色とりどりの夢と希望   作:AtR

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今回は柚月くん視点のお話になります。

……視点がコロコロ変わって申し訳ないです許してください


後輩との初対面

 

 ありのまま今起こったことを話すね? 

 

 

 スクールアイドルを始めると決めたのはいいもののこれからどうするかと思ったので侑姉、歩夢ちゃんと相談してたら2人が男子にナンパされてその男子が女の子に殴られた

 

 ……うん、カオスだね意味がわからないよ

 

 でもこの2人はスクールアイドルを知ってるみたいだし、もしかしたら何か聞けるかもしれないな。そう思い俺たちは近くのベンチに座りお互いに自己紹介をすることにした

 

 

 

 

「では早速! 普通科1年! スクールアイドル同好会2代目部長のかすみんこと、中須かすみでーすっ」

 

 目の前の子……中須さんはクルッと回ってポーズを決めた

 

 あー……この子こういう感じか……

 

 俺は中須さんがどんなタイプか出会って早々分かってしまった。俗に言うぶりっ子ってやつだろう

 

 

「次はオレっすね……。先程はお騒がせして申し訳ないっす、同じくスクールアイドル同好会に所属しててサポーターを務めてる情報処理学科1年の涼風時雨っす」

 

 2人をナンパしていた彼は先程の事を軽く謝罪し、礼儀正しく自己紹介をした。ふざけた人かと思ったけど割としっかりしてるみたいだね。

 

「って、オイ。いつからお前が部長になったんだよ」

 

「だってかすみんとシグ助以外はみんないなくなっちゃったしシグ助はサポーターでしょ? だからかすみんが部長になるしかないじゃん」

 

「まぁ理屈は分からなくもねぇけどよ……そっか、お前が部長か……」

 

「むっ……何か文句あるの?!」

 

「別に何も言ってねーだろ」

 

「嘘だ! 文句ありそうな顔してるもん!」

 

 ……と思っていたら何やら言い合いが始まった。さっきも中須さんが涼風くんを殴ってたけど……この2人って仲良いの? 悪いの? どっち? 

 

「えっと……私達も自己紹介してもいいかな?」

 

「あっ……そうでした……」

 

「またもや申し訳ないっす……それじゃお願いします」

 

 言い合いになった2人に侑姉が割って入ると2人は言い合いを辞め、俺たちの自己紹介を聞く態勢に入った

 

「じゃあ私からだね、普通科2年の高咲侑です!」

 

「普通科2年、上原歩夢です」

 

「俺は高咲柚月、2人と同じく普通科の2年だよ」

 

 俺たち3人の自己紹介が終わると真っ先に涼風くんが反応した

 

「ん? 同じ苗字……ってことはお2人はきょうだいなんですか?」

 

「うん! 私と柚月は双子なんだ。私が姉で柚月が弟だよ」

 

「なるほど……OKっす。把握しました」

 

「よし! じゃあお互い自己紹介も済んだことだし……3人とも、お近づきの印にこれをどうぞ!」

 

 そう言って中須さんはカバンからコッペパンを3つ取り出して俺たちに渡した

 

「わぁ……美味しそう! 良いの?」

 

「もちろんですっ。遠慮せず食べてくださーい!」

 

 中須さんもそう言ってる事だしお言葉に甘えて頂くことにしよう。 俺たちはラップを開けて早速1口口に入れた

 

「ん……美味いっ!」

 

「ほんとだ……美味しい!」

 

「うんうん、すごく美味しいよ!」

 

 見た目の通りとても美味しいコッペパンだった。具材の旨みとパンの柔らかさが絶妙にマッチしている。こんな美味しいコッペパンを食べたのは初めてかもしれない

 

「これってどこで売ってるの?」

 

「ふふん、聞いて驚いてください。これはかすみんの手作りなんです!」

 

「えっ、そうなの?!」

 

「こいつは意外にも料理得意ですから」

 

「ちょっと! 意外ってどういうこと!?」

 

「そのままの意味だわ」

 

 後日個人的に食べたいと思いどこのお店で売ってるか聞こうとしたら何と中須さんの手作りだった、凄いな……。後また涼風くんに嫌味言われてるじゃん

 

「でも凄いなぁ、こんなに美味しい料理を作れるなんて……それに可愛い! 流石スクールアイドルだね!」

 

 侑姉は中須さんの事を褒め始めた。料理を作れるのはすごいけど可愛いとか関係ある? って思ったけどツッコんだら負けな気がしたのであえて触れないことにした

 

「へ? か、可愛い……? そんなぁ〜! 確かにかすみんは可愛いですけどぉ〜! 侑先輩ってば見る目ありますね〜!」

 

 可愛いと言われたのが嬉しいのか中須さんは両手で頬を抑えながら嬉しそうに体をくねくね揺らしだした、この子単純すぎない? 

