もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第五十七話 戦うA/リベンジ

紫米島はバイクに乗って現れた男がアクセルだと分かり歓喜した。

そして、その光景を見つつ獅子神はアクセルを見つめていた。

(顔はヘルメットのせいで分からないが、身体に包帯を巻いていることを見ても相当なダメージを負った筈。なのにこれだけ動けているのか....)

 

ガイアメモリで受けたダメージは治療能力を持ったメモリの力か、自然治癒しか治す術は無い。

これだけのダメージを受けて動けていると言うことは、アクセルに回復能力があるか耐久力が高いかのどちらかだった。

(俺のレオメモリと似た特性か?

てことは適合率も相当高そうだ。)

獅子神も現れたアクセルに対して興味を持っていた。

 

「まさか、また来てくれるとはなぁ。嬉しいぞアクセル!

さぁ、殺し合いを始めようか!」

「待ってください紫米島。」

その動きを白爪が止める。

「態々、敵である彼がここに来たのです。

全員で潰すのが効率的です。」

「貴様っ!俺の戦いに泥を塗る気か!」

 

紫米島は白爪に激昂するが獅子神が白爪を止めた。

「良いじゃないか。

お前が一対一で戦いたいのならそうすれば良い。

私もお前(アクセル)をこの目で見定めたいからな。」

「おぉ、感謝するぞ!」

 

「話は終わったのか?」

照井が紫米島に尋ねる。

「あぁ!待たせたなアクセルよ。

さぁ、殺し合いを始めよう!」

 

「Ripper」「Smoke」

 

「今度は負けない.....復讐を果たすまで俺は倒れる訳にはいかないんだ!」

 

「ACCEL」

 

「変....身!!」

 

二人の戦士、仮面ライダーアクセルとリッパードーパントの戦いが始まった。

 

 

戦いはリッパードーパントが有利に進めていた。

最初からスモークギジメモリを使い、身体を煙に変えながら変幻自在の斬撃を照井に浴びせる。

ある程度の攻撃は防御できたが、反撃の出来ない照井はゆっくりと追い詰められていった。

その照井の動き方に獅子神は違和感を覚える。

(この動き、ダメージを抑えながら戦っている?

何故だ、時間稼ぎのつもりか?)

 

獅子神の想像通り照井は肉体のダメージを最小限に抑えながら戦闘をしていた。

防御に重きを置いた戦い方であった。

そして、それが紫米島にも分かり攻撃を止める。

「アクセル!貴様何を考えている!

俺とお前の殺し合いなんだぞ!

防御ばかりでふざけているのかっ!」

 

紫米島にとって強者との戦いは斬って斬られての死闘であった。

アクセルにもそれを求めていた故に落胆した声を出す。

照井はゆっくりとエンジンブレードにメモリを装填し閉じた。

そして、覚悟を決めたのか言い放つ。

「安心しろ....もう防がない。」

そう言うとエンジンブレードを紫米島に向けた。

先程の落胆が嘘のように笑顔になると照井の元へ突っ込んでいく。

煙が照井に近づく....そこに照井はエンジンブレードを向けるとトリガーを引いた。

 

STEAM(スチーム)

 

そして、刃が肉を切り裂く音がした。

紫米島の刃が照井の頭の上で止まっている。

何故なら、エンジンブレードが紫米島の腹部を貫いていたからだ。

「うっ!ぐっ......」

そのままエンジンブレードを引き抜くと紫米島に斬りかかる。

紫米島は身体を煙に変えて回避しようとするが、エンジンブレードが蒸気を纏うと煙がドーパント体へと戻ってしまった。

紫米島はブレードを両手の刀で受け止める。

「なっ!.....能力が解除されただと?」

「半分賭けだったがどうやら上手くいったようだな。」

そう話す照井に紫米島は尋ねる。

 

