色とりどりの夢と希望   作:AtR

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今回は久しぶりの彼の登場となります!それではどうぞ!


1人と1匹と2人

中庭

 

 ……ここでの生活も慣れてきたな

 

 虹ヶ咲学園に転校してきて数週間経ったが始めの頃に比べだいぶ過ごしやすくなったな。まだまだ覚えなければいけないことは沢山あるが。

 

 

「……まぁ、そろそろ帰るか……ん?」

 

 

 帰宅しようとした時、俺はとあるものが目に入った

 

 

「あれは……猫か?」

 

 そこには1匹の小さな白い猫がいた

 

「なぜこんなところに猫が……?」

 

 俺はその猫の傍によりしゃがみこんで手を差し伸べた。すると猫は俺に寄り添ってきてくれた、怯えないか不安だったが……大人しくて安心した

 

「もしかして迷い込んだのか?」

 

 俺は猫をそっと撫でながらそんなことを呟いた

 首輪が無い所を見ると偶然ここに来てしまったんだろう。だとしたら保護しなければいけないな、俺の所なら猫も問題なく住めるから大丈夫だろう。

 

 そう思い俺は猫を傷つけないよう優しく抱きかかえようとしたその時……

 

「あ、いたいた!」

 

 ……と、そんな声が聞こえてきた。どうしたのかと思い俺は視線を声のする方へ向けると2人の女子がこちらに向けて歩いてくる姿が目に入った。1人は金髪で、もう1人はピンク色の髪で背が小さい。

 

 すると猫は俺から離れ、2人の元へ走っていった。猫は2人の足元に寄るとピンク色の髪の女子がしゃがみこみそのまま猫を抱きかかえた。……随分手馴れているんだな

 

「はんぺん見つけた。探したんだよ?」

 

 はんぺん……? あの猫の名前か。懐いてる様子を見る限りあの2人が飼い主なのだろうか

 

 

「はんぺんのお世話してくれてたの?」

 

「たまたま見かけただけだ……その猫はアンタ達の飼い猫なのか?」

 

「ううん、愛さん達が飼ってるっていうより……この子はこの学園の仲間だよ」

 

「生徒会長に相談したら、飼うのは校則違反だけど生徒として迎え入れるならOKだから生徒会のお散歩役員に任命するって」

 

「そういうことだったのか、理解した。てっきり迷い猫だと勘違いしていた」

 

 まさか猫も生徒になれるとは思わなかったな。俺はこの学園について知らないことがまだまだ沢山あるんだな

 

「あ、もしかしてはんぺんを保護してくれようとした感じ?」

 

「ああ、そのつもりだった」

 

「そうだったんだ。ありがとう」

 

 俺がはんぺんを保護しようとしていたと知るとピンク色の髪の女子はお礼を言ってきた

 

「余計なお世話だったんだ、礼は言わなくてもいい」

 

「そんなの気にしなくていいのにー。あ、アタシは宮下愛だよ」

 

「私は天王寺璃奈。あなたは?」

 

「宮下と天王寺か……俺は不知火光だ」

 

「オッケー。よろしくね()()()()!」

 

「ひかっち?」

 

 2人は自己紹介をしてくれたので、俺も2人に向け自己紹介をした……のだが宮下の口から謎の単語が聞こえてきた。ひかっちとはなんだろうか?

 

「光だからひかっち、あだ名だよ。そっちの方が呼びやすいし!」

 

「あだ名……そういうことか、分かった」

 

 あだ名か……今まであだ名で呼ばれたことなんてないから不思議な気持ちだ。

 ……だが、嫌な気持ちはしないな

 

「それにしてもはんぺんが凄く懐いてた……猫飼ってるの?」

 

「ああ、それと……昔から動物には懐かれやすいからな……」

 

「へーー! 凄いじゃん!」

 

「別に……俺は凄くはない」

 

「またまたー。もっと誇っていいのにー!」

 

 宮下は俺の事を凄く褒めようとしてくる。俺は俺に出来ることをやってるだけなのだが……そんなに凄いことなのだろうか? 

 

「あ、そうだ。ひかっちはこの間の屋上でのライブは見た?」

 

 すると宮下は思い出したかのように俺にそんな質問をしてきた

 

「屋上の……ああ、あれか。あれなら俺も見ていた」

 

 宮下が言っているのはこの間屋上で女子生徒が歌っていた事を言ってるんだろう。

 

「ホント!? 凄かったよね!」

 

「私も愛さんと同じ、感動した」

 

「ああ、すごい歌だったと思う」

 

 2人は凄く気に入っているようだ。俺と同じのようだな。

 

「だよねだよね! あれを見て愛さん達もスクールアイドルを始めてみたくなったんだ!」

 

「私も……あんな風に自分の気持ちを伝えられるようになりたい」

 

「……そうなのか、よく分からないが……応援するぞ」

 

 俺はアイドルというものは全く分からない……だが、2人が始めるというならせっかくなので応援してあげたい……と思い俺はそんなことを言った。

 

「ふふっ、ありがとねひかっち! よーっし。そうと決まれば早速入部しよう! 行こっ、りなりー!」

 

「愛さん、今日はもう遅いから明日の方がいいかも」

 

「あ……それもそうだね」

 

 自信満々に入部しようとしていた宮下だが天王寺に指摘された。確かに今は夕方だし皆帰る準備をしている頃だろうからな

 

「じゃあ明日一緒にスクールアイドル同好会の部室に行こっか!」

 

「うん。じゃあそろそろ……」

 

「そうだね、ひかっちもありがとね!」

 

「そうだ……もし時間があったら不知火さんもはんぺんを見つけたらお世話してあげて。きっとはんぺんも喜んでくれる」

 

「ああ、お易い御用だ」

 

 天王寺にはんぺんの世話をお願いされたので俺はそれを受け入れた。動物の世話は嫌いじゃないからな、これくらいなら全然構わない

 

「ありがとう。そろそろ帰らなきゃ……はんぺんもじゃあね」

 

 天王寺はそう言いながらはんぺんを下ろすとはんぺんはどこかへ走って行った。どこに行ったかは分からないがこの学園のどこかにはんぺんの寝床があるんだろう。恐らくそこに向かったんではないか

 

「それじゃ帰ろっか、じゃーねひかっち!」

 

「ああ、気をつけて帰るんだぞ」

 

 俺がそういうと宮下と天王寺は手を振り、こちらへ背を向け帰って行った

 

 

 そういえば宮下は表情豊かだったが……天王寺は表情が変わらなかったな……もしかしたら俺と同じ悩みを抱えているのかもしれないな。

 もしそうだとしたら……いや、いくらなんでも考えすぎか……

 

 

「……さて、俺も帰るか」

 

 人の事に気にしすぎるのも失礼だと思い、気持ちを切り替え俺は帰宅することにした

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!!久しぶりの登場の光くんで初の彼視点のお話でした。次回から1期4話の話に入っていきます!
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