井坂内科医院で診察台に横たわった、透明化しているリリィを井坂は診察していた。
ドーパント化した身体を入念に優しく触れていく。
すると、リリィの体内にあるメモリが光り出す。
その姿を冴子は苛立ちの目で見ていた。
そして、後ろから見られている井坂が言った。
「これは診察ですよ冴子くん。
彼女のメモリを正常に動作させるためのね。」
「インビジブルなんて弱いメモリを使っているこの女を私よりも優先させるのね。」
「.....今はね。」
その井坂の言い方に腹が立った冴子は病院のペンケースを持つとリリィに投げつけた。
「痛っ!」
そして冴子は診察室のカーテンの中に行ってしまった。
それを微笑みながら見た井坂は処置を止めた。
「さぁ、終わりましたよ。
これで自由に変身できる筈です。」
リリィが指を鳴らすと身体が現れてまた鳴らすと消えることが出来るようになった。
「凄い!ありがとうございます!」
「メモリの不調はこれで問題ありません。
体内からメモリは取り出せないままですが....まぁそれは良いでしょう。」
そして診察を終えたタイミングで照井が井坂の前に現れた。
「見つけたぞ、井坂 深紅郎。」
「私を捕まえに来たの?」
リリィはそう照井に尋ねるが、照井はリリーを見ずに答える。
「どけっ....お前に用はない。」
そう言われるとリリィは指を鳴らし姿を消すと診察室から逃げていった。
「やれやれ...この病院ともお別れですか。
多少なりとも思い出があったのですがねぇ。
それにしても良く私の病院が分かりましたね。
蛙の子は蛙...と言った所でしょうか。」
「何故、お前は俺の名前を知っていた?」
「あぁ、貴方の家族を氷漬けにする時に照井雄治がずっと呼んでいたんですよ"竜...竜"とね。」
「照井雄治は私のメモリ犯罪を追っている刑事でした。
優秀だった彼は私の事も直ぐに調べあげましたよ。」
「だから、邪魔になって殺したと?」
「そう言いたいところですが実を言うと誰でも良かったんです。
ガイアメモリの力を試せるのなら誰でもね。
彼の住所を知っていたので押し入り家族も"ついで"に殺した。
それだけですよ。」
照井の頭の中に凍った部屋と砕けた家族が過る。
もうダメだ....限界だ。
照井はドライバーを付けるとメモリを井坂にかざす。
「覚悟しろ....俺はもう"自分を抑えられない"。」
照井はメモリをドライバーに装填しアクセルへと変身する。
井坂も同じ様にメモリを取り出す。
「自分を抑えられない?....奇遇ですね私もですよ。」
井坂はメモリを耳に挿すとウェザードーパントに変身した。
病院から出てくるリリィをデンデンセンサーを使い見つけた翔太郎はリリィに話を聞いた。
「リリィさん待ってくれ。何であんたはそんなにそのメモリにこだわっているんだ?」
「話したって無駄よ。
アンタもあの刑事とグルなんでしょ?
だから、病院に来たんじゃないの?」
「病院に?....まさか照井は井坂と会ったのか?」
「えぇ、二人とも顔を会わせて動かなくなってたけど..」
「クソッ!亜樹子、リリーさんを頼む。
俺達は照井を助けに行く。」
そう言うとドライバーを持って照井の元へ向かうのだった。
井坂と照井の戦いは圧倒的に照井が不利になっていた。
初手からマキシマムを使い攻撃をするのだが軽く耐えられてしまい、逆に竜巻による反撃を受けてダメージを負っていた。
「おやおや、だらしがないですねぇ。
そんな強さで良く私に復讐しよう等と思ったものだ。」
そう言う井坂に二つの攻撃が襲った。
「
その攻撃を井坂は両腕でガードするか拳の爆発により吹き飛ばされてしまった。
『やはり、単体のマキシマムでは効果はないか。』
その攻撃を行ったWヒートジョーカーの片割れフィリップがそう分析する。
「左っ!余計な真似をするなっ!」
Wの救援に照井は邪魔だと言う風に返す。
「うるせぇ!ボロボロな癖に意気がってんじゃねぇぞ照井っ!」
「何だと左!」
照井が立ち上がりWに詰め寄ろうとする。
「奇襲の次は喧嘩ですか....忙しい方達だ。」
そう言うと井坂は手を翳して強烈な熱波を二人に浴びせる。
照井はエンジンブレードのスチームを展開しWはヒート側を向けて耐えようとするが余りの熱量に身体が発火した。
『ぐっ!間違いない、ウェザーメモリが強化されている。ヒートでも抑えきれない』
「私も強くなっているのですよ。
では次はこちらはどうです?」
そう言うと井坂は赤色の雷撃を二人に放つ。
照井はエレクトリックを発動し、Wは防御に適したヒートメタルに変わってメタルシャフトで攻撃を防ごうとするが、二人は防御を突破されダメージを与えられてしまう。
暫くして雷撃が収まると煙を出しながら二人の仮面ライダーは倒れるのだった。
「"人とメモリは惹かれ合う"。1つの能力では満足出来ない私は多彩な能力を持つウェザーと出会いました。
しかし...."まだ足りない"!