「どういう事だ、俺に何をした?」

「お前の能力をずっと観察させて貰った。

"煙の能力"について知りたかったのでな。」

「煙の能力だと?」

「あぁ、お前のその煙が"生成された物"か"変化した物"かどっちか知りたかったんだ。」

 

照井はメモリの能力が"煙を作り出せる能力"か"肉体を煙に変えられる能力"のどちらか知りたかったので、暫く紫米島の攻撃を受けていてのだ。

「結果としてお前は肉体を煙に変化させている事が分かった。

後はその煙をどうするかだが、エンジンメモリが解決してくれた。」

エンジンメモリには"スチーム" "ジェット" "エレクトリック"と言った能力を付与させる力がある。

エレキトリックは電気、ジェットは高速で射出されるエネルギー弾、スチームは高熱の水蒸気を放つことが出来た。

 

「煙とは極小サイズの塵が集まった状態だ。

恐らく、自分の身体をその塵に変えることが出来るのがそのスモークメモリの特徴なのだろう。」

「ならばその塵が纏まる場所を作れば言い。

スチームで熱せられた水蒸気は塵となったお前の肉体に触れると分かれていた塵をくっ付ける事が出来る。

煙の匂いが水に付くのと同じ原理だ。」

「成る程、それで俺の能力が解除された訳か....

ははははっ....面白いなぁ!」

 

「下らない小細工はこれで終わりだ。」

照井はドライバーをマキシマムの状態に移行するとそのエネルギーをエンジンブレードに流す。

「マキシマムの力をのせたブレードだ。

蒸気を流しながら斬れば良い。」

「舐めるなよ....俺はやられない。」

「なら、試してやる。」

そう言うと照井はブレードを紫米島に振り下ろそうとするが、刃は別のドーパントを斬り付けた。

「なっ!」

照井の動揺を無視するように、別のドーパントは手を翳してくる。

しかし、何の効果も無いのでそのままブレードを振るが、紫米島を抱えて後ろに下がられたため空振りに終わる。

 

「何のつもりだ!水島!」

紫米島はその行為を咎めるように水島と呼ぶドーパントに問いかける。

「俺が"命令"したんだ。」

後ろにいた獅子神がそう告げた。

「もうアクセルの力も分かった。これ以上の戦いは意味がない。」

「ふざけるなっ!これは俺の戦.....」

紫米島はそれ以上話せなかった。何故なら頭部を捕まれたからだ。

ドーパントであるにも関わらずミシミシと頭の骨が軋む音が聞こえる。

「俺はお前らに"自由"は許したが"反抗"は許してない。

俺の命令が聞けないのか?」

そう言いながら獅子神は照井に顔を向ける。

 

「それにしても面白い人間もいたもんだ。"シープ"の催眠波を受け付けない奴がいるとは....」

「どういう事だ?」

「この男が使っているシープメモリには相手を眠らせる力があるんだよ。」

 

「!!....まさか、護送車を襲ったのは貴様か!」

その問いに獅子神が変わりに答える。

「あぁ、その通りだ。」

「貴様ぁぁぁ!」

照井は怒りのままエンジンブレードを握りマキシマムを発動する。

 

「ENGINE MAXIMUMDRIVE」

照井はエンジンブレードで水島に「A」の文字を刻んだ。

しかし、水島にダメージはない。

「ならば、これならどうだ。」

 

「ACCEL MAXIMUMDRIVE」

照井の回し蹴りがまた直撃するがダメージはない。

「どういう事だ?」

その問いに水島は答えること無く、自身に蹴りを入れた形で止まっている足を握ると投げ飛ばした。

コンクリートの地面を数度跳ねると照井の変身が解除される。

「ぐっ.....あ....」

 

前の怪我も治らない中での戦闘で、照井の身体は限界を迎えていた。

相手を睨むことしかもう出来ない。

 

 

照井のリベンジは呆気ない最後を迎えた。

そして、獅子神が飽きたように告げた。

「もういい、つまらん。

"殺せ"!」

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