ここでは仮面ライダードライブの後日談が描かれています。
無名が関わったことにより最終話にどんな変化があったのかお楽しみください。
特状課の地下に併設されたトライドロンが置かれているベルトさんことクリム·シュタインベルトの前線基地。
そこには今、特状課の面々と四体のロイミュードの素体が置かれていた。
「いよいよだな。」
蛮野との決戦を終え特状課が解体され新たに設立された特事捜査係りへの編入が決まった進之介がベルトさんに話し掛ける。
『あぁ、"シグマサーキュラー"と"蛮野"の手により破壊された4人のコア復活にかなりの時間を要してしまい素体の開発に手間取ってしまった。
剛くんの協力が無ければここまで早くは進まなかったよ。』
「そう言えば剛は何処にいるんだ霧子?」
泊の隣で左手の薬指に指輪をつけた霧子が答える。
「コアと素体を同期させる為の最終チェックの為に四人の人格が入ったコアデータの点検をしてます。
全く、心配性すぎるんだから……」
やれやれ、と言った口調で答える霧子にりんなと追田が答える。
「仕方ないわよ霧子ちゃん。
四人の……特にチェイスを復活させる為に彼本当に頑張ってたんだから……」
「あぁ、アイツ達には本当に助けられた。
お陰で本庁もこんなのを出してくれたんだからな。」
追田がそう言って出した書類に書かれていたのはロイミュードに関する事件の"最終報告書"だ。
「ロイミュードが起こしたこれまでの事件は蛮野による洗脳の影響があった事は間違いない。
故に本人達には情状酌量の余地があると考え、先ず警察に多大な貢献をした"ハート"、"ブレン"、"メディック"、"チェイス"のコア復活とロイミュード体への転送を認める……凄いじゃねぇか。
それは間違いなく4人が勝ち取った権利だ。」
ハート、ブレン、メディックは特状課と仮面ライダーに協力しチェイスの洗脳を解除するとロイミュードの未来を守る為、共に蛮野と戦った。
その戦いの中で、ブレン、メディック、そしてチェイスは自らを犠牲にして蛮野を追い詰めていった。
そして、ハートも泊 進ノ介と共に戦い最後まで共に立っていた。
だが、シグマサーキュラーとの決戦でコアに重大な損傷を受けておりシグマサーキュラーを破壊した後、泊と最後の男同士の決闘を行った。
その結果と死ぬ間際の彼が残した想いを知るのはその場にいた泊 進ノ介とクリム·シュタインベルト、そしてその戦いを見届けた詩島 霧子だけだった。
そんな決着を迎えた直後、詩島 剛は特状課に一つの提案をした。
「俺達を助けてくれたダチ達コアを復旧させたい。」と……
本来ならば叶う可能性の低い願いだったがその流れを変えたのも又、彼らが気付いてきた人との縁だった。
泊から相談を受けた照井は即座に助けられた仲間の力を借りたのだ。
「久し振りだね泊 進ノ介刑事。
アルケの一件以来だ。
そして、君が詩島 剛だね。
僕の名は"フィリップ"だ。
君の事は全て検索を終えている。
結論から言おう……"僕の知識とクリム·シュタインベルトとりんなさん"の科学力。
そして、照井の主治医でもある"花家 大我"のバグスターウイルスを使えばロイミュードの復活は可能だ。」
その言葉を聞いた剛は青年が映し出されているパソコンを自分の前に持ってくる。
「本当か?……本当に助けられるのか?」
「あぁ、かなりの確率で復活……いや、複製を作ることは出来る。」
「複製?」
「順序立てて設定しよう。
クリム·シュタインベルト、君がシフトトライドロンを開発する際に何のデータを使った?」
『私の作り上げた全シフトカーのデータと……"ハート、ブレン、メディック"のデータが入った試作タイプシフトカーだ。』
その事実を聞いた泊は驚愕する。
「ベルトさん、俺そんな話聞いてないぞ。」
『すまない。
だが、ハートに口止めされていたんだ。
余計な心配をさせたくないと……』
「それってどういう…」
