夢の中に現れるドーパントに対抗するため、
僕達はドーパントのいる夢の世界へと向かった。
そして、間が悪い事にこの場に井坂が現れたのだ。
フィリップが何とか寝ている翔太郎へのダメージを防ぐが代わりにフィリップがダメージを受けて傷付いてしまう。
そんなフィリップを救うように鳥型のガジェット"エクストリームメモリ"が現れるとフィリップの体をデータに変えて吸収すると傷を回したのだ。
その中でシュラウドに言われた言葉を思い出す。
「何れ貴方は左 翔太郎を自ら捨てることになる。」
「彼と貴方ではWにいえ"真のパートナー"になれない。」
妄言だと信じたかったフィリップだが翔太郎と変身解除されたこの状態がシュラウドのことばが真実だと物語っていた。
エクストリームメモリに取り込まれた時、フィリップの力が強化されてしまったのだろう。
翔太郎が制御できる力を越えてしまっていた。
フィリップはその事実に愕然としながらも翔太郎に伝えた......伝えてしまった。
もうWになれない....その事実に絶望している翔太郎とフィリップを見て井坂が笑う。
「あっはっはっは!随分と面白い余興だ....笑わせてくれた礼に派手に消してあげましょう!」
そして、二人に井坂が雷撃を当てようとした時、ビーストドーパント"丸男"が乱入し木彫りの熊を井坂から奪い取った。
「何のつもりですか?」
「はん!コイツが手に入れば胡散臭いお前に協力する必要はねぇ....それだけだよ!」
丸男はそう言って立ち去ろうとする。それを翔太郎が捕まえて止めた。
「あ?邪魔すんのか?」
「これは尾藤さんに渡す物だ。テメェに渡すもんじゃねぇ!」
丸男が生身の翔太郎に攻撃を加えようとするのを無名が止めた。
「なっ!何で組織の奴が邪魔をするんだ!」
「今は井坂さんに協力する命令を受けているのでね。」
そう言うとビーストを捕まえた無名は展開した翼で森の奥へと飛んでいった。
それを見ていた井坂はフィリップに向き直る。
「まぁ良いでしょう....残った貴方を消すだけです。」
「井坂ぁぁぁぁ!」
今度はそれをガンナーAと連結したアクセルが止めた。
「また貴方ですか.....いい加減しつこいんですよ!」
そう言うと井坂は照井と戦闘を開始した。
翔太郎とビーストを連れた無名は森の奥へと空を飛んで移動していた。すると急に力が増したビーストの爪により翼を切られて落下してしまった。
地面に翔太郎と共に無名も倒れる。
ビーストを見ると手と口に白い粉が付いていた。
「エンゼルビゼラですか.....まさか、貴方も持っていたとは....」
「仕事の関係上、色んな奴と交流出来るからなぁ。
まさか、最初は俺のメモリの力を強くしてくれる効果があるとは思わなかったが、今はもうこれが手離せないぜ!」
「仕方ない...面倒ですが貴方はここで仕留めておいた方が良さそうだ。」
そう言うと無名は翼を消して刀を生成する。
「上等だぁ!野獣の恐ろしさを教えてやるぜぇ!」
ビーストの高速移動から放たれる爪の攻撃を刀でいなしながらタイミングを計り、カウンター気味の斬撃でビーストの身体を斬った。
「ぐぉおおおあ!」
傷口から黒炎を出してビーストは暴れている。
「いくら、貴方の再生能力が強力でも、再生した傍から黒炎が貴方を焼きますよ。」
そして、戦闘の最中に落ちた木彫りの熊を回収しようとするが、その前に翔太郎がそれを掴む。
「それを渡してくれませんか?」
無名の提案を翔太郎は拒否する。
「組織の人間であるお前にコレを渡すわけねぇだろう!
それに....これにはやっぱり秘密があるんだな?
だから、井坂はこれを手に入れようとしてんだろう!」
「間違っていますが当たってもいますね。
この木彫りを欲しているのは井坂であって組織ではありません。」
「何でお前が井坂の言うことを聞いてるんだ?」
「そんな事、僕が話すと思いますか?
渡さないのなら力付くで....」
そこまで無名が言ったところで、急に感じた気配に身体を向ける。
そこには黒炎に焼かれた身体の一部を切り取ったビーストが立っており大量の薬を服用していた。
「黒炎によって焼かれた皮膚を剥ぎ取ってダメージから逃れるなんて....無茶な方法を」
そして、無名の計算外はもう一つ起きた。
短期間による過度なエンゼルビゼラの服用によりビーストメモリの適合率が上がり、丸尾の肉体に変化が起きたのだ。
皮膚は硬質になり、体色が青から茶色に変わり、爪も巨大化した。
「俺は....最強だぁぁぁ!」
ビーストがそう言いながら無名に爪を振るうと斬撃が放たれて地面をえぐり取った。
その影響により足場を無くした翔太郎と無名は下の川に落ちていってしまうのだった。
冷静になった丸男はメモリを抜くと川を見る。
どうやら二人とも流されてしまったのだろう
探偵が木彫りの熊も持っていたから一緒に川に流されたに違いない。
「クソッ!これじゃボスにどやされちまう。」
そう言って探そうとするが身体に蓄積されたダメージにより思うように身体が動かず、回復のため丸男はその場で休むことを選んだのであった。
Another side
二人が川に流されている間、照井と井坂は戦闘を繰り広げていた。
前と違い怒りに呑まれないように井坂と対峙してはいるが、戦闘力の違いから井坂に苦戦を強いられていた。
照井の振るうエンジンブレードをかわしながら徒手空拳で井坂は照井にダメージを与えていく。
地面に倒れる照井に緑色のメモリが投げ渡された。
それはフィリップが照井に投げたサイクロンメモリであった。
「それを使え!照井竜。」
照井はエンジンブレードにサイクロンメモリを装填する。
「CYCLONE MAXIMUMDRIVE」
緑の風を纏ったブレードで井坂を斬り付ける。
相当なダメージなようで井坂は吹き飛ばされた。
しかし、サイクロンメモリのパワーに放った照井すら振り回されそうになる。
「なんてパワーだ.....だが」
しかし、そう言いながらも照井はブレードを井坂に当て続ける。
ダメージにより倒れたところに溜めた一撃を振るうと井坂は木々を薙ぎ倒しながら遠くへと吹き飛んでいった。
井坂がいなくなったことで照井はドライバーからメモリを抜き変身解除する。
そして、フィリップにサイクロンメモリを返した。
「助かったフィリップ...このメモリは凄いな。」
しかし、それを受け取ったフィリップの顔色は優れなかった。
(強化されたサイクロンメモリを照井は使えた。
シュラウドが言っていたのはこう言うことか?)
翔太郎を見捨てて照井をWにするつもりなのか?
そんなバカな事を.....そう否定したかったが出来なかった。
Wになれない今の状況よりも照井を新たな相棒として変身した方が効率的なのではないか?
自分の中にある残酷な思考に我ながら嫌気が差した。
(こんなところを翔太郎に見られなくて良かった...)
自分勝手な思いがフィリップに流れる....
翔太郎はビーストとデーモンのドーパントと共に森の奥へ消えた。
翔太郎はスタッグフォンを持っている。
何れ救援の連絡が来るだろう。
今は凍えて死にそうな尾藤さんを病院に連れていく方が先決だ。
フィリップはそう結論づけると動き出した。
まるで、相棒を見捨てようとした自分の考えを忘れるように........
外伝 続編の投稿に関して
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