変な時間に目が覚めて朝起きれるか不安だったけどいつも通りに起きれたので、早朝のランニングを済まし、シャワーを浴びて着替え終わった時の事だった
「ん……電話? 歩夢ちゃんからか」
ケータイが鳴ったので画面を見てみると歩夢ちゃんから着信があった。どうしたんだろ? そう思った俺はさっそく応答ボタンを押した
「もしもし歩夢ちゃん?」
「あ、柚月くん。おはよう」
「うん、おはよう。どうかしたの?」
「あのね、柚月くんにお願いがあるんだけど……」
「お願い? 何かあったの?」
「うん、実はそろそろ時間だし侑ちゃんに電話して起こしてあげた方がいいかなって思って電話したんだけど全然出てくれなくて……」
「え、侑姉まだ寝てるの?」
まじか、てっきりもう起きて部屋で準備してる途中かと思ったよ
「多分……だから柚月くんに起こしてきて欲しいなって思って電話したの」
「そういうことなら任せてよ、すぐ起こしてくるから」
「ありがとう柚月くん! じゃあよろしくね」
「うん、それじゃあまた後で」
最後に一言告げ通話を終了した
「さてと、仕方ないし起こしに行くか」
「はぁ……全く、昨日夜更かししないでって言ったのに」
見事俺の予想は当たったみたいだね、早く起こさないと
「侑姉ー! 歩夢ちゃんが呼んでたよー。早く起きてー!」
俺は侑姉の部屋のドアを軽くノックしてそう言った。なんか昨日もこんな事したな
「……え、返事無し? マジか」
しかしよほど深く眠っているのか返事がない。お寝坊さんにも程があるよ
「やれやれ、仕方ないけど……」
このままでは埒が明かないと思い、俺は侑姉の部屋に入り体を揺すって起こすことにした。当たり前だが侑姉の部屋に入る時は毎度本人の許しを得てから入っているので無断で入るのは罪悪感が凄いが仕方ないよね
「侑姉ー! 入るよー?」
俺は一言そう言って部屋のドアを開け、部屋の中へと入った
「もう、いい加減起き……!?」
部屋に入ると目に入った光景に思わず驚いてしまった。予想通りベットですやすやと眠っている侑姉の姿があった、それだけならいいのだが……問題はそこじゃない。なんと目の前には布団をはいでお腹を出しながら眠っている侑姉の姿があった
「っ……なにやってんのさうちの姉は……」
目のやり場に困るのでついつい目を逸らしてしまう
「あ、この子も可愛い〜……ときめいちゃうよ〜」
侑姉はというと呑気に寝言を呟いていた。こっちの気も知らずに……
「ほら、侑姉起きて!」
じっとしてても仕方ないので起こすために侑姉の体を揺すって声を掛けた
「ん……もう朝?」
「当たり前じゃん、どんだけ寝ぼけてるのさ」
「柚月……? どうして私の部屋にいるの?」
「歩夢ちゃんに電話しても返事がないって言われたから起こしに来たんだよ」
「え? あ、ほんとだ! いっぱい着信来てる!」
先程まで眠そうにしていたが歩夢ちゃんからの着信履歴を見て目が覚めたようだ
「ほら、早く着替えて準備してよね」
「そ、そうだね。起こしてくれてありがとう!」
「じゃあ俺は部屋の外で待ってるからね」
侑姉に一言そう言って俺は部屋のドアに足を運ぼうとしたが……
「あ……そうだ」
「ん、どうしたの?」
「1つ言いたいんだけど……寝る時はちゃんと布団かぶってよね? 後お腹もしまって」
部屋を出る前に気になっていた事を注意した。自分の部屋とはいっても今日みたいなこともあるんだからね
「えー? 別にいいじゃん」
「良くないっての!」
侑姉は昔からわりとこういうとこあるんだよね……男女関係なく距離感おかしいもん。多分侑姉の事好きになった男子何人かいるはずだよ
「あ、もしかして柚月ってば変なこと考えてたの〜? スケベだなぁ」
「な……なんでそうなるのさ! そんなわけないじゃん!」
「えー? ホントかなぁ?」
侑姉はからかうような表情と声色で俺に言った。
そのせいか俺も動揺したような返答をしてしまった。実際自分の姉をそんな目で見るつもりは無い……のだがやっぱり俺も思春期の男子なのでどうしても気になってしまう……うん図星だね
「もう知らない、そんなこと言うなら1人で先に行くから!!」
「ごめんごめんジョーダンだってば、すぐ準備するから〜」
「全く……」
俺もあんなことを言ったが実際1人で行く気はない、歩夢ちゃんと約束してるからね
そんなわけで今度こそ部屋から出て侑姉の準備を待つことにした
その後準備を終え着替え終わった侑姉と一緒にマンションの外で待っててくれた歩夢ちゃんの元へと着いた
「あ、やっと来た。侑ちゃん遅いよ〜!」
「あはは〜……ごめんごめん」
「全くもう……」
歩夢ちゃんは侑姉に向けて頬をぷくっと膨らましながら怒っている
「柚月くんもありがとね」
