うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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91話 商日記

 

 

やぁ諸君、タツヤだ。

 

現在どういう訳だか予定外の方向に物事が進み始めてしまっている。

と、いきなりそう言ってもよくわからないだろう。

 

幸い日記をつけていたので、こちらを読んで欲しい。

 

 

 

 

(あきな)い日記~

 

『1日目 外は晴れ

 

 昨日チャンピオンロードに辿り付き、急ごしらえではあるのだが、一息着ける様な居を構えた。

 モノ珍しさがあったのか、ズバットやらゴルバットに襲撃される。

 しかしそこは岩作りの壁である。3匹の子豚の様にゴルバットは壁にはじかれ

 

 なかった。

 

 どうやら本格的な工事と比べて接着的なものが無かったために

 当たり前といえば当たり前の如く、まるでジェンガのように壁は崩れ落ちた。

 

 その後頑張って作り上げたミュウやらドレディアさん達の手によって

 襲撃ズバゴルさん達が漏れなくリンチに遭ったのは言うまでもない。

 

 俺も若干イラ付いたので猿轡をした後に、その猿轡に紐を通し天井に吊るしておいた。

 例え自分の手持ちではなくともお仕置きは必要だと思う。

 1時間ぐらいした後に本気で痛がっているっぽかったので、とりあえず逃がしておいた。

 虐待に進化させてまでお仕置きを続ける気はさらさら無いのだ。

 

 その騒動と修復が若干騒がしかったせいか

 昨日挨拶して回ったトレーナーがこの住居を訪ねてきた、というか迷い込んでいた。

 光も差さない洞窟内部なため、どうやら体内時計が狂った上で迷いに迷ってここまで来たそうだ。

 苦労してんなぁ……。

 

 昼間辺りのズバゴル襲来のせいで全面的に修復中のため。若干うるさくはあるが

 とりあえずその人達には簡素な宿屋として、住居を貸し出しておいた。

 ……これ金取れるんじゃないか?

 

 修復が終わった後はダグ共3人に指令を飛ばす。

 ひとまず各回復剤を20個ずつと、食料と木の板を発注しておく。

 サンプルのモノはそれぞれ5個程度残っているが

 本当に欲しがられた時に商品がその場に無くては目も当てられない。

 

 ついでだからダグONEだけ残し、トキワ=チャンピオンルートで

 あなぬけのヒモ代わりの通路の確保をお願いしておいた。

 

 一応セキエイ高原に入る前に一般トレーナーがそれに気付いてしまい

 裏技的にこちらに来て頂かない為に、細工を施しておいてくれと伝えておく。

 今回のTWOとⅢは完全に仕入れ要員だ。

 

 時差ボケ的なモノで、夜の8時ぐらいにトレーナーさん達が続々と起きて来る。

 起きて来る可能性も考慮して多めに作っていたので、飯を分けて食べさせた。

 久しぶりの美味い飯だと、トレーナーの手持ちのポケモン共々感動していた。

 ドレディアさんに見せびらかして食って、例の如く殴られて、1日が終わった。』

 

 

 

『2日目 外は槍

 

 迷いこんだトレーナーが元気良く出発した。

 

「また来てもいいかな!?」と言われ「次は金取りますよ」と伝えると

「それでも来る」と言っていた。なんか俺らの目的違って来てねえか?

 

 こんな人の住める環境じゃない場所で人並みの寝床や食事が出るのは

 エリートトレーナーさん達にとってはかなりの精神安定剤になるそうである。

 

 まあ、これから1泊700円としておこうか。

 金を取る事に決めた為、ミュウとドレディアさんには建設に回ってもらう事に。

 

 建設途中にダグTWOとⅢが仕入れから帰ってきた。

 どうやらサカキから手紙を1通もらっているらしい。

 

[試供品ではお金にもならぬだろう。

 今回の仕入れに関する金額のみ、弾頭の経費として回しておく。

 別に私達はこれからも弾頭持ちでも良いのだが、それでは君が納得しないだろう。

 次回からはそれらの売上等も考慮し、上手く出店を回してくれ]

 

 ちゃんとこちらを考えた提案をしてくれるからうれしいものだ。

 その手紙を読み終えた後、木の板を1枚細工して店名を描いた看板に仕上げておいた。

 ここは念写が出来るミュウツーが役に立つ。

 

 そして本日いよいよ開店!! 今日から頑張るぞ!!