 

「誰が見たって可愛いよ。2人もそう思うでしょ?」

 

 侑姉はそう言って俺と歩夢ちゃんに問いかけてきた

 

「まぁ確かにね、俺も可愛いと思うよ」

 

「……う、うん、私も2人と同じだよ」

 

 なんだが歩夢ちゃんの返事がぎこちない気がしたけど気のせいかな? それより歩夢ちゃんの前で他の子に可愛いとかいうのは気が引けるな……

 

「そんなに褒めないでくださ〜い。照れちゃいます〜!」

 

「はぁ……始まった」

 

 中須さんは先程よりも嬉しそうになっている。そしてそれを見た涼風くんはやれやれ……みたいな態度をとっている。もしかしてこうなった中須さんを何回も見てきたのかな

 

「でもでも〜。かすみんほどじゃありませんけど3人も可愛いですよー? 特に柚月先輩は男子なのに……」

 

「あーもう!! 可愛いって言わないでよ!」

 

 まさかこのタイミングで言われると思わなかった、なんで? 関係ないじゃん

 

「分かる? 柚月は可愛いよね!」

 

「侑姉は悪ノリしないで!」

 

 侑姉が悪ノリしたら収集つかなくなるからやめて、お願い

 

「あ、ちなみにいくら可愛いっていってもオレは騙されませんからね? たとえ女装したとしても」

 

「涼風くんはなんの心配してるの!!?」

 

「柚月くんの女装……」

 

「歩夢ちゃんはなんで ちょっと気になるかも……みたいな顔してるの? 絶対嫌だからね!??」

 

 え、なんで俺が女装する流れきてるの? なにそれ地獄じゃん。てか出会って間もない後輩に可愛いって言われるの俺? そろそろ泣くよ? 

 

「あ! そ、そうだ! さっき2代目部長とか言ってたけど同好会って廃部になったんじゃないの?」

 

 俺は話を逸らすため本題の同好会についての話題を出した

 

「あ、それについては……諦めなければ同好会は不滅ってことです!」

 

「まぁ部室は無くなったんすけどね」

 

「え、それじゃどうするの?」

 

「それについては追々何とかするつもりっす……それより先程スクールアイドルについて話してたみたいっすけど、もしかして入部希望っすか?」

 

「そうだよ! ……あ、ちなみに私はアイドル志望じゃないんだ」

 

「え、そうなんすか?」

 

「うん、私と柚月は歩夢を応援するって決めたんだ」

 

「だから……俺たちは涼風くんと同じくサポーターとしての入部になるのかな」

 

 流石に俺がステージで歌って踊るわけにはいかないからね、侑姉ならともかく

 

「なるほど……質問なんですけど柚月さんはダンスの経験はありますか?」

 

「え? まぁ一応……」

 

「柚月先輩ってダンスできるんですか?!」

 

「うん。でもダンス部の助っ人で参加しただけだから……」

 

「けどあの時の柚月くんはかっこよかったよ」

 

「え? そ、そうかな……ありがとう歩夢ちゃん」

 

 まさかこのタイミングで歩夢ちゃんに褒められるとは……少し恥ずかしいかも

 

「そうだ! 柚月がダンスとか教えてあげれば?」

 

「おぉ! ナイスアイデアです侑先輩!」

 

 侑姉が唐突な発案をすると中須さんが賛同した。

 

「いやいや急すぎるでしょ」

 

 でもあくまで助っ人としての参加だったしなぁ、知識とか技術なんてその道を目指してる人に比べたら全然……

 

 

「実はオレも柚月さんにダンスやステップの指導をお願いしようと思ったんですよ」

 

「え? そ、そうなの?」

 

 俺が困惑してると涼風くんが口を開きそんな事を言った。

 

「はい、ちょうどダンスの経験がある人を探してたんで……柚月さんさえよければお願いしたいんですが……お願いします」

 

 涼風くんはこちらを見つめ、俺にお願いした。

 