研究の末、私はメモリの力を吸収して進化していくことが出来るようになりました。」
「そして、エンゼルビゼラと出会い吸収した力を更に強く強化出来るようになったのです。
もうすぐ透明にもなれるようになります。」
『まさか、リリー白金は!』
「そう...."実験動物"です。
彼女の身体にインビジブルメモリが残るように私が細工をしたのです。
体内にあるメモリが彼女の生命力を吸い尽くし彼女が死ぬと、私が使えるインビジブルメモリが彼女から排出される。
私はただ、それが欲しいだけなんですよ。」
「ふざけんなっ!そんな事...絶対させねぇ!」
翔太郎の言葉を井坂は否定する。
「無理ですよ。メモリブレイクしても彼女は死にますから...」
照井は無理に立ち上がるとエンジンブレードを必殺待機状態にする。
「ENGINE MAXIMUMDRIVE」
そして、アクセルドライバーのクラッチを握りこちらもマキシマムの体勢を取る。
「ACCEL MAXIMUMDRIVE」
『無茶だ、単独でもツインマキシマムは危険すぎる!』
「うぁぁぁぁぁぁ!」
照井はフィリップの忠告に構うこと無くバイクに変形すると二つのメモリの力を合わせて井坂に突進する。
しかし、巨大なマキシマムの力を制御出来ない照井はコントロールを失い、井坂を通りすぎて爆発を起こして変身が解除される。
「ふははは!無様ですね!
私に攻撃を当てることすら出来ないとは....
やはりそんな純化されたメモリとドライバーを使っているから強くなれないのですよ。」
「家族と同じ死に方をプレゼントしましょう。」
井坂はそう言うと手に冷気を溜める。
そんな姿を見ることしか出来ない照井....
「奴が....奴が目の前にいるのにぃ!
うぁぁぁぁあ!」
一筋の涙が照井の目から落ちた。
それを見た翔太郎は決心する。
彼は立ち上がるとトリガーメモリを射してヒートトリガーへと変身する。
そして、トリガーマグナムにトリガーメモリを入れる。
「TRIGGER MAXIMUMDRIVE」
「無駄ですよ、私にマキシマムは効かない」
井坂はそう言うが翔太郎にもそれは分かっていた。
そして、ドライバーからヒートメモリを抜くと腰のマキシマムスロットに装填しようとする。
『待て!何をする気だ翔太郎!
ツインマキシマムは不可能だ!照井を見ただろう!』
「もう....手はこれしかねぇんだよ!」
『止めろ....止めてくれ翔太郎ー!』
止めるフィリップの手を払いのけて翔太郎はスロットにヒートメモリを差し込んだ。
「HEAT MAXIMUMDRIVE」
「うぉぉぉぉぉぉ!」
翔太郎の身体が発火しメモリの力が強くなっていく。
それに伴いドライバーからエラー音のように声が響き渡った。
「MAXIMUMDRIVE...MAXIMUMDRIVE...MAXIMUMDRIVE...MAXIMUMDRIVE...」
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