ハーイ♪ 皆さんこんにちわぁ~。
シンとタっくんの母親をやらせてもらってる、レンカって言いま~す♪
最近ちょっと出番がなくてこんな枠をもらっちゃいました。
いいんでしょうかね? まあいいんでしょうね、多分。
ちょっと前にうちのフーちゃんのレベルが上がってねぇ
なんかすっごい幸せになっちゃってね?
気付いたらアイキャンフラーイってやっちゃってたのよ。
あの時のフーちゃんとの旅はとっても楽しかったわぁ♪
でも帰ってきたら酷い現実に直面しちゃったのよ。
洗濯物は洗濯機に入ったままで若干すっぱい匂い出しちゃってて
もう1回洗いなおさなきゃならなかったし。
シンに関してはそろそろまた旅に出るって言ってたからいいんだけど
なんとシンに触発されてタっくんまで旅に出ちゃったのよぅ~;;
あの子の成長を見届ける事だけが私の幸せだったのにっ。
……さすがにご飯も作らないで1日家を開けたのは不味かったのかしら?
私、タっくんが出て行ってから2日位は寝込んじゃった。だってショックだったんだもん。
そのあとちゃんと立て直したのよ! ちゃんと私は立ち上がったっ!!
だけどもやっぱりその後地獄を見た。2日寝てた間に家事は溜まっちゃったし
ご近所付き合いもあったのにいきなり寝込んじゃって心配かけたし
何よりタっくんの部屋を掃除に行って、居ないのを改めて知って
むせび泣いてしまったわ……我ながら情け無いわぁ。
フーちゃん、あの時は心配かけてごめんね? あ、ついでにご近所さんも。
それでねぇ、最近になって
「逢えなくて寂しいなら逢いに行けばいいじゃない」って結論が出たのよね。
だから出て行った日数から考えて、そろそろヤマブキシティ位までは
バッヂを取りに行ってるだろうって思ってね? 飛んでいったのよ。
そしたらそのジムの子に「そんな子は来てない」って言われてね?
ガックリしながら帰ってくるしかなかったわけよ……。
んー私の時は10日もあればチャンピオンになってたと思うんだけどなぁ。
きっとタっくんも私の能力は受け継いでくれてる、と思ったんだけど……。
普通最初に行く事になるニビシティにも現れてないらしいのよね。
怖い目にあってなければいいんだけども、不安だわぁ。
まっ、くよくよしてたって仕方が無いのよ!
私には目の前に迫った家事がある! とっとと始末せねばっ!!
…………ウボァ。
「フリ~、フリ~ザ~♪」
「あら、フーちゃんおはよう~、今日も良い羽の色ねぇ♪」
「フリィ~♪」
そんなわけでこの子はフリーザーのフーちゃん。
知り合いから「頼む、こいつを育ててくれっ!」って言われて
「そんなもん自分で育てろっ!!」って言い返してぶっ飛ばしたんだけども。
ぼろべろになりながら出されたこの子があまりにも綺麗で気に入っちゃってね?
まあ、なんていうか。うん……。
奪い取っちゃった★
今でもたまに「お願いだから返してください……」って連絡は来るんだけど
肝心のフーちゃんが完全に知り合いより私になついちゃってんのよね。
あ、これは本当よ? 前に知り合いの前に出したらこの子
速攻でれいとうビーム出して凍らせてたし。
ま、その後ちゃんと「人に危害加えたらメっ!!」って怒ったけどね。
やっぱり怒るところは怒らないと、ね?
多分私と初めて逢った時にフーちゃんも懲りてるだろうし。
……あの時はちょっとやりすぎちゃったかな?
「ねね、フーちゃん。ちょっとトキワシティでキャベツが安いらしいのよ。
お金渡すから買ってきてくれないかしら」
「フリ~」
「ふふ、ありがと♪ ちゃんと八百屋さんには連絡しておくから、後でお願いね」
「リーザ~♪」
こうやっていると会話が成立しているようにも見えるかもしれないけど……
実は、私はフーちゃんがなんと言っているかはわからない。
フーちゃん自体は私の言葉も、覚える事が出来たみたいなんだけど
タっくんみたいにどうしても完全な意思疎通は出来ない。
あれ、本当どうやってるのかしら。
なんか「目見ればわかるよ」って言ってたけど私はさっぱりだわ。
そうして私とフーちゃんは朝食を済ませ
フーちゃんはキャベツを買いにトキワまで飛んでいった。
さって私もお部屋の模様替えでも───
ピンポーン
「───あら?」
お客さんなんて珍しいわね。誰かしら?
私は玄関へと向かい、扉を開けた。
「はーい?」
「や、レンカさん。朝っぱらからすまんのう」
「あら、オーキドさんじゃないの。一体どうしたの?」
「うむ、ちょっとこっちの青年がの。
レンカさんのフリーザーの話をどこかで聴いたらしくての?
