もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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本来の仮面ライダーリバイス時空ではノアが活動していたのは仮面ライダークウガが登場する前となっていますがこの物語では仮面ライダーW開始前位から活動している設定に変更しています。

思ったより長くなり三部構成です。

この物語で復活を果たした鳴海 荘吉と大道 克己のアフターストーリーです。
アルケとの決戦後、彼等が何をしていたのでしょうか?



After Story/SとEの行方(Set up)

 

都会の喧騒に彩られた繁華街の角でひっそりと営業している会員制バー"Reminiscence"。

このバーにはある噂が流れていた。

とある掲示板に書き込みをすると警察や国家権力に頼れない者達を助けるトラブルシューターと出会える。

 

ネットに潜む眉唾物の噂だがそれでもその噂を頼る人物はいた。

「ハァハァ……こ……ここか。」

傷だらけの身体を支えながらReminiscenceの看板を見つけた"伊良部 正造"(いらぶ しょうぞう)は扉を叩く。

 

「開けてくれ!!……頼む!!

貴方達の力が必要なんです!」

 

伊良部は科学研究組織"NOAH"を探るレジスタンスだった。

悪魔と人間を使った非人道的な実験、その証拠を集めている最中に彼は白波 順平と出会った。

 

そして、白波 順平(しらなみ じゅんぺい)五十嵐 幸実(いがらし ゆきみ)の関係を見ている内に彼らを逃がすべきだと考え行動した。

その考えに賛同してくれたNOAHの科学者だった

狩崎 真澄(かりざき ますみ)の協力もあり順調に進んでいる様に見えたが、それすらNOAHの所長である東山(ひがしやま)の策略だった。

 

東山は白波の体内にいる悪魔が自分の両親を殺した犯人だと話しそれで混乱した白波は、

仮面ライダーベイルに変身し暴れ回った。

そして、白波と幸実はNOAHに捕まり裏切り者だとバレた

伊良部は追手に追われながらどうにか逃走を続けていた。 

 

彼がここに来たのはNOAHのサーバーに入っていた

とあるファイルからだった。

"要注意人物リスト"と書かれたファイルにバーの事が、

書かれていたのだ。

 

白波達を助けるには力がいる。

そう考えた伊良部の行動は早かった。

追手と戦い傷付きながらどうにかバーに到着したが、

その扉は固く閉ざされていた。

 

「誰か……誰でも良い……開けてくれ。

白波達を……助けてくれ。」

 

そうしていると背後から黒服の男達が現れる。

「見つけたぞ裏切り者。

まさか、こんな所にまで逃げ延びていたとはな。」

「貴様はレジスタンスの情報を持っているのだろう?

素直に話すのならば助けてやらなくもない。」

 

黒服のその言葉を伊良部は睨見つけながら否定する。

「嘘は止めろ。

お前達の手口は知ってる話しても話さなくても殺すんだろう。」

「ははっ!……よく分かってるじゃないか。」

 

黒服の男はそう言って懐から拳銃を取り出し、

伊良部の頭へと向けた。

(これはダメか。

……すまない白波、幸実さん、狩崎さん。)

死を覚悟して目を瞑った伊良部だったがその結末は変わる。

 

「こんな往来で随分と物騒な物をチラつかせているな。」

「ぐっ!?離せ……貴様何者だ!」

 

黒服の銃を持つ腕を捻り上げているのは白いスーツに白い帽子を被った壮年の男性だった。

その男性は伊良部を見ると言う。

 

「成る程、"訳あり"の様だな。

やはり、店番を一人は待たせておくべきだったな"大道 克己"。」

「仕方が無いだろう。

"未来"の誕生日プレゼントをNEVERの皆が選んで買いたいと言い出したんだ。

俺に止められる訳が無い。」

 

「それに芦原の娘さんへのプレゼントも買ってたからね。」

「乙女の大学デビューなのよ。

めいいっぱい化粧品買ってあげないとダメよ。」

 

「助かる。

正直、化粧品に関してはレイカや京水に頼ろうと思っていたからな。」

「俺達じゃ絶対に分からないからな。

……それで克己コイツらはどうする?」

 

そう言いながら武装解除させた黒服を取り押さえている堂本が尋ねる。

「それは内の"ボス"が決める事だな。

それで、どうする?」

 

