……はい、ごめんなさい2023年初更新です。遅れてしまい大変申し訳ありません。
今日の練習は終わりになって、ゆうゆ達と少し話した後解散になりみんなそれぞれ帰っているところ。
その後シグシグから同好会のグループチャットに今後の同好会の活動方針についてメッセージが送られてきていて、その内容っていうのがさっきアタシ達がみんなと話していた“ソロアイドル”についてだった。
みんなもその選択肢が頭にあったみたいだけど、みんな悩んだ表情を見せていた。
その中で、アタシもソロアイドルという言葉を聞いて不安……と言うよりはどうすればいいのか分からない気持ちになっていた。というのも、講義の時間やミーティングの時に皆スクールアイドルとしてやってみたいことや、自分の思うスクールアイドルなどの意見を出していた。
けど、アタシは自分自身がやってみたいスクールアイドルなどの答えが出てこなかった。
もちろん、スクールアイドルが嫌だなんてことは無くてみんなと一緒に練習したりするのは凄く楽しいし、せっつーのライブを見てものすごくドキドキしてそこからスクールアイドルをやってみたいと思ったしやりたくないなんてことは絶対にないって言える。
ただ、せっつーやかすみん達と違ってアタシにはどんなスクールアイドルになりたいのか、何をしたいのか。それがずっと分からないままなんだ。
そして次の日になり、授業中やバスケ部の試合に助っ人として参加してる時も、アタシは自分のやりたいスクールアイドルについてをずっと考えていた。
昨日かすみんが言っていたように、スクールアイドルには決まった答えはなく、人それぞれの答えがある。
今までアタシが助っ人としてやってきたようなスポーツとは違い、アタシにとっては初めての事だった。
「アタシの答え……アタシにとってのスクールアイドル……」
放課後になり、今日はスクールアイドル同好会の練習はなく、りなりーは予定があり、アタシも今日はお家の手伝いをしなくちゃいけないからそのまま1人で帰宅している。ただ、放課後になっても答えは出てこなかった。
「アタシにとっての答えってなんなんだろ……こんな事今まで考えたこと無かったな…………ん?」
そうやって頭を悩ませているとスマホに反応があり、確認してみると同好会のグループチャットからの反応だった。内容はかすみんからで「明日のランニング、朝の9時にレインボー公園に集合ですよ!!」と送られていた。それに対し、りなりー、カナちゃんが反応し他のみんなも続々とメッセージを送っていたのでアタシもメッセージを送った。
その後、自宅と到着して早速手伝いに向けての準備をしている。アタシの実家は“みやした”って名前のもんじゃ屋であり、今日みたいに手伝いとして店番をすることもある。
準備の時、アタシが浮かない顔をしていたのかおばあちゃんに大丈夫? と心配されてしまった。
スクールアイドルのことで悩んじゃうことはあるけど……今は目の前の仕事をしないと!!
そう思い気持ちを切り替えて、店番を始めようと思った時……
「ごめんくださーい……げっ……」
「いらっしゃ……あ、マヒロンじゃん!!」
「お前が店番だったのかよ……ていうかその呼び方やめろって言ってんだろ」
「いいじゃん別にー。そっちの方が面白くない?」
「面白くねぇからやめろって言ってんだよ」
今お店に来てくれたアタシがマヒロンって呼んでるこの人の名前は
「はぁ……ほんとにうるせぇなお前は」
「でもそんなこと言う割には何度もお店に来てくれてるじゃーん! マヒロンもホントはアタシと話すの楽しいんじゃないの〜?」
「今すぐ帰るぞ」
「あー! ごめんごめん冗談冗談!」
「はぁ……ったく、めんどくせぇな本当に」
マヒロンはそうやってため息をつきながら目の前のカウンター席に座った。マヒロンはウチのお店が気に入ってくれてるみたいでなんだかんだ言ってこうやってずっと来てくれてるんだ。
「アッハハッ……! それで今日はどうするの?」
「いつものポテトベーコンもんじゃとデザートにアイスで」
「おっけー! バニラアイスはもんじゃを食べ終わった後で良かったよね?」
「ああ、それでいい」
「分かった! じゃあ少し待っててね?」
アタシはマヒロンから注文を受け、早速その用意に入る。ちなみにマヒロンはウチに来てくれた時はいつもポテトベーコンもんじゃとデザートにバニラアイスを頼んでくれるんだ。
「そういえばマヒロン、最近学校で全然会わないけどどうしたの?」
アタシが今話した通り、マヒロンは同じ虹ヶ咲学園の生徒で学年は2年生、学科はライフデザイン科だよ。
「そりゃ虹ヶ咲学園はあんなに広いんだし用もなければ会うことはないだろ」
「え〜! アタシはマヒロンと学校でも話したいのにー!」
「俺は話したくねぇんだよ。ていうか学校では話しかけんなって言ってんだろ」
「そんなの関係ないよ! アタシはマヒロンと学校でも話したいんだから!」
「俺の意見フル無視か?」
マヒロンのこと時間がある時探してるんだけど会えないんだよね〜……そうだ! 今度ライフデザイン科の教室行ってみよっと!
