うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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15話 長丁場

俺は今現在クチバシティにいる。

 

クチバシティと言えば、あれだ。豪華客船イベント? そんなもんどーでもええわ。

 

初代ポケモン赤緑の、町BGMの良さだよッ! 右のフィールドに出ても良曲が流れるんだぜ!!

しかもカビゴン寝てんだぜ!! 邪魔くっせぇ!!

 

今回も長い旅路で日記を書いてきているので、これでどういう流れなのかを確認しよう。

 

 

『14日目 晴れ

 楽器屋さんに行き携帯用ドラムセットを確認しに行く。

 もちろん例のディグダを連れた上でだ。

 ポケモンセンターからディグダを連れ出す際に

 

「街中でディグダを連れ歩くと道路の舗装が崩れて面倒だから

 連れ歩くなら地面を掘り進ませないように」

 

 と、厳重注意を喰らってしまう。注目度的に俺オワタ。

 

 楽器のほうは納得の出来だった。

 どうやったのか本当に3㌔程度にしよった。さすがプロ、素晴らしいです。

 しかしどうしても耐久度だけは減ってしまったらしく

 近くに寄ったら手入れするから持ってきてくれ、と言われた。

 ついでだから店の中でディグダのリズム感と才能を見ようと叩かせてみた。

 結果、ごくフツーという形でまとまる。これからの成長に期待。

 楽器屋を出た後、ミュウとお別れした。

 【またいつか会おうネ☆】と言っていた。ん~、実にヒロインである。

 

 あと寝る前に突然ドレディアさんが布団に突撃してきたんだがどうしたんだろうか』

 

 

 

 

『15日目 灼熱

 あの大爆発の件のポケモン達の治療が完了したらしい。

 別にあの子達に合わせて滞在していたわけではないのだが

 区切りの良いタイミングという事で、元居た森に還すために一緒に旅に出ることにした。

 

 出店のお兄さんがまた見送りに来てくれた。人情素晴らしきかな。

 ドレディアさんがまた食い物をもらっていた、今度は5つだ。

 俺も食いたくなったので1個こっそり奪ったらバレて酷い目にあった。

 

 歩くのが面倒だったのでキリンリキに乗せてもらった。

 ドレディアさんはディグダの頭の上に咲いていた。お前よく16㌔頭に載せたまま歩けるなぁ。

 

 途中でまたフリーザーを見かけた。多分またフーちゃんだろう。

 今度はたまねぎのネット加えてた。ニビシティのスーパーで安かったんだろうか。

 

 夕方になりかけた辺りで、あの例の大爆発現場に到着した。

 辺りには千切れたネットが(笑)

 お別れの1曲として、kokiaさんの「ありがとう」を演奏しておいた。

 みんな静かに聴いていた。名曲の力は偉大である。

 

 明日はトキワの森に再び戻るつもりだ。ディグダで無理やり突破出来る事を祈ろう』

 

 

 

 

『16日目 砂漠化

 朝起きて朝食の準備を全員で済ます。

 なんとディグダが自然薯を取ってきたので、綺麗に洗って摩り下ろして食った。うめぇ。

 

 腹ごしらえが終わった後、またあの小屋に行き、森への突撃準備を済ます。

 ドレディアさんは【またここに行くのか……?】と、瞳をうるうるさせて

 拒絶の意思を出していたがとりあえず無視。

 しばらく不機嫌だったが知らん。可愛く作ってもあんたのキャラは把握しとるわ。

 

 そして森に入ってキャタピーが出てきた。

 さらにここで驚愕の事実が発見。ディグダがやばい。

 ダメダメな方向でヤバい。どんなヤバさかというと……

 

 

 技が無い→攻撃時に悪あがき→反動ダメージ

 

            ↓

 

 キャタピーの攻撃→防御時も悪あがき

 

            ↓

 

 悪あがきの攻撃威力は1.5倍になるが反動まで1.5倍

 

           ↓

 

 ディグダのHP係数は元々超低い→反動ダメージでK.O、キャタピー倒しきれない

 

 

 こんな感じだった。

 とりあえず手持ちにはドレディアさんが居たので

 出して即逃げてもらって俺もついていったので目の前は真っ暗にならなかった。

 でもディグダの成長に関してはお先真っ暗になった。

 

 また森の小屋にリバース。一泊すればディグダも復活するだろう。

 倒れてるディグダにも晩御飯を用意したんだが、ドレディアさんが奪い取った。

 さすがに説教しておいた。5分続けてたら【うるせぇ】と殴られた。ひどい』

 

 

 

 

『17日目 世紀末

 昨日の最後にやられた仕打ちと、ディグダの飯を奪った行動が

 理不尽すぎるという結論に至った為、ドレディアさんが寝てる間に

 亀甲縛りにして小屋の天井に吊るしておいた。

 起きた時に抗議の声を精一杯あげられたが「ざまぁwwwww」と言って放置。

 

