うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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多分新しく出てきたこのかくとうポケモン2人の末路は皆さんが想像していた通りだと思います。
基本的に斜め上にぶっ飛んだ内容しか書いていないが
たまには俺も皆さんの思い通りに動きます。


53話 ダゲキ

 

 

 

 

どうしよう。

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダゲキが……ダゲキじゃなくなった。

 

 

 

 

 

……ッハ?! いかんいかん。周りを置いてけぼりで一人ごちてはいかん。

まずは思い返そう、一体ドウシテドンドコド。

 

 

そう、この一日の朝は……ドレディアさんと絆を深め合って、手を繋ぎながら帰った所からだ。

 

 

 

~~~時間逆流中~~~

 

 

 

「ま、多分みんな起きてないだろうからこそっと部屋戻るよ」

「ディァ~」

「あとなんか知らんけどもっさんとかアカネさんとか居たわ」

「oh……」

「まーそっちのほうは適当に言っておけば問題ないべさ。

 てか今ドレディアさんohって言わなかった? ohって。」

「ド、ドレ~ディァ~?」

「なんの事かなじゃねーよ。バレないとでも思ってたのかお前は」

「ディッ ★ミ」

「……まあいっか。俺の周りがおかしいことなんざ今に始まった事じゃない」

「ディ~、ア~」

 

そうだそうだ、と言わんばかりに肩をポンポンと叩いてくるドレディアさん。

実際んとこ俺の周りでおかしいのの筆頭ってダグトリオぶッちぎって君なんだけどね?

 

 

さーてもうちょっと歩けば愛しの  ……おや?

 

 

何やら影が見えたので目を凝らしたら、ミロカロスがポケモンセンターの入り口横にいるではないか。

んんん、出る時に起こしてしまったかな? そんでいなくなっちまった俺を待っててくれたとかかね。

 

お、ミロカロスがこっちに気付いた。

 

「ホォァァ~~~~♪」

「おーう、おはようー」

「ディーアー」

 

綺麗に鳴き声を上げたので……まあ多分朝の挨拶だろう、こちらも挨拶を返しておいた。

俺らがポケモンセンターに近づくのと同じく、ミロカロスもゆったりとこちらに寄ってきた。

 

「どしたんよミロカロス、こんな朝っぱらからあんなところにいて」

「ホァ~♪」

 

oh、なんと。

【お二人が仲良く帰ってくるのをお待ちしていたのですよ♪】ですと。

なんだ、静かに迎えに行く……訂正。懐柔しに行くの、バレてたか。

 

「参ったな、お前にゃかなわねぇや」

「~~~♪」

 

う、ぬ……このやろうニコニコしよってからに。

【その様子だとちゃんと仲直りも終えているみたいですねぇ♪】と言っている。

くそ、その笑顔なんかむかつくな。飯にハバネロ仕込んでやろうか。

 

横を見てみるとドレディアさんも再度ゆでだこになってやがった。

今なら特性もスナイパーになっていそうである。 

 

「ディ、ァ……///」

「~~~~♪」

 

ドレディアさんの体にシュルシュルと巻きついていくミロカロス。

何やら二人で会話っぽいのを始めたが、俺は特に興味が湧かない。

とりあえずは飯も作らないとなんねえし、とっとと台所に行こう。

サンドの分はさておいて、+α×3の分も作らなきゃダメかなー、やっぱ。

 

 

 

 

そんなわけで、飯も食い終わり修行場in俺ら。

なお、サンド連盟は招待しておりません。

俺が育成を頼まれたのはあくまでもあの二人。お金まで頂いているのだ。

そこに身内とはいえ無料で育成に近い形のネタばらしをするつもりは無い。

 

『面子』

・俺

・ドレディアさん

・ミロカロス

・321ダグ

・ミュウ

・ダナ

 

なお、朝の食事中に聴いたのだが……あのPTでの実力者はなんとサンドらしい。

レベルが30以上は開いているアカネさんのミルタンクですら歯が立たないそうである。

なんでだろう……? 俺と戦った時はディグダこそ急所で仕留めてたけど

ドレディアさんと戦った時は一秒で終わったよな……?

 

 

 

※一度修行に参加しているからです。若干バグってます。

 

 

 

まあそういうわけで、朝から育成訓練となったわけだ。

 

 

「そういえばお前等のレベルって全然見てなかったなぁ……

 ちょっと見せてもらうけど、別に構わんよな?」

「ピィョル!」

「ゥモン!」

「あいあいーっと、ポケズポケズっと……」

 

リュックをごそごそしてポケモン図鑑を取り出し、かちっと電源を入れてみる。

 

 

ブゥゥゥン。

電源が付いた。

 

 

「あれ?」

 

既に画面になんやら文字が書かれているな……なになに。

 

 

 

 

 

 

 

 

[> とうききゅうぎょうまえだおしちゅうにつき りんじきゅうぎょうちゅう

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は無言でポケズを全力投球して森の中に捨てた。

 

 

 

 

「いや、わりぃな。俺のポケモン図鑑なんか調子悪いみたいだわ。