「お前うちの学科に絶対来んなよ?」
「え! なんで考えてることわかったの!? エスパー!!?」
「お前が考えそうなこととか簡単に想像つくわ」
うーん、アタシってそんなに顔に出るかな?
「そもそも最近は仕事の依頼が増えてきてるから用もなく校舎をうろつくことなんてないんだよ」
「へぇ〜……結構忙しい感じ?」
「まぁそれなりはな」
前に本人から聞いたんだけどマヒロンは服作りの仕事をしてて事務所にも入ってるみたいなんだ。
「そうなんだー……大変なんだね」
「お前が無駄に話しかけてくるよりは疲れないから安心しろ」
「え〜! マヒロンってば酷いー!!」
「無駄に話しかけてくるのは事実だろうが」
「そんなこと言ってるとせっかくカッコイイのにモテないぞ〜?」
「余計なお世話だわ」
相変わらずマヒロンはアタシに厳しいなぁ……んー、このやり取りも何回目だろう。
マヒロンは顔が整っていて愛さんの周りにもマヒロンの事気になってる子が多いみたいなんだよね。最近転入してきた人とマヒロンの2人でニジガクの美男子2トップなんて言われてるみたいなんだ!
そんな話をしながらも、アタシは注文してくれた品の準備が出来たのでそれをマヒロンの前に出した。
「ねぇねぇ、アタシが焼いてあげよっか?」
「自分で出来るに決まってんだろ、何回ここに来てると思ってんだ」
「アッハハッ! だよね!」
マヒロンはアタシと話をしながら受け取ったもんじゃを手馴れた手つきで作り始めている。
「……そうだ! ねぇねぇ聞いてよ!」
「なんだよいきなり」
そういえばマヒロンにアタシがスクールアイドル始めたって事言ってなかったしこの際だから話そっと!
「愛さんね! スクールアイドル始めたんだよ!」
「ふーん、そうか」
「……って、それだけ?」
「当たり前だろ、別に興味ないし」
「ひどい!?」
驚いてくれるかな? と思っていたけど興味ないと一蹴されちゃった。こうなったら……
「まぁいいや! それでね……」
「おい待て興味ねぇって言ってんだろ。何話し続けようとしてんだ」
「関係ないよ! アタシがマヒロンに話したいんだから!」
「お前ほんとに俺の意見フル無視するな?」
マヒロンが聞いてくれるまで無理やり押し通す作戦! これならマヒロンも聞いてくれるはず!
「それで話を戻すんだけど……愛さん1人じゃなくてりなりーも一緒に始めたんだ!」
「りなりー……あぁ、前に話してた1年のことか」
「そうそう! りなりーと一緒に放課後屋上でやってたライブを見てスクールアイドル同好会に入ろうってなったんだ。マヒロンもあのライブは知ってる?」
「いや、用事がある時以外はすぐ帰ってるからそれは知らねぇ。そもそもそんな同好会があったことすら今初めて知ったからな」
さっきまで嫌がってたマヒロンだけど今は素直に話を聞いてくれてる。作戦成功かな?
