もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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あれは、去年の八月の事だ。

俺が家に帰ると中がまるで冷凍庫のように冷えきっていた。

俺は急いで中に入るとそこには氷漬けにされた父さんと母さん、そして妹の春子がいた。
父は母は春子を守るように覆い被さっていた。

「とっ....父さん!母さん!春子!
何が一体?」
俺の声が届いたのか父が意識を取り戻した。
「り.....竜。」
「何?父さん。」
「氷....."氷の怪人"だ。
Wのガイアメモリを....」
「何だよそれ....」

俺は父親にそう言って触れると三人は粉々に砕け散った。

そして、シュラウドに出会いアクセルのガイアメモリを手に入れ俺は復讐者になったのだ。

氷の力を持ったWのメモリの持ち主を必ず殺す。
それだけが俺の生き甲斐となっていた。


第五十六話 戦うA/忘れられない過去

目を覚ました照井は見知らぬ場所のベッドで横になっていた。

身体には傷を治療した跡がある。

「気が付いた?」

シュラウドかそう言って中に入ってくる。

 

「シュラウドお前のお陰で助かった。

礼を言う。」

「何があったの?

アクセルドライバーを持った貴方がここまでのダメージを負うなんて普通じゃないわ。」

 

「事件を追って獅子神家の屋敷に入ったんだ。

そこにメモリを二つ使うドーパントがいた。」

「二つのメモリ?」

「あぁ、リッパーとスモークのメモリだ。」

シュラウドは俺の言葉に思い当たることがあるのか説明した。

「恐らく最近、組織の幹部が作り出したドーパント強化システムを組み込んだ奴でしょうね。

そいつはギジメモリでガイアメモリの能力を底上げしている。

普通に戦ったら先ず勝ち目は無いわ。」

 

「だが、奴等が護送車を襲い囚人を皆殺しにした事件に関与している疑いがある。

多少強引にでも組織と繋がる物的証拠を獅子神邸から見つけようとしたんだが.....」

「返り討ちにあったと言うわけね。」

「やはり、彼処に何かがあるんだ。

だからこそ、護衛に部下のドーパントが待機していた。

シュラウド、奴等に勝つ方法はあるか?」

 

「現段階では無理ね。

恐らく、フィリップの能力を使っても初見で勝つことは出来ないでしょう。」

風都を守る仮面ライダーWの片割れ。

地球の記憶を検索して情報を得る能力を持っており、それを使って相棒とガイアメモリ犯罪を解決しているらしい。

「何故だ?」

「記憶とはその物に宿る歴史であり知識よ。」

そう言うとシュラウドはマグカップを取り中にコーヒーを入れた。

 

「マグカップと呼ばれ表されるのは中身の入ってない物、それに飲み物が入ったらそれはもうただのマグカップでは無い。

中身の飲み物が変わればもう別のマグカップになる。」

「つまり、元のメモリの能力が分かっても、付加された力が個別で分からないと対処が出来ないと言うことか?」

 

「その通り、貴方がそいつに勝ちたいのなら有利な面を潰していくしかない。」

「有利な面.....」

「スモークと言うメモリを私は知らない....恐らくそれがギジメモリなのでしょうね。

その対処法を見つけないと話にならないわ。」

 

「だが、煙だぞ?

斬れないし殴れない相手にどう戦えば良いんだ?」

「......それを考えるのは貴方の仕事よ。

私はあくまで手助けするだけ」

そのシュラウドの言葉に照井はかけてあったボロボロなライダースーツを着る。

「もう行くの?」

 

「あぁ、あの獅子神の部下の強さは尋常じゃなかった。

奴等が今回の事件の組織を奪ったのなら、動きが変わったのも納得がいく。」

 

照井の言葉にシュラウドは紫色の"ビデオカメラの様なガジェット"にギジメモリを挿した。

 

EEL」(イール)

 

すると、ガジェットが変形し細長い胴体にカメラのレンズがついた物へ変形し照井の元に向かった。

「これは?」

「新しく開発したアクセル用サポートガジェット"イールチャンネル"よ。

映像撮影や追跡、そしてアクセル変身時にはリアルタイムでその撮影している映像を見ることも出来るわ。」

「分かった使わせて貰おうこの"蛇"をな。」

そう言って出ていく照井に小さく告げた。

「これは"鰻"よ照井 竜」

 

 

照井はビートルフォンとイールチャンネルにギジメモリを挿し込みライブ状態にすると命令を下した。

「着物姿の男か黒いフードを着けた男がいないか探してくれ。」

二匹は了承の意思を示すと即座に索敵に向かった。

((リッパードーパント)の煙状態になってからの攻撃は厄介だ。

アクセルの装甲ですら軽く切り裂いたあの力....どう対処する?)

その間に、照井はあのドーパントである平成の人斬りについて思案していた。

 

アイツは剣術を学んでいる。しかも生半可な技術ではない。

警察学校で剣道を習った照井だが、あのドーパントとの戦いではアクセルの力を使って無理やり互角に持っていっただけだ。

(剣術でも負けている俺が奴に勝っていること.....)

そうして、俺はエンジンメモリを手に取る。

「.....試してみる価値はあるか。」

 

そうしているとビートルフォンが帰って来て携帯の姿に戻った。

「見つけたのか!」

そう言って携帯を開くとそこには、着物姿の男とフード姿の男そして獅子神と部下らしき者が数名で談笑している映像が映っていた。

イールチャンネルと繋いで流している映像なのだろう。右端に"live"の文字が点滅している。

 

俺はシュラウドが回収してくれたであろう自分のバイクに乗り込み、その場所へ向かうのだった。

 

 

 

 

一方、獅子神は自分の部下になった灯夜に仲間を紹介していた。

 

「コイツらが俺の忠実な部下三人だ。

水島に白爪(しらづめ)紫米島(しめじま)だ。」

そうして紹介された三人の内二人が話す。

 

「始めまして私の名前は白爪、以後お見知りおきを...」

フードの男がそう言う。

 

「紫米島だ....よろしく。」

着物姿の男がそう言った。

 

「よろしくお願いします。

ところで水島さんは何故、黙っているのですか?」

「私は獅子神様に発言する許可をいただいていない。」

そう言うと水島は首に何かを注射した。

「一体何を.....」

 

「こいつの事は気にするな。

ある実験で誕生した個体なんだが記憶の喪失が激しくてな、定期的に酵素を使わないといけないんだよ。」

その言葉に灯夜は納得する。

「それにしても俺の家に仮面ライダーが来るとはな...

白爪の報告を聞いた時は驚いたぜ。」

「えぇ。しかし、風都にいる仮面ライダーとは違うようです。」

「となると、新しい仮面ライダーが現れたと言うことか.....」

「あぁ、中々に強い御仁だったぞ。」

紫米島の言葉に白爪が苦言を言う。

 

「貴方が昨日の内に仕留めていればこんな報告をする必要も無かったのですがね。」

「固いことを言うな。

逃げられたのもアクセルの強さだ。

俺はそれを認めている。」

二人のやり取りをみて獅子神は笑う。

 

「まぁ良いさ、お前らの性格はよく分かってる。

それ込みで仲間にしたんだ、この程度の事なら構わないさ。」

獅子神は勘違いされるが仲間と認めたものにはある程度の自由行動を認めている。

だからこそ紫米島の態度を許容しているのだ。

 

そんなやり取りをしているとバイクで招かれざる客が現れる。

その姿を見た紫米島は歓喜しながら言った。

 

 

「また来てくれたかぁ!アクセル!」

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