うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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活動報告を見て居ない人もいるかもしれないので一応明記。
IFに一話追加してます。


90話 戦場へ

 

 

チャンピオンロード。

 

概要こそ既にうろ覚えだが、ポケモンリーグが開かれるための敷地がある。

カントー・ジョウトならセキエイ高原、シンオウならなんか滝の上の施設。

 

ここに行くまでに必ず通らなければならない野生の登竜門と化しているダンジョン。

そしてそのダンジョンを目指す者は全員が、ジムバッヂ8個を集めた猛者。

殆どのトレーナーがエリートトレーナーであり、互いにシノギを削りあっている。

 

野生のポケモンが強い上に、そこにいるトレーナーたちまでレベルが高い。

つまりはポケモン達が傷付く可能性が非常に高い場所である。

ここの迷路具合と、あまりに血気盛んなトレーナー達にキレた人も居た事だろう。

 

まあ大抵の人は物語最終場面というのもあり、融通が利きコストの安い回復アイテムを携えて

それをチリポリと消費しながら進んだために、全滅まではしていないと思うが。

 

そんな場所に、カントーポケモンリーグが開催されるとなれば

例え2ヶ月前だとしても、元々が訓練しながら進むには持って来いの場所なのだ。

きっと開催が先だとしても、回復アイテムの需要は必ずあるはずだ。

 

そして、何故に道中で休憩所やら販売店がゲームではないかと言えば

おそらくは最終ダンジョン故のご都合主義なのだろうが

俺の概念で考えれば、このダンジョンは人が多く入る関係上道も整備されており

野生のポケモンさえ何とか出来る腕があれば

粗末ではあるながらも、臨時のフレンドリーショップを開く事が出来る場所だと思っている。

 

 

 

「……一応聞くが、大丈夫なのかい? あそこは例えトレーナーを退けたとしても

 出てくる野性のポケモンもカントー屈指の強さを誇る場所だよ?」

「まあ、なんとかなりますよ。一応は考えもありますし」

「うむ、そうか……なら、みなまで言わんよ。弾頭の最後の一仕事、頑張って欲しいところだね」

「まあ、今の時点で成功するかどうかまでは保証しかねますがねー」

 

行き先を決めた後、サカキと最後の会話へ入る。

ついでに、ポケモンリーグ開催時期が近くなったらセキエイ高原の方まで出向き

大会を観戦してからこっちに帰ってきても良いと思う。

 

「それじゃ、ちゃっちゃと旅荷物を纏めてチャンピオンロードまで行きますかね」

「おや、随分急ぐんだね。別にあと2、3日位のんびりしていても構わんのだよ?」

「入院費用とかでも散々迷惑掛けてますからね。ちょっと申し訳ないかなと思ってたんで」

 

意識を失う前まで、俺がくいっぱぐれないようにくれていた謝礼も

業務内容がさらに良くなっているため、本来なら増えているのだが

上記の内容もあったため、相殺という事で話をつけている。

 

提示された金額で考えれば、それを引いてもお釣りが来るわけだが

下手な大金を持ち歩いて、それが癖になっては見るも無残である。

故に相殺とはいえ、無理矢理納得してもらった形である。

 

「分かった、詳しい話は開発室に行って研究員と話を詰めてくれ。

 取締役として、健闘を祈っているよ」

「了解しました、そちらもまた忙しくなるでしょうが頑張ってください」

 

最後は互いに少しだけピシッと決め、食堂でお別れとなった。

 

 

「なるほど、最初に撒き餌として小ぶりなサンプルを渡し

 効果を実際に味わってもらった上で、リピーターを募るのか」

「ええ、化粧品とかと同じ手法ですね」

「わかった、では適当に小型の入れ物を用いて試供品を作っておこう。

 すぐに終わると思うから少しだけ待っていてくれ」

「あいー」

 

今回はお店に卸すような、正規の製品というわけでもないので

外装やら入れ物はざっくばらんに適当でも良い訳だ。

研究室で使われている様な容器に適度に分け入れ、サンプルにしてもらう。

 