「えーそうなの〜? すっごいライブだったのに残念ー……」
マヒロンってあの時のせっつーのライブ見てなかったんだ……マヒロンにも見て欲しかったのに〜……
「それでりなりーと一緒に入部して早速同好会のみんなと一緒に練習したんだよ!」
アタシが話してる間にマヒロンはもんじゃ焼きを完成させていて、それを食べながら話を聞いてくれている。
「柔軟の時は苦手な子にやりやすいやり方も教えてあげたし……歌の練習の時はみんなで色んな曲歌ったり、後講義でスクールアイドルのことについて知れたり……とにかくすっごい楽しかったんだよ!」
「ん? 講義? そんなものまでやったのか」
するとマヒロンは講義って言葉が気になったのか愛さんに質問をしてきた。
「うん! 1年生で部長やってる子がいてその子が愛さん達に教えてくれたんだ! 他のみんなもいい子ばかりだしこれから愛さんも……」
せっかくマヒロンが質問してきてくれたから答えよう……と思ったけど、同好会の話をしているとさっきまで考えていた“愛さんはどんなスクールアイドルになりたいのか”……という話題が頭をよぎってしまった。
「どうした?」
「へっ? い、いやなんでもないよ!! 気にしないで……あっ、もう食べ終わってるね。すぐアイス用意するからちょっと待ってて!」
「……ああ、頼む」
一瞬言葉が詰まってしまったことをマヒロンが触れてきて愛さんはそれを誤魔化した。そしてマヒロンがもんじゃを完食していたので愛さんはマヒロンが食後のデザートに注文していたバニラアイスの用意をする。
「はいおまたせ、デザートのアイスだよ!」
アタシはデザート用の小さいカップに乗せられミニサイズのモナカを指したバニラアイスをマヒロンに出した。
「サンキュ……それで、何悩んでるんだ?」
「え?」
「え……じゃねえよ。何か悩んでんだろ? じゃなきゃあんなとこで言葉詰まらせねぇだろ」
悩んでた事を隠したつもりだったけど、マヒロンにはバレてしまっていた。
「マヒロンは気にしなくても大丈夫だよー。別に大したことじゃないしさ!」
実際の所大したことじゃないのは事実で、そこまで気を落とす程のことでないしマヒロンは気にしなくても大丈夫……て言ったんだけど
「普段うるさいくらい元気なやつがそんな感じだったら嫌でも気になるだろ。お前がそんなだとこっちの調子が狂うんだよ」
アタシが気にするなと言ってもマヒロンは自分の考えを変えなかった。マヒロンの説明曰く別に悩んでるアタシの心配をしてるわけでもないみたいだけど……こうやって気にかけてくれただけでも嬉しいな。
「あはは、そっか……じゃあマヒロンには話そっかな」
アタシは気にかけてくれるマヒロンに負けて、自分が悩んでる事について説明すると決めた。
「愛さんが悩んでる事っていうのが……さっきも話してたスクールアイドルのことなんだけど……実は愛さん達ね……ソロアイドルで活動することになったんだ」
「ソロ……ってことは1人で歌うってことか?」
「うん、練習はみんなで一緒にやるんだけど……ステージに立ってパフォーマンスをするのは自分1人でやらなくちゃいけないんだ」
「アイドルなんて言うから複数人でやるものだとばかり思ってけど……色んなやり方があるんだな」
「アタシも最初はそう思ってたんだよね、でもみんなにはこのやり方があってるみたいなんだよね。みんなどんなスクールアイドルになりたいとか……どんなライブをやりたいとかそれぞれバラバラだけどちゃんとやりたい事があって……けど、アタシはそういう自分がどんなスクールアイドルになりたいとかが分かんなくてさ」
アタシは自分が悩んでいる事をマヒロンへと伝えた。
「だからどうすればいいのかなって思ってて……」
「お前にしては珍しく悩んでるんだな」
「むっ、愛さんだって悩むに決まってるじゃん! ……って、アイス食べ終わってるじゃん」
「そりゃ早く食わないと溶けるからな」
マヒロンはアタシが話してる間にアイスを完食していた。
「もしかして……愛さんの話聞き流してたでしょ〜?」
もしかして適当に聞き流してた? そう思ってアタシはマヒロンにジトーっと視線を送る。
「お前と違って俺は人の話はちゃんと聞くから安心しろ」
「それだと愛さんが人の話聞いてないみたいじゃん! そんなことしないよ!」
「お前今までの行動見返してみろ」
なーんだ、ちゃんと聞いてくれてたんだ。良かった……
「まぁ話を聞いた上で言わせてもらうが……何を悩んでるかと思ってたらそんな事かよ」
「え〜〜! 酷いよマヒロン〜〜!!」
するとマヒロンの口からは愛さんの予想していた答えとはすごく離れた言葉が出てきたので思わずそんな返しをした。
「事実だろ、だってお前が悩んでるのは自分がどんなスクールアイドルになりたいか分からないってことだろ?
