翔太郎から離れた
無名は翔太郎が意識を失っている時に木彫りの熊を発見して中を開けていたのだ。
そして、それを持って無名はメモリの持ち主である有馬鈴子の元へ向かった。
(それにしても"厄介な物"が出回ってしまった。)
エンゼルビゼラ....風都探偵で登場したハイドープの力を増強させる薬。
それと似た能力を持った薬が今この場にあることに無名は面倒がる。
無名にとってビーストドーパントの変化は想定外だった。
あの強力なビーストが更に強くなる.....
エクストリームメモリがあれば勝てるだろうが、それまでのテコ入れが必要かもしれない。
無名は有馬夫妻の住む家に着くとベランダから侵入すると鈴子に話し掛けた。
「夫はしくじったみたいですね?」
その声に鈴子は驚くが僕の姿を見ると納得したように言った。
「それは貴方達が邪魔をしたからだと"丸"から聞いているけど?」
「最初に邪魔をしたのはそちらではないですか?
まぁ、今回はそんなことを伝えに来たわけじゃありません。」
そう言うと無名は鈴子にゾーンのメモリを渡した。
「どういうつもり?」
「我々の組織は貴方達に興味があります。
これはテストだと思ってください。
クリアすれば今後の貴方達を僕らがバックアップします。
メモリを使って暴れるのも金を奪い続けるのも好き放題に出来ると言うわけです。」
「.....そう、中々魅力的な提案だけど代わりに私達は何をすればいいの?」
「仮面ライダーアクセル又はWのベルトとドライバーの確保、そして変身者を生きたまま捕まえて欲しいのですよ。」
「それは....確かに難易度が高いわね。
でも、不可能じゃなさそう。」
「そうおっしゃられたと言う事は自信があると解釈しても?」
「私、駒を動かすのは得意なのよ。
人も所詮私の駒の1つ....どう動かせば操れるか私なら分かるわ。
良いわその提案に乗ってあげる。」
「そうですか....では準備が出来たらご連絡をこちらがメールアドレスです。」
そうして使い捨てのメールアドレスが書かれた一枚のメモ用紙を渡すと無名はその場を後にした。
そして、園咲邸に戻ると来るべきエクストリーム発動の準備をするのだった。
無名と別れた翔太郎は傷ついた身体を動かして木彫りの熊を探していた。
すると、川の下流であっさりと見つかった。
「あった.....」
翔太郎は熊を手に取ると何か無いか触って確認する。
すると、お尻のパーツが外れて中に四角い空洞が出来ていた。
丁度ガイアメモリが一本入るサイズの穴を見て翔太郎は確信する。
(やっぱり.....ここにメモリが入ってたのか。
だからこそ井坂や丸男はこの熊を欲しがったのか.....
でもメモリが無ぇ、やっぱり無名が取っていったのか?)
奥を探ると一枚の紙を見つけるそれを開くとおやっさんの字でこう書かれていた。
"サムへ
その字を見ておやっさんは真犯人に辿り着いていたのだと分かった。
そして、翔太郎も.....誰がこのメモリの使い手だったのか分かった。
翔太郎は帽子を被り直すと気合いを入れ直す。
(俺はもうWにはなれねぇ....けど"探偵"ではいられる。
おやっさんの残した仕事は俺が引き継ぐぜ。)
すると、スタッグフォンに着信があった。
開いて電話に出る。
「......翔太郎かい?」
「あぁ、フィリップ。」
まるで、初対面の様なよそよそしく話し始める二人。
「木彫りの熊を見つけた....まぁ、中身は組織の奴らに奪われた後だったがな。」
「....それは残念だね。それじゃあ翔太郎はどうするんだ?」
「尾藤さんが運ばれたのは風都病院か?
なら、この熊を彼に渡さないとな....俺達は探偵なんだからさ。」
「翔太郎......」
暫くの沈黙の後に翔太郎が言う。
「兎に角、病院に向かう。
話はそれからにしようぜフィリップ。」
「あぁ....病院で待っているよ。」
そして、電話を切ると山を下山して病院に翔太郎は向かうのだった。
それを背後から丸男が見ていた。
「野獣からは逃げられねぇぜ。」
そう言いながらメモリを挿そうとすると電話が鳴る。
丸男は舌打ちすると電話に出た。
「ちっ!どうしたベル?何かトラブルか?」
「マル....計画変更だよ。
メモリが帰ってきた。とある条件付きだけどね。」
「条件?」
そこで鈴子が無名と交わした取引を丸男に話す。
「てことはあのライダー達を生け捕りにしないといけないのか?」
「そうなるわね....でも安心して。私のゾーンメモリがあれば、そんな問題も解決するわ。
奴らを誘き寄せるためにも一度作戦を立てるわよ。
マル、戻ってらっしゃい。」
「分かったぜベル。」
そう言うと丸男は電話を切る。
「命拾いしたな....だが次はねぇぜ。」
そう言うと丸男も鈴子の元へ向かった。
翔太郎が病院に着くと尾藤に木彫りの熊を渡した。
「なぁ、鳴海の旦那は俺に何を伝えたかったんだ?」
すると翔太郎が手に持っていたメモ用紙を渡した。
「これは?」
「おやっさんからあんたへ残した言葉だ。」
尾藤は開いて中を見る。
「Nobodys,perfect.....」
「誰も完璧じゃない....きっとおやっさんはあんたを励ましたかったんだと思うぜ。」
「励ます?」
「丸男と鈴子さんを守るためにアンタは刑務所に入った。
今回の事でアンタもその決断が間違いじゃなかったのかって考えたんじゃないのか?
けど、人間は完璧じゃない誰でも間違いを犯すし失敗する。
おやっさんもそうだ.....重要なのはその後どうするかなんじゃないのか?」
「これから先の人生は尾藤さん、あんたの物であって自分で切り開いていく必要がある....完璧じゃないからこそ足掻いて欲しい。
そう言いたいんだと俺は思う。」
「.....ふん!半人前の鼻垂れ坊主が言うじゃねぇかよ。」
そう悪態をつくが尾藤の表情は晴れやかだった。
伝えたいことを伝え終わると翔太郎は部屋を出てフィリップと会った。
「翔太郎......すまない。
僕は.....君の事を.....」
謝ろうとするフィリップを止める。
「気にすんな....おやっさんも言ってたよ。
Nobodys,perfect....誰も完璧じゃない。
不完全でハーフボイルド....そしてそれでもフィリップお前の相棒でいたい...それが"俺"なんだ。」
「なぁ、フィリップこんな俺と....不完全で完璧じゃない俺と...相乗りしてくれるか?」
ビギンズナイトとは逆で今度は翔太郎がフィリップに尋ねた。
フィリップは笑顔で言う。
「あぁ、兵器となったWに価値など無い。
君と変身するWだから価値があるんだ。」
「また
その言葉と共に二人は固く握手するのだった。
そんな中、照井から連絡が来る。
フィリップが電話を取り話を聞くと切った。
「照井からだ.....丸男を見つけたらしい。」
「そっか....なら行くか!相棒。」
「あぁ!」
そうして二人はハードボイルダーに乗り込み照井から連絡を受けた場所に急行するのだった。
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