もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第九十三話 Cの来襲/抑えられない食欲

「JOKER EXTREAM」

 

Wは逃走するマネードーパントに必殺キックを当てるとメモリブレイクし加賀泰三が姿を現した。

「ぐふっ....またツキが回ってきたと思ったの....に」

そう言って気絶した。

「あん?何で気絶してんだコイツ?

今のコネクターじゃここまでなんない筈だろ?」

翔太郎の問いにフィリップが答える。

 

『恐らく何らかの理由でコネクターが旧式の性能の物が使われたんだろう。

映像ではコネクター手術を受けている様子も無かったしね。』

「成る程.....それにしても意外だな。

もっと暴れる奴が居るかと思ったが、変身してるのを見つけたのはこいつだけだぜ。」

不思議なことに脱獄した囚人達はメモリを使ってドーパントになったと言う報告を受けていなかった。

このマネードーパントだって見つけて追っかけた結果、変身したのだから.....

 

「にしても、何でコイツら変身せずに逃げ回ってるんだ?

それだけ組織の奴らが恐ろしいのか?」

『それかそれ以上の存在がいるかのどちらかだよ。』

「あん?一体どういう....」

そう言いかけた時、Wの横をコックローチドーパントが通りすぎようとした。

「あっ、テメェ!」

逃げようとするドーパントを捕まえる。

「はっ.....離せぇ!」

 

「その声は....お前伊刈か?」

「お前達は仮面ライダー....丁度良い"助けてくれ!"

俺はまだ死にたく....」

伊刈がそこまで言った時、彼の足に何かが絡み付き思いっきり引っ張られた。

「なっ!何だこれ?」

翔太郎が咄嗟に掴もうとするが放電攻撃を受けて倒れてしまう。

その間に伊刈は何かに引っ張られて路地裏に消えていった。

 

「何だこれは?」

『翔太郎!気を付けろ何か来る!』

フィリップの忠告に警戒すると一人の青年が現れた。

青年はWを見ると笑う。

「わぁ...仮面ライダーだぁ!嬉しいなぁ!やっと会えたぁ!」

 

「何だコイツ?」

「あのね....僕ずっとお腹が空いてるんだ。

食べても食べてもお腹が減って死にそうになるんだよ。」

そう言うと青年は自分のお腹を擦る。

『彼は何を言っているんだい翔太郎?』

「俺にも分からねぇよ。」

そんな話をしていると照井が合流した。

「大丈夫か左......!?お前は何故ここにいる!」

『彼を知ってるの照井竜?』

 

「あぁ、奴の名は"真島 凶次郎"(まじま きょうじろう)

ドーパントではない普通の人間だが58人を殺害し死刑囚となっていた人物だ。」

「何でそんな奴がこんなところに?」

 

「あぁ、駄目だやっぱりお腹が減る。」

そう言うと真島はメモリを取り出した。

『翔太郎!彼が持っているのは"シルバーメモリ"だ。』

「何だって?」

 

Chimera」(キメラ)

 

真島は舌にメモリを挿すと身体が変化しドーパントになった。

その姿はこれまでのドーパントと違い異質であった。

顔は"Tレックスに見えるが身体は"マグマと氷"で彩られ背中の突起には"電気"が流れその中には"ロケット"の放出口があり下には"タコの足"のような尻尾が生えていた。

 

「何だこのドーパント?意味が分からねぇ。」

そんな見た目に苦言をていする翔太郎を余所に照井はドライバーをつけるとアクセルメモリを起動し装填する。

「変.....身!」

掛け声と共にスロットルを回すことで照井は仮面ライダーアクセルへと変身した。

変身したアクセルがエンジンブレードでキメラドーパントに斬りかかる。

 

しかし、それよりも速く移動したキメラはそのままアクセルを突き飛ばした。

「グハッ!何て言う速度だ!」

「照井っ!....フィリップこういう早い奴にはルナトリガーだっ!」

『分かった。』

 

「LUNA,TRIGGER」

 