克己はそう言って白いスーツと帽子を被っている荘吉に目を向けた。

荘吉は伊良部の目を見つめる。

「その面構え、悪人には見えないが善人という訳でも無さそうだ。

だが、少なくともこの男を追ってきた奴等よりはマシな様だな。

話を聞いても良さそうだ。」

「って事はこの黒服の奴らは?」

 

「少し手荒だが眠ってもらえ。」

「アイアイ、ボス。」

 

克己がそう返事をするとNEVERのメンバーにアイコンタクトを送り伊良部を追ってきた黒服は全員、無力化され意識を失う事となった。

 

そうして荘吉は伊良部に近付く。

「俺の名は鳴海 荘吉。

しがない探偵だ。

アンタの依頼を受けるかどうかは

話を聞いてから決める。

取り敢えず中に入れ。

傷の手当てとコーヒーぐらいは出してやる。」

 

荘吉はそう言って伊良部をバーの中へと案内するのだった。

 

 

「悪魔を使った生体兵器の実験か。

相変わらず、科学者の考えることはイカれてるな。」

伊良部からノアの研究所長である東山の行っていた悪行を

聞かされた克己の顔には不快感が表れていた。

 

「しかも、人体実験に失敗して死んだ人間を

その順平って男に処理させてる。

ドクタープロスペクトでの一件を思い出す。」

レイカも同じ様に不快感を顔に出す。

逆に京水は操られている順平を心配する。

「その順平って坊やも心配だわ。

家族を殺されてずっと復讐する為に生きていたのに……

よりにもよって力を借りてた悪魔が彼の家族を殺した

張本人だったなんて……」

 

「伊良部と言ったな?

順平を操っている悪魔の目的は何なんだ?

俺にはどうにも東山に手を貸している理由が見当たらない。」

芦原の問いに伊良部が答える。

「分からない……だが、順平の中にいる悪魔。

ベイルは彼に固執している。

恐らくだが当初、東山が計画していた

仮面ライダーの軍事利用と大きく乖離し始めている。

それこそ、順平を手に入れる為ならばノアや……

幸実さんを排除しても不思議はない。」

 

「随分と私的な行動理由だな。

だとすれば救出は早くした方が良い。

現状のノアと言う組織の最大戦力が、

仮面ライダーベイルなのだとしたら

そいつの行動で事態は容易く変化する可能性があるからな。」

克己はそう言いながら荘吉の顔を見た。

 

 

アルケとの決戦後、生き残った荘吉とNEVER達は今後について考えていた。

そんな中、荘吉がある提案をした。

「オレにとってコレ(ガイアメモリ)は呪いだ。

だからこそ、ガイアメモリの関わる事件以外では

仮面ライダーの力を使わない。

それが俺のポリシーだった。

……だが、この力のお陰で娘とこの風都を守れた。 

翔太郎もそれを理解した上でこの力を使っている。

文字通り、生まれ変わったんだ。

なら、探偵と同じくこの力を……誰かの為に使いたい。

お前もそうだろう大道 克己。」

「まぁな。

どうやら、俺も化け物より仮面ライダーでいたいらしい。

それで、アンタはこれからどうするつもりなんだ?」

 

「風都を離れる。

この街には翔太郎やフィリップがいるから問題ない。

何処か別の街に拠点を構えて、

昔ながらの私立探偵を始めようと思う。」

「昔ながら?」

 

「あぁ、警察や国家権力が届かない闇を俺達で対処する。

薄暗い組織を暴く……そんな仕事だ。」

「世界を守る為に戦うということか?」

 

「そんな大層な使命は、

ジェームズ・ボンドにでも任せれば良い。

精々、身近の存在に悪意の種が蒔かれない様に

間引く程度だな。」

そう言って荘吉は照井とハグしている自分の娘に目を向ける。

それを見た克己は他のメンバーに目を向ける。

 

「お前達には長々と世話をかけたな。 

これからは好きに……」 

「何言ってんの克己?

