もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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風都タワーが見える風都署の屋上.....
そこで口笛を溝口の姿が九条は好きだった。

だからこそ彼が殺された事を知った時、私はメモリに手を出した。
だが、仮面ライダーに敗れて人間に戻ってから九条はずっと考えていた。

「溝口は私に何を残してくれたのか?
何をして欲しかったのかと.....」


第九十五話 Tの選択/託した憎しみ

「正直、意外だった。」

照井が九条に向けて言う。

「お前が俺達に協力してくれてもお前にメリットはない。

事件が終息したら脱走した罪も加算される。

恐らく、今度は終身刑を免れられないだろう。

何故、逃げなかった?」

 

「さぁ、私にも分からない....けどもし理由を付けるならそれは竜、貴方のお陰かしら」

「俺の?」

「貴方言ってくれたでしょう"お前の憎しみは俺が引き継ぐ"って....今の私にはもう憎む意味なんて無い。

だからこそ、純粋にやりたいことが出来ている。

そう言う感じかしら」

 

「九条.....君は」

照井が言葉を言いかけていると外から物凄い爆音がした。

窓を開けて外を確認するとキメラドーパントが風都署のど真ん中に現れた。

「何故、奴がここに?....クソッ!」

照井はドライバーを腰に付けるとアクセルメモリを装填して窓から飛び降りる。

「変..身!」

照井がスロットルを回すと仮面ライダーアクセルとなり地上に着地した。

 

「あれ?仮面ライダーがいる....何で?」

「俺に質問をするな。」

そう言うとエンジンブレードでキメラドーパントに斬りかかる。

しかし、切られてもビーストの能力により全くのダメージが無いどころか回復すらしていた。

「今度はこっちのばーん。」

キメラはアームズの力で右腕を剣に変えるとアクセルを斬り付けた。

あまりの威力に火花を散らしながら飛ばされる。

 

「グッ!....なめるなぁ!」

 

「ENGINE....JET」

 

ブレードにエンジンメモリを装填しジェットの力を発動して斬撃をキメラドーパントに飛ばすがアイスエイジとウォーターによる氷壁に攻撃を阻まれ逆にマグマとライトニングの合わせ技でダメージを喰らってしまった。

「グォッ!.....ハァハァまるで、ウェザーのメモリと戦っているみたいだ。」

アクセルはキメラの能力に宿敵の影を重ねる。

 

「....あーもう飽きちゃった。

これで終わりにする!」

そう言うと口から煙を照井に向かって吐き付けた。

ブレードで照井はガードするが両腕がスイーツのクリームにより硬化して動かなくなる。

「しまった!」

照井はそう言うがキメラドーパントが止まることはなかった。

 

 

 

照井がキメラドーパントと戦っている時、翔太郎はもう一人の幹部と対峙していた。

石にされた左腕を抱えながら翔太郎が言う。

「クソッ!何たって幹部がこんなところにいやがる!」

「あらっ、随分な言い草ね。

折角、会いに来てあげたのに.....レディからのお誘いは素直に受けるのが男じゃないかしら?」

『翔太郎!エクストリームだ。

エクストリームの力で石化を無効化させる。』

そう言うとエクストリームメモリが空を飛んで現れWのベルトに付くとドライバーが展開した。

 

「XTREME」

 

Wはエクストリームへと変身が完了すると石化していた左腕が元に戻る。

「良しこれでバッチリだな。」

『「さぁ、お前の罪を数えろ!」』

 

二人の決め台詞にサラは淡々と答えた。

「悪いわね罪なんて感じて生きれる程、優しい世界に生きてこなかったの」

そう言うとゴーゴンドーパントとエクストリームWの戦いが始まった。

 

 

そして、もう1つこの戦いの中で獅子神と無名は井坂と会っていた。

目的は1つ井坂に頼まれていた井坂専用のガイアメモリの強化アダプターが完成したからだ。

見た目は黒と銀の配色だが形は同じだった。

「ほぅ....これですか。」

「えぇ、貴方の要望通り毒素のフィルター機能を排除しました。」

強化アダプターはガイアメモリの性能を三倍まで上げる代わりに毒素が増大する効果があった。

無名はそれにフィルターを付けて毒素を無効化していた。

その分、使用に制限時間が付くデメリットが出てしまったが、安全に使える道具としていたのだ。

 

しかし、井坂専用のアダプターにはそのフィルターがなく寧ろ毒素を更に増大させるシステムを組み込んでいた。

しかも、使用時間が延びる程、毒素も増えていくデメリット付きだ。

だが、その狂気的な改良のお陰でガイアメモリの出力強化が増えて"5倍"まで強化できるようになっていた。

「素晴らしい!これこそ私の求めていた品ですよ!」

井坂が歓喜しながら受け取ると話の話題を変えた。

 

「そう言えば今、風都で面白い実験を行っているようですね?

囚人を使ってこんなに楽しそうなことをしているとは、私も誘ってくれれば良かったのですが....」

「これは俺が直々に主導する実験だ。

誰を使うか決める権限は俺にある...お前はあくまで園咲家に匿われている犯罪者であり実験台に過ぎないんだ...それを忘れるなよ。」

 

「えぇ、それは勿論。

ただ、言ってみただけですよ。

それで....このアダプターの実験はいつ行えるのですか?」

「少なくともこの実験が終わるまでは待って貰う。」

「分かりました....では失礼します。」

そうして井坂はその場を後にした。

 

「素直に従うと思いますか?獅子神。」

「ふん!そんな訳無いだろう。

アダプターを受け取った時のアイツの目を見たか?

まるでクリスマスプレゼントでも貰ったかのように輝いてやがった。」

「となると....やはり?」

「あぁ、もしもの時のバックアップに付いて貰うぞ無名。」

「承知しました。

では、僕も準備がありますので....」

 

そう言うと無名をその場を後にした。

(そう言えばシュラウドからトライアルメモリが完成したと連絡を受けましたね。

原作では井坂と対峙した筈ですが今回はキメラメモリと戦うことになるのでしょうか?)

 

(それにしてもどちらが勝つのでしょうかね?

強化アダプターを手に入れた井坂かトライアルを手に入れた照井か?

もしも、井坂が勝つような事があれば僕も"あのメモリ"を本腰を入れて開発しないと行けませんね。)

 

それは無名がバタフライエフェクトを警戒して研究していた初の純化メモリであった。

しかし、今はどうなるか分からない以上、作るわけにはいかない。

原作通りの道を進むのならそれが一番なのだから....

 

 

「今回はお手並み拝見といきましょうか。

仮面ライダー達の力を.....」

無名はそう言うと静かに笑うのだった。

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