翔太郎が捨て身の覚悟で行ったツインマキシマムは、照井の時と違い暴走せずギリギリの状態を保っていた。
そして、スロットを押し込むとトリガーマグナムを井坂に向けて放った。
巨大な炎の火球が井坂に直撃する。
それを井坂は真正面から受け止めると爆発した。
そして、Wはドライバーに火花が散ると強制的に変身解除される。
翔太郎の身体が発火によるダメージでボロボロだった。
「翔太郎くん!」
亜樹子が倒れる翔太郎を呼ぶがそれよりも恐ろしい結果が待っていた。
「ふぅ....やれやれまさか奥の手の薬をもう一度使わされるとは連続使用は控えたい薬なんですがねぇ。」
そう言いながら井坂はゆっくりと立ち上がった。
「倒せてないなんて....私聞いてない。」
そしてその光景を見ていた冴子も驚く。
「あの仮面ライダー達を全く寄せ付けないだなんて....
流石は井坂先生だわ。」
そして、井坂は仮面ライダーに近付こうとするが、地面から突如現れた黒いエネルギーに気付き警戒する。
そうしているとそこからテラードーパント...園咲 琉兵衛が現れるのだった。
「何のご用でしょう?」
井坂が琉兵衛に尋ねる。
「見て分からんかね?"お茶の誘い"だよ井坂くん。」
「ふむ....それは光栄です御供しましょう。」
そう言うと井坂と琉兵衛は黒いエネルギーに呑み込まれて姿を消した。
そして冴子もその場を後にするのだった。
井坂がいなくなると亜樹子はボロボロの翔太郎に近付くと身体を支えた。
「何でこんな無茶したのよ!」
「照井の泣き顔を見てたら...身体が勝手に動いちまってさ....こいつも今じゃ立派な俺達の仲間だからよ。」
そう言う翔太郎を照井はきつく突き放す。
「自業自得だ....これは俺の復讐だ。分かっているだろう。」
「ははっ...後は頼んだぜ照井。
リリィの事も助けてやんなきゃなぁ...俺達は...この街の..."仮面ライダー"なんだからさぁ...」
そう言って帽子を被ると翔太郎は意識を失った。
「ドーパント女の心配まで...."バカが"っ!」
その言葉にドライバーで繋がって聞いていたフィリップは激昂する。
「何だって.....照井竜ぅ!!」
「
時たま現れるメモリと人間との相性度が異常なまでに高い体質の人間。」
井坂は園咲邸で琉兵衛、冴子、若菜、そして後ろに控えている獅子神とサラに向けて説明する。
「あのリリィ白銀とインビジブルが正にそれです。」
そう言い終わるとステーキの最後の皿を食べ終えていた。
「いや、失礼。
お茶だけでなくご飯までご馳走になるとは」
そう言う井坂の周りには食べ終えた大量の皿が積み上がっていた。
「凄まじいカロリー消費だね。
ガイアメモリに貪欲な君を現しているようだ。」
「薄気味の悪い方ですこと」
「若菜....」
若菜の発言を冴子が諌める。
「この空間で飯が喉を通るとは、君の豪胆さには恐れ入ったよ井坂くん。
それに獅子神とサラの試験もクリアしたそうじゃないかおめでとう。」
「ありがとうございます。
中々に面白いゲームでしたよ。」
その言葉に獅子神とサラも苛立った顔をする。
「これで私は組織にとって有益だと判断されたと思っても?」
「今のところはね....だが貢献度で言えば無名の足元にも及ばない。」
「無名....確かガイアメモリ研究開発を請け負っている幹部の方ですよね?
そう言えば今はどちらに...」
「彼には重要な案件を任せているのだよ。
だからこそ君の試験は他の幹部に任せたのだ。」
「成る程、では彼らは"その程度の貢献"しかできてない幹部と言うことですね?」
明らかな挑発に獅子神やサラも反論する。
「あ?俺達の部下と引き分けた程度でもう勝った気になってるのか?
ここで、死ぬか?テメェ。」
「止めなさい獅子神、冴子様の客人よ彼は.....
でも客として扱うかは命令されていない。
良い?井坂さん。
客人としてここに居たいのなら無駄な挑発は止めることね。
それをしなければ会話が出来ない程、知能が低いわけでもないでしょう?
仮にもお医者様なんですから.....ね?」
「成る程、肝に銘じておきましょう。」
井坂はそう言うと琉兵衛に尋ねる。
「そろそろ、本題を伺っても?」
井坂の問いに琉兵衛が答える。
「冴子と何を企んでいる?
私は我が家族の平穏を乱す者がこの地上にいることを許さない。
故に君の目的を知りたいのだよ、井坂くん。」
その言葉に冴子に緊張が走る。
もしもの時を考えてメモリを忍ばせていると、井坂は立ち上がりシャツのボタンを外して琉兵衛に身体を見せつけた。
そこには大量のコネクターが身体に刻まれていた。
その姿を見て若菜は驚き冴子は笑う。
「私ほど熱心なミュージアムの支持者はいませんよ園咲さん。
ガイアメモリの真実を極めたいと言う気持ちは貴方も私も"冴子さん"も同じです。
毒素の研究やエンゼルビゼラの件もそうです。
全ては貴方のため.....
だからこそ、私は貴方に協力したい。
宜しければ是非、私を実験台に.....」
「あっはっはっは大した男だな君は.....
もう病院には戻れないだろう?
暫くここでゆっくりしたまえ。」
琉兵衛はそう言うと若菜とミック、そして獅子神とサラを連れて部屋を後にするのだった。
そして、この状況を切り抜けた井坂に冴子は益々心酔しているのだった。
Another side
琉兵衛は自分の書斎に獅子神を呼びつけるととある命令を下した。
「私のあの研究に井坂を参加させる....ですか?」
「うむ、本人も実験台になりたいようだったし、構わないと思ってね。」
「君の研究である"ガイアメモリ強化アダプター"の作成状況はどうなのだ?」
「現在の完成度は89%と言った具合です。
メイカーが完成したら量産することを考えると少し進捗は遅れています。
しかし、彼に渡して平気でしょうか?
奴の提唱する毒素の研究に使われるのがオチかと...」
「構わんよ。
メインの研究は君に任せる。毒素の研究は勝手にやってもらおう。
それよりも問題はエンゼルビゼラだが....やはりまだ流通しているのか?」
「はい。ミュージアムでの生産が止まっているのに巷に流れている事から考えると、何者かが製造方法を知り、何処かで生産していると考えるのが自然ですね。」
「そちらの調査も頼めるかね獅子神君。」
「承知いたしました琉兵衛様。」
そう言うと獅子神は部屋を後にした。
そして、琉兵衛は井坂について考える。
(ウェザーメモリについて調べたが何処の売人からも井坂に売った形跡が見つからなかった)
シルバーランクのメモリはミュージアムでも一部の売人か関係者でなければ所持することを許されない。
そんな物を我がミュージアムを除いて手に入れられる可能性を考えると1つしかなかった。
(文音....やはり私の邪魔をするのか。)
来人を奪われてから私に復讐する為に行動している妻。
だが、私はそれでも妻を愛していた。
だからこそ、井坂にメモリを渡した彼女の変わらないところに苦笑してしまう。
(人を見る目は無かったが、まさかあんな男にメモリを渡すとはね)
井坂君の狙いは私の命かね?
まぁ、構うことはない。
計画は順調に進んでいる。来人がいなくてもメモリを生産出来る所まで来たのだ。
あの程度のリスクなら喜んで受けようじゃないか。
そうして、琉兵衛は一人デスクで座っているのだった。
外伝 続編の投稿に関して
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