 俺とディグダの2人で飯を食べる。横でドレディアさんの血涙がうざかった。

 ディグダもディグダで

 【こんな役に立たない我のためにこのような旨い飯、誠に忝い】と言っていた。

 なんでドレディアさんにこの謙虚さがないのだろう。

 ドレディアさんの可愛さにヤンキーの態度が合わさって一見最強に見えるが

 正直怖いだけなのでやめてください。

 

 とりあえず吊るしたドレディアさんを他の来訪者に誤解されないように

 首に【反省中】と言う札をつけ、俺とディグダは外に出て修行に移る。

 

 Lv3程度のコラッタ相手ならなんとかギリギリ勝ちきれるようで

 倒す事は出来たのだが経験地が1/3。どうしろってんだこれ。

 なんとか5~6時間休ませては戦わせ続け、ディグダのレベルが上がった。

 

 喜んでいるのも束の間、俺は完全にディグダの育成で挫折した。

 レベルが上がったのは良い、嬉しい事だ。苦労も報われる。とその時は思った。

 しかしレベルが上がった事で覚えた技がひとつある。

 

 「にらみつける」だ。

 

 技を1個覚える→技がにらみつけるのみ→悪あがきも出来ない→ナンテコッタイ

 

 俺の旅路には一体どれだけの壁が立ちはだかるのだろう。

 誰か建築重機のユンボ持ってきてくれ。俺はトレーナーをやめるぞJOJOォーーー!!

 

 小屋に戻ったらドレディアさんがさめざめと泣いていた。

 降ろしたらぶん殴られるだろうなと思ってはいたのだが、さすがに可哀想なので降ろした。

 

 

 結論から言おう。ドレディアさんがちょっと成長した。

 ちゃんと反省するにまで至っていたのだ。しょんぼりしていた。

 でも吊るしたのはやはり納得出来ないのか、極々軽く顔面に拳を入れられた。

 鼻血程度で済んだので俺も許す事にしよう』

 

 

 

 

『18日目 拳王

 昨日のディグダ事件の関係で、ディグダのひとり立ちが不可能になった。

 これは同時にトキワの森攻略が詰んだのを意味した。

 

 一応ドレディアさんに後続を詰めてもらって、の経験地譲歩の戦いも

 やるにはやってみたがあまりにも非効率的過ぎたのでやめた。

 言い方を間違った。ドレディアさんが飽きて戦う事を放棄した。

 

 取得経験地1/3→分けてもらうと1/6

 

 ディグダは育成屋に放り込んだ方がいいのだろうか。

 でもこいつ体こそキモいけど性格超良い奴だし一緒に旅したいんだけどな。

 

 突破が無理ではどうしようもないので、当初の計画通り

 ディグダの穴からクチバにいっちまおう計画を発動。

 今回は道案内付きなのでディグダに先導して、穴まで行ってもらう。

 道のところどころで崖とかがあったんだが、ディグダに掘り進んでもらい

 俺らでも通れるような、降りれるような階段を作ってもらった。ポケモンまじすげえ。

 

 日が暮れてしまったのもあり、もう少しの距離らしいのだが

 念のため大事を取ってキャンプで済ます事にする。

 月が綺麗だったのだが、またフーちゃんが飛んでおり風情が台無しだった』

 

 

 

『19日目 剛衝波

 そこら辺からまた野生植物を取り、朝食にする。

 ディグダがまた自然薯持ってきた、やばいこいつサバイバルスキル高い。

 今日の朝食も非常に美味でした、ありがとうディグダ。君の事は忘れない。

 

 歩いて30分位でディグダの穴に辿り付く。

 圧倒的大スペクタクルでもなかった。だがまァ確かにゲームの通り

 人が自転車で走れる程度の広さはあるようだ。

 

 そして中を歩いてたら前に世話になったディグダ達が顔を見せた。

 こちらにマッチョディグダが居る事もあり、戦闘は起こらなかった。

 歩いてたら疲れてきたのでまたディグダの頭の上に乗る事に。

 ドレディアさんも俺の上に乗ってきたがまあよし。

 

 1時間位歩いていると人とすれ違った。やはりクチバ側の入り口はオープンなんだな。

 そしてすれ違った直後、巣穴のダグトリオとバトってた。やられてた。

 ディグダ6、7匹で倒れたポケモンと真っ暗になったであろうトレーナーを

 顔だけ出した集団で運んでいく姿はシュールだった。

 前世のトルネコの不思議のダンジョン思い出した。

 

 ってか気付いたんだが、あの運ばれていった人ってグリーンさんじゃね?

 暗くてよく見えなかったけどそっくりだったような。

 

 そんなこんなでクチバシティへ到着した。やっと新境地だー。

 今日は面倒だ、明日から街の散策頑張ろう。

 

 やっぱり道行く人にディグダはガン見された。そりゃぁ……なぁ。うん』

 

 

 

 

というわけで大体20日目が今日だ。

実は適当に日記をつけているので日数は既によくわからない!!