アンタがその男と一緒に行きたいなら私もついていくよ。」

「そうね。

人知れず悪と戦うなんて傭兵してたよりも全然楽しそう。

ダンディーパパ(鳴海 荘吉)と仲良くなれるなら言うこと無いわぁ。」

 

レイカと京水がそう答えるとその後ろで聞いていた堂本と芦原が答える。

「今更、離れる事など出来ないさ克己。

俺は最後のその時までお前と同じ道を歩く。」

「俺は家族の為にNEVERを一度離れた。

その選択に後悔はなかったが……

それでも仲間であるお前達とは一緒にいたいと思った。

今回は、その想いに従う。」

 

「だが、芦原……家族には」

「ちゃんと話すさ。

文字通り、人間に戻った訳だからな。

それにな克己、人知れず世界を守るヒーローってのは

男の憧れだ。

少しは娘に自慢話をしてやりたいからな。」

 

皆の総意を受け取った克己は改めて荘吉に向き直る。

「分かった。

俺達、NEVERはお前の考えと行動に従う。

だが、一つ条件を出す。

"仲間は絶対に見捨てない"……それが叶えられないなら」

「そんな事は当たり前だ。

安心しろ誰一人見捨てない……お前も含めてな。」

 

 

そんなやり取りを思い出しながら荘吉に向けて克己は尋ねた。

このチームのリーダーは鳴海 荘吉であり、

最終的には彼が今後の行動を決定する。

克己はあくまでサブリーダーの様なポジションだ。

 

しかし、克己や他のメンバーには、

荘吉の答えが理解出来ていた。

「"2人を助けて組織を潰す"。

非人道的な人体実験を続ける奴等が残るのは害悪でしかない。」

「となれば裏でじゃなく表立って組織を潰す必要があるな。

オマケに事態を丸く収める為のカバーストーリーも必要か。

そっちはフィリップに頼むか。」

 

「良し、準備を整えたら直ぐに向かう。

伊良部、順平を幽閉している研究施設について

詳細な情報が欲しい。」

「分かりました。

なら、僕も連れて行ってください。

足手まといにはなりません。」

 

「……分かった。

京水、彼の手当てと研究施設について聞いておいてくれ。」

「分かったわ荘吉さん。

さぁ、伊良部って言ったわね。

お姉さんと色々お話ししましょう。」

 

「はい、分かりま……って痛っ!?

ちょっと力が強すぎます!」

京水はそう言って伊良部を引っ張っていくのだった。

 

荘吉は京水がまた悪い癖が出たと思いながらも

己も準備を整える。

懐からロストドライバーとスカルメモリを取り出すと

覚悟を持って持ち動き出すのだった。

 

 

 

朝日が昇りだした早朝、

ノアが所有する研究施設は

現在、原因不明なトラブルに巻き込まれていた。

 

「どうなっている!?

さっさと、現状を報告しろ!!」

研究所長である東山は部下に怒りをぶつけながら尋ねる。

「はっ、はい!

施設の防衛システムが何者かに乗っ取られました。

それに正面から謎の部隊が現れて現在、警備員と交戦していますが全く歯が立ちません。」

 

「モニターに映像を映せ!!」

部下は命令通り、モニターに監視カメラの映像を映す。

そこには、完全武装した自分の部隊が6人の人間に無力化されていく姿が映っていた。

 

東山はその内5人の服装に見覚えがあった。

「あれは、確かNEVER。

風都で活動していた生体兵器の組織だな。

古臭い兵器を使ってくるとは面倒な事をしてくれる。」

 

死者を復活させるネクロオーバーの技術を使い作られた生体兵器でありかつて風都で事件(AtoZ)を起こしていた事を東山は知識として思い出していた。

 

「だが、所詮は人間。

我々が作り出す悪魔の敵ではない。

おい、"被験体071号"(白波 順平)をそちらに向かわせろ。」

「しかし、あの個体は悪魔に対しての憎悪でしか変身出来ません。」

 

「ならば、失敗作の悪魔を数体放て……仮面ライダーベイルに変身すれば諸共殺せる。」

東山の命令を受けた部下は直ぐ様行動する。

 

武器を持ち白波 順平が幽閉されている牢獄へ向かうと彼を無理矢理連れ出した。

 

 

NOAHの研究施設から現れた兵隊をNEVERの面々は効率良く無効化していく。

持っている武器を芦原や京水、堂本が破壊したり奪い取るとレイカと克己が兵士に攻撃を加えて倒していく。

その光景を見た伊良部は驚愕する。

 

「凄い。

あんなにいた兵隊をいとも簡単に……」

「この程度の荒事は慣れている。

特に克己達は元傭兵だ。

造作もないだろう。」

荘吉は取り零した敵を気絶させながら前へと進んでいくと白波を連れた東山の部下が現れる。

 

東山の部下は伊良部を見つけると言った。

「この裏切り者め。

NOAHを潰す為に兵隊を雇った様だがお前達は終わりだ。

さぁ、被験体071号。

仮面ライダーへ変身しろ。」

 

しかし、白波は渡されたベイルドライバーを地面に投げ捨てる。

「俺は……もうベイルにはならない!!