この2ヶ月の間に、開発部門もかなりパワーアップしていた。

俺が病院で寝る前までは100万か200万の資本金をむしりとっていた金食い虫だったが

俺が渡した主婦の味方的アイディアと彼らの魔改造が生んだ製品が根強く売れ始めているらしく

開発部門の営業利益も一気に黒字にまで周りきっていた。

徐々に徐々に増え、現在2500万辺りまで資本金が増えているそうだ。

 

こんな感じで開発室もさらに強化され、研究員は当時の倍である6人が携わっている。

ついでに言えば新しく入った人達もどっか狂ってて変態気味です。

他の会社の研究施設じゃ物足りないって人達だからな……その手の人材が集まるのも当然か。

 

「こんなもので良いかな? タツヤ殿」

「うん、効果さえ感じられれば十分です、下手に大目に仕込んでも無駄ですからね」

「わかったよ、明日以降はトキワの街まで商品の提供として誰かが出向き

 君の手持ちのポケモンに渡す手配でいいのだね?」

「ええ、多分ダグトリオに出向かせますんで、代金やらはそこでお願いします」

「了解だ。欲しい商品や個数はその時に手持ちのポケモンに渡してくれ」

 

弾頭で出来る事前準備はこんなところかな。

さて、これからはいよいよ(違う意味で)激戦区での商売だ。

ここで燃えねばどこで燃えるのか、どれだけ売れるか楽しみである。

 

「さて、と……それじゃ先にそらをとべるポケモンとかの借り受け準備しておきます。

 ちょっとしたら戻ると思うので、各アイテムのサンプル作成をお願いしますね」

「あぁ……これから少し寂しくなるだろうが、こちらも頑張るとしよう。

 私を含めたここの6人も、全員君には感謝しているんだ。

 まさかこんなに好き勝手に、研究する事が出来るなんて思っていなかったからね」

「そりゃよかった。これからも好き勝手に出来る様に、会社の利を損なわん程度に頑張ってくださいね」

「ククク、そうだな。このようなぬるま湯の如くの研究では行けない。

 そのうち君ですら驚くような研究成果を見せてご覧に入れよう。

 楽しみにしていてくれたまえ」

「……世の中ひっくり返すような研究だけはしちゃ駄目ですよ?」

「そうだな、心得ておこう……クククク……」

 

…………。

うん、サカキさん、心の中で謝っておこう。ごめんなさい。

俺もしかしたらこの会社に、核地雷持ち込んだのかもしんないわ。

まぁ、もう俺はここからおさらばするし知らん。あとは任せた。

 

ともあれ、地下施設の受付からポケモンの借受書を提出。

街間を移動する事が出来る飛行ポケモンを1匹借り出した。

その後、先程の会話の通り研究室まで戻り

今日1日で使うであろうサンプルを全てキャッシュバッグに詰めてもらった。

 

 

そして、長らく世話になった弾頭の地下施設から

新たな旅立ちに出向こうとしたところで──ちょっと嬉しいサプライズがあった。

 

 

弾頭地下施設入り口の、ちょっと広いフロアにて。

サカキが20人程度の社員を連れ、そこで待機していた。

施設から出ようとする俺等は必然、彼等と鉢逢う事となる。

 

「どうしたんすかサカキさん……この人数、施設管理の人員が殆ど居るんじゃ……」

「いや、何……有限会社弾頭の名誉社員の旅立ちなのだ。これぐらいはさせてもらわないと、ね」

「何を───」

「───全員、新たに旅立つ名誉社員・タツヤとその手持ちの友に……敬礼ッ!!」

 

そのサカキの一声に、まるで軍隊の如く足並みを揃え

全員が手を額の横にビシッと付け、最上級の敬礼を俺に向ける。

 

『『タツヤさん、有難う御座いましたッッ!!』』

「oh……」

「ディーァ……」

「ホァァァ……」

 

実は普通に出して歩いていたドレディアさん達もその光景に圧巻され、口から声を漏らしてしまう。

あんた達さ、確かにこういうの嬉しいけどさ……

その敬礼向けてんの、ただの11歳児やぞ? なんか違和感ありすぎじゃないか?