「恐らく、その3体のコアから直接データを抜いたんじゃないのかい?」
「でも、そんな事したら!?」
「あぁ、コアが破損する危険性は当然ある。
だが、そうでもしないとあの短期間でシフトトライドロンが完成しなかったのも事実だ。」
『3人は……それを承知の上でシフトトライドロンの開発に協力してくれたのだ。
進之介、君がロイミュードを救おうとし続けた行いに報いろうとしたんだ。』
「そんな……」
愕然とする進之介だが、フィリップはその声を遮る。
「だが、今回はそれがプラスに働く。
つまり、その試作タイプのシフトカーには彼ら3人のデータが残留している。」
『待ってくれフィリップくん。
確かに君の言う通りだ。
彼ら3人からデータを抽出したシフトカーには彼らのデータがあるだろう。
だが、それはシフトトライドロンの開発でほぼ使い切ってしまった。
残っているのはバラバラになったデータの破片だぞ。』
「そこで花家 大我の出番という訳だ。
彼の身体には五年間、蓄積したバグスターウイルスへの抗体がある。
それを使いある程度、指向性を持たせたバグスターウイルスを作りそのシフトカーに投与する。
すると、データの破片を軸にバグスターウイルスが増殖し破壊されたデータを再構築出来るだろう。
そこにりんなさんとクリムさんの知識を掛け合わせれば彼等を復活させられる。
チェイスに関しては変身に使っていたシグナルバイクを使えば良いだろう。
地球の本棚でも検索したがこれがもっとも成功率の高い方法だ。
後は君達がどういう選択をするかだ。」
「その結果を……これから見られるんだな。」
『あぁ、フィリップの想像通り彼らのデータの復元は上手く行ったからだが、問題無いだろう。』
そんな話をしていると部屋の扉が開けられフラフラになりながら"二つのシフトカー"を持った詩島 剛とその肩を支える花家 大我が姿を現した。
「悪い悪い遅くなった。
ちょっと最終チェックに手間ど………Zzz。」
「おい、コラまだ寝るな!!
ったく、だから少しは寝てろって言ったのによ。」
今すぐにでも寝落ちしそうな剛を追田も支えるとギリギリで覚醒した。
「でもよ何かトラブルがあっても困るだろうが大我さん。」
「それが徹夜してまで最終チェックと調整に時間を割いて良い理由にはならねぇよ。
全く、俺が来てなかったらお前、風呂場で溺死してかもしれないんだぞ。」
風呂場で溺死と言う言葉を聞いて霧子や進之介は驚愕するが本人はどこ吹く風であった。
「でも、そのお陰で俺も自信を持ってこれを渡せる。
……はい進兄さん、ハート達とチェイスのコアデータが入ったシフトカー。」
「ありがとう剛。
後は任せてゆっくり休んでくれ。」
「そうはいかねぇよ。
ダチが目を覚ますのをこの目で見届………ヘケッ!?」
まだ起きていようとする剛に大我は注射器を突き刺した。
刺された剛は白目を向きながら追田の方へ倒れ込んだ。
追田はギリギリで倒れそうな剛の体をささえる。
それを見ながら大我は尻に刺した注射器を抜き取る。
「悪いがこれ以上はドクターストップだ。
栄養剤と睡眠薬を入れとくから後はそこら辺のソファーにでも眠らせとけ。」
『花家 大我、君の協力に本当に感謝する。
君の体内のバグスターウイルスの抗体が無ければここまで早く復活まで漕ぎ着けなかった。』
「それならお互い様だ。
アンタ達のお陰でバグスターウイルスで消滅した患者の復活させる方法が確立したからな。」
キッカケは照井が大我から相談を受けた事から始まった。
そして秘密裏に無名と接触し相談したのだ。
「あくまで仮説ですが消滅した人間のデータの移行が可能ならば現在開発されているガシャット全てに消滅した人間のデータバンクへ繋がる道筋がある筈………そのデータを統合できれば消滅した人間のデータに繋がるルートを見つけられるんじゃないですか?」
「成る程、だが具体的にどう調べるんだ?
