うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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ペラップーは何故か瀕死になっても、倒れても声がそのままペラップー♪なのだそうです。
他のポケモンは少し声が低くなったり、初代だとキャタピーが瀕死になるとゴースの声になったりするんですがね。


13話 No!

 

目の前には相変わらずの、がんじがらめポケモンズ。

こいつらをまず助け出して、この奇妙なディグダの問題をうやむやにする!!

 

そんな決心を元に情報分析を開始───したいのだが……。

 

『【はよだせぇええええええ!!】(ペラップー♪)』(意訳)

 

と、網の中が騒がしい上にむにょむにょ動いてややこしい事この上ない。

まるで、マサルさんの形が崩れた『めそ』のようだ。

しかし『めそ』はまぁどうでもいいとして。

 

「んーどうしようかなぁ……?」

 

この状態では網の質や、絡まった箇所がどこかも調べられない。

 

「ディ~……」

 

………………あ、良い事思いついた。よし、やるだけやってみよう。

 

「ドレディアさん、ちょっといい?」

「アー?」

「ちょっとあの子ら威嚇してみて。

 あんだけごそごそされてると下手したらこっちがさらに怪我しちまうから」

「アー。ディァ」

 

なるほどわかった、と快択を得た。

 

「はーいみんなこっち注目ー♪」

『リキピミュハナ!?(ペラップー♪)』

 

一旦こちらに視線を集める。そして─────

 

「うるさいとこの子が君らを全殺しにしちゃうゾ★ミ」

 

隣のドレディアさんの肩をポンっと叩き、前に出てもらう。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

 

ってちょwwwwドレディアさんwwww兄貴戦で見た黒いオーラ出なすったwwww

なんなのこれ、いかく付属関連なの!?

 

しかも良く見たら何故か俺を見抜いてるしwwwwwwwwww

顔の方にも青筋がっ。何故だっ。

 

【てめぇ私だって仮にも♀なんだぞ……もうちょっと表現考えろコラ#】

 

ってな意思が垣間見えた。だってあんた出来るやん。ドガース全殺し(瀕死)にしたやん。

本当なんなんですか貴方はっ。お嬢様的に扱われたいならもうちょいおしとやかにせぇや!

 

 

『───────────。』

 

そして『めそ』達、あ、いや……ポケモンズは

レディアさんの風格に完全に飲まれ黙りこくった。顔も心なしか青い。

やはり野生の動物は危機に敏感だねぇ。

 

 

あ、後ろのディグダまで青くなって正座してるや。

ドレディアさん、姐御ポジ獲得おめでとうございます。

 

 

「そんじゃあとりあえず、お前ら静かにしててくれなー。

 暴れられるとこっちもどこをどうすればいいかわからなくなるから困るんだよ」

『キュ~……(ペラップー♪)』

 

なんで鳴き声統一したし。

お前らそんな声出せたのかよ。

 

 

 

 

そんなわけで情報収集開始。

まず網だが……うむ、これに使われている網目のものは

やはり漁とかに使われる細い物ではない。むしろ停泊のために使われるロープだ。

1本切るにしても多大な労力が必要そうだ。

さすがにのこぎりなんてねぇしなぁ。俺らが斬る案は一旦保留。

 

 

 

次は捕まってるポケモン達を見てみるか。

ふむ……ピジョットとペラップーならエアスラッシュはどうか?

キレイハナならはっぱカッター、リーフスラッシュ当たりで何とかならないかな。

あとは……───ピッピでゆびをふるの可能性に賭けるか?

 

 

…………。

 

 

「ピッピ、ちょっといい? ゆびをふるって使える?」

「ッピ? ピッピィ!!!」

 

ktkr。もうやるしかないなこれは。

むしろここまで聞いておいてやらない方が状況的に失礼である。

 

「よし、GOッ!!!!」

「ピピィ~ピッピ~!!」

 

 

ふーりふーりふーりふーりふーり。

可愛らしく指を振るピッピ。やっべえ和むわこr───ん?

 

指を振り終えたピッピがゆっくりと光りだした。効果が発動したか。

そしてマグネシウム閃光弾並ににまで光り輝いた次の瞬間──────。

 

 

 

 

 

ドォォォオオオオオオオオオオオオオオオオ 

      オオオオオオオオオオオオオオォォン!!!!!!!

 

 

 

 

全員巻き込んで大爆発しやがった。しかもデルビルと黒3人まで吹っ飛んでるのが見えた。

デルビル、ごめん。君結構離れて見てたのにね。

 

 

 

 

あまりと言えばあまりの威力に、網は無事千切れ飛んだ。

そして、中に入っていたポケモンも全員千切れ飛んだ。あんまりである。

 

なお、現在進行形で俺の意識も飛びかけてます。

やめてドレディアさん、ウメボシはやめて、

やめ───あ、母さん……今そっちに行くよ────

 

「─────!」

「ディッ!?」

 

意識が天に向かいそうになったところで、なんとディグダが救いに来てくれた。

結構根性あるのね貴方。さっきのドレディアさん見てたのに。

 

まあ本当、全員が全員瀕死です。

俺もだし、元気にウメボシしやがったドレディアさんもボロッベロです。

もちろんディグダも。ホント世話掛けてすんません。

 

【コイツは一辺殺さねぇと学ばねぇよ。

 どいてやがれディグダ、てめぇもブチ殺すゾ、ァ゛ア゛?】

【だ、駄目だッ!! いくら姐さんが我が主にイラついててもそれは駄目だッ!!

