もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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リーゼ....
風都でも有名な財閥である園咲家と並ぶ、
禅空寺家の当主がである禅空寺義蔵が進めていたプロジェクトにより作られた生命。

人間の悪意により産まれた存在でもあった。


第三十一話 Dの怒り/雷鳴の悪魔

リーゼの身体に纏わりつく木とは思えない冷たい感触。

この感触がリーゼの古い記憶を呼び起こす。

 

リーゼが産まれたのは、同じ種族の母からではなく細胞を培養する装置に設置された試験管の中だった。

"自然との共存のため人間との融和が図れる種族を造り出す。"

そんな目的のためにリーゼは産み出された、

 

遺伝子操作により知能を上げれたリーゼは、産まれた頃から実験動物として拷問を受けてきた。

知能テストに失敗すると首の装置から電流を流される。

逃げようとしても腕に付けられた金属の鎖がそれを阻む。

 

そんな人生が続けばリーゼが"人間を恨む"のは当然の帰結だった。

では、何故"人間である無名"に従っているのか?

彼に何故かシンパシーを感じたのもあるが、一番の理由はリーゼを実験動物としてではなく一個の生物として扱ってくれたことだ。

 

最初に引き取られた時、リーゼは何度も逃亡を繰り返そうとしたがデーモンドーパントになった無名に何度も止められていた。

(ヤッパリ、コイツモオナジナノカ。)

そう思っていたが、リーゼのメモリとドライバーが完成し手渡されると、逃亡することを止められることが無くなり、3日間帰らなくても何も言われなかった。

不思議に思ったリーゼは無名にタブレットで問いかけた。

 

「何故、私を捕まえないのか?」と

そうして返って来た答えを見てリーゼは無名と共にいることを決めたのだ。

 

 

場面は変わりリーゼはサイカッドドーパントによる拘束により過去の記憶を呼び起こされた怒りでデビルメモリの力を発動した。

突如、リーゼの身体が発光すると身体を拘束していた樹木が消し飛んだ。

リーゼの身体から"火花"と"電気"が走る。

 

デビルメモリの能力は"雷と電気"の操作。

 

これによりリーゼの身体には落雷と同じエネルギーが常時、流れている状態となる。

リーゼがサイカッドドーパントがいるであろう樹木の中心に向かって突撃する。

その速度も雷と同等にまで加速されているため、

一瞬で樹木の中心を貫いた。

鋼鉄の固さにまで強化された樹木をである。

中にいたサイカッドドーパントの腹部から下半身に至るパーツがリーゼの突撃により消滅する。

それを再生しようとするサイカッドドーパントの上半身に、右手に収束した雷の塊を放った。

 

雷が空気を破り衝撃波を放ちながらドーパントに直撃すると、サイカッドドーパントは雷の力により炭化する。

そして、"一本になったサイカッドメモリ"も排出されるが雷のダメージにより本体ごと吹き飛んでしまった。

 

(シマッタ!)

その光景を見たリーゼは我に返る。

 

そう、リーゼは殺そうと思えば強化されたサイカッドドーパントを"何時でも殺すことが出来た"のだ。

しかし、メモリを残したまま殺せれば無名の研究の役にたつと考えて手加減していたのだ。

しかし、昔の記憶が甦り手加減を忘れた結果

ドーパントになっていた人間は炭屑となりメモリも粉々に破壊してしまった。

 

(ヤッテシマッタ....ハァ、シカタガナイカ。)

 

リーゼはメモリを抜き元の小猿に戻ると、

近くに置いていたタブレットに向かった。

付近に監視カメラでもあれば、少しはデータが残っているだろう。映像だけだがそれでも十分に無名の研究に役立つはずだ。

 

 

「僕は貴方(リーゼ)メモリとドライバー(力と復讐の手段)を与えたかっただけです。

貴方は実験動物として産まれました。そこは事実です。

しかし、だからと言って今後もその人生を歩む"義務"はありません。

私は"貴方の自由"を否定しませんよ、リーゼ。」

 

無名はリーゼを否定せず認めた。

なら、私も認めよう無名を....そして自由への対価を払う。

そう思ったリーゼは無名に部下としてついていくことに決めたのだ。

(ナツカシイ記憶ヲオモイダシタナ。)

 

そうして冷静になったリーゼが先の戦闘により破壊された自分専用のタブレット(彼の娯楽品でもある)を見つけてまた怒り出すのも当然の帰結であった。

 

 

 

「ふふっ....リーゼにしては珍しいミスですね。」

タブレットではないリーゼの端末から、人質の安否に関する報告とサイカッドドーパントに関するメール(新しいタブレットの請求込み)を受けた無名は微笑む。

 

「リーゼってあのお猿さんのこと?

可愛いのに有能なのね。」

サラがそんな僕を見て言う。

「えぇ、とても優秀な部下ですよ。」

サラとの戦いが終わるとお互い治療のためにホテルのレストランの個室で食事を取っていた。

ドーパントから受けたダメージを回復させるには自然治癒以外に回復に特化したメモリの力が必要だ。

 

故に、サラの部下を待っているのだ。

そんな話をしていると件の部下が現れる。

「来たのね美頭。

早速だけど私と無名くん二人分頼めるかしら?」

「勿論ですサラ様。」

ネイビーのスーツにオールバックの姿をした好青年がそう答える。

彼の名前は美頭 蓮(びとう れん)

サラの部下でありサラの管理している地区のメモリ流通を纏めている腹心だ。

 

彼が懐から小型のドライバーを取り出すと腰に着けて銀色のメモリを取り出し起動する。

 

Sphinx」(スフィンクス)

 

メモリをドライバーに挿入すると身体から黄金の光を発し、ドーパントへと変身する。

そして、僕達二人に手を向けるとそこから暖かい光が発せられ身体の傷が治っていった。

そして、数秒も経たない内に二人の傷が完治する。

 

「ありがとう美頭さん。

相変わらず凄い力だ。」

無名のその言葉に美頭は返す。

「それもこのドライバーのお陰ですよ。

改めて有難うございます。幹部様三人の部下である私達のドライバーの調整もしていただいて....」

無名はリーゼのドライバーを作った際、獅子神とサラの部下のドライバーも作り渡していた。

サラは感謝の言葉を言って持っていき、獅子神は相変わらずの不機嫌な顔で持っていったが

 

無名は身体の調子を確認すると立ち上がった。

「あら?もういくの?」

サラの問いに答える。

「えぇ、ギジメモリを使ったドーパント強化の結果を琉兵衛様に報告しなければいけないので」

「それもそうね。

こっちも事態を収拾したら琉兵衛様に報告に向かうわ。」

「分かりました。

そう伝えておきます。」

 

そう言うとその場を後にする。

 

(新しいシステムの実験をしたかっただけなのに

こうなるとは...)

無名は自分の運の悪さに苦笑しながら琉兵衛にアポイントを取ると次の日、園咲邸へ向かうのだった。






「作者からの報告」

新しいガイアメモリについて解説する番外編を書こうと思うのですが最近、重い内容が多かったのでちょっとコメディタッチで書こうと思います。

具体的にはネット版仮面ライダーWの様な感じです。
それで相談なのですが、
メモリを紹介する人物は誰が良いのかアンケートを取りたいと思います。

取り敢えず、候補をアンケートに出しますが他にも出して欲しいキャラがいましたら感想欄にお書きください。

外伝 続編の投稿に関して

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