「気づいてない? 何のこと?」
アタシはマヒロンの気づいてないという発言に疑問を感じた。どういうことかな?
「お前、今まで色んな部活に助っ人として呼ばれてたって言ってたよな?」
「う、うん。そうだけど……」
アタシは色んな部活に助っ人として参加した事をもちろんマヒロンにも話していた。
「助っ人として参加してたら当然勧誘もされる訳だがお前は全部断ってたんだろ?」
マヒロンの言う通り、助っ人として参加した部活から 「うちの部に入らない?」 なんて事を言われたこともある。
けどアタシはお願いされたから助っ人として参加しただけであって自分が今後その部活の部員として活動していく姿がしっくり来なくて……だから今まで断ってたんだ。
「けど今回は違う。放課後にあったライブを見てお前自身の意思で始めてみたいと思ったんだろ?」
「そういえば確かに……」
アタシ自身、あの日あんな気持ちになったのは初めてだし……自分の感情だけじゃなくて周りがすごく盛り上がってて……それを見てアタシもあんな風にやってみたい! ……って思ってスクールアイドルを始めたんだ。
「……ま、俺から言えるのはこれまでだな。あとは自分で考えろ」
「えー! 最後まで教えてくれたっていいじゃん!」
「ばーか、自分で結論出さなきゃ意味ねぇだろ」
マヒロンはそう言いながら椅子から立ち上がり、自分が注文したもんじゃとアイス分の代金を支払ってくれた。
「それもそうだね、ありがとマヒロン!」
アタシはマヒロンからお金を受け取り、相談に乗ってくれた事のお礼を言った。
「言っておくが勘違いすんなよ? 別にお前が心配だった訳じゃない。さっきも言ったがお前があんな感じだったらこっちの調子が狂うから話を聞いてやっただけだ」
「分かってるって〜。愛さんはそれでも嬉しいの!」
結論こそ出なかったけど……マヒロンが相談に乗ってくれた。アタシはそれだけで嬉しかったんだ。
「ほんとに分かってんのかよ……まぁいい、それじゃ俺は帰るからな」
「うん! また来てね!」
マヒロンは愛さんに背を向け店の出入口へと向かっていく。
「そうだ! もし愛さんのライブが決まったら愛さんの衣装作ってよ!」
「はぁ? 誰がお前の衣装なんて好き好んで作るか」
「えー! いいじゃんいいじゃん、マヒロンの作った衣装着てみたいのにー!」
「嫌に決まってんだろ!! いいからもう帰らせろ!」
マヒロンは最後にそう言い放って店から出ていき、それを笑顔で見送った。
「ふぅっ……マヒロンに話したらなんだか少し楽になったかも」
さっきまで自分の中でモヤモヤした気持ちがあったけど……今はそのモヤモヤも無くなっていた。
「よーっし! 明日は朝からみんなとランニングするし、前向きに頑張ろっと!」
自分のやりたいことに対する答えを考えつつも、アタシは店番を続けた。
新キャラである八乙女真尋くん。彼は今後愛さん絡みの話に出てくる事が多いです。真尋くんの活躍をお楽しみに!
更新は不定期にはなりますが今年も『色とりどりの夢と希望』をよろしくお願いします!