うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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後半に改行演出あり。
その手の演出が苦手な方はブラウザバックといわずPCを壊して買い替えなおしてそのPCを投げ捨ててください。


42話 シオン

そんなわけで、やってきましたシオンタウン。

有名どころのポケモンタワーがある街ですね。

まあ、どちらにしろシルフスコープのためにタマムシまで行って

ロケット団の……あれは支部? 本部? どっちかわからへんけど

それを潰す……いやいや、サカキに会う必要がある。

 

 

 

めんどくせぇから母さんがサカキ脅してぶんどってくんねーかな。

まあ、無理か……色々とおかしい人だが世間常識だけはそこそこあるしな……。

 

旅に出てから全く逢ってないけど母さん元気にしてんのかなぁ。

船上で襲われる前にサカキが「俺を探してる」って言ってたけど。

フーちゃんは結構見かけっけど、母さん乗ってんのはあんまし見た事ないんよね。

 

まあなんにしてもしばらくの間この街に世話になるわけだし (ポケモンセンター)に宿の登録しに行くかね。

俺はいつものようにダグONEの頭の上に胡坐を掻いた。

三匹、いや三人でいいか。三人に増えたのでドレディアさんもダグⅢの上に乗り

ミロカロスはダグTWOの上に乗っかっている。

海では乗られて陸じゃ乗って、か。理想的な関係だなぁ。

 

 

 

あれ? 良く考えたらミロカロスって160㌔位なかったっけ?

なんでダグTWO、頭の上に乗られて平気なんだろう。

辛そうな様子すら一切見えねぇ。TWOは首の筋肉が突然変異なのだろうか。

下半身気味の部分をダグTWOの首に引っ掛け、まるでマフラーのようにして

旨くバランスを取りながら乗っかっている。

ぶっちゃけ蛇に捕食される寸前のモグラにしか見えない。

 

まぁいいや。このPTがおかしいのなんて今に始まった事じゃねーべさ。

とっとと (ポケモンセンター)に行こう。

 

さすがに初めての街だとダグトリオに乗ってると奇異の眼で見られる。

お前らだってギャロップとかケンタロスに乗ったりすんだろうが。

それと同じだ。それが人型モグラなだけだっての、こっちみんなっ!

 

 

 

 

「はい、それじゃこちらの鍵を使ってくださいね」

「あいっす、ありがとうございますー」

 

ポケモンセンターに入る際に、さすがにダグONEから降りているため

俺自身は普通に見えるので、受付でも普通に扱ってもらえた。

元ディグダ含めてダグ共がキモがられるのはいつものことである。

ダグ共は全員フロアの隅っこで背中向けて床に の って書いてるが気にしちゃいけない。

 

 

「♪♪♪」

「ん、なんぞミロカロス。遊びに行こうってか」

「ディー」

「んー……まあそれでもいいんだけどな……

 いや、先にミュウに会いに行こうか」

 

 

あのバグの手順こそ踏んでないけどあそこに出るって事は

少なくともあそこに根城的な何かがあるんだろうし、呼べば出てくるんじゃないかな? と思う。

 

「~~~?」

「ああ、あれだよ。ミロカロスにゃ話したろ? 進化の時に言ったあれだよ。

 それでやれる「とある方法」使ったらそこでミュウが出てくるんだ」

「…………。」

 

やっぱ自分がゲーム云々ってのは、今でも微妙に思っちゃうかぁ。

ま、安心しろ……ここが例えゲームだとしても俺らぁ立派に心臓動いてんだからさ。

 

「ディ……? ディーア?」

「ッ! …………~~~(フルフル」

「ドッ!? ドレディーアッ! アーッ!」

 

どうやら俺が言った「あれ」を知りたかったらしくドレディアさんはミロカロスに尋ねた様だが

ミロカロスもミロカロスで、話の内容の斜め上ッぷりに加えて

秘密にしておいた方が良いと判断したのか、珍しくドレディアさんに否定意見を持って答えた。

そして教えろ教えろとうるさいわけで、今の状況である。

 

「へーへー、静かにしろードレディアさん。

 まずはクソ重てぇ荷物全部部屋においてからだ。部屋行くぞー」

「…………(ッチ」

「舌打ちすんな」

 

ぺんっ。

 

「ッディ!? アアァァ!!」

 

なんやら後ろで【テメェこのやろー!!】とさらにうるさくなった。

ま、ミロカロスが静かにしろって言ってくれるだろう。俺はさっさと階段に上がっていった。

 

 

 

 

そんなわけで、手持ちのみんなを連れて現在街の西出口である。

確かあの技だと音楽が変わって二歩位だっけか?

