もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第四十七話 作られたH/平穏な日々

蛮野への脅しと躾が終わった無名は、

東の研究所に向かった。

そこでは元プロスペクトの屋敷で働いている元クオークスの者達が出迎えてくれた。

 

「これはこれは無名様。良くいらっしゃいました。」

彼等はプロスペクトに誘拐されてから、この島でずっと過ごしてきた。

克己の要望により外に出るにしても一般常識や知識は学ばせようとの事で、屋敷の中に仮設の学校を作っていた。

 

因みにNEVERの羽原レイカもここで勉強している。

屋敷の中に設置された大型スクリーンに人の顔が映っており彼が生徒達に勉強を教えているようだ。

その様子を克己とミーナは仲良く見ていた。

 

「おぉ、来ていたのか無名。」

克己の問いに無名は答える。

「えぇ、西の研究所を稼働させるために必要な研究者を連れてきたんです。」

「.....そうか。」

「そっちは順調ですか?」

「何とも言えん。

学んでいる奴らのレベルも様々だ。

まぁ、レイカも頑張ってはいるが.....」

 

「流石に、"かけ算割り算"知らないって言われた時は絶句したわね。」

京水がその時の事を思い出していると声が聞こえたのか、レイカがこっちに来て京水の尻を蹴り上げる。

 

あん!何すんのよあんたぁ!」

「うっさい!余計なことを言うアンタが悪いんでしょ?」

「相変わらず、なっまいきねぇ。

私これでも勉強は出来てたんだからね!」

「死んだら意味ないじゃん。」

「あんたもでしょ!」

 

そのやり取りを僕は笑いながら見ていた。

「無名、これはお前が俺達に記憶を取り戻してくれたおかげだ。

そこは感謝している.....だが」

「俺の故郷をガイアメモリの実験施設にしている組織に属していることは忘れちゃいねぇ。

いつか、その罪の清算はするからな。」

「ご自由に.....

僕は僕の目的のために行動するだけです。」

 

「そう言えば連れてきた研究者はどんなヤツなんだ?」

克己の問いに芦原とさっきまでレイカと喧嘩していた京水、そして無名までも黙り込む。

 

「強いて言えばボス猿気取りのアホかと」

「克己ちゃんが嫌いそうなタイプよねぇ。

私もあの男だけは無理だわ。」

「まぁ、人間色んな奴がいますがその中でも性格はかなりの底辺に位置する人物ですね。」

芦原、京水、無名の私見を聞いた克己は苦い顔をする。

 

「つまり、クズ野郎ってことか。

全く、何だってそんな奴の方が頭が良いのかね?」

「自分勝手に知識を詰め込んだ結果、

頭だけは良くなっただけじゃないかと」

「なぁ、アタシってバカだけど勉強したらそんな奴になんのか?」

「安心なさい。

アンタは絶対になんないわ。

ああいうタイプは生まれつきって奴なのよ。」

 

NEVERから中々尖った評価を受ける蛮野だが、否定する要素が一個も無い。

そんな事を話しているとマリアが降りてきた。

「さぁ、勉強は終わりよ。

食事が出来たわ。」

その言葉に勉強していた者達は食堂に移動した。

 

「あぁ、そう言えば言ってませんでしたが私、暫くこの島に滞在します。」

「勝手にしろ。

俺達の大切なものに手を出さないのなら文句はない。」

「やったわぁ無名ちゃんと暫く一緒よぉ!」

「アンタは相変わらず五月蝿いわね。」

 

「そう言えば堂本さんはどちらに?」

「ヤツなら狩りに出掛けてる。

昔の勘を取り戻したいんだとさ。」

「ついでに、捕まえた食べ物が私達のご飯になるのよね。」

「成る程、それは実に楽しみだ。」

 

 

それから数日間、東の屋敷で過ごし西の研究所に向かうと目に隈を付けた蛮野が椅子に座っていた。

「成果は出したぞ。」

そう言うと画面が起動しプログラムが作動する。

コア・ドライビアのエネルギーが循環し研究室に行き渡るとシステムが起動した。

『独立思考AI、No.002 ハート起動しました。

内部データを確認。

設置可能な装置を発見、稼働準備を行いますか?』

「あぁ、頼む。」

 

『承認、稼働準備をNo.003 ブレンに申請...受理。

装置の準備を開始します。』

するとモニターの映像が現れて機械のアームが装置の組立を始めた。

「ハート、メモリーバンクの動作テストと不備のチェックをしてくれ。」

 

『命令承認、チェックをNo.009 メディックに申請...受理。

メモリーバンクを確認中、全チェック完了するまで10分。』

「完璧だな。

後は開発に必要な資材とメモリを持ってくるだけだ。」

無名はそう言うと蛮野に話しかける。

「天才に偽り無しですねお見事です。

では、早速ロイミュードの開発について話しましょうか?」

「その前に食料と睡眠時間をくれ.....

もう、意識を保つので精一杯なんだ。」

 

「分かりました。

ではお休みなさい。」

そう言うと蛮野はその場で意識を失った。

「ちょっと、大丈夫?彼」

「まぁ、暫く寝かせておきましょう。

起きたらご飯と点滴を....どちらにするかは京水さんに任せます。」

 

「では、私は琉兵衛様に報告してきます。」

 

そう言うと無名はその場を後にした。

 




Another side

報告を受けた琉兵衛は素晴らしきタイミングでの報告に喜んでいた。
最近、財団Xから新しいメモリの要請を受けていたのだが来人がいないため作れなかった。

だが、無名の作った装置の私の持つゴールドメモリがあればその状況を打開できると確信していた。
風都に現れた仮面ライダーがファングメモリを使ったと聞いて驚いていた。
やはり、来人は今、私の敵になっているようだ。
冴子からの話を聞いた限り記憶を無くしているのが原因だろう。

そして、天ノ川地区に現れた"赤い仮面ライダー"。
獅子神が手に入れた組織と激戦を繰り広げているらしい。
サラは多数の有力者とコネクションを作っている。
"鴻上グループ"、"ユグドラシルコーポレーション"、"幻夢コーポレーション"等、多種多様だ。

残念なことがあるとすれば霧彦くんかな。
自分では隠しているようだが相当身体に毒素が回っている。
無名なら何とかしたかもしれないが私が敢えてその情報をカットしていた。
この状態からナスカメモリがどう進化するのかその命を、かけて見せてくれたまえ。



もう少しだ。
長くメモリを使い続けたからこそ分かる感覚、
もうすぐあのメモリが蘇る....ガイアインパクトを起こす上でもっとも重要なあのメモリ。


"エクストリームメモリ"が.....

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