まあのんびりとした旅だしこんなのもいいんじゃねーのー。

 

何気にゲームルート完全崩壊気味である。タケシ、カスミとはなんだったのか。

 

 

そして俺らは港付近へやってきた。

こういう場所は出店やおいしい店ってのがあるから見逃せない。

おいしい匂いにつられたのか、ドレディアさんの顔のほっこり具合がやばい。

おい誰かカメラ持ってねえのか、カメラ。

 

「─────ッ!!」

 

ディグダもディグダで道行くセーラー服(この場合は船乗りの兄ちゃん)を見て

ちょっと興奮している。着たいのか、あれを。

 

 

 

 

「ディ~~~~~ア~~~~~~~~~♪」

「~~~~~~♪」

 

そんなこんなで街を散策して2時間程度。

おいしい食べ物ガッツリ食ってドレディアさんは幸せそうである。

お前後で3000円返せよマジで。1日で消費しやがって。

 

ディグダはディグダで、セーラー服ではなく帽子がほしかったらしい。

中々に斬新な姿となってしまった。

裸タイツ気味に、ポパイが被っているような白帽子。

これもカメラに取りたい。そして出来る事ならネットにうpしたい。

まあこの世界、人同士のコミュニティー取る程度にしかネット発達してないけどね。

 

そして俺も俺で珍妙な2匹(うち1匹は愛らしさなんだろうけど)を連れている事から

必然注目度がアップしてしまう。俺の精神力もアップアップしてしまう。おぼれる。

 

 

と、精神的に余裕がなくなっていたのが起因になってしまったのか

人にぶつかってしまった。しかも体格が良い方なのか俺が吹っ飛ばされる。

 

「う、わっととと……」

「オゥソーリィ! リトルボーイ、だいじょうぶネー!?」

「あ、はい平気です、こちらこそすみませんでした」

「オフコースネー! よかったデース!」

 

と、とっても気さくに心配して頂けた。

……あれ?なんかこの片言って、ゲームにも特徴的な人居たよね確か。確か……

 

「ッ!? オゥシット!! 

 ミーのライセンスがロストしたネー!! マイガッ!!」

「ん、ライセンス……?」

 

なんだろう、日本滞在証明書みたいなパスポート的なもんかそれ?

パスポート的なもんなら……

 

「あのー」

「ソーリィリトルボーィ!! ミーはライセンス無いとカントー居れないネ!!

 探さないとアウトね!! シーユー!!」

「まてぃっ」

 

ガシッ

 

ここで何かしらの物語なら拾って届けて『君はあの時の!!』になるのだろうが

こちとらテンプレ嫌いで有名な俺だ、そうはいかん。この場でこれを解決する!!

 

そう、俺は目の前のパチモンアメリカ人っぽい、ホウキ頭のタメ軍人のような人が……

おそらくはこの街のジムリーダーっぽい人が落としたであろう物を既に発見している!

 

「ホワーィ? ミーはライセンスをクイックサーチしなきゃ駄目ネー!!」

「足元!! フット!!」

 

そうして俺は目の前のガイルに……そう、あまりの慌てぶりだったのかもだが

自分で落としてふんずけて、しかも体を捻ってポケットをごそごそやっていた手前

ずっとパスポートらしきものをグリグリしていたのだ。

パスポートに謝れっ!! ドレディアさんでもそんなこと「ディ?#」なんでもないです。

 

「オゥ!! 確かにマイパスポート!!

 センキューリトルボーイ!! ジムに忘れた思ったネー!!」

「そうですか、手間が掛からなかったようでよかったです」

「感謝感謝ネー! センキューベリーマッチ!!」

「いえいえ、それほどでも。では俺はこれで───」

 

ただ偶然ぶつかっただけってのもあるし

ジムに用事があるわけでもないので、そそくさと場を去ろうと───

 

「ヘイボーイ、ストップ!! ストップドゥ!! ストッピング!!」

「ぉぉう、なんですか、俺がどうかしましたか?」

 

何故か引き止められた。

 

「パスポート見つけてくれたお礼したいネー!! ボーイ、クチバのメンじゃないネー?

 おいしいイートイン教えるヨー!! ランチ一緒どーですカー?」

「ディアッ!!」

 

おいドレディアさんwwwwwテメェいきなり出てくんなwwwwwwwwwww

なんなのもうこの子本当に!! 飯と聴いたら飛び出すとか!!

こいつシオンタウンで三橋貴志に改名してやろうか。

 

 

あ、ちなみに三橋貴志というのは、昔の漫画の「今日から俺は!!」の主人公です。

がめつく意地汚く金に弱く飯と聴いたら飛んでくるような子です。

まあ漫画自体は楽しいからお勧めしておこう。

むしろあの漫画こっちの世界で書いて売り出してやろうか。

サイクリングロード走ってる暴走族辺りになら需要ありそうだぞ。

 

「ハッハッハー!! こっちのフラワーレディはゴーでオーケーね?

 行くヨー!! デリシャスランチでゴーワバーゥ!!」

「ディ~ア♪ ディ~アー♪」

「─────。」

「こっち見んなディグダ、俺もどうしようか考えてるんだ」

 

 

もう放置してポケモンセンター行ってもいいかこれ?

 


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