無名はデーモンメモリを使いドーパントになると邪魔をしてくるコピーロイミュードを黒炎で消しながら研究所を進んでいった。
(研究所の守りが薄い....恐らくハート達が上手く動いてくれたんでしょうね。)
そう思っていると蛮野が唐突に現れた。
「どうも、蛮野博士。
思ったよりも遅い登場ですね。」
その無名の問いに対して蛮野は答えた。
「よく言うだろう?
主役は遅れてやってくると.....」
「クリムに電話をしたら私の事を完全に忘れていた。
これはどう言うことだ?」
「おや?忘れたのですか。
ディガルコーポレーションで話した時に約束したじゃありませんか。」
「ふざけるなっ!口約束で本当に記憶を無くすことがあってたまるかっ!」
「ふふふっ、そもそもその口約束で我々を利用しようとしたのは貴方でしょう?
それに裏切らなければクリムが記憶を失うことはありませんでした。
.....全ては」
「貴方の幼稚な行動が招いた結果ですよ。」
無名の言葉に蛮野は怒りを露にした。
「ふざけるなぁあ!私は天才なのだ。
凡人である貴様らは私に利用されることに感謝していれば良いのだ!
それなのに私に刃向かい愚かにもこんな事をするとは....
偉大なる私に対する冒涜だぁぁぁ!」
("偉大なる"....ですか。)
無名はその言葉が"最も似合う人物"と常に対峙している。
その影響もあり蛮野の言葉がまるで三流コントの様にしか聞こえなかった。
園咲 琉兵衛と蛮野 天十郎。お互いに仮面ライダーのラスボスを担当してはいるが、両者には圧倒的な違いがある。
琉兵衛は人類の未来のため悪になったが、蛮野は私利私欲で人類に脅威を及ぼした。
犯罪のスケールが違いすぎる。
「やはり、"お前では役者不足"だな。」
無名が蛮野をそう評する。
「何だと?」
「いえ、端役である貴方にはそろそろ退場して貰おう。
そう考えただけですよ。」
そう言って無名が動こうとするのを一体のロイミュードが止めた。
『蛮野様の邪魔はさせない。』
「遅いぞフリーズ!早く無名を殺せ!」
そう、蛮野が命令するとその場を後にした。
「フリーズ....確かメイカーを操作していたAIでしたか?」
そう言うとロイミュードは一本のメモリを取り出す。
そして、メモリを起動した。
「
メモリを身体に挿すと身体が変化し巨大化していく。
「メイカーは"ブラキオサウルスを選び"ましたか。」
そう言うと屋敷の通路を破壊してフリーズはブラキオサウルスドーパントへと変身した。
空を飛びながら無名はその姿を確認する。
(これは少し骨が折れそうだ。)
そう思うと黒岩に連絡し、自分が行う筈だった仕事を彼等に頼むのだった。
蛮野は巨大化するフリーズの余波で崩壊する研究所から何とか脱出した。
地下にあるメイカー本体は無事だろうが、ここはもう駄目だろう。
(生き残るためにも逃げなければ....)
そう考えて動こうとするのを一人の男に阻まれた。
「なっ...何者だ貴様は?」
「私の名前は赤矢だがそんな事はどうでも良いだろう。
重要なのは...」
「君がこの後どうなるかだ。」
そう言うと赤矢はメモリを起動した。
「
そしてメモリを鎖骨に挿すとドーパントへと変身した。
そして、右腕に追加でメモリを挿す。
「
すると右腕がコードによりグルグルに巻かれた。
そして、右腕で長方形の箱を作り出すと蛮野に向かって投げた。
「プレゼントだ受け取れ。」
それを蛮野は回避するが突如、爆発し白い煙が辺りに立ち込めた。
「ぶほっ!...何なのだ...これ...は....え...?」
爆発の煙を吸った蛮野の顔が緩まり身体がふらつき始めた。
「朝鮮アサガオと言う品種にはヒオスチアミンやスコポラミンと言った幻覚作用を及ぼす成分が含まれている。
それを調整すれば意識を混濁させて眠るように相手を操作できる。
丁度、今の君みたいにね。」
「わ....は....へ?」
蛮野は何か言いたいのだろうが口が回らず意識もどんどんと薄れていった。
「安心しろ、死ぬ程の濃度にはしていない。
精々、1時間程度意識を失うだけだ。
最も、その後も君が生きていられる保証はないがね。」
すると、蛮野は地面に倒れて意識を失った。
赤矢はそれを確認すると遠くにいた黒岩に通信する。
「終わった。
無名から頼まれた道具を着けるとしようか。」
「了解した....それにしても恐ろしい能力だな。
これならWが幻覚に引っ掛かるのも頷ける。」
そう、赤矢のこの能力は霧彦とライアードーパントの時にも使われていた。
「いや、彼等はそこで倒れている男と違って苦労したんだぞ?
二人ともドーパントになっている分、生半可な幻覚剤では効かないだろうからね。」
「まぁ良い、今はそんな事よりも無名から言われた命令を遂行するとしよう。」
そう言うと赤矢は蛮野を背負い黒岩の元へと向かうのだった。
Another side
巨大な怪物を見つめるハートは状況が理解できないでいた。
『あれは一体何なのだ?』
「恐らくはガイアメモリの力だろうな。」
その光景を見ている克己はそう言った。
『ガイアメモリ....俺達のデータが保管されているこのメモリにはそんな力もあるのか?』
ハートは胸に手を当てながら言った。
「地球の記憶を封じ込めた道具だ。
どんな姿になっても不思議じゃない...無名だってそのメモリを使うんだぞ?」
克己の言葉にハートは更に驚いた。
(こんなものがこの世界には存在するのか。)
そうしているとブレンが急に地面に倒れた。
『どうしたブレン!』
『あっ....悪魔が!悪魔がいます。』
そうしてブレンが指を指す方向をハートは見る。
そこには黒い翼をはためかせて空を飛ぶ角を持った怪物が写っていた。
それは正しく悪魔と呼ぶに相応しい姿で絵でしか見たことの無かったブレンやハートに取って驚くべき事実だった。
「だから言っただろう?」
克己は笑いながら言った。
「
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