衛生省の持つ機材でも不可能でガシャット開発者である檀 黎斗ですらまだ見つけられていないのだろう?」
「それは恐らく、ゲームの特性が強いバグスター視点から調査しているからだと思います。
システム面の強い者ならば別の視点から調べられる。
………彼等ならもしかしたら」
そうして、無名が提案したのはハートやブレン、メディックらロイミュードによるガシャットデータの解析だった。
無名から提案を受けたハート達は快諾した。
「俺達は今後、人間と友好的な状態を保ちたい。
幸い、蛮野の動きも止まっている。
少しぐらいならば手を貸せるだろう。」
そう言って3人は仮面ライダーの持っていたガシャットのデータを調べ上げ無名の協力もあり"衛生省独自"で新たなガシャットを開発されるのだが、それはまだ別のお話………
閑話休題
つまり、今回の花家 大我の協力はその恩返しも兼ねているのだ。
大我は腕時計を見る。
「悪いが俺はこれで病院に戻る。
他にも色々とやらないといけないことが多くてな。」
「そっか、本当にありがとう花家さん。」
進之介がそう言うと大我が答えた。
「大我で良い。
また何かあったら遠慮なく呼んでくれ。
医者の力でも"こっち"の力でも手を貸す。」
大我がそう言ってガシャットを見せるとその場を後にした。
追田は剛をベッドに運ぶ為部屋をあとすると進之介と霧子はそれぞれ剛から手渡されたシフトカーを手に取る。
渡されたシフトカーの見た目は"シフトトライドロン"の様に大きくバイラルコアの意匠が刻まれた赤いボディをしていた。
対して霧子の持つシフトカーは剛とチェイスのバイクを合体させる事で使える"ライドクロッサー"の意匠をそのまま使っていた。
二人は一呼吸置いてシフトカーを機械に設置する。
「戻ってこいハート、ブレン、メディック。」
「チェイス……お願い……帰ってきて」
互いの願いを込めて装置を起動すると、機械から凄まじい火花が上がり大量の電気が四体のロイミュードへ注がれていく。
「うおっ!?……これヤバくないか!?」
「りんなさん、本当に大丈夫なんですかこれは!?」
「た……多分?」
そんな会話をしていると基地の電源が落ち部屋が暗くなってしまった。
「えっ?……電気が落ちたのか?」
『大丈夫だ進之介。
バックアップ用の予備電源がもうすぐ起動する。』
クリムの言う通り、基地の電源が復旧し電気が付くとそこには素体ロイミュードの姿ではなく"ハート、ブレン、メディック、チェイス"の4人が立っていた。
それぞれが自分の体や周囲を見ている。
「これは……一体どういう事だ?」
「分かりませんハート。
貴方達は何か分かりませんかメディック、チェイス?」
「いえ、私も何が何だか……」
「何故、俺はここにいるんだ?」
疑問符を浮かべる4人を見た進之介と霧子は計画が成功した事に喜ぶ。
「良しっ!!作戦成功だ。」
「良かった……本当に良かった。」
『四人のデータの流れを確認したが特に問題は無い。
本当に上手くいって良かった。』
話についていけない復活したロイミュード4人の中で代表してハートが尋ねる。
「おい、進之介。
これは、一体どういう事だ?
俺達は何故、ここに集められている?」
その問いに進之介は答えた。
これまでの戦いや犠牲……そして結末を
それを聞いたハートは答える。
「そうか、俺達は蛮野の野望を打ち砕けたのか。」
「あぁ、お前達が……それこそ命懸けで戦ってくれたお陰だ。
本当にありがとう。」
進之介は心の底からの感謝を込めて頭を下げる。
ハートはそんな彼の肩を掴み顔を上げさせた。
「気にするな。
俺達は友達になったんだろう?
友達を助けるのは当然だ。」
自らの最期を聞いたハートの心にあったのは悲しさではなく誇らしさだった。
蛮野の野望を阻止しただけではなく自分が認めた男が決闘を受けて自分を友達として認めてくれた。
それがどうしようもなく誇らしかった。
ハートのそんな顔を見た進之介は涙を拭きながら顔を上げる。
「あー、敵わねぇなぁお前は本当にいい奴だよハート。」
「そうか。
ところで俺たちを蘇らせたと言うことは何か事件でもあったのか?」
その問いに今度はクリムが答える。
『今日は君達の献身がどんな結果をもたらしたのか教えたくてね。
これを見たまえ。』
クリムがそう言いながら投影したのは政府機関により正式に受理された書面だった。
それを見て最初に理解したブレンが驚愕する。
「はっ…はははハートっ!?メディックっ!?