普通に頑張ってーとかのがもっと嬉しかったんだが……

 

まぁ、長らく滞在し続けていた関係者にこういう事をされて、嬉しくない奴も居るはずが無い。

 

「みなさん、ありがとうございます───行ってきます!」

 

『『行ってらっしゃいませ!!』』

 

これからも、俺の旅は順調に続けていけるはずだ。

 

 

 

 

 

 

6時間後。

 

 

俺は弾頭地下施設に半泣きで戻ってきていた。

 

「えぐ……えぐっ……」

「ディ、ディァ……」

「い、いや……まぁ、その……落ち込んでは行けないよ? 世の中こんなものだろう。

 うまく行く事のほうが少ないのだから、気にしないほうがいいと思うよ?」

「でも……あんなにサッパリした別れをしたのに……

 なんでまたここに戻って来なきゃならないんだッ……カッコ悪くて死にたい……!」

 

今生の別れでこそないものの、あんなに期待を込められてさようならってしたのに

どうして俺は1日も経たずにここに居るんだ……!!

 

「ま、まぁ……忘れていた私も盲点だったよ」

 

そう、盲点でしかなかった。

 

 

 

 

「まさか君がバッヂを1個すら所持していないなんて」

「穴があったら入りたい……!」

『───;;;』

 

 

そんなわけで、意気揚々とチャンピオンロードに繰り出そうとしたら

セキエイ高原入り口? に該当する所の警備員にグレーバッヂが無いと通せないヨ☆と述べられ

初代から引き継がれる鉄壁の守備を持ってして、俺を通してくれなかった。

 

どうしようもなくなったがために、サカキの権限を用いて何とか出来ないものか思い

大恥をかきつつ弾頭に戻ってきたのだ。社員さん達の生暖かい目で死にそうです。

 

「とりあえず、その件は私が一緒にそこまで同行しよう。

 その際に警備員に特別通行証を発行してもらえばいいさ」

「あれ、そんなのあるんすか」

「そうじゃないとバッヂを持っていないオーキド博士とかも

 セキエイ高原に出向けなくなってしまうだろう? 事情を説明すれば行けない事はないと思う」

「それならいいんですが……」

 

事前にそこに思い当たってれば恥を掻かずに済んだのに……!

 

【ぬ、貴様等……どうした? 今日は妙にアウトドア的な装備だが】

【また旅に出るのー?】

「お、WM(ダブルミュウ)か……んだよ、ずっとここに世話になるわけにも行かんしな」

 

フロアの方で恥ずかしい目に遭っていたところ、ミュウとミュウツーがそこに通りかかる。

そういえばこいつら俺がいなくなったらどうすんのかな。

ミュウはミュウで仕事的にも会社のプラスだし

ミュウツーもミュウツーで、人間不信はゲーフ●の社員然りで大分改善されているはずだし

今なら人間社会で暮らすのもそこまで苦ではないだろう。

 

【ほぉ……行き先はチャンピオンロードとか言うところか】

「おや、知ってんの?」

【前に貴様の母親とストレス解消の為に出向いた事があるぞ。

 今回の貴様の主目的とは違う目的だったがな】

「何してんだよ母さん……」

 

その言葉だけで、当時のチャンピオンロードがどんな惨状なのか簡単に想像出来た。

まさかあの地形トラップって、こいつと母さんが遊んだ結果じゃないのか?

 

【ふむ……よし、この私も同行してやろう。感謝するのだな】

「別に要らんけど」

【なんだとォッ!?】

【あ、僕も僕もー♡】

「お、ミュウはいいぞー」

【貴様ッ!! 差別かッ!! この扱いの差は何だッ!!】

「お前の気のせいだよ、多分」

【そうだよーミュウツー、被害妄想はいけないよー】

【貴様等は私が頭の中を見通せる事を忘れてないか!?