 

 

 

 店名・「なぞのみせ Lv98」

 出張店舗なのでちょっとお高いです☆

 

 

 

 チャド(チャンピオンロード)に入った際、すぐに出会ったゴーリキーが開店祝いに駆けつけてくれた。

 多分ただ普通に逢いに来ただけの偶然だと思う。

 でもお土産にほしのかけら持って来てたし許す。

 

 おもてなしとしてミックスオレを振舞っておいた。

 横から出てきたミュウツーまで欲しがったため、仕方が無いので飲ませておく。

 そろそろミックスオレの在庫が厳しいな。明日行って貰う仕入れの品目に混ぜておこう。

 

 そうして看板を外に出して、適当にゴーリキーとダベる事30分……お客さん第1号が来店した。

 

 ファイヤーだった。

 

 店にかえんほうしゃを仕掛けてきそうだったので、本来のタイプ相性は最悪のドレディアさんに任せる。

 攻撃を喰らう前に即座に轟沈していたファイヤーが哀れだった。

 

 決まり手:ネックブリーカードロップ 

 

 とりあえず扱いが面倒なのでダグONEに頼んで、仕入れ用通路から外に逃がしておいた。

 お前一応伝説の鳥なんだからこんなとこに引きこもってないで空飛んで来い。

 

 

 ファイヤーを片付けて通路から店に戻り20分ほどしたところで、お客様第2号が来店。

 今度は普通にトレーナーだった。チャドに初めて来た時にすれ違った人だ。

 

 話を聞いてみると、どうやら試供品が気に入ったらしい。

 先に地獄の沙汰も金次第と言う事を説明し、回復薬の関係は全部が

 こちらで買い取る額も含めて3割増である事を説明しておく。

 

 値段を聞いたら、トレーナーさんもさすがに少し怯んではいたが

 弾頭作成の回復薬は、他の薬と比べてもそこまで割高ではないので

 それぞれの回復薬を2個ずつ購入して頂けた。さすがに全体回復薬は1個だが。

 

 ついでに宿的なもんもやってる事を伝えると「あとで来るわね!」と言ってた。

 

 それからはちらほらとお客とゴルバットが訪れ、売ったり買ったりボコッたり。

 お客さんは少ないながらも、売上自体はかなり良かった。

 

 お客さんにアンケートをとってみると「三色の状態治し+回復が便利かな」と言っていた。

 ここがあくまでも出店であり、本来の値段が3割増じゃない事を考えた上で

 いいきずぐすりが700円と考えると、ここで売られてる方に軍配が上がるそうだ。

 

 今日の売上は25000円程度だった。純利益としてはこれで10000円程度か?

 最後に宿予約の人達が3人訪れ、飯を振舞って終わった。

 ドレディアさんの滝のようなヨダレが哀れに思えてしまったので

 明日から夜飯を解禁、と伝えておいた。

 発狂してた。』

 

 

 

『3日目 外はきあいだま

 

 昨日のように、泊まった人達を見送って1日がスタート。

 

 さぁ、商売だ! と思ったら件のゴーリキーが大量に同族と子供(ワンリキー)を連れて来た。

 なんでもドレディアさんに一族を鍛えて欲しい、との事だ。

 初日のあの完封っぷりに恐れ(おのの)くと同時に惚れ込んだそうだ。

 建設係を俺とミロカロスでバトンタッチし、ドレディアさんには好きにしていいよと伝えておいた。

 

 ゴルバットがまた喧嘩を売りに来た、どうやら縄張りに俺等が居る事が本当に気に食わないらしい。

 ミロカロスに突っ込んでいった所で、店の周りを警備していたダグONEが素早く捕まえ

 これ以上来られると面倒なので、脚に鎖を繋げて番犬化させておいた。

 

 暇なのかミュウツーがドSッぷりを発揮し、ゴルバットを色々いじっていた。

 だからお前はアホなのだ。

 

 今日はお昼頃にも、泊まったトレーナー達が2人ほど来訪してきた。

 昼飯も作ってもらえないかとの事だった。

 

 幸いながら1日に3食分の食材は面倒かなと思い、ダグTWOには余分に仕入れさせてたのが幸を奏し

 材料は足りそうだったので、そのまま作って一緒に飯を食い、雑談しながらお昼を過ごした。

 トレーナー曰く、昨日ここで泊まったおかげで自分もポケモンも調子が上向きらしく

 今のところ連戦連勝との事だ、良い方向に動いているようで何より。

 