こっ!?……これはとんでもなく凄いことですよ。」
「どういう事なのですのブレン?」
その問いにブレンは興奮を抑えながら説明する。
「これは……日本政府が正式に……機械生命体に対して一定の権利を認める書面ですっ!!」
「何だと!?」
「人類に危害を加えず融和を求める者達に人と同等の権利を認める………そう書かれています。
そして、その権利を得た……初の機械生命体が我々4人だとも……」
ブレンは溢れてきた涙をハンカチで拭くが途中から声も出せなくなり目を覆った。
ブレンから説明を受けた他のロイミュードは呆然としている。
メディックは驚愕で口を抑えチェイスは呆然としておりハートは事態を理解できたのか目から大粒の涙を流していた。
「俺の……俺達の……夢が……叶ったのか?」
そう言って地面に膝をつきそうになるハートを今度は進之介が支える。
「そうだ……ハート達の願いを……認めてくれたんだ!!
お前達は俺達と同じになったんだ。」
「あぁ……やった……やったぞ進之介!!ブレン!!メディック!!チェイス!!……俺達はやり遂げたんだ。
ロイミュードを……友達を皆がみとめてくれたんだ。」
感動するハートにブレンとメディックが抱きつく。
「やりましたねハート!!」
「おめでとうございますハート様!!」
そうしてハート、メディック、ブレンが感動で一頻り泣き終わるとクリムが話を続けた。
『見ての通り、この日本において君達4人は我々と同じ権利を得た。
だが、私はこれで終わりにしては行けないと思う。』
その言葉の真意を読み取ったハートが答える。
「他のロイミュードについてだな?」
『そうだ。
君達が認められたのは蛮野と敵対し人間を守る為に戦った所が大きい。
他のロイミュードにも同等の権利を認めさせたいのならばもっと実績を積まなければ行けない。』
「実績ですか……そう言うからには何か案があるのですか?」
ブレンの問いに今度は進之介が書類を手渡す。
「ハート、ブレン、メディック、チェイス……俺達のいる特事捜査係に来ないか?」
「特事捜査係?」
『怪人や機械生命体が起こす事件の解決を目的とした組織だ。
まぁ、端的に言えば仮面ライダーが必要になる事件を担当する。
私や進之介達は今、そこに属している。
君達、ロイミュードがいれば今後、蛮野の様に洗脳して無理矢理戦わせてくる存在にも対応出来るかもしれない。』
「それに、貴方達の力を人助けの為に使えばロイミュードへの見方も変わるかもしれません。」
「だけど、選ぶのは俺じゃなくお前達だ。
どうする?」
進之介の問いに4人は目を見合わせると答えた。
「愚問だな進之介。
勿論、やるに決まっているだろう!!」
「優秀で誠実で最強である我々が入れば事件などたちどころに解決してみせますよ。」
「傷つく人達をを救う為にもその提案をお受けしますわ。」
「俺は仮面ライダーだ。
この力は人類を守る為に使うと決めている。
勿論、俺も手を貸そう。」
「良し決まりだな!!
これからよろしくな。」
「あぁ、今後はお前達と共に道を歩もう。」
ハートと進之介が握手を交わす中、チェイスが尋ねる。
「そう言えば剛はどうした?
ここに来ていないのか?」
「あっ!?……その……えーっと」
「剛はね……その…なんて言えば良いのか。」
どう伝えるべきか悩む二人を見ながら4人のロイミュードは首を傾げるのだった。
【原作との相違点】
『ハート』
復活し特事捜査係に配属されると進之介や追田と共に数々の事件を担当する。
腰にはドライブと同じベルトを持ちハートトライドロンで、
仮面ライダーハートとなってドライブと何度も共闘した。
『ブレン』
復活し特事捜査係に配属されると研究分析を担当した。
とある事件に巻き込まれた際、ブレンドライバーを手に入れ
仮面ライダーブレンへと変身を果たす。
『メディック』
復活し特事捜査係に配属されると医療関係を担当した。
人間や機械、怪物、分け隔てなく治療する姿から"特事捜査係の女神"と称されている。
ハートやブレンが仮面ライダーになれたのに自分がなれてない事を気にしている。
『チェイス』
復活し特事捜査係に配属されると剛と共に潜入捜査を担当した。
復活で泣き、剛と再会し泣き、進之介の霧子の結婚を知り泣いたことで涙は枯れ果てた。
今は仕事一筋で懸命に働いている。
『詩島 剛』
花屋大我からの注射で感動の再会をすること無く気絶していた人。
カメラマンとして特事捜査係に協力しチェイスとはバディとなっている。
最近、相棒であるチェイスの恋を応援する為とあるヒューマギアとのデートを企画したが見事失敗した(相手はシェスタ)
外伝 続編の投稿に関して
-
このまま続きで見たい
-
新規投稿で見やすくしたい