 それに主の目を見る限りもうヤバイ!! やめてあげてくれ!!】

 

ってな視線がギリギリ見えました。

ギリギリなのは何故か?もう、意識が、ね、持たな───

 

ぐぃっ

 

─────っへ?

 

ゴシャァッ!!

 

「オウフ、オウフ……」

 

意識を飛ばしかけたと見るや、ドレディアさんは俺の頭を掴み

地面とキスさせやがった。

 

そして本来ならめっちゃ痛いんだろうけども既に戦いの疲れに加え

大爆発のやられ具合、なおかつウメボシダメージで俺の意識は深い悲しみに包まれた。

 

「うっ、ぐぅ……」

 

それでも根性で何とか持ち直す。ふらふらする。

今日びアニメでもいねえぞ、こんな根性座った10歳児。

 

「─────!」

「ディ#」

 

大丈夫であるか、と心配してくれるディグダに

次こそ殺すゾ、という視線で見抜いてくるドレディアさん。

 

やばい、ディグダの印象が急上昇で天元突破。君は俺をまともに扱ってくれるんだな。

 

「っぐ……ふぅ……。

 ううぬ、さて……網は千切れたけど……」

 

千切れたけど、まさかの全員瀕死オチ。

どうしよう、ポケモンセンターに連れて行くにしても全員は連れて行けないぞ。

しかもミュウなんて持っていったら実験施設に持ってかれるに決まってる。

 

これはもう全てを放り出して逃げるしかないのか。

やれる事だけは一応やってみるか。

 

「ドレディアさん、ディグダ……

 俺がやらかしといてあれだけど、俺はさすがにこの現状をどうにか出来る力も策も無い。

 切欠だけでもつかめればいいんだけど、何か案はないかな」

「……#、ディ~……」

 

やれやれといった感じにひとまずの怒りを抑えてくれたドレディアさん。

しかし瞳から察するに彼女も打開策に関しては浮かばないみたいだ。

 

やはりディグダも同じく……───あれ?

なんか語りかけてきてる。

 

「─────!! ─────ッ!!」

 

【我に提案がある!! きっとなんとか出来るっ!!】だと……?!

 

「マジでか? ちょっとそれ聴かせて」

 

「─────!! ─────!!」

 

おお、なんと。そういう事か。

意訳をしよう。

 

【ここは我らディグダの住処にかなり近い。

 そこから我らの仲間達を連れて来よう。人海戦術(人ですか?)で

 下界の町へ運べば良いと思うのだ】

 

「それ採用。悪いけどちょっと呼んできてもらえる?

 それが出来るんならもうそれしかないわ」

「ッ─────!」

 

任せろ、といった感じにディグダは、さっきまで居た穴に潜っていった。

 

 

 

なお一部の人はここで逃げればいいじゃないかと思われるかもだが

さすがに外道なのは戦術だけです。人間性まで外道ではないはず。

こんな状況作り出しておいて捨て置けないよ……。

 

痛む体を動かし、運べる子達を集めだす俺。

キリンリキはまず無理だから、他のちっさい子達をキリンリキの周りに集める。

ドレディアさんも瀕死ではあるのだが、まあゲーム中でも瀕死ながらかいりき使えるわけだし

そこまで瀕死という状態は問題ではないようである。

ドレディアさんはピジョットとヤルキモノを担当してくれた。

 

「っふぅ……」

「ディ~ァ~」

 

ついでだからロケット団+ポケモン達も運んでおき、待つこと10分程度。

 

 

ポコッ。

 

「お、おかえりディグダ。どうだったかな?」

「ッ─────!!」

 

穴から腕を出し、グッと親指を立ててくれた。

ありがたいんだけどぶっちゃけ構図がDQ3のようがんまじんにしか見えません。

ちょっと吹きそうになるが何とか堪える。

 

そして───────

 

 

ポコッ   ポコッ  ポコッ   ポコッ   ポコッ  ポコッ 

    ポコッ   ポコッ  ポコッ   ポコッ ボコォッ  

ポコッ  ボコォッ    ポコッ ポコッ     ポコッ ポコッ 

 ポコッ    ポコッ ポコッ ボコォッ ポコッ  ポコッ 

  ポコッ ポコッ    ポコッ   ポコッ   ポコッ  ポコッ 

 

 

ありがたい事に、どんだけ連れてきてんの君。

なお、ところどころ混ざっているボコォッはダグトリオである。

 

まあこれだけいれば全員背負って……ッ!?

背負って、だと!?

 

まさかこいつら全員あのディグダみたいに体が……!!