実物を見たいとマサラタウンに来たそうなんじゃよ。
あの子の羽ツヤも、レンカさんと同じでとても綺麗じゃからのう」
「やーもう♪ オーキドさんったら、お上手なんだから★」
バシィッ
「おきょろぉっ?!」
あら、力入れすぎちゃったかしら? 博士が変な声出して5m位吹っ飛んじゃった。
後ろに居たシン位のわかめみたいな子が、唖然としてオーキドさんと私を交互に見ている。
「あ、はははは、いやいやぁ、相変わらずじゃのう本当に。
タツヤ君が出て行った時はちょっと心配しとったんじゃが平気そうじゃな」
「あーうん、あれはねぇ───」
「し、失礼。貴方が噂に最近良く噂に聞く
この辺を飛び回ってるフリーザーのトレーナーでしょうか」
「え、はいそうですねぇ。トレーナー……なのかしら?」
トレーナーやってたのもずいぶん昔だしねぇ。
今も名乗っていいのかしら。バッヂも全部返却してるし……。
「なんでも、見た上で戦力になりそうなら譲って欲しいって事らしくてのう?
マサラタウンにはわしの研究所もあるし、そちらの見学ついでに
話を通してもらえないか、って言われての(結末はわかりきっとるが)」
「あら、そうなの~♪ 若いっていいわねぇ~。
やっぱり、手持ちは最強を名立たる能力の!! っていう感じ?」
「え、ええそうです。ボクもそう思ってます。空を華麗に飛び回っている、と聞いて
この辺りの制空権を完全に制圧出来る強さがあると判断しまして……」
ん~良い響きねぇ。フーちゃんを褒められる事も幸せだけど
やっぱり何より、強くありたい! って思う心が昔を思い出してねぇ。
滾って来ちゃうわぁ~♪
「ところで貴方、お名前は? カントーを中心に活動してるの?」
「あ、はい。ボクの名前はタクトと言います。
活動拠点はカントーではありませんね。ホウエンを中心に回ってました。
ジムは全て回りきったのですが、噂を聞いてこちらへ……」
あらあらー、遠いところからご苦労様ねぇ。
「まあ、立ち話もなんだからお上がりなさいな。オーキドさんはどうするー?」
「じゃあわしも上がらせてもらうかの。
今日のノルマも片付けたしの。(助手に押し付けただけじゃが)」
「あ……はい、ではお邪魔します」
とりあえず玄関から2人を家の中に上げたのだった。
◇
「ん、まぁ結論から言っちゃうとあの子は渡せないわねぇ」
「そ、そんなっ! ボクの持論も完全に理解してくれているのにっ?!」
「うん、それはわかるんだけども、今の生活じゃ
あの子も欠かせないしねぇ……今もキャベツ買いに行ってくれてるし」
「え、は……キャ、キャベツ、ですか?」
スーパーの安売りの時とかあの子の能力便利だしー。
「じゃ、じゃあボクが代わりに生活を支えるポケモンを───」
「ちょっと待ってもらえるかしら? 貴方はフーちゃんを見てすらいないのに
噂の内容だけであの子を欲しがっているの?」
「(やっぱり予想した通りの展開になっとるのう)」
「え、はい。聴く限りではボクの戦力になるに相応し───」
「───噂どおりの強さじゃなかったら、どうするの?」
「ッえ!?」
私の返しに彼は詰まってしまう。
「強いポケモンがいいのは私も認めましょう。それで人のポケモンを欲しがって───
自分の希望にそぐわなかったら、貴方は一体その子をどうするのかしら?」
「……あえて失礼を承知で述べさせて頂きます。
頂けるなら返すだけ。交換したなら逃がすまでです。
頂いたのであれば要らなくなった時点で返却すれば良い。
交換したなら対価としてこちらもポケモンを譲っている。
自分のモノになったポケモンをどうしようと───」
パチパチパチパチ
思わず私は拍手をしてしまう。
「え、えっと……」
「んー素晴らしい持論ねぇ♪ 失礼を承知ってわかってるのも良いわね。
独りよがりでその論に至った訳じゃないのは認めてあげましょう♪」
「で、ではっ!!」
「───それとこれとは話が別よ。
なんで好き好んでそんな相手に『家族』を譲らなきゃなんないのよ」
「…………。」
あっはっは、血が完全に滾っちゃったわねぇ♪
これは一回叩き伏せないとすっきりしないかも。
ウフフフフフフフフフフ♪
「ふぅ、紅茶が旨いのう。(完全予測過ぎてワロタ。
タツヤ君、わしも君の持論に1歩近づけてるようじゃぞ)」
「……家族なんて、馬鹿らしいっ!!
強いポケモンは強くあらねばその価値を発揮しないっ!!
家族ごっこで縛って良い存在じゃないッッ!!」
「───貴方の手持ちの子、全員雑魚以下なのに?」
「はぁッ!? それは少し聞き捨てなりませんよ……!!