 自己申告で申し訳ねえけど教えてもらえるか?」

「ぴ、ピィョ……;」

 

【あれはいいのですか?;】とな。良いに決まってんじゃん。知らんわもう。

 

 

「ゥモン」

「ピィョルォォォン」

 

ほうほう。

 

ナゲキがLv81でダゲキがLv43とな。

 

 

 

 

 

「いやいやいやいやいやいやいや。81とかあんた」

「ゥ、ゥモン……」

 

ナゲキやべえ。

いや、でもコクランさんだしこんなもんなのだろうか……?

 

ていうかドレディアさん、あんたが一撃で倒したダゲキLv43なんですけど。

属性一致してるわけでもないのにLv12の差を一撃ってあんた一体なんなんだ。

しかもダゲキって特性がんじょうなのが有名じゃなかったっけ……?

 

「ディッ!!」

 

えっへんとなんやら無駄に自慢げにしてていらついたので、胸を揉んだらぶん殴られた。

 

「ま、とりあえず俺らの訓練方式から行こうかー」

「オッス!」

「オッス!」

 

というわけで訓練開始。まずは概念からの説明である。

 

「一応前提として確認させてもらいたいんだけどさ。

 ダゲキは投げるのが嫌で、ナゲキは殴る蹴るをしないんだよな?」

『(コクコク)』

「それってプライドかなんか?」

『オッス!!』

「ぜってー譲れない?」

『ッ……! ……。』

 

【出来る事ならご勘弁を……】か。

まあ嫌がってるって訳じゃなければ別にいいかな。正直適当に論破すればいいし。

 

「まあオッケーオッケー、わかったわ。そこら辺は考慮しておくな」

『オッス!!』

「じゃ、早速学んでもらおうか。まず最初にひとつ……

【勝ちにこだわれ。例え何を使ってでも】。

 これ、一番重要だからしっかり記憶するように。」

『……?』

 

【当たり前のことでは?】と首を傾げる2人。

まあ言葉だけじゃよくわからんよなー。「何を使ってでも」って言われても。

 

「ま、俺らが普段やるのはトレーナー戦だからさ?

 なんでも使える状況って限られてっけど……

 野生のポケモンと戦う時なんかはルールなんてないだろ?」

『(コクコク)』

「一応は野生での戦いを想定して、教えを吸収していってくれ。

 あとダゲキ。お前にはまず投げを教える」

「ピィョ?!」

「ああ、待て。慌てるな。

【言ってる事が違う】ってのもまあ言葉だけならその通りだが

 別に投げるっつっても掴んで投げるだけが『投げ』じゃない」

「? ???」

 

ちょっと言葉遊びのような状態になってしまったので

さっそくだがダグ共に参考例をやらせてみることにした。

 

「じゃ、まずはダグONEに模範演技をしてもらおう」

 

TWOとⅢは演技のために既に動いている。

木片を2個設置完了。仮に木片A、Bとする。

 

「んじゃダグONE頼むー」

「ッ!」

 

シュッ

バコォッ。A    →   →  → →  ΣAB パカァン

 

「という感じにだな。

 ひとつの対象を蹴り飛ばして、相手にぶつけるといったイメージだ」

「オッス」

 

今ダグONEにやってもらったのは木片Aを蹴っ飛ばしてBにボーリングしてもらったという図である。

 

「本来ならこれも掴んで投げた方が簡単だな? でもってダゲキはプライドがあるからやらん、と」

「(コクコク)」

「なら蹴り飛ばせば良い。以上」

「─────!」

 

【なるほど、やはりそういうことか】ですってよ。

お前どこのダディャーナザンだよ。

 

「他にも小技としてー。」

 

俺はつま先を森の地面にザッシュザッシュと打ち付ける。

土が若干掘られてやわらかくなった。

 

『……?』

「こうしまーす。」

 

土につま先をつけたまま前蹴りをする。

当然つま先に乗っていた土は蹴りの軌道と同じく

バラけながら放物線を描いて飛んでいった。

 

「蹴る事を目的とせず、元から土を飛ばすために蹴るッつー事な」

「……オッス」

 

どうやら余り納得がいかないらしいが……ここで詭弁の登場である。クケケケ。

 

「お前はまあ自称武道家だし、こういう卑怯なのは嫌かもしれんがな?」

「……」

「勝たなきゃ意味ねえんだよ」

「ッ?!」

 

それは納得出来ない!! とばかりに立ち上がるが……俺はそれを手で制す。

 

「いいか? 勝てば官軍負ければ賊軍なんて言葉もあってな。

 内容を主張出来るのは決まって勝者なんだよ」

「ッ─────」

「負けた方が何を言ったところで負け犬の遠吠えだ。

 だったら合理的な手段なら何をやってでも、まず勝たなきゃ始まらない」

 

歴史ってのは大体が勝者が勝手に改ざんして作り上げたモンなはずだ。

参考例は常に勝者でしかない。素晴らしいまでに弱肉強食である。

 

「だから反則じゃなければ何をしても良い。最低限維持したいプライド以外は捨てろ。

 とにかく、勝て。考える限り出来る事をやりつくして、それでも無理なら負けろ」

「───オッス!!」

 

強引にねじ伏せる理論になってしまったが、まあ間違いすぎちゃいないだろう。

ゲームでも、試合でも、勝ったヤツが正しいんだ。

 

厨キャラ? 卑怯? それがなんだというのか。なら何故お前等はそれを使わない?

 