 口と頭の中身が一切かみ合っていないではないかッ!!】

 

そんな感じでギャンギャンと言い合いに発展した末

サカキも「基本、ただ飯喰らいだから引き取ってくれ」との事で(何気にひでえ)

ミュウツーも今回の旅路の供となる事になった。

 

 

というわけでその後サカキに同行して貰い警備員に事情を説明。

その事情にハクを付ける為に、ポケモンリーグの特別出場枠の権利まで与えられてしまった。

まあそこの点は適当にサボれば問題あるまい。

 

「では、君の旅路に幸あらん事を……。改めて言うが、期待させてもらうからね?」

「うへー、変にプレッシャーかけんでくださいよ……」

「ハハハ、頼んだぞ。社長代理さん」

「どこの子供店長ですか」

「ディーァ」

 

そんな感じに軽口を叩き合い、警備員詰め所でお別れをして

すぐにチャンピオンロードの入り口に辿り付く。。

 

「よし……それじゃあ栄光のチャンピオンロード……」

 

「ディッ……!」

 

「ホアァァ~」

 

『ッッッ!!!』

 

「△▲☆★~♪」

 

「ミュー♪」

 

【ふん……】

 

 

「行くぞぉぉぉぉおおぉおってうぉぉおおぉぉおおーーーーーーー?!?!」

「グガーォォォォォン!!」

 

 

あ! やせいの ゴーリキーが くうきをよまず とびだしてきた!

 

「ディ」

「グガオォォォォォォォォンッ!?!?」

 

いちげき ひっさつ!

 

 

「ディーァァー?#」

「ォォォン……;」

「ドレディアさん、その辺で良いから……俺はもう怒ってないから」

「ディーァ?」

「いや、すまんねゴーリキー。

 お前達からすりゃ縄張りに侵入してきた敵だろうに、いきなりシバき倒しちまって……」

「ォォォォン……」

「ホアァァ……」

 

1歩目を踏み出したところで、突然ゴーリキーが襲い掛かってきた。

そして横にスタンバっていたドレディアさんがこれを一撃粉砕。

かわいそうな子の代表例を作り上げてしまった。

ミロカロスもこれはさすがに、と思ったのか殴られた箇所に水を流して癒している。

 

「大丈夫か? 傷がきついならミックスオレ飲んでおくか?」

「ォーン;;」

 

【すんません;;】と申し訳なさそうに俺からミックスオレを受け取るゴーリキー。

まあ、ドレディアさんに肉弾戦で勝てる奴など殆どおらんだろうし

君が弱いわけでもないからな、元気を出して強く生きてくれ。

 

 

ててててーん♪

 

 

「ん?」

「ディァ」

 

なんか久しぶりに聞いた音だな、ポケズ(ポケモン図鑑)からだ。

 

「どうしたよ。ていうかお前本当に久しぶりだな」

「ええ、お久しぶりです。まぁ基本戦闘要員でもないですし出番はないですよね。

 2ヶ月間、バッグの中に放り込まれて何も出来ずにずっと暇でしたよマスター」

「命の危険だったんだ、文句言うなぃ」

「で、用件ですけど……ドレディアさんのレベルが上がりました」

「ディァ!」

 

おぉ、そうかそうか。そういやレベルアップ自体も久しぶりだな。

最近ずっと弾頭の施設でダベってるばかりだったからなぁ……

気付かんうちにダグトリオもレベル上がりまくってるし。

しょっちゅう修行だのなんだのって出かけてたしな、こいつら……。

 

「おめでとうございます、ドレちゃん。Lv36程度ですよ~」

「ディァ~ディァ♪」

 

ポケズからの報告を聞き、嬉しそうに頭を左右にゆらゆらさせるドレディアさん。

なんでこのファンタジーな可愛さを維持出来ないんでしょうか、この草人は。

 

「そういえばマスターも良いレベルな筈ですし、進化とかしないんですか?」

「出来るか阿呆!!」

【……貴様なら、案外出来るのではないか?

