もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第六十一話 溶かすI/巨悪を食らう悪

レストランの一角で冴子と若菜そしてサラはある男を待っていた。

風都を恐怖に沈めた連続殺人犯を.....

勿論、普通の犯罪者ではない。ガイアメモリを使い、まだ捕まってすらいないそんな男だ。

 

「失礼...お待たせしてしまいましたかな?」

黒いハットとスーツを着た男が三人に告げた。

「いいえ、時間通りよ。

今回は来てくださり嬉しいわ...なんとお呼びすれば良いかしら?」

その問いに男は答える。

 

「"井坂"で構いませんよ。」

席に着くと井坂はウェイターを呼び注文を取り始めた。

そのあまりの量にウェイターも驚いている。

ウェイターが席を離れると冴子が話し始めた。

「そんなに頼んで宜しいのですか?」

「構いませんよ....と言うよりそれだけ食べないと"身体が持たない"んですよ。」

「メモリの副作用ですか?」

サラがそう尋ねる。

「えぇ、その通りです。

失礼ですが貴女は?他の方は顔を見たことがありますが貴女はありませんので」

 

「失礼しました。

ミュージアム幹部のサラです。

今回は冴子様と若菜様の付き添いで来ております。」

「そうでしたか....と言うと貴女もメモリを?」

「えぇ、一応。」

「ドライバーを使ってですか?」

井坂の問いにサラは疑問に思う。

「そうですが何か問題でも?」

 

「いや、私の持論なんですがね。

ガイアメモリは"毒素を受け入れてこそ強く"なる。

その毒素を排除するなんて馬鹿馬鹿しい事をするものだと思いまして.....」

「随分な言い草ね。」

その言葉に若菜が反論する。

すると、井坂は手首を出して付いているコネクターを見せた。

「これって!"初期型のコネクター"じゃない!」

サラがそう言うと井坂は肯定する。

「最近、巷で流行っている新しいコネクターは毒素の浄化率が高すぎるんですよ。

あれでは毒素を取り込めなくなってしまう。

それは勿体ない。」

 

「やはり、貴方は中々に狂ってるわね。」

その行動を冴子がそう言い表した。

「否定はしませんよ。

私ほどガイアメモリを愛している人間はいませんから、

だからこそ新型のコネクターが来た時は胸が踊ったのですが...蓋を開ければ安全性が強化された"だけ"ですからねガッカリですよ。」

「それで、今回の話とは一体?」

 

そう尋ねる井坂に冴子が答えた。

「最近、風都で起こっている連続凍結事件を聞いて貴方がまた動き出したと思ったのよ。

その真実を確かめに来たと言った所かしら。」

「ほぅ、ご期待に添えず申し訳ないがあれは私ではありません。

片平 清(かたひら きよし)と言う青年ですよ。」

「知っているの?」

「えぇ、私の"シンパ"から情報が来まして、彼にあるものをプレゼントしたんですよ。」

 

「あるもの?」

「最近、天ノ川地区で流行っていた"エンゼルビゼラ"という薬ですよ。

ご存じでしょう。」

「えぇ、あの失敗作の事ね。」

「失敗作?とんでもない!

あれは用法用量を守ればドーパントの力を強化してくれるサプリメントですよ。」

 

「サプリメント?」

「えぇ、毒素を増やし痛覚を麻痺させる。

依存性や多幸感と言う下らない物が無ければ一級品ですよあれは」

「井坂さんも使ったんですか?」

「当然でしょう、医師なのですから処方する薬の事は知ってないといけませんからね。」

 

「"ドーパント専門の医者"...その噂も本当みたいね。」

「えぇ、何人も見てきましたし強くもしてきましたよ。」

 

「じゃあ、その片平って人も?」

 

 

 

「えぇ、とっくに"診察済み"です。」

 

 

 

照井は片平真紀子を狙うため息子である片平清を張り込んでいた。

そして、公園で二人が揉めていると息子はその場を後にしてしまった。

(メモリの事がバレて愛想をつかされたか...哀れな。)

照井はドライバーを付けるとアクセルに変身した。

 

 

翔太郎とフィリップは片平真紀子を探し情報屋のウォッチャマンから話を聞いた公園に着くとアクセルが既に真紀子の元に向かっていた。

真紀子に振り下ろされるエンジンブレードをファングメモリが阻止する。

「よくやったファング。」

「君までも俺を...」

真紀子はその隙に逃亡し、それを照井が追おうとするが

「待て照井!」

「左っ!またしても貴様か!」

 

