もう一人の悪魔   作:多趣味の男

58 / 330
第五十五話 戦うA/始めての敗北

リッパードーパントの刀が振り下ろされると同時に、照井は最後の力を振り絞り接近する。

そのお陰で刀の狙いが外れて肩に当たる。

 

その痛みを無視しスロットルを回して強化したパンチをリッパードーパントに打ち込み吹き飛ばすと、照井はバイクへと変化しその場を逃亡した。

 

その姿を見ていたフードの男がリッパードーパントに話しかける。

「逃げられてしまいましたね。」

「あぁ、だが最後のは良い一撃だった。

芯をズラして受けなければ危なかったな。」

そう言うとリッパードーパントはメモリを引き抜き元の人間の姿に戻った。

 

「追わないんですか?」

「どの道、あの速度には追い付けん。

そんなに追いたいならお前が追え。」

そう言うと着物姿の男は屋敷の中に帰っていった。

「ふーっ、相変わらず我が儘な事で」

そう言うとフードの男も屋敷の中に入った。

 

 

 

逃走していた照井は身体の限界によりバイク状態が強制解除され、草むらへと転がり落ちて変身が解除された。

照井の肩には大きな斬り傷と他にも身体全体に傷が出来ていた。

赤いライダースーツもボロボロだ。

「ぐっ...あっ...」

喋ることすら出来ない身体を無理に動かし、照井はビートルフォンにギジメモリを挿してライブモードにする。

そして、ビートルフォンは協力者であるシュラウドに救援を頼みにいく。

それを見ながら照井は意識を失った。

 

 

Another side

 

獅子神は部下である我望と会うため天ノ川高校に向かった。

目的は、ガイアメモリ流通に適した場所や人を斡旋して貰うことだ。

獅子神はノックもせずに我望の部屋に入る。

中には我望のボディガードであり秘書である立神 吼(たつがみ こう)もいた。

 

「これはこれは獅子神様、今回はどんな御用で?」

「分かっているだろう?

ガイアメモリ流通の件だ。」

「それに関しては前にお話しした筈です。

今は紹介できる人材も場所もないと」

 

「そんな事は関係ない。

貴様はただ私の言ったことに従い、求めている物を持ってくれば良い。」

「ぐっ!貴様っ!我望様になんて言い草だ。」

立神が獅子神の態度に苛立ちを覚える。

「何だ貴様は?コイツは私の下についたんだ。

ならば黙って私に従うのが道理だろう?」

 

「くっ!今度と言う今度は許さん!

我望様への狼藉、その命で償え!」

立神が、怒りのままホロスコープスイッチを押して

レオゾディアーツへと変身し獅子神に攻撃を仕掛けるが、レオドーパントに変身した獅子神によって攻撃を止められてしまう。

獅子神が手を翳すとレオゾディアーツの爪は止まり動かなくなってしまった。

「躾のなっていない番犬だな。」

そう言うと獅子神は手に集めた斥力を立神に放出し彼を外に押し出した。

学校の校庭を削りながら立神が吹き飛ばされる。

 

そして、獅子神は悠々と空を浮かび地面に着地した。

「貴様ぁ!」

立神が口からエネルギー弾を獅子神に向かい吐き出す。

それを獅子神は手を翳して受け止めると、今度はエネルギーを圧縮して校庭の砂も巻き込んでいく。

エネルギーが砂に触れて分子と原子の融合が始まり、獅子神の手には小型の太陽が生成されていた。

 

「バカなっ!」

その光景を立神は否定する。

「この程度、ガイアメモリならば造作もない。

貴様らのゾディアーツスイッチでは不可能だろうがな。」

そう言うと獅子神は手に作り出した太陽を立神に向かって放つ。

立神はそれを爪で受け止めようとするが、

あまりの威力に爪が崩壊し腕の装甲で攻撃を受け止める。

「ぐおぉぉぉぉぉ!」

立神は崩壊していく自分の身体の痛みに耐えながら何とか防ぐがもうもたないだろう。

そうして獅子神がトドメを刺そうとすると太陽に"赤き矢"が当たり貫かれその力を失った。

矢を打った方向を見ると我望 光明...サジタリウスゾディアーツが矢を放ち立神を救った。

 

そうして、地面に降り立つと足を畳み獅子神へ頭を垂れる。

「部下が暴走してしまい申し訳ありません獅子神様。

どうか寛大なご配慮を」

「ふん!俺がここに来たのは戦うためでも、お前の部下を痛め付けるためでもない。」

「はい、早急に場所の選定と人員の斡旋を行いますのでどうか今回だけは.....」

 

獅子神はそんな我望の姿を見るとメモリを抜く。

「明日また来る。

それまでに用意できないのならお前らの学校の生徒にガイアメモリを販売する....覚えておけ。」

そう言うと獅子神はその場を後にした。

獅子神が帰ったのを確認すると我望は変身を解き、立神の元へ向かう。

「大丈夫か?立神。」

「もっ....申し訳ありません我望様。

私の独断で貴方の立場が......」

立神は損傷した両腕で何とかスイッチを切ると人の姿に戻ったが腕が火傷に爛れていた。

「酷いな.....早く治療をしなければ」

「我望様、何故我々はあんな奴等に従わなければいけないのですか?」

立神の問いに我望は答える。

 

「奴の強さは未知数だ。

最初に会った時は"超新星"を使えば互角に持っていける程度の強さだったが今は違う。

恐らく、全てのホロスコープスを集めなければ勝てないだろう。」

"超新星"....宇宙の力"コズミックエナジー"を使い変身する怪物"ゾディアーツ"、その中でも選ばれた12人のホロスコープスと呼ばれる存在が使える規格外のパワーである。

現在、ホロスコープスは四人しかおらず、更に超新星を獲得しているのは我望と立神だけだった。

しかし、立神の超新星は自爆技の為、簡単には使えない。

こんな状態で獅子神に勝つのは不可能だった。

 

「だから、今は奴に従うのだ。

どんなに屈辱的だろうと全てはプレゼンターへ接触するためだ。」

「......承知致しました我望様。」

 

そう言うと立神は両腕の治療に、我望は破壊した窓ガラスと校庭の修繕を業者に依頼しにいくのであった。

外伝 続編の投稿に関して

  • このまま続きで見たい
  • 新規投稿で見やすくしたい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。