいのですが本当の意味で全て書き終わるまでもう少しお待ちいただけると幸いです。
その間、"AnotherStory"と題した小さな話を書きました。
このストーリーは劇場版が終わった後の世界で他の仮面ライダーにフォーカスしたストーリーを書き上げました。
そちらも楽しんでいただけると嬉しいです。
劇場版の話をしますと実は当初はWをメインにしたストーリーを書き上げようと思っていました。
復活した大道 克己と鳴海 荘吉をメインにストーリーを広げようと思っていたのですがそれを変えようと思ったキッカケは正に"復活のコアメダル"でした。
公開当日、劇場で見て何とも言えない喪失感と悲しみで心が一杯になり自分なりにどうにか納得しようとしても納得出来ない感情が溢れました。
それで、この劇場版のストーリーを使い僕なりに納得出来る復活のコアメダルを書いてみようとした訳です。
都合が良いことに色々な仮面ライダーを登場させたおかげで復活のコアメダル世界のアンクと映司を並行世界の存在としてこの物語に登場させました。
そして、僕なりに復活のコアメダルで起こった事件の元凶として同じ錬金術が使われる仮面ライダーガッチャードのラスボスであるグリオンに担ってもらいました。
そのせいでかなりグチャグチャした内容になったかと思いますがそれなりに自分で納得出来るストーリーにしました。
これが二次創作の特権だと開き直っていますのでそういう感じで読んでいただけると嬉しいです。
因みにその後の話もAnotherStoryで、書いていますので読んでいただき感想をいただけると嬉しいです。
最後にこの作品を今でも読んでくださる
読者の皆様に感謝申し上げます。
僕が死ぬまでに完結はすると思いますのでそれまで楽しんでいただけると嬉しいです。
引き続きお楽しみください。
筆者
外伝 続編の投稿に関して
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このまま続きで見たい
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新規投稿で見やすくしたい