 午後からまた何人もお客さんが訪れ、物珍しそうに商品を眺めてた。

 初日に試供品を渡していない方々と判断し、残っていた試供品を提供しておく。

 

 それが過ぎ去った後は、一度見た人達が訪れて商品を買って行った。

 ま、値段が値段なので小口ではあるが確かに売れている。

 

 ふと気になったのでドレディアさん達の様子を見に行った。

 ゴーリキーとワンリキーが山積みになっていた、ドレディアさん強ぇ……

 ケツポケットに入れてたポケズ(ポケモン図鑑)から音が流れ

 取り出してみたところ、ドレディアさんのレベルが40になっていたそうだ。

 なんなんだろう、このパワーレベリングに近い現象は。

 

 それから店に戻ったところ、一度見た顔の人が来店していた。

 シオン辺りで遭遇して、ダークライを殴り飛ばした際のワカメの人だ。

 

 突然の遭遇に身構えられたが、こちらは今回は商売目的と伝えると安心される。

 弱りきってる人に喧嘩売るあんたほど物騒じゃねーっつーの、こっちは。

 

 最後に残っていた試供品を手渡し、こう言う事をしていると説明したところ

「なんで眠りを回復するものはないんだ?」と聞かれる。

 研究員から何も聞かされていないのであせってしまうがとりあえず

「そんなもん殴って叩き起こせ」と伝えた所ドン引きされた。

 失礼な。

 

 ワカメの人が去った後は極々平穏な時間が過ぎていった。

 なんか住居の裏手からゴルバットの悲鳴が聞こえたが気のせいだろう。

 

 本日の売上は17000円程度。純利益は7000円ぐらいかな?

 ダグTWOに食材を余分にと、足りなくなったアイテムの補充を頼み

 仕入先合流地点のトキワへ走らせておいた。

 

 今日は5人も泊まりにきやがった。

 追加の2人のうち一人は、泊まった人と対戦した際にここの存在を聞いて尋ねてきたらしい。

 もう一人はさっきの件のワカメの人だ、しばらく旅ばかりで人恋しいそうだ。

 ワカメの人の手持ちはダークライ1匹らしい、チャレンジャーだなぁ。

 他にも居たのだが一旦逃がしたと言っていた。

 

 他の宿泊客から「見せて見せて!」とせがまれ、ダークライを出していた。

 しばらくその威圧感やらなんやらを出していたところ、ドレディアさんが

【おまえなんかムカつく】といきなり言い出しバトルに発展してしまいそうになる。

 騒ぎになる前にドレディアさんの頭を掴んで、外に放り出しておいた。

 

 今日も平穏な一日だった。おやすみなさい。』

 

 

 

『4日目 外はりゅうせいぐん

 

 昨日泊まったワカメの人に

 

「君のポケモン達はどの程度戦えるんだい?」

 

 と尋ねられる。

 確かに前遭遇した時は問答無用で俺がシバき倒してたしなぁ……。

 

 ミロカロス以外は結構狂った性能、と伝えると「やらないか」としつこく迫られる。

 他の宿泊客達にまでバトルをせびられ、仕方が無いので合意してしまった。

 思えばここが俺の運の尽きだったのかもしれない……まさかあんなことになるとは。

 

 休業するという程のことでも無いなと思い、ドレディアさんとダグ共には

「今日は彼等と戦ってて良い」と伝えて、俺は一人で店の準備に取り掛かる。

 

 ついでに良い案を思いついたので、ミュウに持たせっぱなしのスピーカーもあるので

 ミュウに戦闘BGMでも流しておいて貰うことにした。

 ミュウも乗り気だったので、全員普段よりバトルに励める事だろう。

 BGMはホウエン地方の四天王戦でいいか。なんでこの神曲BW2にないんだろう。

 

 店の方は相変わらず来店客が少ない、まあ街中でもないし仕方ないのだが。

 それでも新商品の謡い文句には惹かれるものがあるのか、誰かしら1個は回復薬を買って行く。

 高いといえば高いが、用心に越した事は無いと言っていた。

 

