三体の進化体ロイミュードを前にした克己達は、連携しようとするがその前にハートとブレンに近付かれ別の場所へ連れていかれてしまった。
「克己っ!」
ミーナが克己を追おうとするがメディックによりその動きは阻まれる。
「貴方達の相手はこの私です。」
そうしてミーナとクオークスはメディックと対峙することになった。
蛮野はコピーロイミュードを通して見る映像を確認し、自分の計画が全て想像通りに進んでいることに気分を良くしていた。
「見たかっ!天才の私にかかればこの様な事は造作もなく出来るのだぁ!」
始まりはメイカーを支配下に入れることから始めた。
やり方はロイミュード用に開発していた人工知能であるNo,001"フリーズ"をメイカーのメインシステムに送り込みそこから伝播し意志決定思考を奪い取った。
これによりフリーズが命令すればメイカーはどんな物でも開発することが出来るようになった。
それを使い私の考え出したロイミュードを作ることを命じると、メイカーは私の考えた通りのアンドロイドを作り出してくれた。
『蛮野様、試作型ロイミュード三機が完成いたしました。』
権限を奪い取ったフリーズがそう言った。
「結構、では次にハート、ブレン、メディックの人格データと成長に必要なデータを詰めたガイアメモリを作り上げろ。
それと平行して試作型ロイミュードの稼働テストをデータ内で行い、改良したロイミュードを一機、そして廉価版のロイミュードを大量に作り上げろ。」
『そうなりますと私だけの拡張思考では処理容量が足りません。』
「メイカーに命令を出して作らせろ。
どうせ意志決定思考は奪い取っているんだ、余計なことは出来まい。」
『承知しましたメイカーへのデータ共有を許可。
ガイアメモリ製作、改良型ロイミュード開発の一部を委託します。』
「宜しい、終わったら連絡しろ。」
蛮野は自分の思いどおりに全ての事が運び、そして予定よりも早くロイミュードが製作できる環境を手に入れたことに歓喜していた。
蛮野は確かにロイミュードの設計者であるが生産者ではない。
どのパーツをどのように生産したら効率が良いか等は完全なる専門外だった。
だが、ミュージアムの開発したメイカーは素晴らしい道具だ。
ガイアメモリの製作風景を見させて貰ったが、あれにも相当高度なテクノロジーとデータが使われているのだろう。
密閉された空間にGマイクロ波を使う関係上、簡単には量産できない。
だが、メイカーはそんなガイアメモリを簡単に製作し量産して見せたのだ。
そして、今それをロイミュードの開発に割り当てている。
『失礼します蛮野様、ハート、ブレン、メディックのガイアメモリの製作が完了いたしました。
こちらにお持ちしますか?』
「持ってこい。」
すると、マジックハンドが三本のメモリを掴むと研究室まで搬送され蛮野の手元にマジックハンドで下ろされた。
(素晴らしい.....製作を命令してからまだ1時間も経っていないのにメモリが三本完成したとは)
蛮野の前にイニシャルが「H」の赤いメモリと緑色で「B」と書かれたメモリそして白色で「M」と書かれたメモリが現れる。
それを、ハート、ブレン、メディックの人格データが入った三体のロイミュードに渡す。
「お前達はこれを使って克己とミーナとか言う女がいる研究所を襲え。
全員殺して構わん。」
『承知いたしました蛮野様。』
ハートがそう言うと部屋を出ていった。
素晴らしい.....あぁ、なんて素晴らしい光景だ。
全てが私の思い描いた通りに動いていく。
そうだ、これこそが正しい姿なのだ。
世界を導く存在である蛮野天十郎がこんなちんけな存在であるわけがない。
皆が私に跪き頭を垂れる.....これこそが正常な世界のあり方なのだ。
そして、私は愚かにもノコノコやってきた無名を見つめる。
コイツは私の偉大さを知りながら死ぬのだ。
そして、地獄で後悔することだろう私に痛みを与えたことを.....
コピーロイミュードがNEVERと無名を見つけたのを映像ごしに見ていた私は、無名を射殺するように指示を出す。
まぁ、NEVERの者に防がれたが構わない。
さぁ、ここまで来ると良い。
それが貴様の最後だ......
蛮野はその光景を想像しながら笑顔で状況を見続けるのだった。
そして、無名とNEVERがコピーロイミュードと対峙した場面に戻る。
重加速によりまともに動けないNEVERと違い、無名はデーモンメモリのハイドープになった能力として"自分にかかる事象を消すことが出来る力"を得ていた。
これにより重加速の空間でも普通に動くことが出来た。
しかし、コピーロイミュードにとってそんな事は関係ない。何故なら彼らに自我はなく、命令されたことを実行するだけの操り人形だからだ。
蛮野の命令通り、研究所に近付く者を殺そうと重加速の中で銃を無名たちに向ける。
しかし、コピーロイミュードが弾を撃つことはなかった。
何故なら、その前に頭に風穴を開けられたのだから....
そのおかげで重加速が解ける。
そして、そこへドーパント体になった黒岩がやってきた。
「成る程、ロボットと言えど頭を撃ち抜けば止まるのか。」
「正確にはロボットではなくアンドロイドだがな。」
そう言いながら本を携えた男が無名の元に現れた。
「相変わらず良い腕ですね黒岩さん....それに
そう無名が告げると赤矢が答える。
「仮にも黒岩と私は"君の部下"だからな。
呼ばれたら来ないわけにはいかないだろう。」
「どっ....どう言うことなの?」
京水の問いに無名はタブレットに文字を書いて答えた。
『用心のためにこちらに書きますが僕は今回の蛮野の襲撃を知っていました。
だからこそ、準備しておいたんですよ。』
何故、無名が筆談での会話を選んだのか察しの良い京水と芦原は理解した。
"会話が聞かれている".....
京水がハンドジャスチャーでその旨を伝えると皆、その事実を理解する。
「単なる護衛ですよ。この二人が僕の最大戦力です。」
『蛮野の作戦は知っています。
だからこそ、暫くあの男の思い通りに動かします。』
口では嘘を話し、筆談で真実を伝えるという器用な行動を無名は行う。
「NEVERの皆さんは私と一緒に研究所に向かいましょう。」
『皆さんは克己さんとクオークス達と合流してください。
蛮野の方は僕達が処理します。』
「分かったわ任せて頂戴。」
京水達がそう答えるとお互いに動き始めるのだった。
その会話を破壊されたコピーロイミュードから蛮野も聞いていた。
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