立ち塞がった翔太郎に容赦なく剣をふるう。

その攻撃を回避しているが落ち着く素振りが無いことが分かると翔太郎はドライバーを付けた。

「翔太郎...僕が相手をする。

彼とは僕の方が相性がいい。」

そう言うとフィリップはファングメモリを展開する。

「あぁ、頼んだぜフィリップ。」

 

FANG,JOKER(ファング、ジョーカー)

『「変身」』

 

ジョーカーメモリがフィリップ側のドライバーに転送されるとファングメモリを挿してドライバーを展開した。

 

仮面ライダーWファングジョーカー。

Wの新しいフォームでフィリップの肉体を使って変身する亜種のような形態だった。

 

怒りに任せた照井の攻撃をフィリップは的確に捌いていく。

「俺の邪魔をするなっ!」

埒の明かない照井はエンジンブレードにメモリを装填する。

「JET」

照井はエネルギー弾放つが、今のWは全てのフォームの中で一番機動力の高いファングジョーカーであるので的確に回避されると接近されて殴られてしまう。

「ELECTRONIC」

しかし、今度は帯電能力を使い接近してきたWの攻撃を受け止めて痺れた所を斬り付けた。

 

吹き飛ばされるWだが、直ぐに起き上がるとファングメモリの角部分を二回弾く。

SHOULDER FANG(ショルダーファング)

Wの肩に一本の牙が生えるとそれを外し照井に投擲した。

牙は照井の周囲を回りながら当たりエンジンブレードを叩き落とす。

そのチャンスにWが後ろから照井を羽交い締めにする。

 

「離せ!俺は法の番人として当然の事をしているだけだっ!」

その言葉をフィリップが否定した。

「君の行為は法に則った物じゃない。

個人的な......"復讐"だ!」

 

「.....調べたのか。」

突如、照井は大人しくなり両名とも変身解除を行った意識を取り戻した翔太郎が呟く。

「復讐だって?」

 

そうして、フィリップが検索した彼の素性を語った。

数年前にドーパントにより家族を殺されたこと....

そして、その事件が氷のドーパントにより行われた事を

そこで、照井はフィリップの胸ぐらを掴み吠える。

「貴様に何が分かる?

"俺の心の叫び"も検索できるのかっ!」

「いや、人の心は検索できない。

だから教えてくれ、君の身に起こったことを。

だって、それを解決するのが依頼だった筈だろ?」

 

そこで、照井は初めて自分の過去を人に話す。

自分が復讐者となりシュラウド会いアクセルの力を手に入れたことも....

「それがお前(照井)ビギンズナイト(始まり)

「俺は片平真紀子を消す....貴様らに俺を止める資格はない。」

 

そう言って片平真紀子を追いかけようとする照井を翔太郎が止める。

「照井....お前の怒りは確かに伝わった。

けどな、そのせいでお前は間違った人間を殺すところだったんだぞ!」

「....何だと?」

そこで翔太郎は驚きの言葉を照井に告げた。

 

 

「犯人は片平真紀子じゃない。」




Another side

青年は心を病んでいた。
メモリの副作用もあるのだろうが原因はこの薬だ。
"エンゼルビゼラ"と言う薬を先生が調合し直した物を青年は服用している。

これを使うとイライラが取れてスッキリするしメモリを使った時も力が増すのだ。
ガイアメモリを買ってから紹介された。
ドーパント専門の医者と言うだけはあり俺の身体がベストコンディションになるよう調整してくれた。

....あぁ、ダメだまたムカついてきた。
思い出すのはあの"探偵の男"。
帽子被って気取ってる奴に俺は突き飛ばされた。
生意気に....ムカつく。
俺は懐から先生に処方されたサプリを取り出すと飲み込んだ。

あぁ、これだこれ....イライラが治まっていく。
それにこれのお陰で俺はドンドン強くなれるまさに一石二鳥だ。

後はアイスエイジメモリを取り返せば全て上手く行く。
俺は母さんを電話で呼び出した。
直ぐ来るだろう....母さんは俺を愛してくれている。

そしたら、メモリを取り返して




氷漬け(殺してやる)にしてやる。

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