もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第三十四話 巡りあうS/無名の目的

目の前に現れた無名にシュラウドは警戒し、

赤色の銃、"シュラウドマグナム"を向ける。

それを見た無名は両手を上げながら話す。

 

「僕に貴方と争う気はありません。

というより"出来ません"。」

「出来ない?....どういう意味?」

 

「ワードメモリについて知っていますね?」

「執事の師上院が使っていたメモリね....貴方彼と契約をしたの?」

「厳密には三人の幹部全員しています。

そして、その契約のひとつに"園咲家の家族に手を出してはならない"という項目があるんですよ。

それは少なくとも園咲 琉兵衛が"家族"だと認識している者には例外無く適応される。」

いくら、テラーのメモリの影響を受けていてもシュラウド...園咲 文音は琉兵衛の妻であり家族。

敵になったとしてもその認識は変わらない。

 

「確か、ワードメモリは取引の対価が平等でなければ成立しないメモリの筈....成る程あの人が貴方達を信用している理由が分かったわ。」

自分に危害が向かずかつ戦いに来たわけではないと分かるとシュラウドは銃を下ろす。

「私の正体も分かっているのなら目的は何?

私の事をあの人に話すつもり?」

「いいえ、琉兵衛様....いや琉兵衛に話すつもりはありません。

今回も部下への挨拶と説明していますし」

 

組織の敵である自分の存在を話さないと言う無名の言葉にシュラウドは疑問視する。

「なら、何のために私に会いに来たの?」

「1つ目は同じガイアメモリの研究者として会うため、

そしてもう1つは"共同研究"をしたいのです。」

 

「共同研究?」

「僕は貴女の行ったガイアメモリの純化方法とそれに類するドライバー開発の知識が欲しい。

たしか、貴女の作り出した次世代メモリは毒素を限界まで除去しているのですよね?」

劇中でW(ダブル)A(アクセル)がメモリを使っても暴走しなかったのは極限まで純化された次世代ガイアメモリによる影響が多い。

「それを使ってどうするつもり?

貴方が仮面ライダーにでもなるのかしら?」

仮面ライダー....確かに魅力的な言葉だが僕には重い。

それは町の平和を守るヒーローに与えられる名だからだ。

 

「この先の為の保険...とだけ言っておきます。」

そう言う無名にシュラウドは少し考える。

「私のメリットは何?」

「先ず、貴女がこれから行う計画や実験、隠れ家や居場所に関わる全ての情報がミュージアム...いえ琉兵衛に漏れないように取り計らいます。」

「口では何とでも言えるわ。

あの恐怖の力に対抗できないのならば....」

 

「対抗できますよ僕は...」

「!?」

無名の言葉にシュラウドは驚く。

「僕のメモリにはあらゆる物体や事象を消し去る力が宿っています。

恐怖と言う感情と行動は精神が起こす"事象"です。

故にこのメモリの力が使えます。」

「なら、何故貴方は琉兵衛に従っているの?

あの男の計画を知らないのかしら。」

 

「知っていますよ。

地球の記憶と直結する人物を産み出し強制的に現人類を進化させるガイアインパクト。

改めて言うとすごい計画ですよね。

常人ではとても思い付かない。」

(その事実を知ってもさして興味を抱いていない貴方もやはり常人とは思えない。

メモリと人間は惹かれ合う....

彼のメモリはデーモン...悪魔のメモリ。

やはり、危険だわ。)

シュラウドは無名に対して更に警戒心を上げる。

 

その姿を見た無名は内心毒づいた。

(本当に面倒くさい家族ですよ園咲家の人は....

やはり、こちらの弱味を何かしら提示しないと納得しないか。)

そうして無名は交渉の為に持ってきたとあるデータを見せようとするがここで思わぬ来客が来る。

 

 

「おや?....お話し中でしたかな。」

そうして現れたのは黒いスーツに丸みを帯びた帽子とステッキを携えた男、井坂深紅郎であった。

 

井坂を見たシュラウドは声を荒げる。

「井坂!....良くも私の前に姿を現せたわね。」

「おぉ、怖い怖い。随分と嫌われてしまったようだ。

私は貴女の望み通り、恐怖の帝王を倒すため協力していると言うのに」

「関係ない人間を大量に殺すことが協力?

やはり、お前にメモリを渡したのは失敗だったわ。」

 

「はっはっは!それこそ最早手遅れと言う言葉がピッタリな話ではないですか。

このメモリはもう私の手元にあるのですから」

そう言うと井坂は懐から「W」のイニシャルが書かれた銀色のメモリを取り出す。

 

Weather」(ウェザー)

 

そして、起動したメモリを耳に指すとウェザードーパントへと変身した。

「私がこの町に来たのは新しく現れたドーパントのメモリを手に入れるためだったのですが貴女がいるのなら好都合だ。」

 

「貴女の持っているメモリを.....戴きますよ。」

そうして、井坂がシュラウドに攻撃しようとするのを無名が間に入り止める。

「おや?貴方はどなたですか?

邪魔をするのなら消してしまいますよ。」

僕はその言葉を無視するようにドライバーを着けるとメモリを取り出し起動した。

 

「Demon」

ドライバーに装填することでデーモンドーパントへ変身する。

「ほほう...貴方も普通じゃないとは思いましたがまさか幹部の方だったとは!」

「悪いですが今は大事な話をしている最中なんです。

お引き取り願えますか?」

しかしそんな無名の提案を井坂は聞かない。

 

「私は運が良い!

まさか、ゴールドメモリを手に入れられる"チャンス"に巡り合えるとは! そのメモリ...確かデーモンと言ってましたよね?

お前の様な若造よりも私の方がその悪魔のメモリを使うのに"相応しい"。」

あまりにも傲慢な言い分に無名の口調が変わる。

 

本当に傲慢だな....人間。

 

「.....?」

 

その言葉にどちらが疑問を浮かべたのかは分からないが井坂は気にすること無く無名へ攻撃を仕掛けるのだった。

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