蛮野はコア・ドライビアを地下施設に設置すると、研究室全土にエネルギーが行くように調整した。
そして、テストとして稼働する。
すると、独特な重力波が研究室に展開される。
仮面ライダードライブを知っている者なら聞いたことのある現象"重加速"、通称どんよりだ。
しかし、そのどんよりも直ぐに止まった。見ると
蛮野が懐から取り出した装置をドライビアに付けていた。
「重加速の対象から生物を外す様にプログラムしたチップだ。
エネルギー稼働率は少し落ちるがこんな動きにくい状態では私の研究に差し支えるからな。」
やはりこの男は天才だ。
自分の専門分野ではない筈の重加速を理解し、それの対抗策を用意していた。
「それで、この装置はどれぐらいのエネルギーを生産できるのですか?」
「大型のコア・ドライビアを複数個装置に繋げてある。
1つの都市を一年は賄える電力は余裕であるだろうな。」
ガイアメモリの製造には広大な底面積と高い密閉性、そしてGマイクロ波を使える場所が必要となってくる。
これからガイアメモリを開発生産していく場合、エネルギーがいくらあっても足りない。
これだけの電力があれば暫くは問題ないだろう。
蛮野は上の研究室に戻ると、予め用意しておいたデータベースとデスクトップに自分のパソコンを接続する。
「それは?」
「お前達の言っていた自立思考AIは不十分だった。
1つの意思に複数の役割を任せていたら何れメインAIに不具合が出る可能性がある。」
「だから、"三つのAI"を用意した。他のAIの統率管理を行う、コード名"ハート"。
エネルギー調整など技術面を担当する、コード名"ブレン"。
システムの不具合を見つけてケアを行う、コード名"メディック"。
この三つのAIに管理をして貰う。
勿論、三つとも自立思考が可能な個体だ。」
「素晴らしいですね。」
「ふん!元々アンドロイド用に開発したAIだ。
お前達の"野望"を叶えるのに使えるだろう?」
「.....何の話でしょう?」
「惚けるな。
お前達の組織が普通ではないのは分かっている。
寧ろ、こちらもそれだとありがたい。
私の研究である"ロイミュード"の開発が行えるのだからな。」
「我々を裏切るつもりですか?」
「まさかっ!そんな事はない。
ただの口止め料だ。
お前達の野望に私の研究を使わせてやるから私の研究の役に立って貰う。それだけの事だ。」
私が動こうとすると蛮野は装置を起動する。
「あっはっは私が何の対策もしていないと思ったか愚か者ども!
重加速をかける対象は選べるのだよ。
なぁに安心したまえこれは取引だ。
君達の様な後ろ暗い存在から身を守る保険だよ。」
保険....."
原作では蛮野は自分の成果が出るまでは本性を現さなかった筈だが、ここまで愚かだったか?
「そんな暗い顔をするな無名よ。
愚かな事は罪ではない。私の研究は君達に叡知を与える、これはそのデモンストレーションだ。」
(成る程そう言うことか。)
蛮野は我々が普通の組織ではないと思ってはいるが、恐らくはヤクザやマフィア程度の考えなのだろう。
だからこそ、重加速と言う空間を作り自分が自由に動けることを見せて勝った気でいるのか。
「まるで、猿山の猿だな。」
無名は蛮野に言った。
「何だと?」
「友人の技術を使いこなして神様気取りか?
君は勘違いしているようだが、我々はマフィアの様な甘い組織ではない。」
「丁度良い君にも学ばせてやろう。
出来の悪いペットはどうするのか?」
無名はそう言うとメモリを起動し軽くなった身体にドライバーを付けた。
「なっ!何故動ける?」
驚く蛮野を無視してドライバーにメモリを装填し変身する。
そして、現れたデーモンドーパントは蛮野に言った。
「上下関係を身体に教え込むんだよ。」
Another side
あり得ない....私は天才の筈なのにコイツのこの姿は何だ?
全く分からなかった。
悪魔と呼ぶに相応しい見た目をしていることだけは分かった。
重加速の中でも平気で近づいてくるコイツに私は用意していたスタンロッドを当てた。
ただのスタンロッドじゃない。
今後作るロイミュード用に改良した超高電圧のスタンロッドだ。
私の振るったロッドは無名に当たり火花を散らすが全くダメージが通っていなかった。
「バカなっ!」
そう言う私を無名は首から掴み上げる。
余りの力に私の身体は浮き上がる。
そして、私の顔に無名は火を放った顔が焼ける痛みに私は身もだえる。
「うわぁぁあ!熱いぃぃ離せぇぇ!」
私の声に耳を傾けることなく燃える私の顔を無名は殴り付け言うのだ。
「ごめんなさいは?」
「は?」
「悪いことをしたら謝る、当然でしょう?」
「ふっ....ふざけるなっ!私はがっ!」
続ける前に無名の拳が顔にめり込んだ。
そして続ける。
「ごめんなさいは?」
私が反抗する度、一発殴り「ごめんなさいは?」と尋ねる。
これを延々と繰り返した。
顔が腫れ上がり血で何も見えなくなった頃、私はその力に屈服した。
「ご....ごめ....んな...さ...い。」
それを聞いた無名は笑顔で言う。
「良くできました。」
するとまた顔を焼き私を地面に落とした。
「うぎやぁぁあ!熱いい!」
「顔の傷を消したんです。
そんなに騒がないでください。」
そして、ガラスに写った私の顔には確かに傷は無かった。
すると無名は私のデバイスに触れて重加速を切るとメモリを抜き見据える。
「貴方の野望はとっくのとうに分かってます。
私達は目的のものを作り渡してくれさえすれば問題ありません。
貴方の言うロイミュードも作る手助けはしましょう。」
「ただ、余り不相応な態度を続けるようなら"貴方の残りの人生"を悪夢に彩られたものにします。」
「ひっ!」
ここで私は恐怖を知った。
そして、とんでもない連中と取引したことを
「この重加速....上手く使えば研究時間を大幅に短縮できそうですね。」
「では、蛮野さん私はこれから数日間貴方の元を離れます。
その間に成果を出してください。」
「さもないと次は"全身"を焼きますよ。」
そう言うと無名はNEVERの面々を連れて部屋から出ていった。
悪夢が去ると怒りが込み上げてくる。
(このっ!私がっ!恐怖しただと!あり得ない!)
彼の理知的な頭脳はもう無名に逆らわない方が良いと語っていたが、尊大なプライドがそれを唯一否定した。
だが、やることは変わらない。
数日の間に成果を出さなければ私はまた痛め付けられる。
理解したからこそ私は論理的にそれを回避するため、研究を直ぐ様始めるのだった。
蛮野が、ボコボコにされている時のNEVERの心情。
芦原「無名様に、喧嘩を売るとは一番最悪な選択をしたな。
コイツ本当はバカなんじゃないのか?」
京水「相変わらず容赦がないわねぇ無名ちゃん。
まぁ、今のはあのお馬鹿さんが悪いから仕方ないわね。
それにしてもあの残酷な躾の仕方、嫌いじゃないわっ!
私も躾られたぁぁあい!」
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