 あいつの息子というなら出来ても問題はない気がするが】

 

人の身に一体何を期待しているんだこいつらは。

っと、そんな事よりだ。

 

「んーゴーリキーさぁ、よかったらお前んとこの群れだけでもいいから

 俺等がしばらくここに居座るーっての伝えてくんねーかな」

「グ?」

「お前等んとこのだけでも、飛び掛ってこないんなら楽だし

 こっちもその上で襲い掛かられたら遠慮なくぶちのめせるしさ」

「グガーォン」

 

【了解っす】と気前良く同意してくれるゴーリキー。

野生のポケモンとて話せばちゃんとわかる───

 

「ディ~ァ? ドーレディァ」

「グ、グガォン……;;」

 

───話してわかってもらえたはず。

うん、そのはず。きっとドレディアさんの威圧は関係ない。

 

 

せっかくなので瞬殺されたゴーリキーにダンジョンの中盤まで道案内をしてもらう。

途中途中でエリートトレーナーに突っかかってこられたのだが

今回はアイテムを持参した上での合理性があるため

事情を説明して面倒なトレーナーバトルを引っ込めて貰う。

 

なお、融通を利かせない『あたまでっかち』トレーナーに対しては

出してきたポケモンをルール無用でドレ・ダグ3人を出向かせ、ついでに俺も出向き

瞬殺フルボッコにし、試合回避に同意しなかった事を後悔させたのを明記しておく。

 

話し合いは大事なのですよ。

 

 

「うん、まあここら辺でいいかな? 丁度ダンジョン的にも中腹辺りだし……」

「グガォン」

「よし、じゃあここに簡素な小屋的なモンでも立ててしまおう。

 ゴーリキー、道案内ありがとうな! 俺等しばらくここら辺にいるから

 よかったらたまには遊びに来てくれや。ジュースぐらいは出すぞ」

「グガーォーン!!」

 

道案内してくれたゴーリキーとお別れをして

俺等は臨時フレンドリーショップの準備に入る。

 

「よし、それじゃあミュウよ。悪いけど適当に石材作ってくんないかな」

「ミュィ?」

「んだーね、あのでっけー岩で良いか。

 こう、この位の大きさの四角にして切り取ってくれ」

「ミューィ」

 

俺の言葉を聞き届け

シオンの工事現場でやったような感じでズガガガガガッと大岩にカットエフェクトが入り

まるでドラゴン●ールのセルゲームの石材が如くに早代わり。

 

【ふ……その程度の技など造作もない。私も手伝ってやろう、光栄に思うが良い】

「あ、そ。じゃやってくれ」

【ッチ……相変わらず感謝の欠片も無い奴だな。】

 

そう呟きながらミュウツーもそこらの大岩にズガガガガッとした途端に岩雪崩が俺等を襲ってくる。

 

【なっ!? ぬ、ぐっ!】

 

自分で発生させた岩雪崩を自分の念力で全て受け止め、適当な位置に吹っ飛ばすミュウツー。

 

「…………。」

【…………相変わらず脳筋だねぇ】

【し、失礼な事を抜かすなッ!?

 こんな失敗、一度や二度ぐらい誰にでもあるものだろうっ!!】

 

そしてもう一度適当な大岩に切れ目を入れるが

今度は絹ごし豆腐が地面に落ちたかの如く、ぐしゃぐしゃな感じになった。

これはこれで恐ろしいが……これが一体なんの役に立つのだ。

 

「お前もう良いから座ってろ。な?」

【ぐぬぬ……!】

 

動かれて足を引っ張られたらたまったもんではない。

 

 

 

 

ミュウが作った石材ブロックを、ポケモン全員で組み込んで行き

大体8畳ほどの広さを備えた小屋が出来上がる。

屋根に関しては何かしら木材を持ってこなければ行けない気がするので

ダグトリオに仕入れに行ってもらう際にドレディアさんでも付けておこう。

ひとまずは屋根の無い壁のみの小屋だが、拠点としては丁度よかろう。

俺等が居なくなっても休憩所として使ってもらえるかもしれんしな。

 

あ、看板とか一切持ってきてねえや。

声を張り上げて客を呼ぶのも面倒だし、今日はお休みでいいか……。

 

「それじゃみんな、明日から頑張るぞー!」

『おーう!!』

「あ、ミュウツーは頑張らなくていいから」

【なんだとっ!?】

 

 

こうして、チャンピオンロードのとあるフロアの隅に

臨時のフレンドリーショップが出来上がったのだった。

頑張って営業するぞー。

 

 


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