Wがメモリを切り替えてルナトリガーに変身するとトリガーマグナムを発射した。

高速で移動するキメラを追尾するが突如、身体から白いクリームのような物体を放出すると固くなり壁となって弾を防いだ。

「何っ!?」

「次は僕の番.....」

そう言うとキメラは頭頂部から巨大な角を出現させると背中のロケットを点火して更に加速したタックルをWに浴びせた。

 

いきなり近付かれたWはそれに反応できず角が左胸に直撃した。

「LUNA,METAL」

咄嗟にフィリップがメタルメモリに切り替えていなかったら翔太郎の心臓は貫かれていただろう。

「助かったぜフィリップ。」

「あれれ?死んでないの?」

キメラは咄嗟に離れるとWを不思議そうに眺めていた。

「このままじゃ、埒があかねぇ。

フィリップ!エクストリームを使うぞ。」

そう、翔太郎が言った矢先に真島は後ろを向いた。

 

「食べれないなら興味ない!僕は帰る!」

キメラは怒った子供の様に言うとロケットを再点火しその場を後にした。

 

「何だったんだ?あのドーパントは?」

そう思いながら変身解除すると翔太郎は照井の元に駆け寄る。

「おい大丈夫か照井?」

「俺に質問をするなっ....これぐらい問題ない。」

「そうかよ....それにしても何なんだアイツは....

確か58人を殺した死刑囚って言ってたよな?」

 

「あぁ、あの男は中学から今に至るまで58人の人間を殺して食べたとされている犯人だ。」

「食べた?人をか?」

「あぁ、その通りだ。」

「詳しく聞かせてもらおうか照井?」

「俺もそうしたい....もう1つの厄介事もあるしな。」

 

「厄介事?」

「この情報をくれたのは九条綾なんだ。」

「お前っ、綾さんと会ったのか?」

「あぁ、今彼女は刃野刑事に拘束させている。」

「刃さんに?おいおい照井気は確かか?

彼女はメモリを持っているんだぞ!」

「それなら、彼女は渡してくれた。」

そう言うと懐からトライセラトプスメモリを取り出す。

「一体、何の目的でそんな事を.....」

「それを話したいらしいのだがその条件が君とフィリップを同席させることでな....その為に左とフィリップを探していた。」

 

「話は分かった....なら行こうぜ。

今回の一件がどんな事件なのか話してもらいたいしな。」

そう言うと翔太郎と照井は彼女を留置している風都署へと向かうのだった。




Another side

琉兵衛と共にこの実験を見守っている冴子、師上院はここまで順調に行っていることに安堵した。
「どうやら、実験の第一段階は成功のようね。
師上院...彼が手に入れたメモリの力は合計いくつかね?」

冴子の問いに師上院が答える。
「マグマ、アイスエイジ、Tレックス、コックローチ、スイーツ、オクトパス、ライトニング、ポルーション、ウォーター、ロケット、そしてライノセラスです。」
「ほほぅ、随分と蓄えたものだ。」
無名により新たに開発されたキメラメモリの進捗に琉兵衛が笑う。

「それで....例の"ガイアメモリ強化実験"の結果は?」
「えぇ、概ね良好と言えます。
マグマやアイスエイジ、Tレックスに至っては強化された結果、性能がかなり上がりましたね。」
これは無名が行った副次的な研究で既存のガイアメモリに追加で知識を流し込むことでメモリを強化する実験だった。
そして、この実験のために選ばれたのが古代種の記憶や自然の記憶の中でも古い記憶を持つメモリが選ばれた。

「しかし、シルバークラスにまで強化されているメモリは今のところ皆無です。
実験自体は成功でしょうが目的は不達成だと無名は言っておりました。」
師上院の言葉に琉兵衛は笑う。
「はっはっは、相変わらず真面目な男だな無名は...
だが、彼の研究のお陰でこれ以上調べるもの等無いと思っていたメモリも調べる価値が出てきたと言うことになる。
本当に面白い発見をしてくれた。」

「まぁ、引き続き見ていくとしよう。
この壮大なる舞台を物語の結末は喜劇か悲劇か?
じっくりと見させて貰おうじゃないか。」
琉兵衛はそう言うとモニターに写し出される真島の映像を見るのだった。

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