 適当なところで人もいなくなり、ドレディアさん達の様子を見に行く。

 俺が辿り付いた時点で、ダークライは宿泊客の手持ちに倒されていた。

 倒される攻撃に関しても、一撃がでかいようなものではなかったため

 経緯を聞いてみたところ、無双し続け力尽きた感じらしい。

 見てみればドレディアさんとダグ共も横でくたばっていた。

 

 乱取り4人目にして漸くダークライ撃破になったそうである。ダークライ強ぇー。

 

 ゴルバットの方へ様子を見に行く。

 やはりミュウツーがぴちぴちいじめていた。かわいそうだろお前……

 

 どうやら反省したようなので、鎖を外した後サイコソーダを飲ませて解き放っておいた。

 これで来たら次はどうしよう。

 

 そうしてまた1日の終わり───と思ったら、宿泊客がとんでもない事を言い出した。

 

「ここの宿泊客同士で戦ってれば

 ポケモンが強くなる上に、1日をここで過ごせるんだからすっごい合理的じゃね?」

 

 俺の負担を考えやがれクソッタレ。

 正直そう思ったのだが全員が全員同調してしまい

 俺の店は強化合宿場になってしまったのだった。

 

 まあ、商売しながらの片手間でいいなら許可しておこう。

 順調に売れる事も確認出来たからな。』

 

 

 

 

こんな感じで大体日々が過ぎていき、そして現在。

 

急いでポケモンリーグに向かう必要も無いトレーナーがこぞってここに泊まっているため

無駄にダンジョン大所帯となってしまっている、その数20人。

さすがに収容しきれなくなり、追加で住居の建築を行いなんとかなっているという感じである。

 

「ダークライ、ふいうちだ!」

「なっ!しまっ───」

 

今日も商店の横では過激にバトルが繰り広げられています。うざってぇ。

 

「ディー! ディーア!」

「あー? 嫌だよ面倒な……なんでわざわざやられにいかなあかんのじゃ」

「ディー……」

 

ドレディアさんもしきりに一緒にやろうと言ってくるが

あんなダークライとか、不意打ちしないと勝てる気しない化けモンに

正攻法じゃ負け率ハンパねぇ俺が、何をどうやって立ち向かえっつーんだよ。

 

「バトルなんてそんな楽しむもんじゃない。な、ミロカロス」

「ホ、ホァ」

「ディァー……」

 

がっくりしながら対戦場へ戻って行くドレディアさん。

このチャドに住んでいるゴーリキーに喧嘩を吹っかけ、一撃でしばいていた。

そんなに不満なのか……やりたくないんだか俺の事は放っておいてくれよ……。

 

【ふん……大多数の意見に流されない事は評価点として認めてやらんでもない。

 まぁ、やはりバトルよりは可愛いポケモンについて語る方が生産的であろうな】

「どこがだ阿呆。そんなに可愛いポケモンが好きなら家でも構えて飼え」

【無理を言うな……! そんな事が出来るなら当の間にしている!】

「じゃあなんでやらんのよ」

【可愛いポケモンが私の姿を見たら怖がって逃げて行くからに決まっているだろうッ】

 

…………。

 

「ごめんなさい」

【ふん、判れば良い。ヤツラめ……私の悲しみも知らん癖に一目散に逃げおって……】

 

なんだろう、俺の中でミュウツーの像がどんどん壊れて行くよ。

お前あずまんがの榊さんかよ。

 

【でもまあ、君的には若干満足してるんじゃないの?

 人が沢山泊まってて、その分お金にもなるんだし】

「お前、俺の初期の目的忘れてねえ?

 俺のそもそもの目的は新商品のPRなんですけど」

【あっ】

「……まあ、何も言わんでおこう」

 

どうやら金稼ぎが第一目的と思われていたらしい。

断じてそんな事は無いぞ。単に稼げるなら出来るだけ稼ぎたいだけだ。

 

「ったく……まあ商品も地味に売れてるから良いけどさぁ……

 なんかこう、俺の思ってたのと違うんだよなぁ。なして合宿なんかになっちまってんのか」

【それだけ供給が少なかったんじゃないの?

 読みが正しかったって事だし、いいんじゃなーい?】

「そうかもしれんけど納得行かんわ本当に……俺が求めていたのはこんなもんじゃない……!」

 

なんでなんだ、どうしてこうなってしまったんだ。

やはりあのワカメの人にどれだけ戦えるか尋ねられたところで変わったのか。

 

「くそ、もういいや……おいミュウ、ミュウツー、人生ゲームやるべ!