昔過ぎてよく覚えてないけどまあ大体そんぐらいのはず……。

 

 

ふーむ、距離感からしてこの辺りだろうか。

 

「ディーア?」

「ホァー?」

『─────。』

 

ドレカロスの二人は俺に対しても『ここら辺なのか(ですか)?』と尋ねてくる。

一方ダグトリオ達は違和感を何も感じていないのだろう、周りをきょろきょろしている。

 

別にここに居なくても何も問題ないし、とりあえず呼んでみようか。

 

「おーい、ミュウー。いるんだろー? 出てきてくれー」

 

 

「……ふむ?」

 

声を出してみるが反応がまるでない。やっぱあの手順踏まないと駄目なのかな。

周りの人からは突然声を出した故に視線が集中し

自分の相棒達からは『本当に居るのか?』と疑問視が集中する。

 

 

 

「───君、ミュウについて何か知っているのかね」

「ん?」

 

道行く人が何人も居る中から、なんか学者さんって感じの人が話しかけてきた。

なんでこんな開放されたところにいるんすか。アウトドア系学者ってか。

 

「えぇ、まあ友達っすけど」

「は……? あはは、何を言っているんだね君は。

 ミュウというのは学者の間じゃポケモン全ての始祖といわれる幻のポケモンなんだよ?

 君みたいな小さい子の───」

 

「───そういう偏屈な常識に凝り固まってる大人の前に現れないから

 幻って呼ばれてるだけじゃないっすか?

 何も知らんし考えん俺の前じゃ気軽に出てきてくれてますよ、あいつ」

 

「なっ───!?」

 

なにやら高尚に語りだしたので、こちらも皮肉たっぷりに返す。

その返しが気に食わなかったのか、学者殿は顔を真っ赤にする、が。

 

「っは……これだから何も知らない子供は……

 人の目の前に滅多に姿を見せないミュウがそんなに気楽に見れるわけないだろう。

 それは君の夢か何かだったんじゃないかね?」

 

「あー、まあそんじゃあ子供の夢って事で結構です。

 俺、あんたみてーな夢持った子供すら、理屈持って馬鹿にするような大人になりたかないんで」

 

「───ッ!! 君っ!! さっきから聴いていれば」

「みゅぅ~……」

 

学者が完全に怒りが有頂天((笑))になったところに、いいタイミングで幻^o^ポケモンのミュウが登場。

俺からすれば学者の上にいるんだが学者には見えないため

声がしたのは聴こえたらしく周りをきょろきょろしだした。

 

「みゅう~……だと……?! まさかミュウが本当に居るのかッ!?」

「よぅ、元気だったかミュウ。悪い、寝てたんだな……起こしちまったか」

 

そう、ミュウは出てきた時に目をコスコスしていた。実際半目でこちらに降りてきてる。

 

「ミュ~~ッ」

「おう、まあこっちはこっちの事情でお前がここらに居るの知ってたからな。

 しばらくそこの街に居るつもりだから挨拶に来たんだよ」

「ミュミュ~♪」

 

そして学者の上らへんからこちらの胸元に降りてくるミュウ

 

「ほ、本物だっ……資料通りの姿だっ!!

 これはのんびりしていられないぞっ、今すぐ連れて帰らないと!!」

 

 

ガッシッ。

 

 

「ミュウッ!?」

「なっ?!」

 

なんとこの学者、ミュウを後ろから首に手をかけて無理やり持ち去ろうとしだした。

普段からテレキネシスか何かで体重調整をして浮いているのだろうミュウは

その無理やりに抵抗むなしく引っ張られて行きかける。

 

「テメェコラァッ!! 人のダチになにしてやがんだっ!!

 やってる事が立派に誘拐だってのわかんねーのか?!」

「君こそ何を言っているんだ!! これは世紀の発見だぞ?!

 野生ポケモンであるこいつを連れ去ったところで誰も問題にしない!!」

「俺が問題にしてんだろーが!!」

「子供一人より科学の名誉だっ!!」

 

ッ………!!#

 

自分勝手な大人なんぞ前世のバイトの職場でも

この世界のロケット団でも見てきたが……こいつが一番腹が立つっ!!