結論はこうなる。勝たなきゃ何も始まらない。これは真理である。

 

 

 

 

そんな感じに、戦場での心構えを懇々と説いていった。

まあ今回はダゲキ寄りに説明させてもらっているが、今はまだ偏っててもよかろう。

 

んで次は実技指導ってことで色々とテクニカルな技を教えている。主に陣内流柔術。

幸いダグトリオがしっかりと覚えているから、蹴り当てや打撃技をすっぱ抜いて

体捌きも踏まえ、それを指導していたわけである。

 

 

で、教えてる最中に閃いた。

元々陣内流は教える予定だった。でもってダゲキは胴衣を着ている。

黒い胴衣にしたらもっと陣内流っぽくなるんじゃね? って思ったのだ。

 

んっふっふ、用意しておいたんだこれが! ご都合主義? 万歳三唱。

細かい作りは覚えてないけど、黒い胴衣を着せればもはや陣内流にしか見えぬ!

 

そんなわけで。

 

「そうそう、ダゲキにプレゼントがあるんだ」

「ピィョ?」

 

リュックから黒い胴衣を取り出して、ダゲキに見せてみる。

 

「これは今教えてる陣内流って技を作った人たちが好んで来ている胴衣でな。

 カッコイイと思わんかねダゲキ君。これを君にあげようと思う」

「ッ!?」

 

【いいんすか師範?!】と意を返してきた。

んっふっふー、もちろんではないかダゲキ君。君のために用意したのだから。

 

「サイズは適当だけど動き難い作りにはしてないはずだ。

 よかったらさっそく着込んでみてくれ」

「ピィョルォォォォォオン!!」

 

横で【いいなー】とか思いながら見ているナゲキは一旦置いといて。

ダゲキは礼を持って俺から胴衣を受け取り、早速着込んでいた。

胴衣の下はあれだったわ。ダグトリオと同じ感じ。

チクビがなくて股間の王者も存在していない、全身タイツ風味。

 

 

 

そして着替えが完了し、俺らの方に振り返ったダゲキ。

 

「おぉぉぉお……!!」

「ディ……!」

「ホァ……!!」

「Zzz……」

 

寝るなやミュウ。見とけや。お前の授業も兼ねてんだぞ。

 

まあともあれ、今までの白からいきなり黒になったって斬新さもあり

なんかすんげーかっこよくなりやがったダゲキ。

 

「すっげーぞ! 似合ってるッ! 超似合ってるー!」

「───。」

 

 

 

 

 

あれ?

 

なんか様子おかしい。

上を見上げて……なんかダゲキの体がどくんどくんと……心臓が動いてるのがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり光りだした。

 

 

 

 

 

 

 

「ぅおおおおおおおい!!??  お前もか?!」

 

 

 

 

セイリュウに引き続きおめーもかコノヤロウ?!

どーなってんだよ俺の周り本当によー!!

 

 

あれ?

でも光ってる割には音楽とか無いな。

いつもならでんでんでんでー♪ってなってんのに。

 

あ、臨時休業中って書いてたっけそういえば。

とことん役に立たねぇなあいつ。

 

 

てか進化させていいのこれ?! カズ君に許可とか必要なんじゃねーのこれ?!

しかもダゲキって進化しないはずだよね!?

 

 

 

 

って迷っているうちに進化直前までっ!!

もう間に合わな───

 

 

 

ピカァァァァァァァァァン!!!

 

 

 

「ぬわーーーー!!」

「ディァーーーー!!」

「ホァァァー!!!」

「Zzz……」

『(地面に犬神家)』

 

 

ダゲキがとんでもなく眩しい光を最後に放ち……光が収まる頃、俺はダゲキが居た所を見た。

 

するとそこには

 

 

 

 

 

 

 

買ってやったオニューだったはずの胴衣の上着のうちの

 

腕を通す部分が何故か既にボロボロでちぎれており、まるでベストのようになっていて

 

そのベストの肩からは気迫なのかなんなのか、オーラみたいな炎がゆらゆらしていて

 

黒かった瞳は赤い瞳孔になっていた。

 

そして顔の形も瞳以外に何も変わらず、頭もしっかり坊主のままだが

 

何故か首の周りにでっけー数珠がついている。

 

極めつけに、胴衣の背中には……ただ一文字。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『天』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、光り輝いていた。

 

 

 

 

「メッサツ……!」

 

 

その見た目から連想出来るのは、もうアイツしかいない。

 

 

「ご……ご、ご……」

「ディ……?」

「ホ~ァ……」

 

 

 

 

 

「豪鬼だぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

そこにはストIIの豪鬼そっくりになってしまったダゲキが立っていた。

あ、でも顔は鬼みたいではない。格好だけね。

 

それはさておき、もうなんていうかなんだろう、なんなんだろう。

どうすればいいかわからない。もう帰って寝ようかな。

 

 


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