 

 

 

 

と思ったがまさかの普通オチだった。

アニメ見たく顔だけ出して、土をモゴモゴと掘り進み

頭に全員を乗せて、ついでに俺らも乗せてもらってトキワにリバースしている。

 

なお俺だけ構図がやばい。俺が乗っているのは体つきのディグダなのだが

何故かコイツだけ瀕死なのに普通にテクテク歩いてやがる。

そしてその頭の上に胡坐を掻いている俺。視点2m60㎝。

さらに俺の頭の上にはドレディアさんが鎮座している。視点多分3m20㎝。

 

 

想像すると異様な光景だ。

ディグダの波が瀕死なポケモン達+ロケット団を頭に乗せ引き連れ

なおかつその先頭には謎のトーテムポールin俺ら。

誰かカメラ持ってきて。これ町の新しい名物になるよ。

 

 

 

 

 

 

夜だったのもあり、人目にはそこまで付かずにトキワのポケセンに到着した。

ディグダに降ろしてもらってポケセンに入ったのだが。

 

 

まず担当者に俺がぼろべろなのを驚かれ。

そして外にいるディグダに驚かれ。ってかドン引きされ。

さらに後ろにいるディグダの波に唖然とし

その上に載っている傷だらけのポケモン達を見て、なんと瞬時に思考が復活。

この世界の大人チョーつええ。プロって言葉はこういう時のためにある表現なんだね。

 

そんで事情を説明した後に治療を開始してもらった。

さすがに「思いつきでゆびをふるをやらせたら大爆発して全員吹っ飛んだ」っつったら

20分ぐらい説教されました。俺も瀕死なんですけど。

 

 

+αの事情もしっかり説明しておいた。

どうしてこうなったのかの原因であるロケット団には病院送り後に逮捕。

ミュウに関しては俺の手持ちである、と説明。

体つきディグダに関しては、俺もよくわかんないけど瀕死だから、と

しっかりと治療をしてもらう事になった。

 

 

 

 

ところで良く考えてみたのだが……こうなった原因ってさ、なんだと思う?

 

俺としてはドレディアさんを推す。

 

だって、よく考えたらこの一連の大騒ぎって

ドレディアさんが虫を怖がらなければ起こらなかったわけじゃん。

そのまま森突破してニビ行ってれば旅も順調だったよな、これ。

だから全てはドレディアさんが悪い。

 

「そういう訳だから今日と明日飯抜きね」

「ア゛ァ゛ア゛!?」

 

【どういうわけか欠片もわかんねぇよバカ!!】と抗議を入れられた。

めんどくせぇ。

 

「3日間飯抜きね。決定」

「アァァァーーー?! ァァァァ……」

 

ふふり、財布を握ってんのは俺なのだ。せいぜい反省して虫嫌いを直すが良い。

 

「─────。」

 

ぽんぽん、とやさしく姐御の背中を叩くディグダ。

なんだこいつやべぇ、めっちゃイケメンじゃないか。

 

 

 

ッと……そういえば。

一連の関連でモンスターボールにこそ入ってもらったけど

このディグダのステとかそういうの、まだ確認してなかった。ちょっと見てみようか。

 

ゴソゴソ、カチャカチャ

pipipipipipipipipip

ピーン♪

 

「─────!?」

「あ、大丈夫だよー、大丈夫。

 つーかそこら辺はドレディアさんと反応同じなんだな」

 

さて……。どうだろう。

 

 

√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√

 

No.050★突然変異★

ディグダ Lv8程度

 

タイプ1:じめん

タイプ2:かくとう

 

せいかく:ちゅうぎもの 全成長率0.9倍 経験地取得率1/3

とくせい:ちゅうぎしん (持ち主が親の場合、素早さを除く全ステータスが2倍)

とくせい:マルチスキル (攻撃する際と防御する際の技が同時に選択可能。

             具体例1で攻撃時にメガトンパンチ、防御時にまもる。

             具体例2で防御時に攻撃技を選択すると威力だけ1.5倍扱いになる。

             ただしあなをほる、そらをとぶには適用されない。)

親:タツヤ

 

こうげき:━

ぼうぎょ:━━

とくこう:━

とくぼう:━━

すばやさ:━━━━━━

 

現努力値

なし

 

わざ1:

わざ2:

わざ3:

わざ4:

 

√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√√

 

 

技ナッシングwwwwwwwwwwww使えねえwwwwwwww

そして予想通りだったけどこいつも突然変異だよwwwwwwww

 

しかも特性なんだこれ!! 殆どのステータス2倍とか!!

なんで2個特性ついてんの!? さらには付いてる2個目の特性までイカれてるし!!

チャーレムですら確か物理攻撃力だけだろ!!

 

 

ステータスは全然な感じだが、これLv8っしょ?

Lv100とまで言わずともLv30とかあたりでもう超化けんじゃねえのこれ。

 

やっべぇ、こいつやっべぇ。

性格のデメリットとか気にならないほど狂ってる。

レベルなんて地道に上げればいいし。しかも狂ってる癖に超紳士だし。

 

 

「これ……一応博士に報告した方がいいのかなぁ」

 

 

シン兄ちゃん、俺の手持ちがドンドンイカれていきます。

助けてください。もしくはなんとかしてください。


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