見ても居ないのにいけしゃあしゃあと……!!」
まあ失礼に失礼で返すのは常套手段よねぇ。
「わかるわよ。貴方を見てれば。
手持ちも大体各地の伝承に残るポケモンなんでしょ?」
「ッ!?」
何故わかった、と言いたげなタクト君。
「その持論と手に入れた根性は認めてあげるわ。
昔は私もそういう時期があった───だからこそ」
彼は確かに立派だと私は思う。目指しているモノがあるのだから。
でも、やっぱりそれだけじゃ駄目なのよねー。
「今の貴方ではその子達は扱いきれるわけがない。
ポケモンとトレーナーっていうのは、密接に繋がっているのよ。
どれだけ強力な技が、特性が、タイプがあろうと……」
この子が持論を持っているように、渡しにだって譲れない持論はある。
だから、あえて言葉を汚くして言いましょう───
「───指示する使い手が悪ければ、それはゴミ同然の価値しか発揮しないのよ!」
そして私の論は、逆に言えば……
強さが関係なくても、指示する使い手がよければ宝石の輝きを持つ事も表している。
だが私の言葉『だけ』を聞き取ったタクト君は、顔に憤怒の表情を滲ませる。
「ッ……いいでしょうっ……!
そこまで言うなら……貴方は私を軽く捻る事が出来るのですねっ!?」
「なんなら今、腕力で証明して見せましょうか?」
「いや腕力って!! ちょっと待ってくださいっ!!
そこは実力って言葉のはずでしょう!?
何でこの話で人間vs人間になってるんですかっ!!」
エー、だってそのほうが話早いじゃない。
しかも若干腰が引けてるわねぇ、男の子がそんなんじゃ駄目よ♪
まあ私の腕力が他の人と違っておかしいのも理解してるけど。
さっきオーキドさんふっ飛ばしちゃったしねぇ……。そりゃ怯えちゃうか。
「……まぁ、良いわ♪
話してて私も、久しぶりに燃え盛っちゃったからね~。
───叩き潰してあげるわよ」
「……ッ!! その発言、飲み込まないでくださいよっ……!!」
「若いっていいのぅ」
私はオーキドさんみたいにのんびりとしたいんだけどねー。
「とは言っても……マサラタウンの中には勝負出来る施設もないし
ちょっと移動する事になるわね」
「いいでしょう、どちらでやりましょうか?ボクはどこでも構いませんよ」
んーどこがいいかしら……あっ、そういえば!
「そうだっ!! 確かサカキ君から最近連絡があったんだわ!
トキワでのジムを期間限定で再開したから、一度は顔を見せてくれって」
「おー、サカキ君かぁ~、懐かしいのう……」
「ッ!? サカキって、あの……
全国の中でもジムのレベリングが飛び抜けて高いカントーで
現最頂点に君臨しているトキワのジムリーダーですか?!」
あー他の地方じゃそんな風に言われてんのねぇ。かっこつけちゃって~♪
「まあ少なくとも私と最後にバトルした3年前はまだまだひよっこだったわねぇ」
「あ……あの最強のジムリーダーが……
ひとつの地方のチャンピオンになれる実力者が、ひよっこ……!?」
「あータクト君タクト君。
動揺してるかもしれんけど、これはマジじゃからな?
わし、たまたまトキワのジムに行った時にその試合見たんじゃよ」
あーれはやばかったのー、虐殺に近かったしの。とか失礼な事を抜かすオーキドさん。
あとでハバネロの漬物無理やり食わせてやろうかしら?
「まあ、フーちゃんが帰ってきたら移動しましょうか。
そろそろ帰ってくる───」
フリィ~♪
あら、丁度良く帰ってきてくれたわ~。
さっすが私の家族★
「おかえり~フーちゃん♪キャベツありがとうねぇ~」
「フリィ~フリィ~♪」
「ほ、本当にキャベツ買いに行かせてる……」
「あー、ここの家族はどの人もぶっ飛んでてのう。
何気にこの人の息子、この地方のチャンピオンになっとるよ。
しかもフシギバナ1匹で。強かったし凄かったのーあれは……」
「…………ック、ボクはいつの間に人外魔境に飛び込んだんだッッ!!」
「人んちで失礼な事言ってんじゃないわよ───この場で殺すわよ?」
「ヒィッーーー!?」
脅すために左手をゴキゴキならしてみる。
あら可愛い。オーキドさんの後ろに隠れちゃった。
「これこれ、レンカさん。さすがに殺人はわしも庇いきれんぞ?」
「いやだわ~♪ 冗談に決まってるじゃないの★」
バシィッ
『あぎょぱーっ!?!?』
ゴッシャァン
あらいけない、また叩いちゃった。
今度は後ろにタクト君がいたのもあって巻き込んじゃったわ。
ま、これからバトルでも全殺しにしてあげるけどね?
ウフフ♪
10/12 19:52 修正完了。
怖い奥様ステキ。