もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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霧彦は散髪であった仮面ライダーW...左 翔太郎の事を考えていた。
彼とはこの風都で何度も戦ってきている。

そしてそんな彼が不思議なことを言ったのだ。
"メモリを子供に売りつけてしかも、そのメモリを複数の人間が使い回している"と....

通常、ガイアメモリは一人の人間に1つしか使えない。
そう、プログラムされている。
もしそれが本当なら不良品と言う事になる。

それに子供にガイアメモリが渡ったのも問題だ。
クズな大人がガイアメモリを使い我々の計画の糧になるのは問題ないが子供はまだそんな事も分からない。
もしそうなら完全なるルール違反だ。

冴子に相談して真相を確かめなければ、
そして、霧彦は立ち上がるが直ぐに身体がふらついてしまう。
クソっ!まただ最近身体の調子が悪い。
ナスカメモリを使っても超高速を上手く使えなくなることがあった。

だが、今はそんな事を気にしていられない。
私は身体に力を込めて立ち上がると冴子の元へ向かうのだった。


第四十九話 作られたH/少ない可能性

僕の提案を聞いたハートは早速ブレンとメディックと共に解決策の模索を始めた。

僕の与えたアクセス権を使いブレンが情報の精査、選別を行いメディックがそれによる有効な解決策を施策。

ハートがそれをシミュレートしていた。

 

だが、やはり時間が足りないと内心焦ってしまう。

ここまで霧彦の事を蔑ろにしていた訳ではない。

定期的に情報を教えて貰うようにしていたからだ。

だが、その情報が僕に全く届かないように裏で手をまわしていたのだろう。

 

どこまで毒素が身体を蝕んでいるかは分からないが、原作通りならもう超高速すらまともに使えない可能性もある。

 

限られた時間と資源、使えるものを精査し作戦を立案するのは人間の僕では不可能だ。

だからこそ三人の力を借りた。

そして、少しの沈黙のあとハートが答えた。

 

『検証結果が出た。

1500通りのシュミレートの結果、死亡が1498件

生存が2件だった。』

「生存した二つの計画を教えて下さい。」

 

『1つ目は霧彦をNEVERとする事だ。

それを使えば死んでも生き返ることが出来る...だが蓄積した毒素が再生酵素にどんな反応を及ぼすのかは分からない。』

再生酵素を使えば死人を甦らせることは可能だ。

だが、それは普通の人間ならばの話だ。

霧彦はナスカメモリの影響により身体に大量の毒素を抱え込んでいた。

 

井坂はメモリの毒素をドーパントを強くさせる要素だと言ってはいたがあの狂人が許容できただけで普通の人間には勿論、毒だ。

霧彦の身体にある毒素が再生酵素とどういう働きを及ぼすのか全く分からなかった。

『もう1つの計画ならば恐らく毒素の問題は解決できる時間はかかるが死ぬことはないだろう。

無名、君が提案していた方法だ。

だが、成功率が低い....前者なら48%だが後者なら12%しか成功しない。

そして、組織....ミュージアムへの隠蔽を含めると成功率は更に半減するだろう。』

ハートの出した結論を聞いた僕はやはりかと思った。

 

救うにしてもリスクが付きまとい、且つ成功の可能性も低い.....だが、それでも

「1%でも可能性があるのなら賭けてみたい。

"後者の計画"を取ります。

実行に必要な道具を集めますのでリストアップをお願いします。」

「私は皆さんに連絡をしてきます。」

 

そう言うと部屋を出ていくのだった。

 

 

無名が急いで向かったのはNEVERのいる屋敷だ。

そこでマリアにとある効能を持った薬を用意できるか聞いた。

「薬ではなく装置としてなら実験で作ったものがあるわ。

必要なの?」

「えぇ、それも大至急。

そして、それを使う人間も....」

「俺が行こう。

お前がそこまで助けたい人間に興味が出た。

お袋、その装置の使い方を教えてくれ。」

 

「お願いします。

時間がないので準備が出来たら風都のディガルコーポレーションまで向かってください。

後、決してバレないように」

「分かってる。」

そう言うと克己はマリアと研究室へ向かった。

 

「後は彼がいてくれれば準備は済む。」

そう言うと電話をかけるのだった。

 

 

 

Another side

 

そんな忙しい無名とは裏腹に蛮野はこれまでの怒りも含めて悪魔のような表情をしていた。

(この私がっ!良いように利用されたっ!それだけじゃない私の成果であるAIが踏み台として扱われただとっ!)

 

「ふざけるなぁ!」

そう言って蛮野は椅子を蹴り飛ばす。

自分が利用されただけならまだ良かった。

いや、それだけでも激怒する理由にはなるが蛮野が一番激怒したのは自分の研究が単なるオマケとして扱われた事だ。

ファクトリーメモリと言っていたあの道具は、

ハート、ブレン、メディック、のプログラムをコピーし自分で組み替えて新たな人格を生成した。

 

そして、その人格は私が作ったものよりも優秀だった。三人のAIに分けたのは膨大なデータを1つのAIに処理させるには性能不足が目立ったからだ。

だが、あのメモリはそんな事を簡単にクリアし、他のメモリのデータをも学習していた。

 

自分の作った物を利用され、且つもっと優秀な物が作られた。科学者である自分にとってそれは許されざる行為であり行動であった。

(このままでは終わらせないっ!

奴らの鼻をあかしてやる!)

それが燻っていた蛮野の反抗の意思に再び火を付けることになる。

だが、彼はこのままでは勝てないことを分かっていた。

 

ガイアメモリ....あの道具は危険だ。

人間を怪物に機械を神にすら変えられるデバイス。

そんな者を相手にするのに既存のシステムでは対抗できない。

(ロイミュードがいる。

それも私の思い描いた完璧な状態のロイミュードが...)

奴等の頭目である男は私に言った。

 

私の求めるロイミュードを作っても良いと....

良いだろう。

暫くはお前達の"犬のフリ"をしてやる。

私の求める最高のロイミュードが完成した暁には、

あの無名を殺して孤島を奪いとり、奴等の組織へ復讐するのだ。

 

丁度良く無名は今、何かに追われているようでこちらへの警戒は薄いだろう。

NEVERの連中も科学には詳しくない愚か者ばかりだ。

良いカモフラージュになる。

私は自分のノートパソコンを起動しあの装置に搭載しようか悩んでいたAIを開く。

No,001コード名"フリーズ"。

それを起動する。

 

『蛮野様、何かご用でしょうか?』

「とあるAIをクラックするウイルスを作成しろ。後程データは渡す。

名前はメイカーだ。」

『承知いたしました。』

そう言うと画面が暗くなる。

 

(覚えていろっ!

私は天才だっ!神なのだ!

人類を導くに値する存在なのだぁぁ!)

復讐に染まった目でメイカーのいるデータバンクを蛮野は睨むのだった。

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