ライアードーパントを取り逃がした。
無名は今、とても憂鬱な気分となっていた。
何故なら、隣でブチキレ寸前な獅子神の相手をしなければいけないからだ。
「弱小メモリの分際でこの俺を虚仮にしやがって....」
Wの活躍により正気を取り戻した獅子神を連れて僕は彼らの前から逃走した。
そして、冷静になった獅子神は自分がライアードーパントに利用されたのだと気づき、それからずっとこんな調子でキレ続けている。
時限爆弾の側でくつろげと言われてるような気分の悪さを無名は味わいながらも、レオメモリの弱点について考えていた。
(まさか、獅子神が精神攻撃系メモリにここまで弱いなんて....)
獅子神のメモリは自尊心によりメモリの力を強化するもので、自分が効かないと思えた攻撃は効かなくなる。
だが、裏を返せばそう思う前に受けた攻撃の影響は容赦なく受けてしまうのだ。
今までそんな欠点に気付けなかったのは本人の強さもそうだが、メモリの強力さに目が行きすぎてしまったからだ。
だからこそ、弱点に気付けなかった。
そう言う意味ではあのドーパントには感謝するべきなのだが、当の獅子神はそんな事を考えられる余裕はない。
「それで、これからどうするんですか獅子神?」
「俺にくだらねぇ質問をしてんじゃねーよ。
決まってるだろ、奴を殺す。」
「まぁ、そこは正直どうでも良いですがあのドーパントは仮面ライダーも追っているようでしたし、またぶつかるのは得策とは思えませんね。」
「あ?てとこはお前は俺に虚仮にされたまま黙ってって言うのか?」
「そんなことは言ってません。
ただ、あのドーパントを仕留めたいのならそちらも骨を折っていただきたい....そう言う話です。」
「良いだろう、何がいるんだ?」
「紫米島さんか白爪さんをお借りできませんか?」
「紫米島は無理だ....天ノ川地区に戻ってもらってる。
いるのは白爪だけだな。」
「では白爪さんをお借りします。」
「何をするつもりだ?」
獅子神の問いに無名は答える。
「仮面ライダーを騙します。」
"電波塔の道化師"本名"沢田さちお"は何時ものようにラジオをつけて園咲若菜のヒーリングプリンセスを聞いていた。
そんな中、驚くべき事を若菜姫が言った。
「電波塔の道化師と会えることになった。」と言うのである。
しかし、俺はそんな約束を取り付けてはいない。
きっと、若菜姫に会いたいどっかのファンが俺のフリをしたんだろう。
「許せない....」
そう言うとさちおは偽の電波塔の道化師と落ち合う場所へ向かいメモリを起動する。
「
そして首のコネクタにメモリを挿し込むとライアードーパントに変身し隠れながら会場に入るのだった。
そこで現れた電波塔の道化師は本人とかけ離れた格好をしていた。
全身黒タイツに金色のラメが入ったパンツとスポーツブラ、ピンクのフリフリを手に着けて頭には鷲の被り物をしていた。
顔のメイクは明らかにバカっぽかった。
(何だあのアホな姿は.....)
そんな中、電波塔の道化師が若菜姫に向かって話し始める。
「やぁ、ぼくが♪でんぱとうの♪どうけしだよん!」
「かなえたい♪ゆめは♪なにかな?。ぜーんぶかなえてあげるよっ♪」
「ししゅうもあげるよ♪ぜーんぜん♪うれてないんだけどね♪」
(こっ、この野郎!)
自分の偽物のアホな姿に耐え兼ねたライアードーパントは彼らの前に現れた。
「いい加減にしろっ!あんな詩集でもな、一生懸命書いたんだよっ!
若菜姫、違うんだ私こそが本物の電波塔の道化師なんだ。」
「はん!ようやく姿を現したかこの詐欺師野郎!」
そう偽物が言うと頭についていた鷹をライアードーパントに投げつける。
そして顔の化粧をとるとそこには沢田を疑っていた翔太郎の顔があった。
そして、照井と亜樹子、最後に若菜に成り済ましたフィリップも姿を現す。
自分が騙された知って憤慨するがそんな事をしてる暇はない。
何故なら、これからWサイクロンジョーカーとアクセルを相手に逃げなければならないのだから.....
狭い会場だと不利と考えビルの屋上にまで出たライアードーパントは嘘の針を2人のライダーに撃ち出す。
しかし、能力が看破されているので照井がエンジンブレードで全て弾いてしまった。
その隙にWがライアードーパントを殴りアクセルも加わろうとするが謎のドーパントに行く手をはばまれる。
「貴様!何者だ!」
その問いにドーパントは答える。
「気にしないでください。
私は貴方の足止めを頼まれただけですので...」
その声を聞いたアクセルはその男について思い出す。
「お前は、リッパードーパントと共にいた奴だな。
何故、お前がここにいる?」
「答える義理は無い....さぁ始めましょうか。」
そう言うと腕の武器が唸りをあげてアクセルに襲いかかるのだった。
そしてWの方にもまた乱入者が現れていた。
ライアードーパントに攻撃をしている最中、何かが投げ込まれ爆発した。
ダメージは無かったがその爆発で煙が充満する。
ライアードーパントはそれに驚き腰を抜かしていた。
「うわっ!何だこれ?どっからだ!」
『後ろだ!翔太郎。』
そう言われ振り返ると薄紫の花と赤と黒のコードで覆われた腕を持ったドーパントが立っていた。
「テメェは何者だ?」
翔太郎の問いにドーパントが答える。
「私はとある方からそこで腰を抜かしているドーパントを連れてこいと命令を受けていてね。
風都の仮面ライダー....どうかな?彼を私に渡してくれないか?」
丁寧に狙いが沢田だとそのドーパントは教えてくれた。
「ふざけんな、そんな事許すわけ無いだろう!」
そんな話をして両者が睨み合っているとライアードーパントが逃走するためビルから飛び降りた。
それを見た先程のドーパントも同じ様に飛び降りる。
「しまった!」
このままでは沢田を確保されると思った翔太郎は1つの賭けに出る。
「フィリップ!マキシマムであのドーパントを攻撃して沢田を捕まえるぞ!」
『先にダメージを与えておくと言うことか?』
「あぁ、沢田には戦闘能力はない。あの能力さえ気を付ければ捕まえるのは簡単だろ。」
『分かった君の作戦に乗ろう』
「JOKER MAXIMUMDRIVE」
翔太郎がマキシマムスロットにジョーカーメモリを装填するとビルを飛び降りながら照準をつけて必殺の蹴りを放った。
「
翔太郎とフィリップ二人の必殺キックが放たれる。
しかし、その一撃は"ライアードーパント"に直撃するのだった。
『「何っ?」』
二人とも自分のした光景に驚く。
そして、メモリブレイクされ落下する沢田を謎のドーパントがキャッチすると彼を連れて何処かへ消え去るのだった。
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