我ら、宇宙海賊・宝鐘海賊団   作:OPRETER

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要はマリン船長をクロスボーンガンダムに載せたかっただけです。



プロローグ

「船長~、目標を捕えたぺこよ~」

「ん、どう?」

 私はぺこらが操作するモニターを覗き込む。

「今のところは全て予定通り(オンスケ)。目標は予定軌道を航行中ぺこよ」

「ん。じゃあ行きますか。

 フレア~、あとよろしく」

「はいよ~」

 私は航行指令室(ブリッジ)を出て宇宙服置き場(ノーマルスーツラック)へ。

 ツインテをほどいて手早くまとめてから宇宙服(ノーマルスーツ)を着込む。

 機密チェックしてからエアロックへ入り、モビルスーツ格納台(ハンガー)へ。

 全長60mほどの我が『あくあマリン三世号(サード)』は、宇宙世紀の艦艇としては小型艦艇だ。18m級MSを2機搭載とはいえ、機密整備台(クローズドデッキ)など望むべくもなく、周囲を囲っただけの露天駐機(ドライハンガー)だ。

『船長!』

 無線に整備主任のこよりの声が入る。

『イムの整備は万全です!戦利品(おたから)、期待してますよ!』

「はいよぅ」

 私はそう答えて、MSのコクピットへ。

 手早くシステムを立ち上げ、寝ていたジェネレータをはたき起こし、各部の推進材量と温度をチェック。

 私の乗るこのMSの名は『イミクロス』。

 18m級MSのジェガン系と思われるフレームをベースに、頭部外装をガンダムタイプの意匠にして、バックパックを4本のプロペラントタンク先端にスラスターを付けたフレキシブルスラスターを付けている。

 …『イミクロス』の名の意味は、『イミテート・クロスボーン・ガンダム』の意味なのだ。さらに縮めて『IM(イム)』とも呼んでいる。

『電源系、冷却系、切り替え!』

「切り替え確認!」

『接続………解除!発進、どうぞ!』

「宝鐘マリン、イミクロス、出るよ!」

 イミクロスの手がハッチを掴み、開く。

 その外は、宇宙空間。

 脚を振り出し、その慣性を使って船から離れる。

 ボ、と一発吹かして船の前方に位置する。

『白銀ノエル、ナイトアーチャー、出まーす』

 もう一つのMS格納庫が開き、ノエルの乗るナイトアーチャーが出てくる。

 ナイトアーチャーはスラスターを吹かして船の舳先に着地すると、半身に構えて左腕を伸ばすと、左腕のシールドに折り畳まれていたビーム加速器があらわれる。

 その加速器に右手に持ったビームメイスを接続し、弓を引いたような姿勢をとる。

『目標、射程に入るわよ。

 3……2……1……射程突入(インレンジ)!』

『レーダー、ライダー、発信!ロックオンしたぺこ!』

『撃つよ!』

 ノエルが乗るナイトアーチャーが構えるビームボウを、艦内からフレアが操作、照準して目標の輸送艦を撃つ。

 そのビームは目標の輸送艦を掠める。外れたのではなく、わざと外したのだ。

 私はイミクロスを加速させて目標艦に接近しつつ命ずる。

「ビームフラッグ、()げ!」

 あくあマリン三世号(サード)の上部からビームが走り、空間に図形が描かれる。

 半分塗り潰されたハートマークに矢が貫ぬかれた、宝鐘海賊団の海賊旗(ジョリー・ロジャー)だ。

 私はイミクロスを目標の輸送艦に近づけて、その航行指令室(ブリッジ)と思われる場所にビームピストルを突き付ける。

「こちらは宝鐘海賊団である。

 積み荷のコンテナ2つをもらい受ける。

 2分以内にコンテナの放出、あるいは返答がない場合、あるいは5分経ってもコンテナの放出かない場合、貴船を沈めることになる。

 返答を待つ」

 一方的にオープン回線で通告する。

 1分しないうちにコンテナが放出された。

「……早いな……」

 いやな予感がして、ダミーバルーンをコンテナに向けて撃ってみる。

 ……コンテナは二つともダミーバルーンに弾かれてコースを変えた。つまり、

「空のコンテナでは意味がないな。

 どうやら命がいらないとみえる。

 ではまずは推進機から」

『ま、待てっ!わかった!あと3分待ってくれ!』

「急いだほうがいいぞ。我々も暇じゃないんでね」

 

 2分後、放出された2つのコンテナの質量を確認した後に回収。ついでに空と思われるコンテナも回収、あくあマリン三世号(サード)の船倉に放り込み、

「ずらかるよ!最大船速!」

了解、船長(アイ・マム)!」

 そのフレアの声とともに、あくあマリン三世号(サード)は加速を開始してあっという間に輸送艦から離れる。

 船の加速に振り落とされないよう、慎重にMSを動かして、なんとか整備台(ハンガー)まで戻って扉を閉め、機体を固定する。

『冷却系、接続しま~す!』

「ほーい」

 私はイミクロスのコクピットから出て、慎重にイミクロスの足元に降りる。

 今、あくあマリン三世号(サード)はいまだ加速を続けている。

 このため、船尾方向に約3Gの加速Gが発生しているので、疑似的な重力が発生しているためだ。

 おまけにイミクロスの表面は熱を帯びているのでうかつに触れない。整備台(ハンガー)のタラップを伝ってようやく艦内へのハッチにとりつく。

「こより~、悪いけど、あと頼むわ~」

『了解で~す』

 機体の冷却と整備をこよりに任せ、私は艦内へ入って船倉へ向かう。

 

 船倉ではるしあがコンテナとにらめっこしていた。

「珍しいわね、るしあが攻めあぐねるなんて」

『船長、この4つのコンテナ、今、開けないほうがいいと思う』

「え?」

『4つとも与圧されてるのよ。与圧デッキで開けないとまずいわ』

「…なるほど」

『副長より全艦、加速を終了する。3、2、1、』

 その声とともに加速が終了、加速Gもなくなり、身体が浮き上がる。

「帰るまで祝杯はおあずけだねぇ。

 フレア?聞いてたよね。『(ガーデン)』までの軌道計算、よろしく」

『了解~』

「じゃ、戻りましょ、るしあ」

『そうね。仕方ないか』

 私たちは床を蹴って船内へのハッチへ流れる。

 

 宇宙世紀(ユニバーサルセンチュリー)0159年、激動の宇宙戦国時代の中で、私は宇宙海賊として生きている。

 




ほとんど1発ネタなので、反応となにか思いついたら続きを書くかもしれません。
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