 バトルなんざしてられん!! 今日こそ1位になってやる!」

【ほほぅ……この完璧な人生設計を持つ私を下すとでも?】

【おーいいねいいね、2人でミュウツーボコっちゃおう♪】

【なっ、貴様等……! 連携は卑怯だぞッ!!】

「卑怯? ──素晴らしいじゃないか。

 さぁ、ミュウ! 準備は良いな!?」

【おーぅ!】

「ホァ、ホーァー」

「お、ミロカロスも混ざる? よっしじゃあ4人で対戦だー」

 

さぁ、みんなでミュウツーをぶっ飛ばすぞー!

でもミロカロスは平和主義者だからな……混ざってくれなさそうだな。

よし、一緒にぶっ潰す。

 

 

 

 

「へっへっへ……どうだよミュウツー、後1歩で俺はゴールだぜ……!」

【ぬ、ぐ……まだだ、まだ終わらんよ!!】

「ホ、ホ~ァ……」

【ぷくく……♪ ミュウツーあんだけ大見得切っといてドンケツだもんね♡】

 

今回は途中で客が来訪する事も無く(まあチャドのトレーナー殆どここにいるみたいだし

最後まで人生ゲームをやりきれている。

 

そしてミュウと俺は裏でタッグを組み、ミュウツーをボコボコにしていた。

ミロカロスも何気にTOPを走っており、その差は僅差。

先にゴールすれば、俺がトップで逃げ切る事も可能かもしれない。

 

「さぁ、ルーレットを回すぜ……!」

【……外れろ、ハズレろ……!】

【頑張れー! 後1歩だよ!】

「ホ、ホァー」

 

そして運命のルーレットが回転ッ!!

それが示す数字は─────[1]!

 

「っしゃぁぁぁぁっ!! 俺の勝ちが見えt───」

「ハクリュー! ドラゴンテールよっ!!」

 

ズバァンッ!

 

「───ーーー!」

「ダ、ダークラーーーーーーイッ!!」

「あん?」

 

なんかがこっちに高速で迫るような風切り音がしたので、横手に振り返ってみると……

 

 

 

ダークライがふっとばし技を喰らってこっちに飛んできて─────

 

 

 

ドシャァァァァンッ!!

 

「あ」

【あ】

【あ】

「ァ」

 

 

 

人生ゲームのお金とコマと盤面がダークライに巻き込まれて

 

バラバラの粉々に……

 

 

「て、てめ何してくれとんじゃこのガングロがァァァァァーーーーーーッ!!!」

「ッ─────!?」

 

苛立ち紛れに、転がってきたダークライに馬乗りになり、全力で顔面をぶん殴る。

 

「あぁっ!? ちょ、やめ、やめてくれ店主君っ!!」

「うるせぇぇぇぇ!! ゴール出来たのに!!

 トップで勝てそうだったのにッ!! てめぇのせいでええええええ!!」

「─────ッ! ─────;;」

「お願いっ、お願いやめてあげてくれえええええっ!!

 ダークライは悪くないんだぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

【……ふふん、これはさすがにノーコンテストだな。

 やはり世界に愛されている私は、運命が私の負けを許さんらしいな】

【何寝言言ってんの。ほら、僕らの念力で修理してもっかいだよ。

 しっかり地べたに~()(つくば)ってもらわないと、ね♪】

【ふ、よかろう。運命が味方した私に敵など居ないのだッ!!】

「ホァ……」

 

 

 

怒りが収まらなかったので、瀕死になるまでダークライを殴り続けてしまった。

俺は悪くない。きっと悪くない。

 

 






品揃えは

・まひきずなおし  900円+3割  まひ回復ついでに40ほどHPを回復
・やけどきずなおし 900円+3割  やけど回復ついでに(ry
・こおりきずなおし 900円+3割  こおり回復ry(
・リカバリーボトル 5,000円+3割 全員のHPを70程回復

他、買い取ることになる薬

となっております。

全員回復するものは高い気がするかもしれませんが
全員が削りに削られ危ない場面で一気に全員回復出来る有用性を考えると
このぐらいでも安い気がしたのでこうなりました。

最近更新欲が減退中、まあ仕方ないといえば仕方ないか。反応あんまし無いし……
ま、多分完結はさせますからご安心を。

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