サラと獅子神は自分の管理する地区へと帰っていった。
そして無名はと言うと鳴海探偵事務所に向かっていた。
きっかけは組織用ではない携帯からの着信だった。
宛名はなく一言「◯日、鳴海探偵事務所に来て欲しい」とだけ書かれていた。
恐らく、相手はシュラウドだろうが何故今、鳴海探偵事務所なのか分からなかった。
しかし、それでも興味の方が勝ち無名は指定された日にちに鳴海探偵事務所に向かう。
そして、事務所の扉を開けると左 翔太郎と鳴海荘吉の娘である
亜樹子が無名を見ると話し掛ける。
「あれ?もしかして依頼人の方?
だとしたらすいません私達これから別の依頼人と会いに行くんです。」
「なら、仕方ありませんね。
知人から腕の良い探偵と紹介されたんですが、
また来ますよ。」
そう言って無名が去ろうとすると翔太郎が止める。
「なぁ、あんた前にどっかで会ったこと無かったか?」
その問いに無名は答えた。
「さぁ、どうでしたかね?
もしかしたら、会ったかもしれませんね。」
そう言うと無名は事務所を後にした。
所変わって天ノ川市にある賭博場に警官が突入を行おうとしていた。
その一人に上下赤いライダースーツを来た照井 竜もいた。
そして、一斉に突入した。
「動くな!ここで違法賭博の疑いがあるので検分させてもらう。
令状も出ているから大人しくしていた方がいいぞ。」
しかし、その言葉に反して男が逃げようとするのを照井は殴り付けると腕を固めた。
「おい照井!やり過ぎだ!」
「すいません。」
そう言うと固めていた腕を離した。
ここ最近の照井は荒れていた。
ガイアメモリ犯罪は増えているのに一向にWのメモリを持つ仇と巡り会えない。
そして、その復讐のために必要なドライバーもシュラウドの言い分では完成までまだかかるらしい。
俺の唯一の対抗策はエンジンブレードのみだが、
あまりの重さにまだ満足には使えない。
だから、突入の際はバイクに置いてきていた。
(まだ、力が足りない。)
自分に復讐を行える力が足りないことに苛立ちを覚えていると一人の怪しい男を見つける。
ソワソワしており目の焦点が合っていない。
周りも不審に思ったのか同僚の刑事が声をかけようとすると一本のメモリを取り出し起動した。
「
メモリを額に突き刺すとドーパントへと変異する。
その姿に警官は驚き銃を発砲するが全く効いていなかった。
その行為がドーパントを刺激したのか刑事を持ち上げて投げ飛ばすと出口まで走っていった。
「待て!」
照井は後を追いかける。
速度はそこまで速くないのか追い付き身体にタックルするが全く効かず、照井はバイクに向かって投げられてしまう。
バイクにもろに当たるがお陰で取り付けていたエンジンブレードに手が届いた。
エンジンブレードを何とか持ち上げるとドーパントに振り下ろした。
この攻撃にはドーパントもダメージを受ける。
しかし、痛みを感じた箇所を触りながら呟く。
「痛いイタタイイタイ気持キモチいいキモキモチチチイイイ」
「何を言っている?」
照井の言葉にはまるで反応せず襲いかかってきた。
同じようにエンジンブレードを振るうが斬りつけても痛みを感じないのかすぐに向かってきた。
そのまま、照井の首を捕まえて締め上げる。
「がっ.....あっ!....」
呼吸が出来ず拳で顔を殴り付けるが力を緩める気配はない。
このままでは死ぬ...そう考えた照井は一か八かエンジンメモリを起動する。
「
そして、エンジンブレードを操作しメモリスロットを開けるとそこに装填する。
そしてトリガーを三度引く。
「
するとエンジンメモリの力によりブレードが帯電し始める。
そして、その刃をドーパントに突き立てた。
首を絞められているためお互いに感電するが照井はこれを気合いで耐える。
流石の威力に手を離すと脳天から真っ直ぐとブレードをドーパントへ落とした。
そのダメージによりドーパントの身体から砕けたメモリが出ると元の人間に戻った。
「はぁはぁはぁ....お前には聞きたいことがある。
そのメモリは何処で手に入れた?」
「メモ....メモリ?....これは大切な物....これがあれば神様....様?にもなられるんだ!」
所々の文脈に違和感が残るがそれでも会話は成立していた。
「答えろ!貴様はWのメモリについて知っているか?」
「あはっあは...メモリメモメモリリリ....」
(ダメだ全く話が通じない。)
照井は尋問を止めると彼の服にある膨らみに気付き探った。
すると、中から包装された錠剤が見つかる。
何の表記もなくそれにこの男が持っていたことから一般の市販薬で無いのは分かった。
すると、仲間である刑事がやっと追い付いた。
「はぁはぁ...さっきの怪物は?」
「この男だ。急に元の人間に戻った。」
照井は自分の力を隠したいため嘘をつく。
「そうなんですね....それにしてもあれって多分"ガイアメモリ"って呼ばれている奴ですよね?」
「何か知っているのか?」
「はっ....はい。
最近、天ノ川地区で都市伝説になっている話です。
何でも人間を越えた力を与えてくれる集団がいるとか何とか...」
「集団....」
(シュラウドが過去に言っていた組織のことか?)
「それではこれについては何か知っているか?
加害者であるこの男が持っていた。」
「!?それって
「何だそれは?」
「最近、ここと水音町で出回っている違法薬物....麻薬なんです!」
「水音町.....」
確か風都の姉妹都市だったか....
「この麻薬は副作用が殆ど無いと言う話で、
どうやらこの街の権力者もこの麻薬を使っているとか黒い話が絶えないんですよ。」
「それなら何故、薬のバイヤーを捕まえない?麻薬対策課は何をしているんだ?」
その警官は周囲を見て誰もいないの確認すると照井に耳打ちした。
「実はこれに獅子神家の人間が関わっていると言うもっぱらの噂で警察上層部も安易に手が出せない案件なんですよ。」
獅子神家、確か運送業で財を成した財閥だったか。
風都の園咲家の様な存在か....
「照井さんも気を付けた方が良いですよ。
最近、署で貴方が優秀だからこそ獅子神家に噛み付かないか不安に思ってる連中が多いんです。」
照井は超常犯罪を専門で行う刑事として警視庁からこの天ノ川警察署に出向して来ている所謂エリートだ。
彼のように接してくれる者もいれば嫉妬で対応する者も少なからずいた。
だが、そんなことは関係ない。
俺は復讐者である前に一人の警察官だ。
目を瞑っていい悪など存在しない。
「俺を止めることは出来ない。」
照井は早速、獅子神家に調査をかけるのだった。
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