お前達が俺の家族を殺した!!

この身体にいる……悪魔を使って……許さない!

「なっ!?よせ!」

 

白波は東山の部下を襲い暴れ出そうとするがその前に捨てられたベイルドライバーがひとりでに動き出し白波の腰に装着される。

すると、彼の動きが止まった。

 

「おいおい、つれないことを言うなよ順平。」

 

その声は白波 順平の身体に住み着く悪魔ベイルの物だった。

 

「ベ……イル!?」

「俺はお前の為に行動したんだぞ?

お前の家族を殺したのも全てはお前の為だ。」

「ふざけるな!!……お前を……殺してやる!」

 

「フハハハ!……それは止めた方が良い。

俺が死ねば宿主である順平、お前も死ぬことになる。」

「何っ!?」

動揺する白波を他所に彼の腕が勝手に動き出すとカブトバイスタンプ取り出す。

 

「家族なんて下らない存在など忘れろ。

お前には俺がいる……俺とお前が揃えば最強の存在になれる。」

 

「カブト」

 

「Deal」

 

「さぁ、行くぞ……変身。」

 

「Bane up!」

 

破壊!(Brake)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)仮面ライダーベイル」

 

ベイルにより強制的に白波は変身させられる。

それを見た東山の部下が命令した。

「良し……さっさと奴らを殺せ!!」

 

しかし、東山の部下は仮面ライダーベイルに首を掴まれ持ち上げられる。

 

「何故、貴様の言う事を聞かねばならない?」

「がっ!?……き…さ」

「ドライバーと順平が完全に適応した今、お前やNOAHは用済みだ。」

 

グギッ!!

 

ベイルは東山の部下の首を簡単にへし折る。

すると、研究所の奥からNOAHにより作られた失敗作である

"不完全な悪魔"が複数現れた。

 

「丁度いい。

東山を殺す前に前菜でも戴くか。

ついでにお前達も皆殺しだ。」

 

荘吉達を見ながらベイルはそう告げた。

ベイルにとって今の状況は最高の瞬間だった。

相棒である白波 順平と共に悪魔や敵対する者を皆殺しにする。

それしか、ベイルと言う悪魔の思考には存在しなかった。

 

それを見た荘吉は即座に決断する。

「伊良部、NEVERのメンバーを連れて囚われている者達を救い出せ。

余裕があれば首謀者も捕まえろ。」

「ボスはどうするんだ?」

 

克己の問いに荘吉はロストドライバーを取り出す。

「あの化け物を外に出すのは危険だ。

だが、だからと言って白波という青年に殺させるのも良くない。

余計な罪を背負ったら数えるのが大変になる。」

 

「SKULL」

 

それを見た克己もロストドライバーを装着し荘吉と並び立つ。

 

「克己。」

「一人で相手するには手間だろう?

俺の仲間は優秀だ。

ボスのオーダーぐらい達成できる。

あの怪物達は俺が相手をするアンタは白波の相手をしろ。」

 

「ETERNAL」

 

「「変身」」

 

二人はそう言ってメモリを挿入しドライバーを展開する。

 

そして、仮面ライダースカルと仮面ライダーエターナルへと変身が完了した。

 

荘吉は仮面ライダーベイルに向けて言う。

 

「彼の身体を操ってこれ以上の殺しはやらせない。

お前達にはちゃんと罪を数えてもらう。」

 

克己はこちらに向かってくる不完全な悪魔に言う。

 

「伊良部から聞いた。

お前達は欲深い人間の被害者だってな。

元に戻せない以上、俺に出来るのは

少しでも早く楽にさせてやるだけだ。

この地獄は楽しまなくていい……直ぐに済ませる。」

 

 

克己はNEVERの面々にアイコンタクトを送る。

それに京水が答えた。

「分かったわ克己ちゃん。

皆、ココはボスと克己ちゃんに任せて中に行くわよ。」

 

「行かせるとっ!?」

 

止めようとする仮面ライダーベイルを荘吉はスカルマグナムを放ち牽制した。

克己はエターナルエッジを取り出すと不完全な悪魔達へ向かっていき、他の者達は研究所の中へと入っていくのだった。

 

 

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