第四十五話 作られたH/進む研究
アノマロカリスの一件が終わり数週間たった頃、無名は
NEVERが拠点としている孤島に降り立っていた。
"蛮野天十郎"と共に.......
クリムの"コア・ドライビア"が完成したと蛮野から無名に早速連絡があり、彼を孤島へ連れてきたのだ。
なお、蛮野の言い分では「クリムは邪魔だからシステムだけ貰って奴は置いてきた。」と言っていたが、大方何時ものように言いくるめたのだろう。
すると、蛮野の前にNEVERのメンバーが現れる。
「ん?コイツらは誰だ?」
「彼等はこの孤島を守って貰っている傭兵です。
ご存知では無いかと思いますが、ここら辺一帯は物騒ですので」
そう言うとNEVERのメンバーが自己紹介をする。
「蛮野博士の護衛を命ぜられた芦原です。」
「同じく泉ですよろしくぅ...んん!よろしくお願いします。」
京水の本性が漏れそうになるが何とか誤魔化した。
しかし、蛮野にとってはどうでと言いようで、
「早く研究所へ連れていけ!」としか言わなかった。
僕は芦原と京水に蛮野に聞こえない音量で耳打ちする。
(ムカつく人間ですが殺さないように.....
まだ利用価値がありますので)
(.....了解。)
(任せて無名ちゃん。)
二人は了承すると蛮野を案内した。
因みにプロスペクトにより分けられていた2つの研究所は、東は"NEVERとクオークス"の居住区兼研究室、西は"ガイアメモリ関連の研究と新しいシステム"を設置する場所へと変わっていた。
何故、NEVERの中でこの二人を蛮野の護衛に選んだかと言うと、他のメンバーなら容赦なく蛮野を殺すことが目に見えていたからだ。(克己の目の前で蛮野がミーナに手を出そうものなら細切れにされるだろうしレイカとは絶対に相性が悪い...多分蹴り殺される。
残った堂本もストレスが溜まって蛮野の首をロッドで殴り飛ばすだろう。)
一方で芦原は元SWATで感情の抑制が得意だし、京水も元極道の交渉役だった経験から上手く蛮野を調子に乗せてくれる筈だ。
そう考えての選抜だった。
蛮野はコア・ドライビアを設置する研究所の地下に来ると、持っていたアタッシュケースを開けた。
中から一枚の手紙が出てくる。
蛮野はそれを一瞥すると踏みつけて先へ進んだ。
僕はその手紙を拾い中身を見た。
「親愛なる友人、蛮野天十郎を信じ私の研究成果であるコア・ドライビアを託す。
これが現代科学と人類の発展に貢献することを願う。
追伸、無名殿
蛮野は気難しい男だがよろしく頼む。
クリム・スタインベルト」
彼はやっぱりヒーローなのだろう。
僕はその文を見て納得した。
泊 進之介がドライブになる前は自分がロイミュードと戦おうとしたぐらいだ。
恐らく、このコア・ドライビアもそんな願いを込めて託されたんだろう。
(あぁ、やはり彼は生かすことにして良かった。)
無名が心の底からそう思っていると、蛮野が僕に話しかけてきた。
「お前達、何をしている!
ここに、コアを設置するんだ!
早くしろ!"俺の研究"を早く始めるぞ!」
(友人の研究成果を持ちながら俺の研究と言いますか。)
そして、僕は更に確信した。
蛮野に下した考えも間違いではないことを.....
良いでしょう。
それが貴方の望みなら.....
僕は蛮野に向けて笑いながら告げた。
「えぇ、始めましょう。
"楽しい楽しい研究"を......」
Another side
シュラウドは無名から提供された技術と腕を使い完成させたアクセルドライバーを眺めていた。
(これがあれば照井竜はもっと強くなる。)
私の計画の為にも....そして来人の為にも。
早速、ベルトをアタッシュケースに仕舞うと照井のいる場所へ向かおうとした。
彼は今、捜査で天ノ川地区にいる。
後はこれを渡せば彼は変身して戦い、アクセルメモリとの適合率を上げてくれるだろう。
(これも全て無名のお陰ね...."来人の事"も話して良かった。)
そう思ったシュラウドは自分の意思に不信感を覚える。
(私が....来人の事を話した?
無名はミュージアムの人間の筈なのに?
何故!)
いやそれよりも
(私は何故、彼にメモリの純化技術の入ったデータを渡したの?)
あり得ない。来人を失った日から誰も信じないと決めていた筈なのに.....何故!
まるで、そう決められたからかのように無名を信頼していた。
おかしい....私に何か起きている?
シュラウドは慌てて自分の体を調べる。
だが、シュラウドの身体に異常はなくガイアメモリを使用された痕跡すらなかった。
では、何なのだ何だこの違和感は!?
私の意識は?意思は?何処にあるの?
まるで書き換えられたかの様に思い出せない。
そう感じながら横の研究ノートを見ると端々に何か書き込まれていた。
「こんなのおかしい」「あり得ない」「私が操られている?」「誰に?」「何のために?」「どうして?」
こんな意味不明な言葉が書き綴られていた。
そして、ノートの最後のページを見て私は戦慄を覚えたが、何故か直ぐに忘れて照井の元へ向かった。
恐らくこのノートはシュラウド自身が処分するだろう。
彼女が最後に見たページに書かれていたのは短い言葉だった。
「ヤツが見ている......」
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