もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第五十二話 戦うA/夕闇のチェイス

天ノ川地区で定期的に行われていたパーティ。

これはただのパーティではなくガイアメモリとエンゼルビゼラを楽しむ事を目的としており、中にいた客もそう言う事に精通している者ばかりであった。

 

ここでは目玉となっているイベントがある。

何にも知らない一般人をパーティに招きドーパントとなった客がその者を殺すと言うショーである。

 

だからこそ、ドーパントになった者を見た時、

またショーが始まるのだと思っていた。

 

あの赤い仮面ライダーが現れるまでは。

ドーパントになった者を殴り蹴り地面へと沈める。

その戦い方は"Wの戦い方"と違い"相手を確実に破壊する戦い方"だった。

倒れたインジャリードーパントは逃げようとするが、

照井はその拳をドーパントの頭に何度も叩き付け、

地面が陥没しドーパントが動けなくなるとようやく殴るのを止めた。

 

その戦い方は敵であるドーパントに絶対的な恐怖を与えた。

「やっ....やべぇよ、アイツ普通じゃねぇ!」

「おい!どうすんだよ?ここままだと俺達殺されちまうよ。」

 

「貴様ら....何を悠長に喋っている。」

そう言って近付いて来る照井を、ウォータードーパントはプールの水を操作して水の中に閉じ込めた。

「こっ....このまま溺れ死ねぇぇぇ!」

その願いのような慟哭を無視するように照井はスロットルを回転させる。

アクセルドライバーはアクセルメモリだけの運用を想定し作られたドライバーだ。

故にアクセルメモリの特性を100%解放することが出来る。

スロットルを回転させると照井の身体にエネルギーが供給され、そのエネルギーが水の檻を破壊する。照井は続けて右腕に集中させたエネルギーをウォータードーパントに叩き付けた。

 

あまりの威力にダメージがメモリへと到達し、メモリが破壊されてウォータードーパントは元の人間へと戻る。

「ひぃぃぃぃ!」

その光景を見ていたドーパント達は逃走の姿勢を見せるが、照井がそれを許さない。

左のスロットルについているクラッチを握りマキシマムの態勢に移行する。

 

そして、右側のスロットルを思いっきり回す。

ACCEL MAXIMUMDRIVE」(アクセルマキシマムドライブ)

アクセルのエネルギーが足に集中すると逃げようとしたロケットドーパント、ミュージックドーパント、そして気絶していたインジャリードーパントを纏めて蹴り飛ばした。

三人のドーパントはプールに叩き込まれると爆発した。

 

「絶望がお前たちの.....ゴールだ。」

照井はメモリが破壊され人間に戻った三人の人間にそう告げ、コックローチドーパントを見据える。

 

 

「後は、貴様だけだ。」

「じょ.....冗談じゃねぇ!

お前に捕まってたまるかよ!」

そう言うとコックローチドーパントは持ち前の足を使った高速移動で逃走を図る。

 

「逃げ足だけは速いな。」

Wならもしかしたら彼を見逃したかも知れないが、目の前にいる照井にそんな甘い考えはない。

 

「逃げられると思うな!」

そう言うとドライバーをベルトから外し両手で持つ。そしてアクセルは変形しバイクの姿となってコックローチを追った。

 

夜の天ノ川地区を走るコックローチ(ドーパント)赤いバイク(仮面ライダーアクセル)

追っている照井は近くに自分のバイクがあることを思い出すとそちらに向かった。

コックローチは見逃されたと思い逃げに徹するが、

真実はそうではない。

直ぐに戻ってきた照井の背中にはエンジンブレードがマウントされていた。

 

そのままコックローチを見据えながら真横のビルを登り始める。

ある程度の高さになるとバイク形態を解除しエンジンブレードを手に取った。

人間の頃と違い軽く扱える武器のスロットにエンジンメモリをセットし、二回トリガーを引く。

 

 

JET(ジェット)

その音声と共にブレードを振ると「A」の形をしたエネルギー波が飛び出しコックローチに激突する。

火花を上げダメージにより移動を止めたコックローチに照井はトドメの態勢に入る。

エンジンブレードを握りマキシマムの音声を鳴らす。

 

ENGINE MAXIMUMDRIVE」(エンジン マキシマムドライブ)

 

そして、コックローチに向かい「A」の字を書くように斬りつけるとスロットからエンジンメモリを排出する。

メモリを照井が受けとると、コックローチドーパントは爆発しメモリブレイクされた。

 

倒れている男を持ち上げて照井は尋ねる。

「おい、お前はWのメモリの持ち主を知っているか?」

「え.....何だ....それ?」

(無駄足だったか....)

男は照井に乱暴に落とされると、その衝撃で気絶した。

 

その様子を見ていたのか照井の前にシュラウドが現れる。

「来ていたのか?」

「貴方がドライバーを使いこなせるか確認したかったのよ。

上手くいっているようね。」

すると照井はシュラウドに会場で手に入れた薬を投げて渡す。

「これは?」

「奴等がこの街で撒いている薬だ。

ガイアメモリに関係があるらしい...調べてくれ。」

「私がそれをするメリットは?」

 

「これは普通じゃない。

恐らくこの薬とメモリは何かしらの関係性がある。

もしかしたら、お前の敵対している組織が関係しているのかもな。」

「....分かった。

これはこちらで調べておくわ。」

「頼む。」

そう言った照井はドライバーのメモリを抜き人間に戻ると、倒れている男に手錠をかける。

 

 

 

その後、警察が会場に突入しガイアメモリと薬が見つかると上層部も止められなくなり、正式に事件として捜査されることとなった。

そして、その指揮を今回の功績(再三に渡る捜査要請)から照井が取ることになった。

 

 

会場にいたものは全員逮捕され留置所へと護送された。

その報告を聞くと照井は一人、アクセルメモリを眺める。

(漸くだ.....これで俺も本当に意味で戦える。)

俺の家族を殺したWのメモリを持つ者、

それを探しだし俺の手で殺す。

その願いを叶える力を俺は手に入れたんだ。

 

(父さん...母さん...春子、待っててくれ。

必ず、復讐を果たす。)

 

そんな事を考えていると部屋に刑事が大慌てで入ってきた。

「たっ....大変です照井班長!」

「どうした?そんなに慌てて」

「留置所へと護送していた車両が襲われました!」

「何だと!」

照井は直ぐに現場へと向かうのであった。

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