 

「ミューウ!! ミューゥ!!」

「ええいじたばたするなっ!! せいっ!!」

 

ガスッ

 

「ッッ?!───」

「て……てめ───」

 

学者に掴まれながら首をぶっ叩かれ、動かなくなるミュウ。

 

 

 

その瞬間にキレ

 

 

 

かけたがここでキレては行けない……!!

やばいぐらい頭がぐつぐつするが思考を感情に任せてはいけない!!

何か、何か手は────

 

 

 

ああ、悪い。普通にあったや。尺稼ぎっぽくてすまんな。

 

 

 

俺の手持ちにゃ1人と団体3名、大人なんかより普通に速いヤツがいるじゃねーか。

 

 

 

 

「頼むわ、お前ら」

「ァァァァァァァァァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!!」

「─────ッ!」

「ッ─────!」

「─────!!」

 

 

 

 

俺の背中を追って付いてきていた4人に、静かにバトンタッチした。

ドレディアさんも研究所での理不尽すぎる研究者の態度がフラッシュバックしたのか

凄まじい気合を入れて研究者の前に躍り出た。

 

……ダグトリオ達は何故か土に潜っていった。

何をするつもりだろうか?

 

 

「ぐっ……なんという素早さだっ……この草の娘も連れて帰りたいがっ……!

 ビリリダマ、出て来いっ!!」

 

ペカァァァン

 

「バゴバーグォォォン」

 

……ビリリダマ?

素早いしポケモンとしては特徴のある優秀な部類ではあるが……

こんな往来で流石に自爆は指示しないだろうな……念のために俺も近づいて───

 

「ビリリダマっ!! じば───」

 

うわマジでこいつ指示しやがるつもりだっ!! その先は言わせ───

 

 

バコォァっ!!

 

 

「ぬぅおあぁっ?!」

 

その瞬間地面から三本のマドハンドが出てきた?! なん……あぁ、ダグトリオ達か。

もしかして自爆対策で地面に潜っていったのか?

 

いや、単純にドレディアさんが少し止めた後に地面で追いついて

もしもポケモンを出しても何も『指示させない』ために

地面から体勢崩して無効化するつもりだったんだろうな。

何気に策略の詰め方が俺に似てきてんじゃないか、お前ら。

 

 

 

 

嬉しいことだ。

 

 

 

 

「グオォォン?!」

「わ、私の事はいいっ! ビリリダマっ!! こいつらをターゲットにじば」

「はーい鉄拳ドーンッ!!」

「レッディアーーーーーーーッッ!!」

 

ドレディアさんの十八番、がんめんパンチが学者に放たれるッ!!

 

そして

そのこぶしは

きれいに

かおに

はいりました♡

ざまぁwwwww

 

 

「ぎゅぺぁぇーーーーーー」

 

勢い良く人込みの方向へすっ飛んで行き、もちろん道行く人も肉クッションなんぞ御免なわけで。

 

クソ学者は、顔面を殴られた上で顔面からコンクリに落ちた。

ざまぁwwwwwwwwwwwwwww

 

 

 

殴った瞬間にミュウからは手を離しており、殴られた地点でミュウはぐったりしている。

ビリリダマも指示が無ければただのボール。ひとまずはこれで安心だな……。

 

ふー……

 

「ドレディアさん、ダグトリオ。」

「ディッ!」

『ッ─────』

 

俺は片手を上げて、お前らも片手を上げろと目で指示を送った。

そして上に上げられる合計4本の手。

 

 

 

 

「グッジョブだ! 流石だなお前らッ!」

 

 

 

 

俺は順々に傍から、上げられた手にハイタッチをしていった。

 

んで、ミュウを介抱しに───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホアァァァァ~~~~~~!!

 ホ~~~アァァ~~~~~!!;;」

 

あ、やべ。ミロカロス忘れてた。素早さないから俺らにおいていかれたのか。

そこそこの速度でずりずりと俺らに近寄って───

 

 

 

 

ぐしゃっ

 

 

 

 

 

あ、学者轢き潰された。ビリリダマが唖然としてあちらを見ている。

 

 

 

 

 

はい、皆さんご一緒に。

 

 

 

 

ざまぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

 

 

 


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