「涼風くん……」

 

「私からもお願いしていいかな……?」

 

 すると後ろの方から歩夢ちゃんの声が聞こえてきた

 

「歩夢ちゃんも……?」

 

「うん、私の我儘なんだけど……柚月くんが教えてくれるなら、私ももっと頑張れそうだなって思って……」

 

 歩夢ちゃんは上目遣いで俺にお願いをしてきた。俺と歩夢ちゃんの身長差にさほど差はなく俺の方が数cmだけ高いくらいだ。それでも、目の前で上目遣いをしている歩夢ちゃんは俺にとって凄く魅力的に感じ、思わず胸がキュンとした

 

 そして横目でちらっと見てみると、歩夢ちゃんと涼風くんだけでなく侑姉と中須さんも俺に期待の眼差しを向けていた

 

「……分かった。やってみるよ……!」

 

 俺がそう答えると4人の顔に喜色が現れた

 

 ……流石に4人にお願いされて、期待されたら断れるわけないよね

 

「ホント……? ありがとう柚月くん!」

 

「柚月ならそう言ってくれると思ってたよ、流石私の弟だね!」

 

「……柚月さん。すみません、ありがとうございます」

 

「フッ……なんせ俺は強くてカッコよくて頼りにされるような男になるんだからね!! だから俺に任せな!!」

 

 そして何より、歩夢ちゃんと侑姉がお願いしてくれてるんだ。だったら俺がそれに答えない訳にはいかない、だってそれが俺の役目なんだから

 

 

「それじゃあ侑先輩に柚月先輩! めいいっぱいかすみんの事をサポートしてくださいね? スクールアイドルとしてはかすみんの方が先輩なんですから。部長には絶対服従ですよ?」

 

「なんでそうなるのさ」

 

 

 中須さんが突如訳の分からないことを言い出した。え、何その絶対王政システム。ただの同好会に導入していいシステムじゃないでしょ

 

「うーん……絶対服従ってのはよく分からないけど……中須さんの事も応援するから安心して!」

 

 侑姉は中須さんの謎理論を華麗に流し、笑顔で受け答えした

 

「むっ……もっと気軽に呼んでください!」

 

 しかし彼女は不服そうにしている、理由は答えた内容ではなく呼び方についてだろう。確かに其方側は下の名前で呼んでくれてるのに此方は苗字呼びだもんね

 

「気軽にか……じゃあかすかすとか?」

 

「なっ……かすかすって呼ばないでください!」

 

 歩夢ちゃんがあだ名で呼ぶことを提案すると中須さんは勢いよく反発した

 

「中須かすみだからかすかすかなって思ったんだけど……ダメだった?」

 

「ダメに決まってます! だって可愛くないじゃないですか!!」

 

 中須さんはかすかすと呼ばれることをすごく嫌がっている。恐らく中須さんにとってかすかすと呼ばれることは俺にとっての可愛いって言われることと同じなんだろうな……。うん、君の気持ち凄くわかるよ。

 

「もう普通に名前で呼んどきゃいいっすよ」

 

 俺たちのやり取りを見ていた涼風くんがそう提案してきた。

 

「それもそうだね、じゃあ改めてよろしくね、かすみちゃん!」

 

「ホントはかすみんって呼んで欲しいですが……まぁ良しとしましょう」

 

 その提案に賛成した侑姉は中須さん……じゃなくてかすみちゃんに改めて挨拶をした

 

「そうだ! ついでってわけじゃないけど……涼風くんの事も名前で呼んでもいいかな?」

 

「オレは全然構わないっすよ」

 

「じゃあ時雨くんだね。時雨くんもよろしくね!」

 

「こちらこそよろしくっす。侑さん、歩夢さん。ふっ……これはオレのハーレムルートが来てるな……」

 

「ちょっと! 気持ち悪いんだけど?」

 

「いくらなんでも直球すぎんだろ、泣くぞ」

 

 ……とまぁお互いの呼び方についてはこれでOKだね。時雨くんは同じ男子だし是非とも仲良くなりたい所だね、不安だけど

 

 

 

「よーし。それじゃ早速、同好会の活動スタートですっ!」

 

 こうしてかすみちゃんの一声により、かすみちゃんと時雨くんを加えた5人でのスクールアイドル同好会の活動が始まるのであった

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!!

何かある度可愛いと言われる柚月くん可哀想ですね、まぁ私のせいなんですけど()
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