「気にしないでよ、いつもの事だし」
「ちょっと! それだと私がいつも寝坊してるみたいになるじゃん!」
「え、違ったっけ」
俺はさっきの仕返し……ではないけどちょっと侑姉をからかってみることにした
「違うから! 今日はたまたまだもん!」
「はいはい、そういうことにしといてあげるよ」
「うぅ〜……歩夢ー! 柚月が意地悪してくる〜!」
「侑ちゃんが悪いんだから仕方ないでしょ?」
「歩夢まで?! そんな〜……」
侑姉は歩夢ちゃんに泣きついたがすぐに一蹴されてしまう
そんなやり取りをしながら俺たちは学校へと向かって行くのであった
その後虹ヶ咲学園に到着し、みんなそれぞれの教室へと向かった。教室に入り、クラスメイトのみんなにおはようと挨拶をするとみんなも挨拶を返してくれた。そしてそれを聞きながら俺は自分の席へと着いた。
「柚月か……。おはよう」
「あ、光くんもおはよう」
光くんは俺より先に席へと着いてたんだね、彼からも挨拶をされたので返してあげた
「昨日1日この学園で過ごしてみてどうだったかな?」
俺は光くんに転校して初日の学園生活について尋ねてみた
「タブレットを使うというのは聞いてたが……扱いが難しいな」
どうやら光くんはタブレットの扱いに苦戦していたようだ。まぁ無理もないよね、光くんは前は田舎の学校って言ってたしタブレットとは縁もなかっただろうから
「けど……新しい事を覚えるのは楽しいな、少しづつだが頭の悪いなりに覚えていきたい」
「へへへ、分からない事があったらなんでも聞いてね」
「ああ、分かった」
でも問題なく過ごせてるみたいだし良かったな
「あ、不知火くんだ」
するとクラスメイトの女子の1人が光くんに話しかけてきた
「昨日は助かったよ。ありがとうね?」
「昨日……あのことか。大したことはしていない、気にしなくてもいい」
どうやらこの子は光くんに感謝してるみたいだけど……何かあったのかな? 俺は気になったので聞いてみることにした
「昨日何かあったの?」
「部活で必要な荷物を運んでたんだけどね、その荷物が重くて困ってた所を不知火くんが助けてくれたんだ!」
「俺にできることなんてこれくらいだからな、何かあったらまた言ってくれ」
「うん! ほんとにありがとうね!」
そう言い残し女の子は自分の席へと向かっていった。
「光くんは優しいんだね」
「……俺は荷物を持っていたのをたまたま見かけて手伝っただけだ。優しくなんてない」
随分謙虚だなぁ、さっきの子にまた頼ってくれって言ってたし光くんは優しいと思うのに。まぁこういうとこが彼の良さだったりするのかな。俺としては隣の席というのもあるけどもっと仲良くなりたいしこれから光くんの事をどんどん知れたらいいな
「重い荷物を持ってあげたって言ってたけど光くんって結構力持ちなんだね」
俺は先程の話を聞いて気になった事を光くんに聞いてみた
「そうだな、力には自信があるつもりだ。暇なときには筋トレもしている」
「そうなんだ。いつから筋トレを始めたの?」
「…………いつからだっただろうか。思い出せないな」
「え、じゃあ思い出せないくらい昔からやってたってことになるのかな?」
「多分……そうなるな。俺がちゃんと覚えていれば良かったんだが」
なんにせよ光くんは昔からきっと沢山筋トレをしてたに違いない
「だからそんなに背が高いのか〜……いいなぁ」
「背……身長がどうかしたのか?」
「俺って身長低いからさ、いっつもみんなに可愛い可愛いってからかわれるんだよね。俺は強くてカッコよくて頼りにされる男になりたいのに」
だからこそ光くんみたいな高身長男子を見ると羨ましくてたまらないんだよ。身長高い人ってかっこいいじゃん
「柚月は強くてカッコよくて頼りになる男になりたいのか?」
「そうそう、男なら誰しもなりたいって思うはずさ。光くんもそうでしょ?」
俺は何となく光くんにそんなことを聞いてみた
「そうなのだろうか……俺は…………いや、なんでもない。忘れてくれ」
「そう……? ならいいんだけど」
光くんは何かを言いかけたが言うのをやめたようだ。言いかけた時の光くんの表情は変化がなかった。しかし心做しか声色に違和感を覚えた
そして光くんは話を切り替えるかのごとく口を開いた
「初めの授業は数学だったな。準備をしよう」
「あ……うん。そうだね……って、最初は古典だよ?」
「……そうだったのか?」
「あはは、しっかりしてよ」
「……すまないな。柚月のおかげで助かった」
そういえば光くんは授業内容を理解出来てるんだろうか、非常に不安だな
最後まで読んでいただきありがとうございました!お腹出した侑ちゃんを起こしてあげたい…皆様もそう思いませんか?ご安心ください、私もその1人です()