もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第六十五話 真実のL/我が儘なお嬢様

井坂と別れた幹部三人は結果を琉兵衛に報告すると、

皆、自分の持ち場に戻っていったのだが僕はそれが出来なかった...何故かと言うと

 

「ちょっと無名!ちゃんと持ちなさいよ!」

若菜ちゃんの荷物運びをさせられているからだ。

仕事が終わったところで、若菜から携帯に連絡がかかってきた。

内容はちょっとした買い物がしたいから手伝って欲しいというもので、僕はそれならと安請け合いしてしまった。

全国のカップルの気持ちが分かった気分だ。

両手が荷物でふさがり前すら見えない状況である僕を若菜ちゃんは見て笑う。

 

「あんた荷物持つの下手ね。」

「申し訳ありません若菜様。」

これに関して上手い下手はあるのかと思ったが素直に謝罪した。

しかし、その言い方が気にいらなかったのか詰め寄ってくる。

「無名、ここはプライベートなの。そんな仰々しい呼び方はしないで」

「申....すまない若菜さん。これで良いだろうか?」

「ちょっと他人行儀だけどまぁ良いわ。

.....あ!あそこのブランド新作が出てるわ。

無名行くわよ!」

そう言ってまたお店に入っていく。

 

(仮面ライダーを相手にしている方がまだ楽ですねこれは)

そう思いながらも若菜ちゃんの後ろをついていく無名だった。

 

 

 

(俺はどうすれば良い?)

照井は一人項垂れていた。

家族の仇であるメモリが分かり進展したかと思ったが犯人が1000人単位の人間を殺している大量殺戮者だという真実も知ってしまった。

故にフィリップの言い分は理解できる。

 

これ程の相手ならば尚更、共闘すべきだろう。

だが、それでは俺の復讐はどうなる?

左やフィリップと共に倒して復讐を行えたと本気で思えるのか?

答えの出ない悩みに頭が一杯になっていた照井は目の前で言われた言葉を聞き逃した。

「危ない!」

「ん?」

気付いた時、照井の前には大量の荷物が雪崩の様に降ってくるのだった。

 

「本当に大丈夫ですか?怪我はしてませんか?」

「いいや、問題ないありがとう。」

青年は心配そうに照井に謝っている。

元々、俺の不注意なので気にしなくて良いと言ったのだが、それでは申し訳ないとお詫びとしてコーヒーを奢って貰い二人でカフェに来ていた。

 

「君こそ大丈夫なのか?彼女を待たせておいて」

荷物を見ながら照井が言う。

女物のブランドばかり...どう考えてもこの青年が使うものではない。

「あー、彼女じゃないんです。"親戚のお姉ちゃん"みたいな感じでして....」

「成る程、それで荷物持ちにさせられた訳だな。」

 

照井にも覚えがある。

春子が生きていた頃、よく買い物に付き合わされた。

「あー、それに今どうやらテレビでやっている"番組"に夢中みたいで、僕は放置されてます。」

「何と言うか不憫だな。」

「まぁ、馴れてますから」

そう言う青年に興味が湧いた照井は1つ聞いてみることにした。

 

「なぁ、1つ相談しても良いか?」

自分でも何故、こんなことを言ったのか解らないがその青年は快く引き受けてくれた。

「もしどうしても許せない相手が自分よりも強大な力を持っていて、仲間と協力しなきゃ倒せないと知ったら君はどうする?」

青年は少し考えると答えた。

そして、その答えに照井は胸のつかえが取れたような気がした。

 

 

 

まさか、照井竜とここで会うとは思わなかった。

無名は相談を受けながらも動揺を表に出さないようにしていた。

すると、電話がかかってくる。

電話に出るとそれは若菜からだった。

「はい、どうしました?」

「直ぐに帰るわよ!準備してっ!」

「どっ....どうしたんですか一体?」

「早くしなさい!荷物を置いたらテレビ局に抗議に行くのよ!」

「は?」

どうやら、若菜は何かにブチキレているようで話が通じなかった。

 

僕は照井に直ぐに出ることを伝えると

「分かった。相談に乗ってくれてありがとう。」

そう言われ僕は若菜と合流するのだった。

 

 

 

「"フーティックアイドル"?」

「そうよ、あの審査員の奴ら、フィリップの歌をあんなクソの歌よりも下手だって言ったのよ!

許せないわっ!」

(あー、ライアードーパントの一件か)

しかし、照井がここにいたと言うことはこのストーリーには参加しないのか?

そう思い照井のいたカフェを見るといなくなっていた。

恐らく、連絡を受けて向かったのだろう。

 

「ちょっと!聞いてるの無名!」

「はい、聞いてます。

それで若菜様はこの一件がドーパントの仕業だと?」

「絶対そうに決まってるわっ!

きっと嘘を吹き込むメモリか何かよ!

出なきゃフィリップ君の歌があんなヘボに....ヘボに」

 

(メモリまで当てるとは....女の勘って恐ろしい。)

「では、僕はそのドーパントを見つければ良いのですか?」

「えぇ、そうよ。

見つけ出して何でそんなことしたのか聞き出してやる!」

「.....はぁ、分かりました。

では調べてきます。」

そう言って電話を切ろうとすると若菜は続けた。

 

「待ちなさい!やっぱり一人では不安ね。

そうだわ!"獅子神"を連れていきなさい。

二人で協力して捕まえるの!良いわね!」

「......はぁ?」

あまりのナンセンスな提案に素の声が漏れるが、それが聞かれる前に電話が切られるのだった。




Another side

部下の真倉から連絡を受けた照井は現場に向かっていた。
考え事がしたくて現場近くのショッピングモールにいたのだ。
その間の監視は真倉に頼んでいた。

"電波塔の道化師"...正体不明の詐欺師として最近風都を騒がせている。
ソイツが視聴者参加型番組、フーティックアイドルに現れる情報を得て張り込みを行っていた。

真倉から連絡を受けて会場に行くとブーイングが起こっていた。
どうやら左達の歌よりもジミーと言う奴の歌を評価している審査員を非難しているらしい。

照井は周りを見てみると照明を動かすフロアに謎の怪人を見つけた。
「見つけたぞ。」
「あらら見つかっちゃったか。」
そう言っておどけながら怪人...ライアードーパントは逃走を図り照井もそれを追った。

外まで出ると照井はアクセルに変身しドーパントに攻撃を仕掛ける。
どうやら、戦闘能力は低いのかろくな反撃も出来ないでいた。

「君、強いねぇ。
僕のハートがキュンキュンしてるよぉ。」
「ふざけているのか貴様は」
「でも"その剣じゃ俺を傷つけられないぞ"。」
そう言って飛ばしてきた針を照井はブレードで受ける。
「試してみるか?」

「ENGINE MAXIMUMDRIVE」

エンジンブレードによる斬撃がドーパントを捕らえて爆発する。
「ぐはぁ!"私のメモリがバラバラに"」
最後の悪足掻きか吐き出した針を防御する。
爆発が止むと地面に落ちていた砕けたメモリを見つける。
「本体は逃げたのか一体何者だったんだ。」
照井は砕けたメモリをハンカチで掴む。
「これでもう悪事は出来んがな。」
そう言うと照井はその場を後にするのだった。



そして、この数時間後、照井はライアードーパントに騙されそれを翔太郎に小馬鹿にされた怒りで翔太郎の頭にアイアンクローをくわえることになる。

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